機材トラブルのため、スタートが20分ほど遅れるというアクシデントに見舞われつつも、その時間がさらにMINI(INIのファンネーム)の期待を高める。そしてMCのおいでやす小田に続いてINIメンバーが登場すると、会場は大歓声と大きな拍手に包まれた。
最初に一言ずつ挨拶を求められたINIメンバー。「今日は『TAG ME』の魅力を存分に伝えられたらと思います」(田島 将吾)、収録曲「HANA_花」に絡めて「今日はみんなで楽しんで、笑顔という花を咲かせましょう」(後藤 威尊)など、思い思いにMINIへの想いを言葉にしていく中、池﨑 理人が「実はふくらはぎに湿布を貼っているので調子がいいです」と不思議な宣言をしたり、本日誕生を迎えた木村 柾哉が「26歳になりましたー!」と声を弾ませれば、同じく本日誕生日の佐野 雄大が「僕ちゃん、23歳になりました〜!」と声を上げるなど、登場からMINIを前にリラックスし、個性全開の様子。さらにMCのおいでやす小田から「始まる前、男子トイレから奇声が聞こえた気がするんですが…誰?」と聞かれると「よくあることなんで…」と特定できないようで、冒頭からさっそくINIのキャラクターが炸裂していた。
イベントでは『TAG ME』の魅力を伝えるためのゲームが行われた。最初に行われたのはNGワードゲーム。トークテーマに沿って会話をしながら、お互いのNGワードを言わせるというものだ。最初は西 洸人と後藤が対戦することに。2人のトークテーマは”「HANA_花」の振り付けポイント”で、NGワードは西が”ステップ”が後藤が”Bloom”。最初に西が「今までと違ってさわやかな曲になっていまして」と曲の説明をしたあと、「特に好きなポイントはありますか?」と後藤に尋ねると、後藤は「最初にみんなで円になるじゃないですか。そこから順番に舞っていくところが好き」と、自身がNGワードを口にしていないか不安そうにしながらも返答。西は「俺はサビ前のこういう振りがあるんだけど、サビに入る前の直前のあの…あれ、なんだっけ?」と、振り付けポイントをアピールしながらも、後藤にNGワードを言わせようとするも、後藤は見事回避し、結果は引き分けとなった。続く松田 迅と佐野の対戦では、対戦前に佐野が「今日23歳になったんで、年の差を見せつけてやろうと思います」と闘志を燃やせば、松田も「いいスタートを切らせてあげられなくてごめん」と返す一触触発ムードに。トークテーマ”MVの注目ポイント”に沿って、佐野が「花吹雪で遊んでいるシーンが好き」、松田が「プールに入ったシーンが楽しかった」と、お互いのNGワードを引き出そうとしながらもMVや撮影時のエピソードを明かしていく。なかなか互いにNGワードを言わずに延長戦にもつれ込むも、どちらからもNGワードが出ず、自身のNGワードを当てたほうが正解というルールに変更される。しかし、それでもなかなか2人とも当てられず、周りのメンバーがヒントを飛ばし、和やかなムードの中、松田が勝利を飾った。そんな2組の戦いぶりを見ていた田島と藤牧 京介が戦った最終戦では、2人とも「(NGワードのことは)気にせずしゃべります」、「普通に会話を楽しもうと思う」と、作戦を持って挑む。2人のトークテーマは”『TAG ME』収録曲の中でお気に入りの曲”。藤牧は自身が作詞を手がけた「YOU IN」を挙げ「切ない曲だし」とその理由を説明。田島も自身が作詞に参加した「TAG」について「自分に自信を持って」という想いを込めたと話しつつ、NGワードを言わせようと2人は他の楽曲にも言及するものの時間切れ。最終的には松田&佐野と同様に自身のNGワードを当てて引き分けとなった。
後半には収録曲「HANA_花」にちなんだゲーム「花言葉で褒めろ選手権」を実施。引いた花の花言葉を使ってMINIを褒め、誰が一番良かったかを決めるというゲームだ。まずは髙塚 大夢が「菊」(花言葉:高貴、高尚)を引き、「親愛なるMINIへ。どうして君はそんなに綺麗なんだ。まるで美しい菊を見ているようだ。そして君を見ているとまるで中世の世界に巻き込まれていくような感覚になるんだ。君は本当に美しい。僕の側でずっと僕を支え続けてほしい」とストレートに褒め、それを聞いていた池崎は「キュンキュンしたし、100点くらいあげたい!」と大興奮。続く許 豊凡は「ひまわり」で、「いつもいつもあなたは僕たちの太陽。僕たちが生きるエネルギーになってます。君の温かさ、いつも感じています。