──現在、「この夏、好きになっちゃえばいいのに。」と題した5曲連続配信リリース中ですが、デートを楽しむ女の子の1日を描いた第一弾「メランコリックハニー」(4月30日リリース)に続く第二弾「アイドル衣装」(5月28日リリース)から振り返っていただけますか?
東山 恵里沙「タイトルからも分かる通りにアイドルの衣装をテーマにした楽曲です。私は<夢を着ていたい>という歌詞が一番お気に入りで、<衣装>を<夢>って例えているのがとてもエモくて“いいなぁ!”って感動しました」
葉月 紗蘭「私たちの衣装への想いを歌った楽曲でもあるんですけど、私たちからファンの皆様に向けた楽曲にもなっていて、特にサビの歌詞がファンの方に伝えたい想いが込められています。<このステージ 瞬く星/ずっと見つめてほしい>という私たちの想いが伝わると嬉しいです」
日向端 ひな「<普通な私に/魔法をかけてくれた>って歌詞もあって。私服を着ている普段の私たちは“普通”だけど、衣装を着ることによって、アイドルになれている。“衣装が私たちに魔法をかけてくれた“って感じがしてすごく好きです。レコーディングでは最初、それこそファンの方に優しく語りかけるように歌おうと考えていたんですけど、Honeyworksさんに”想いを届ける感じで強めに歌って“ってディレクションしていただいて。キーが高いのでかなり苦戦したんですけど、完成した音源を聴いた時にすごく感動しました。気持ちや想いが伝わる楽曲になったので、頑張って良かったです」
──MVではこれまで以上にグループとして踊っている印象を受けました。
東山「高嶺のなでしこには、これまでにもエモい楽曲はあるんですけど、その楽曲と差別化するためにフォーメーション移動を多めにしたダンスを作ってくださいました。だから、バラバラで移動するんじゃなくて、みんなで固まって移動することが多い曲なんです。フォーメーション移動でメンバーとぶつからないように工夫したりだとか、移動するときのステップの踏み方を考えたりして…。すごく苦戦はしたんですけど、MV撮影のときにもダンスの振り付けの先生が来てくださって、アドバイスをしていただきました。みんなでたくさん踊って頑張りました!」
日向端「MV撮影の時は立ち位置も少し狭い場所で踊らなくちゃいけなくて。みんなで何回も合わせましたし、カメラもいろんな場所から撮ってくださっていて。最終的にリップシンクとダンスだけで構成されているシンプルなMVになったんですけど、ダンスシーンをたくさん撮っていく中で、だんだんファンの皆さんの前でライブをしている時みたいな気分になって、すごく楽しくなりました。みんなで“もう一回、頑張ろう!”とか、声を掛け合ったりしている時に、ちょっと青春感を感じたりもして(笑)。ファンの皆さんにもまるでライブを見ているかのような感覚を受け取ってもらえるかな?って思っています」
──「アイドル衣装」がアイドルグループとしての青春だとすると、6月18日にリリースされた第三弾「初恋のこたえ。」は学生の青春ラブソングになっていますね。
東山「実はこの曲、2023年7月に配信リリースした「初恋のひと。」のアナザーソングになっているんですよ。HoneyWorksさんにはストーリーがつながっている楽曲があったりするんですけど、高嶺のなでしこには、今までそういう楽曲がなかったので、“エモいな”って思いました。同じ空間を過ごしているけど、目線違いの楽曲がHoneyWorksさんっぽいですし、そういう楽曲をいただけたことが嬉しかったです。今回、男の子と女の子の目線の歌詞を両方聴いてみて、お互いが相手に嫌われているんじゃないか?って不安に思っている感じが初々しくて…まさに初恋感があって好きな曲です」
日向端「最初はアナザーソングだってことを知らせれていなかったんですよ。お家にいた時に「初恋のこたえ。」が送られてきて…タイトルを見た時に“「初恋のひと。」と似てない?”と思って聴いてみたら、アンサーソングでした。歌詞を見ながら聴いていると、“「初恋のひと。」の時はこう見えていたのに、「初恋のこたえ。」だと実はこうだったんだ!”って分かって。そういうのが楽しくて、ずっと聴き比べしてました」
葉月「私も最初聴いたときに「初恋のひと。」がすぐ思い浮かびました。「初恋のひと。」って、夏フェスで盛り上がるたかねこの楽曲ですし、たかねこの夏曲といえば「初恋のひと。」だったんです。だから、“「初恋のひと。」と同じぐらい盛り上がる夏曲がきた!”って嬉しかったですし、それこそ「初恋のひと。」と「初恋のこたえ。」をライブで続けてやってみたい…って想像したりしました」
──どんな二人のどんな初恋ストーリーだと言えばいいですか?
