初日公演当日、マスコミ向けの囲み取材が行われた。最初に「ツアーで始まるという、いい2025年のスタートになりましたね」と声をかけられると、宮近海斗が「僕たちにとってもファンの皆さんにとってもいい年の幕開けになるんじゃないかな。期間も長く、時が経っていくごとにメンバーも成長していくと思うので、そういった部分での楽しみも皆さんにお届けできると思います」とツアーへの意気込みを口にした。ツアーの見どころを聞かれると、演出を監修した中村海人が「僕が総合演出という形でやっているんですけど、みんなのアイデアもふんだんに入っていますし、アルバムには一人一人のプロデュース楽曲も入っているので、“誰がここやったのかな”とか“もしかしたらこの人がやったのかな”とか思いを馳せてもらえると楽しいかも」と説明した。
そこで、それぞれのプロデュース楽曲の演出についてヒントをもらうことに。「Whiskey and Tonic」をプロデュースした松倉海斗は「僕は作詞も担当させていただいたんですけど、描いたのはピュアなラブソング。ライブでもちょっと大人なシーンがあるので……」と言い出し、思わず宮近が「いや、“ピンク”なわけじゃないです!」とあわてて訂正。松倉は気を取り直して「ピンクではないです。大人な雰囲気を……“匂える”演出なので楽しみにしていてもらえれば」と、独特な言葉選びで解説した。吉澤閑也は「「HBD」はハッピーな歌。皆さんには歌詞を覚えてきてもらって、みんなでハッピーに歌えたら」とアピール。ミステリアスな雰囲気の楽曲「Thrill」を手掛けた七五三掛龍也は、「パフォーマンスのテーマは“激しい”。これ以上はちょっと言えないです」と、ここでもミステリアスに。「Fireflies」を担当した宮近は「ダンサブルなナンバーなので、また新たなTravis Japanのパフォーマンスが見られるんじゃないかな」と期待を煽る。中村は「僕が担当したのはポッキー……じゃない、「BO$$Y」」と思わず曲名を噛んでしまうも、「すごく熱くなっております。見て感じて、声を聞いて、全部で体感できる熱さです」としっかり説明。「Rush」を手掛けた松田は、パフォーマンスありきで楽曲を考えたと言い、「TJのカッコいい姿をパフォーマンスとして見せられたら」と込めた思いを語った。
昨年に引き続き、今年もワールドツアーが開催されることも発表された。メンバーも昨日聞いたばかりだというが、宮近は「去年経験して、また絶対にやりたいという思いは強くなっていたので、実現して何よりも自信になりましたし、もっともっと頑張ろうと思いました。これから『VIIsual』のコンサートを国内で回るので、“行ってくるよ”と思いを馳せてもらえるように、全力でぶつけたいなって、国内ツアーへのモチベーションにもなりました」と現在の心境を明かした。そして昨年のワールドツアーの話題になると「ロサンゼルス公演は共同生活をしていた場所でもあったし、ファンの方にとってもホームという感じがあってグッとくるものがあった。またみんなを連れて行けるように頑張りたいです」「ファンの皆さんが応援してくださるからこそ実現できることなので」と、6人は溢れ出るようにファンへの思いを次々と口にした。
さらに宮近が「この7人でステージに立てることが幸せ」と切り出し、現在、体調不良により活動休止中の川島如恵留に触れる。「7人の思いがこもったコンサートっていうのは変わらない。この先の未来、7人でステージを作りたいという思いは変わらないので、如恵留の分もお客さんに届けたい」と7人での活動に対する決意を口に。中村も「アルバムは7人で作ったので」と、今回のツアーの演出も7人を感じさせられるものになっていると打ち明けた。それにちなんで、白を基調としたスーツで取材に登場したことから、川島のメンバーカラーを意識したものかと記者から質問が飛ぶと、中村は「それは違うんですけど……」と断りつつ、「僕としては、僕たちはスーツの衣装が似合うかなと思っていて。白のスーツを持っていなかったので今回作ってみました」と衣装へのこだわりも説明した。
さらにこの日、宮近海斗主演ドラマ「ホンノウスイッチ」の主題歌が「Say I do」、松倉海斗主演ドラマ「トーキョーカモフラージュアワー」の主題歌が「Tokyo Crazy Night」と、いずれもTravis Japanの楽曲になることも発表された。宮近は「作品に挑むモチベーションとしては主演かどうかはあまり関係ないですけど、いいものをみんなで作り上げたいという思いがある」と意気込み、主題歌がTravis Japanの楽曲であることについては「作品を通して、TJを知らない方にも届いていくと思うのでうれしいし、何より自分の主演の作品にTJの曲が寄り添っているのがうれしい」と語る。一方松倉は連続ドラマの出演自体、今回が初めて。「プレッシャーもあるんですけど、すごく楽しく撮影をさせていただいているので、とにかく放送が楽しみ。見ているときに(TJの歌う)主題歌が流れたら、俺ガッツポーズすると思う」と喜びを爆発させた。
昨年、バラエティやドラマなど活躍の場がさらに広がり、勢いを加速させたTravis Japan。各現場で「“トモノリジンナイ”の人ですか?」や「九九言えないメンバーがいるよね?」などと声を書けられることが増えたそうで、メンバー自身もバラエティ番組での発言や活躍が浸透していることを実感しているという。さらに宮近が「周りの人たちの“Travis Japan”の発音がどんどん良くなっていくんです」と、想定外の広がり方を明かし、6人は発音良く「どうも、Travis Japan――筆記体――です」と挨拶してみせた。
