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5月22日、会場である赤坂BLITZの照明が暗くなると、まず最初に聴こえてきたのは、医療モニターが心臓の拍動を刻む音。そして救急車のサイレンが鳴り、不穏なイントロが響き渡る中、ステージ上に現れたジェイムス・アーサーは、初のジャパン・ツアーの初日公演を「バック・フロム・ジ・エッジ」でスタートした。日本では今年1月にリリースされた、2ndアルバムの冒頭を飾る表題曲だ。同アルバムからの曲を中心に、日本未発表の1st『James Arthur』から4つのシングル曲、「You’re Nobody ‘Til Somebody Loves You」、「Impossible」、「et Down」、「ecovery」を交えて、計16曲のセットを披露してくれた。

少年時代から問題児で、一時は路上生活に陥りながらも音楽活動を続けて、2012年、「Xファクター」の第9シーズンで優勝。なのにまたもやスキャンダルを起こし、ふたたび奇跡的なカムバック……という、ストーリーの主人公であるジェイムス。つまり今夜のパフォーマンスは、彼のテーマソングと呼ぶべき「バック・フロム・ジ・エッジ」(“崖っぷちからの帰還”の意)で幕を開けたわけだが、まさに波瀾の人生を物語っているかのような、スモーキーで迫力ある歌声を存分に堪能させ、ギター、ベース、ドラムス、キーボードの、4ピースから成るバンドの肉厚なバッキングと対等に渡り合う。

全体的にアルバムの印象より遥かにロックで、ときおり自らもギターを弾いてジャムに加わる姿は、バンド活動に明け暮れていた少年時代を想像させるものだ。その一方で、「自分がものすごくダークな場所にいた頃の曲」と紹介した「トレイン・レック」や、キーボードとアコギだけでプレイした「セーフ・インサイド」、やはりアコギで縁どったラブソング「キャン・アイ・ビー・ヒム」などなど、ダウンテンポに転じた時の抑えた歌声も実に魅力的。途端にマスキュリンな声が無防備な繊細さを纏って、生粋のソウルシンガーに転身し、かと思えば、ラップも織り交ぜて芸達者ぶりを見せつける。

事前に「日本のファンは控えめ」と聞いていたジェイムスだが、実際ステージに立って、ファンの熱狂的なリアクションに率直に驚いていた様子で、感謝の念を示すように、或いは自分の真摯な気持ちを強調するかのように、しばしば胸に手を宛てて歌う姿が印象的だった。女性だけでなく男性からも“アイ・ラヴ・ユー!”の言葉が投げかけられていたが、「Xファクター」出身者はもちろん、最近の英国のソロアーティストとしては見かけない男くささや、アウトサイダー感を思うと、同性を惹き付けるのも納得できる。そして、そういう声援に丁寧に応え、ステージの端から握手の手を延ばしていた彼は、日本語には少々手こずっていて、「アリガトウ」が精一杯だったものの、「日本に来てから食べてばっかで太っちゃったよ」とか、「女性たちはどこだい?あとで会おうね!」とふざけてみたり……。歌もMCも、勝気さと謙虚さが混在しているところが、この人の持ち味なのだろう。

終盤には旺盛な遊び心を見せつけて、昨秋ジェイムスから全英No.1の座を奪った、クリーン・バンディットの「ロッカバイ」をカバー。「ナンバーワンを譲ることになったのは悔しいけど、いい曲であることは間違いないからね」と、トロピカルハウスの原曲をロックに料理して聴かせる。その「ロッカバイ」に1位の座を奪われた曲とは言うまでもなく、『バック・フロム・ジ・エッジ』からの先行シングルで、ジェイムスの復活を告げた「セイ・ユー・ウォント・レット・ゴー ?最愛の君へ」だ。アメリカではHOT 100の最高13位を記録するロングヒットを記録し、日本でもすっかりお馴染みの曲とあって、オーディエンスとの合唱でセットを締め括った。歌い終えると、バンドメンバーと並んで一礼し、もう一度胸に手を当てて、名残惜し気に去って行った彼。「一晩中ここにいたいよ!」と口にした時は、本気だったんじゃないだろうか?

ジェイムス・アーサーの初来日公演「James Arthur Japan tour 2017」は5月23日(火)名古屋クラブクアトロ、24日(水)大阪 BIGCATと続く。



Photo by Kazumichi Kokei



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