葉月「入学式の時に出会って、お互いに一目惚れをするんですけど、ちょっとすれ違いが起きちゃって…学校内での青春というか、それこそ王道の甘酸っぱい楽曲になっています。学生の方はご自身の学校生活を当てはめて聴いてほしいですし、大人の方にはその頃を思い出して懐かしんでもらえたら嬉しいです」
東山「私はお互いがちょっと人見知りなのかな?って思っています(笑)。でも、どちらかというと、女の子からグイグイいってるので、“勇気出してるな!”と思っていて。男の子目線の「初恋のひと。」では、“一緒に行こう”って勉強会に誘われた男の子が、無愛想に“いいよ”って答えている描写があるんですけど、女の子目線の「初恋のこたえ。」では<驚いた顔⾒せて/「いいよ」と君は頷く>って歌詞なんです。男の子の方が恥ずかしさを抑えきれていなかったのが“可愛いな”って思って。男の子がちょっと人見知りで、恥ずかしがり屋さんなのかな?って思っています」
日向端「私は“お互いにとてもマイナス思考だなぁ“と思いました。お互いが、”嫌われちゃったかな?“って不安に感じているんです。男の子の方なんて、<恋してごめん>って謝ってるんですよ。だけど、気づいていないだけで両想いじゃないですか。だから、こっちがもどかしくなっちゃって…。聴いていて、”早く付き合っちゃえばいいのに!”ってなってました(笑)」
──(笑)「初恋のこたえ。」の最後、やっと男の子の方が気持ちを伝えて、初恋が実っていますね。
東山「そうなんです。松本ももなちゃんが「初恋のひと。」のMVで最後、口パクで何かを言っているところで終わるんですけど、それが実は“片思いだと思ってた”って言っていたんですよ。それが、「初恋のこたえ。」にそのまま歌詞に入っていて。それこそ答え合わせというか、初めて聴いた時はすごく鳥肌が立ちました!」
──MVも「初恋のひと。」と繋がっていますよね。
東山「プール掃除を同じシチュエーションでやったりしていて。「初恋のひと。」が再現されている感じでいいなって思っていました」
日向端「「初恋のひと。」で着ていたのと同じ衣装で撮影させていただいたので、2年前に戻った気分になって不思議な感じがしました。それこそ本当に青春と言われるものが詰め込まれていて…プール掃除もしたし、花火もして…」
東山「初恋のひと。」は制服のままだったんですけど、今回、花火のシーンでは浴衣になって。いつもと違うたかねこも見ていただけると思いますし、青春をたかねこで過ごしている感じがして、ちょっと昔に戻ったような気持ちにもなったので、すごく楽しい撮影でした」
日向端「プールサイドでみんなでアイスを食べたりとかね。なかなかできない経験もできて楽しかったです。授業中のシーンもあったんですけど、みんなが黒板やノートに落書きしているのを見て、“青春だな!”って感じていました」
葉月「MVの撮影日は雨予報だったんですけど、カラッと晴れたんですよ! 実は2年前のMVを撮った日にゲリラ豪雨が降って…」
日向端「確かに!」
東山「そうだった!」
葉月「そういうところもリンクしていて、“ちょっと奇跡みたいだな“ってウキウキしていました。画角も前に見たのと似ていて、2年前の記憶がすごく蘇ってきました。”たかねこ、2年も続けてきたんだ“っていう実感もありましたし、2年続けてきたからこそできるMVの撮り方でもあって、本当に嬉しかったです」
──さらに、7月2日には第四弾「ライフクエスト」がリリースされました。この曲は、ドラマ『晩酌の流儀4 ~夏編~』のエンディングテーマになっています。
東山「たかねことして、初めてドラマのエンディングテーマを務めさせていただくのが素直に嬉しいです。高嶺のなでしこをたくさんの方に知っていただける機会にもなると思うので、“頑張らなきゃ!”って気合いが入っています」
葉月「私は仕事で夜遅くに家に帰っても、ママがちょっとしたものを準備してくれていて。果物を食べたりするのがとても好きなので、『晩酌の流儀4 ~夏編~』のエンディングテーマを歌わせていただけるのは嬉しいですし、夜に聴くことになると思うので、皆さんに“明日への元気“をお渡しできる楽曲になるといいなって思います」