今年の目標を聞かれると、宮近が少し考えたあと「2025年、Travis Japanはどこにも止まらないくらいのスーパースターになります!」と宣言。メンバーから拍手や「ナイス!」との声が上がるなか、宮近は「新しいことを経験させてもらえる機会はたくさんあるんですけど、誰になんと言われようとも、自分たちのやりたいこととファンの方が求めていることを信じて、“Travis Japanが唯一無二”って言われるようなことをしていく年にしたいです」と力強く続けた。そして記者が「初めてのCDも出ますもんね」と、初のダブルAサイドCDシングル「Say I do / Tokyo Crazy Night」が3月5日にリリースされることに言及すると、中村が「会場で予約もできますから!」としっかり宣伝する一方で、松田が「えっ、CDなの !?」と驚くという彼ららしい個性豊かな会話も繰り広げられた。最後に円陣を組んだ6人。「2025年始まりましたけど、こうやっていろんな経験をさせてもらっているのは、何よりファンの人がいてこそ。ファンの人たちが“めちゃめちゃ愛感じたな、今年”って思ってもらえるような2025年にしちゃっていいですか?」「賛成!」と気合を入れて記者会見の会場をあとにした。
この日の公演で、囲み会見での予告通り、メンバープロデュース楽曲を含めてアルバム『VIIsual』の楽曲を中心に披露。松倉プロデュースの「Whiskey and Tonic」では、松倉が手掛けた歌詞世界をメンバーがステージ上で描き出す。宮近プロデュースの「Fireflies」は、R4 STREET DANCEで共演したcalinによる振り付け。ラフでありながらグルーヴィなダンスで魅せた。吉澤プロデュースの「HBD」ではファンと共にろうそくを吹き消す演出も。松田プロデュースの「Rush」では幻想的な演出と流れるようなダンスで新たなTravis Japanの魅力を引き出した。中村の「BO$$Y」は、話していたように様々な意味で“熱い”パフォーマンスに。七五三掛プロデュースの「Thrill」ではスタイリッシュな演出とセクシーな振り付けで観客の視線を釘付けにした。
また川島も含めた7人を感じさせる演出も随所に織り交ぜられた。川島プロデュースの楽曲「Underdogs」では、川島を思わせるホワイトタイガーを模したトロッコを前にしたステージで6人がパフォーマンス。吉澤と川島のユニット曲「Lonely Stars」では、2人が書いた歌詞を丁寧に歌い上げるメンバーの姿に、ファンは黄色と白2色のペンライトで応えていた。
“思い描く・想像する・思い描く”という意味の「visualize」と、7人を意味する「VII」を組み合わせて付けられた「VIIsual」。アルバムコンセプトおよびコンサート全体の演出の監修を手掛けたのはメンバーの中村だが、中村はMCでも「今回は総合演出という形でやりましたけど、みんなで考えた部分もあって、決して一人で作ったものじゃないっていうのはみんなに知っていてほしい」と、あくまでもメンバーみんなで作り上げた公演であることを念押しした。また松倉が「元太、髪切った?」と声をかけ、公演前にアップしたSNSでは長髪であった松田が「襟足ぶち捨ててきました」と、本番1時間前ほどの直前に切ったことを明かしたり、七五三掛が前日に中村と共に美容院に行ったエピソードを話したりと、パフォーマンス時の表情とはまた違う、仲の良さが滲み出る会話も繰り広げた。
最後に宮近が「楽しい時間を本当にありがとう。おかげで2025年めちゃくちゃいい年になりそう。今日は来てくれてありがとう。何よりも一緒に楽しんでくれてありがとう。そしていつも俺らのそばにいてくれてありがとう。俺らTravis Japan7人、めちゃめちゃ熱い気持ちにさせられてるから。少し寂しいかもしれないけど、絶対に7人で帰ってくるから、引き続きよろしく」とファンへメッセージを送り、Travis Japanは2025年のスタートを切った。
(おわり)
取材・文/小林千絵
写真提供/ユニバーサル ミュージック
Travis Japan Concert Tour 2025 VIIsualLIVE INFO
2025年1月4日(土)横浜アリーナ
1月5日(日)横浜アリーナ
1月6日(月)横浜アリーナ
1月7日(火)横浜アリーナ
2月8日(土)Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)Aホール
2月9日(日)Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)Aホール
3月15日(土)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城)
3月16日(日)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城)
3月29日(土)マリンメッセ福岡 A館
3月30日(日)マリンメッセ福岡 A館
4月5日(土)エコパアリーナ(静岡)
4月6日(日)エコパアリーナ(静岡)
5月4日(日)大阪城ホール
5月5日(月)大阪城ホール
5月6日(火)大阪城ホール
5月31日(土)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道)
6月1日(日)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道)
6月7日(土)ららアリーナ 東京ベイ(千葉)
6月8日(日)ららアリーナ 東京ベイ(千葉)