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東北の石巻に引っ越しを果たした4年振りの「ap bank fes」。このフェスにはBank Bandという、日本のトップミュージシャンによって構成されるスペシャルバンドが、さまざまな音楽的な素養を持った優れたゲストボーカリストを招き入れ、数々の名曲を披露するスペシャルセットがある。そこから生まれた音楽の力がまずは素晴らしかった。今回の石巻の海沿いの会場は、震災後しばらくは撤去した瓦礫を処理する場所として使用されていた。そんな特別な場所にて開催されるフェスだからこそ、気持ちの込め方がとてつもなくスピリチュアル、かつ優しくて強いものになっていたのが印象的だった。
自分が歌ったり音を鳴らすことが、石巻、そして東北のどんな力になるのか?それを心の底から考えて選曲された「救いの歌」が、櫻井和寿、藤巻亮太、スガシカオ、MISIAを始めとするこの国のシーンを牽引するアーティストによって歌われ、各日約 18,000人もの人々の勇気にもなったし、オーディエンスにとっても「自分らもさらに出来ることをやろう」というダイレクトな力になっていたようだった。
今回の Reborn-Art Festival×ap bank fes 2016にはゲストボーカルのみならず、さまざまなバンドやユニットも出演した。今までは割とポップな音楽性や存在感を放つアーティストの出演が多かったが、今回はMr.ChildrenやYEN TOWN BANDのようなバンドに加え、WANIMAのようなパンク勢、そして七尾旅人や、あらかじめ決められた恋人たちへのようなアンダーグラウンドで良質な音楽を追究しているアーティストにも白羽の矢が立ち、様々な音楽の道を楽しく探求出来るフェスとなったのも印象的だった。これもひとえに Reborn-Art Festivalという石巻や牡鹿半島で来年から本格的に開催される芸術・食・音楽の総合祭を盛り上げるための前哨戦という役割を持ったフェスならではの、他のどのフェスとも異なる大志を感じた。実際にオープニングでは地元の和太鼓奏者「渡波獅子風流塾」や、桜坂高校・好文館高校の合唱団なども出演し、Bank Bandとの共演を果たした。地域と繋がる音楽の可能性を示す、新しい現場がここに生まれたのだ。
このフェスに出演することに音楽家としての誇りを抱いた多くのアーティストは、口々に「こんなにも歌い易い、音を出し易いフェスもなかなかない」と感動していた。この5年間で何度も復興を手掛けた上で出演した多くのアーティストは、石巻にこんなにも大きなステージが生まれ、そこに各日市民の人口の 1割以上の音楽ファンが集まったことを自分のこと以上に喜び、そんな場所で歌えたことにこれから様々な可能性を感じていた。
取材・文/ATSUSHI SHIKANO
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