日向端「ドラマのエディングテーマに起用されるとは思っていなかったので、最初に聞いた時は驚きました。お食事に関するドラマなので、歌詞にもお食事に関連する歌詞がたくさんありますし、人生をゲームに例えているのも面白いなと思いました」
──歌詞はどう捉えましたか? 「初恋のひと。」は学生が主人公でしたが、「ライフクエスト」はもう少し大人ですよね。<苦味さえ深みに変わる>と歌っていますし…。
東山「日々の辛いことや困難を乗り越えていく楽曲になっています。人生を<ハードモード>と例えたり、<クエストをクリアしよう>とか、<セーブ>や<リセット>、<レベル上げ>と、ゲームに出てくるような単語がたくさんあって。“辛いことも、これはクエストだから頑張ろう“って思える楽曲だと思ったので、たかねこのファンの方もそうですし、たかねこのことを知らない方でも勇気づけられる素敵な楽曲だと思います」
葉月「歌詞にはネガティブな言葉も出てくるんですけど、ゲームのように第三者目線で見ていると思いました。辛いことが起きた時に、プレイヤーである自分が、“こうしたらいいんじゃない?”と言ってくれている感じです。内容も自分に当てはまるというか…感情移入ができます。普段、大変なお仕事をされている皆さんもきっと当てはまる部分がたくさんあると思うんです。リズムもアップテンポで楽しい気分になるので、自分で自分を励ましながら聴ける楽曲だと思います」
──ドラマの主人公は働く女性ですが、葉月さんが重なったのはどんな部分ですか?
葉月「ヒールは履かないんですけど(笑)、<頭を下げ続けた今日は/悔しくて涙をこぼれた>とか…。営業職ではないですけど、自分が失敗しちゃった時に、自分が嫌になっちゃうことってあると思うんです。人に対して怒っているというよりは、自分に対する苛立ちからくる悔しさで、涙が溢れる気持ちってすごく分かります。そんな時は私も“1年後に笑える話にできたらいいな”って思ったりするので、ちょっと共感しちゃいました」
日向端「うんうん。この曲の主人公は、心は折れながらも、幸せを自分で切り開いて頑張ろうとしているんですよね。悔しくて涙がこぼれたけど、夜には笑える話にしようっていう、プラスな言葉もたくさんあって。聴いていると勇気がもらえるし、たくさんの方の背中を押せる曲だなって思いました」

──ちなみに皆さんはお仕事を頑張ったときのご褒美は何かありますか? このドラマの女性はお酒を美味しく飲みことをひたすら追求していますが。
東山「私はアイドルさんが大好きなので、ライブに行く予定を立てて、“この日まで頑張ろう!”ってモチベーションにしています。そして、そのライブを見に行って、アイドルさんからパワーをもらうことが多いです。例えば、私は=LOVEさんが大好きなので、イコラブさんのライブに行かせていただくと、可愛いオーラやマイナスイオンが溢れている気がして…そこからパワーをもらっています」
──それは、東山さんのステージを見に行っているファンの方も一緒ですよね。ライブを見に行くために、日々の学校や仕事を頑張るっていう…。
東山「そうですよね。ファンの方が“たかねこちゃんのライブの予定があったから、頑張れたよ”って言ってくださるのを聞くと、“誰かの活力になっているんだな”って思えて嬉しくて。それ自体が私のモチベーションにもなっているので、ファンの方に感謝の気持ちでいっぱいです」
──日向端さんのご褒美は?
日向端「私はアニメが大好きなので、お家に帰ってアニメを見ることが楽しみです。あとお母さんが作ってくれるご飯も大好きなので、お母さんが作ってくれたご飯を食べる時間とアニメを見る時間がご褒美です。気がつけば5話連続で見ちゃうこともあって…。深夜になって“寝なきゃ!”って焦ることもあるんですけど、その時間すら幸せです」
葉月「私は映画を観るのが好きなんですけど、ながら作業になっちゃうことが多くて…。だから、最近お休みの日には本を読むようにしています。本を読むのは、何かをしながらだと出来ないじゃないですか。趣味に費やしている時間だけど“自分のために時間を使っている”って感じがして嬉しいですし、自分を大事にしてあげられている気がして。物語の中に没頭できて、気分も明るくなるので、そういうことを休みの日にしています」
──ちなみにどんな本を読んでいるんですか?
