2022 年にリリースしたアルバム『Sim, Sim, Sim』をもって MPB(ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)シーンに衝撃を与え「トロピカリアの再来」と称されたバンド、バーラ・デゼージョ。そのメンバーとして知られるジュリア・メストリが、ついに待望の 3rd アルバム『Maravilhosamente Bem』(2025)を5 月 23 日にリリースします。アルバムのプロデュースには、長年のコラボレーターであるガブリエル・キリーノ、ガブリエル・キント、ジョアン・モレイラらが参加しました。 

アルバムのコンセプトは 70~80's のディスコ/AOR サウンドへの愛溢れるオマージュ。まるで「ブラジルのロッ・クイーン」と言われるヒタ・リーによる名作『Rita Lee(1979)』と『Rita Lee(1980)』をひとまとめにしてみせたかのようです。 

ディスコティックなテイストは、ヒタ・リーはもちろん、「ディスコの女王」ドナ・サマー、「ブラジリアン・ディスコ・クイーン」レディー・ズー(Lady Zu)といったディスコ・ディーヴァたちへのオマージュでもあり、全体に通底する優雅なムードはシャーデーを思わせます。アルバム後半の「Marinou, Limou」において、80's のシンガー・ソングライターの中でも特に洗練されたサウンドで知られるマリーナ・リマをフィーチャーしているあたりも確信犯的。MPB に 70~80's のテイストを織り交ぜたサウンドは、同じくバーラ・デゼージョのドラ・モレレンバウムによるデビューアルバム『Pique』(2024)や、ディスコ・ブギーに接近したアナ・フランゴ・エレトリコの 3rd アルバム『Me Chama de Gato Que Eu Sou Sua』(2023)にも通じるものがあります。 

80's のバラード/MPB/ディスコからインスピレーションを得た本作で、ジュリア・メストリは自身のクリエイティブなヴィジョンを魅惑的な形で表現していると言えるでしょう。スター性あふれるステージングで観客を魅了するジュリア・メストリらしく、躍動的で煌びやかな作品です。 

制作は英国の Mr.Bongo が担当。日本での流通は diskunion が行い、5 月 23 日に CD とレコードで世界同時リリースされます。

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