これからもお互い笑顔で未来へ一緒に進みましょう。ありがとう。大好き」と伝える。言い終えたあと、おいでやす小田に「花言葉は何でした?」と聞かれ、「憧れ」であると明かすと「使ってへんやん!」とツッコまれるも、「僕の言葉で憧れを…」とアレンジしたことを明かし、その機転の良さでさらにMINIの心を奪った。「クチナシ」(花言葉:とても幸せ、喜びを運ぶ)を引いた尾崎 匠海はラフな口調で「MINI、あのさ、いつもMINIには感謝してて。俺、めっちゃ幸せ。ほんまにさ、大変なこととかあってもMINIのことを思ったら頑張れるし、応援してもらえることが当たり前じゃないなっていつも思う。本当に“喜びを運ぶ花”やって思うな。MINIのみんな、俺はMINIが思ってる“好き”より、100倍好きだよ」と照れながら伝えるも、使われた花言葉があまりにもそのままだったため、メンバーからは思わず笑いが起こってしまった。続く池崎は「ススキ」(花言葉:活力、心が通じる、元気)を引くと、開口一番に「活力が湧きます」と一言。思わずおいでやす小田から「ちょっと待って!」と止められる場面も。気を取り直して再開するも「君のおかげで活力が湧きます。君がこっちを見てくれるだけで心が通じる。そして活力も湧くし、すなわち元気になります。とにかくMINIのおかげで活力も湧き…」と繰り返し、会場からは大きな笑い声が起きる。しかし、その状況こそが、活力に溢れた場であったことを書き加えておきたい。最後は木村。「ブーゲンビリア」(花言葉:あなたしか見えない)を引いた彼は「MINI、5thシングル『TAG ME』予約してくれた? 中にはメンバー11人の誰かのトレカとかステッカーが入ってるんだけど知ってる? そこでね、もしね、推しが出なくて俺が出たとしても、俺はずっとあなただけを見てるよ」「俺にはMINIしか見えない」と、シングルの宣伝をしつつも、花言葉とユーモアも織り交ぜ、その高度なセリフに会場からは拍手が送られた。5人の独特な言葉選びに、メンバーからは度々ツッコミや歓声が飛び交いほのぼのした空気に包まれ、結果は「全員優勝」となった。
以上でイベントは終了…かと思いきや、「Happy birthday to you」の音楽と共にケーキが登場。ケーキを取りに行った松田の様子を心配して木村がステージ袖に行ってしまうという優しさあふれる行動により、サプライズではなくなってしまったが、木村と佐野の誕生日を、改めてINIメンバーとMINIで祝福する。木村は「オーディションに出たのが23歳。3年くらい、こうやってMINIの皆さんと時を刻めているのがすごくうれしく思います。26歳も皆さんにたくさん届けられるように頑張りますので、26歳の木村柾哉もよろしくお願いします」とコメント。佐野は「こんな光っているものをもらえるなんて」とキャスターとケーキを間違えるという小ボケをかましつつ、「こうやってたくさんの皆さんに祝っていただけてうれしいです。最高の誕生日です!」と声を弾ませた。
終始メンバー同士の仲の良さが全開で、明るく和やかに進行したイベント。最後に改めてメンバーは「発売するたびにみなさんに支えられているなって実感しています。今回は新しいテイストの作品になっていますけど、みなさんに寄り添う作品になれたらいいなと思います」(豊凡)、「(今作では)また新たな僕たちの一面を見せられるんじゃないかなと思って楽しみにしています。もうすぐツアーも始まります。それもめちゃくちゃ楽しみで、これから年末にかけて楽しみなことがいっぱいあるので、2023年最後まで一緒に楽しめたらと思います」(西)、「「HANA_花」に込められた意味“一人ひとりが花を咲かせられるような”のように、この活動期間を通して自分自身の花も、MINIの皆さん一人一ひとりの花も少しでも咲かせられるようにがんばっていきたいと思いますので、皆さん『TAG ME』をたくさん愛してください」(木村)と、それぞれシングルに込めた想いも語りながら、MINIへメッセージを送り、イベントは幕引きとなった。配信が終わったあと、袖に捌けるのみとなった11人が、最後まで客席の隅々まで見渡して手を振り、名残惜しそうにしていた姿が印象的だった。一人ひとりの個性が輝き、同時にメンバーの個性、そしてMINIの個性を愛するINIは、<君はずっと美しい ありのままいてほしい>そう歌う「HANA_花」の歌詞を体現するようだ。
text/小林千絵