葉月「今は、東野圭吾さんの『プラチナデータ』を読んでいます。その前はお姉ちゃんに借りた森博嗣さんの『すべてがFになる』を読んでいました。少し怖い心理描写もあるんですけど、私はミステリー系が好きなので。最後にどんでん返しがあるとスッキリしますし、“なるほど〜”みたいな気持ちになって楽しいです」
──ありがとうございます。
──この後、8月には「この夏、好きになっちゃえばいいのに。」シリーズの最終章となる第五弾のリリースが控えています。
東山「5曲連続配信リリースの最後の楽曲がどんな楽曲になるのかは、今はわからないんですけど、これまでの4曲はどの楽曲もテイストが違っていて。可愛いい曲もあれば、エモい曲もあったので、この5曲を通して、いろいろな高嶺のなでしこを知っていただけるきっかけになればいいなと思います。きっと皆さんに刺さる曲があると思うので、たくさん聴いてほしいです。それに、私たち自身もHoneyWorksさんの幅広い世界観の楽曲をしっかり表現できるアイドルになれるように、幕張のステージに向けて、まだまだ頑張ります!」
──今、お話に出ましたが、9月7日には『高嶺のなでしこ 3rd ANNIVERSARY CONCERT 「A Wonderful Encounter」』が幕張イベントホールで開催されますね。
葉月「私たちの3周年記念ライブなので、これまでの集大成にもなりますし、3年間の成長を見ていただけるライブにしたいです。来てくださるファンの皆さんは、最近、たかねこを好きになってくださった方や、少しだけ気になってきたっていう方もいらっしゃると思いますし、もちろん、以前からずっと好きでいてくれる方もいらっしゃると思うんです。どの方にも“たかねこを好きになってよかったな”って思っていただけるライブにしたいので、パフォーマンス面もしっかりと頑張りたいですし、来ていただいた方、全員が楽しんでいただけるような演出になるように、精いっぱい準備をして当日を迎えたいです」
日向端「高嶺のなでしこ、過去最大規模のライブとなるので、この5曲連続配信リリースを経て、初めて来てくださる方もきっといると思うんです。私たちが“会場を満員にしたい!”と言っているので、“友達を連れていくね”って言ってくださるファンの方も多くて。そのお友達も楽しんでいただけるように、パフォーマンスも頑張りたいですし、会場の奥の方にまで届けられるようなライブをしたいです。この夏、たくさんの方に“たかねこに会いに行きたい”って思っていただけるように頑張ります!」
東山「“3年”って、すごく大きな数字だと思っています。やっぱり“もう新人じゃない”って数字だと思っているので、ずっと高嶺のなでしこを応援してくださっている皆さんには“応援してよかったな”って思っていただきたいですし、初めて見てくださる方には“来てよかった、また来よう”って思っていただけるようなライブにしたいです。そのためにもパフォーマンスを一生懸命頑張りたいですし、何よりも次のステージに繋げるようなライブにしたいです。いま、このインタビュー記事を読んでくださっている皆さんで、少しでも気になってくださった方は、ぜひこの機会に高嶺のなしこのライブに足を運んでくださったら嬉しいです」
──“次のステージ”とは、どんなものでしょうかか?
東山「次が何なのかは分からないんですけど、結成当初から“日本武道館のステージに立ちたい”というのはずっと目標として言ってきました。だから、いつになるかはまだわからないですけど、日本武道館のステージに向けて、みんなが楽しんでもらえるライブにしたいと思っています。幕張のステージで初めて来てくださる方も多いと思うので、そういう方たちにも好きになってもらえるように、グループの団結力やパフォーマンス力をもっともっと上げていくのも、次のステージに向かうための目標の1つだと思っています!」

(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/中村功
RELEASE INFROMATION
LIVE INFORMATION

『高嶺のなでしこ 3rd ANNIVERSARY CONCERT 「A Wonderful Encounter」』