小林柊矢によるワンマンライブ“小林柊矢 one-man LIVE 2024 『チューニング』 supported by 東洋建設”が、12月22日代官山UNITで開催された。
スポットライトに照らされた小林の力強い歌声に導かれ、「愛がなきゃ」で本公演は幕を開けた。今回のワンマンライブは、ギター・ベース・キーボード・ドラムを加えたバンド編成での公演。小林のボーカルにバンド演奏が加わると、高まっていた観客の期待が解放され、会場は一気にヒートアップ。自然とクラップが沸き起こった。続けて激しさを伴う「名残熱」、ポップな「冒険家たち」を演奏し、ライブは自由に色を変えていく。
「こんばんは、小林柊矢です!」と観客への挨拶を終えると、「ビルの向こう」「死ぬまで君を知ろう」「君のいない初めての冬」、そして未発表曲も披露。本公演が行われた12/22はクリスマスシーズン真っ只中。Mariah Careyの「All I Want For Christmas Is You」のカバー演奏を会場に集まったファンに贈ると、「ありふれたラブソング」を特別なクリスマスアレンジで披露した。
続いては小林のギター/ピアノ弾き語りによるソロパフォーマンス。「僕が君の前から消えた時」をエモーショナルに歌い上げた後、亡くなった愛猫への想いを込めて「忘れないように」をしっとりと聴かせ、観客をその世界観に引き込んだ。
バンドメンバーが壇上に戻ると、新曲を多く含んだ後半パートへ。暖かい光に包まれながら「僕が暮らした街」で郷愁を誘い、美しい海を背負って歌われた「ハイライト」では、青春の輝きを噛みしめるように、あるいは今のこのライブの時間が終わるのを惜しむように、疾走感あふれるバンドサウンドとコーラスが響いた。そして、本編を締めくくる人気曲「レンズ」。自然と体を揺らしながら楽しむ観客と満面の笑みの小林。まるでお互いの心がつながっているような、心温まる光景だった。
アンコールで再び登場した小林は「この時間をしっかり嚙みしめようと思ったけど、あっという間でしたね」と話し、11月にリリースされた「恋なんてfeat.足立佳奈」で再び会場を盛り上げた。「心はギターのペグのように、緩めすぎても締めすぎてもいけない。聴いている皆さんの締まった心のペグを少しでも緩められるように、『チューニング』というタイトルをつけました」と本公演のタイトルに込めた思いを語ると、ソロでのギター弾き語りによる「ドラマ」で、深い感動の中、本公演は幕を閉じた。
素朴な楽曲と情熱的な演奏で心をダイレクトに動かすパフォーマンスを見せた小林柊矢。彼の持つパワーは、寒い冬であることを忘れさせるような熱いひとときを作り出した。
<小林柊矢>
神奈川県相模原市出身、23歳のシンガーソングライター。
「ドライヤー」「ハッピーエンドの前説」「大人になる前に」「茶色のセーター」「ありふれたラブソング」のシングル5曲と、ミニアルバム「オトナノカイダン」をインディーズで配信リリース。2020年11月には「君のいない初めての冬」でユニバーサル ミュージックよりメジャーデビューを果たし、2023年には1st Full Album「柊」を発表した。今年は「ハイライト」、「恋なんてfeat.足立佳奈」、「ドラマ / 僕が暮らした街」を立て続けにリリースし、心が震える歌声を世に送り出している。