Mitski『The Land Is Inhospitable And So Are We』
日本生まれNY在住ミツキ・ミヤワキのソロプロジェクト。アメリカのチャートで5位にランクイン、Rolling Stone誌からの評価等、もはや日本のスーパースターと言っても過言ではないMitski。思想が壮大で、忘れていた単純かつ大事な事を思い出させてくれて、映画のクライマックスのようなスケールの音楽には引きこまれてしまう音楽の中に入るような感覚。精神世界を音楽化し、ネガティブマインド、宇宙、ヒーリング、そんな現代社会に蔓延るリアルを追求したアートソング集。
Chilly Gonzales『French Kiss』
昔から今までbonjour recordsと言えば連想されるアーティストで、ヘビープッシュをし続けてきたChilly Gonzalesの最新作。正直聴くまで何をどうやってくるのか予測不可能な彼の今作はピアノでフレンチポップだったり、フランス語でちょっとラップ調の歌い方だったり、カッティングギター入りのダンスミュージックだったり。ざっくり言えばそうなのですが、長年活動を続けているにも関わらず、常に進化し、ネクストレベルまで上げて来るので、毎回次回作に期待をしてしまう正に逸材。
Tirzah『trip9love...???』
エモーショナル?破天荒?耳馴染みの無いディストーションがエクスペリメンタルという言葉に相応しく、独自性に溢れた作品。ミカチュー名義でも活躍し、今や映画音楽家としても知られるミカ・レヴィをプロデューサーに起用。何度もレコーディングし1年かけたこのアルバムは、2人が追い求めた結果の着地点。「愛」がテーマでもあり、理想と現実の大きな差、限界が無い事、悪夢etcと全てを愛に直結し、簡単だからこそ難しいテーマを持ったあるアルバム。
Bby Eco『O² O⁺』
アムステルダム拠点のBby Eco。Y2K感漂う風貌とは違った、ニューエイジでオーガニックなハイパーポップ。もはやカテゴライズも出来ないような、聴けばセンスを感じるニューカマーの最新作。アムステルダムのおしゃれな街並みよりは、自然にマッチするような電子音楽で声質は逸材に近いハイトーンボイス。MVを見ればなるほど……頷いてしまい、納得感がより倍増。目の付け所も最先端で、音楽シーンもかなり進んでいると実感。とにもかくにも“センス”ってこういう事なんだなと。
Nation Of Language『Strange Disciple』
米ブルックリンのシンセ・ポップ・バンドで過去作品が高い評価を得て、今作も期待されていたアルバムがドロップ。Yeah Yeah Yeahsのような2000年代感、New OrderのRegretのような切ない感。大人には懐かしく、若者には新鮮に聴こえるサウンド。3人のハーモニーが織りなすバンドサウンドにプロデューサーはNick Millhiser(Holy Ghost !、LCD Soundsystem)となれば悪いわけがない。
No Rome『Blueboy Must Die』
フィリピン、マニラ出身のアーティストNo RomeのMIX TAPEがリリース。人工知能、宗教の理想論、交友関係、友達について、果てはMort Garson「Plantasia」がインスパイアされた題材となっており、一見難解な言葉の羅列ですが、実際問題は現代社会へのメス入れとも言える。デジタルからネイチャーまで昨今の流行をグッと一まとめにし、No Romeが提案。無限インスピレーションスタイル。
Róisín Murphy 『Hit Parade』
レジェンドRóisín MurphyがDJ KOZEをプロデューサーに迎え入れた今作は、もうクレジットを見た段階で説明不要。そしてNinja Tuneからのリリースとなればもう完璧。ハイブランドとの仕事から、今を時めくスーパースターまで、誰もが一緒にやりたいアーティストでしょう。癖強のジャケットとMVは脳裏に焼き付き、音は鼓膜に焼き付く。やはりレジェンド枠、まさにプロフェッショナル流儀。流石の2人。
Lido『ULTRAVIOLET』
ノルウェーのプロデューサー、シンガー・ソングライター。過去にはホールジー、マライア・キャリー、ジェイデン・スミス等のビッグネームをプロデュース。リック・ルービンにも認められたLido。ノルウェーのオーロラのようにグラデーションされた上ネタは暗くも無く、明るくも無く、ひたすら美しい音色。ボーカルも相まってかなりハイセンスな楽曲です。プロデューサー界で、ここからもっと上に行くアーティストの一人になるであろう。消費音楽とは違う次元です。
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