声優・アーティストとして活躍している逢田梨香子の全国ツアー・RIKAKO AIDA LIVE TOUR 2023『Act 2』が10月22日(日)、東京・豊洲PITでファイナルを迎えた。
逢田は2015年『ラブライブ!サンシャイン!!』の桜内梨子役で声優デビューし、同作品のスクールアイドルユニット・Aqours(アクア)としても活動。2019年に待望のソロデビューを果たし、今年9月には自身初のミニアルバム『Act 2』を発表した。最新作には、今春のTVアニメ『スキップとローファー』のエンディングテーマや、彼女の憧れの存在である・大塚 愛が手掛けたナンバーなどをパッケージ。声出し解禁後初となるツアーで、“第二幕/第二章”の意味合いが含まれた本作を色鮮やかに表現した。
最新作の幕開けを飾るプレリュード「Act 2」が流れる中、キャンドル風のスタンドライトが並んだシックなステージに立った逢田梨香子。<“そこ"から私の姿が⾒えてますか? >と問いかける「My Trailer」で、その光が彼女を照らしだせば、ムードたっぷりの華やかな舞台へと変化する。ペンライトを持った腕が一斉に振り上がり、互いに笑顔を見せ合うと、TVアニメ『戦×恋(ヴァルラヴ)』OPテーマ「for…」へと続き、透明感のある歌声に熱が帯びていった。
ドラマティックに立ち上がった序盤を終えて「名古屋、大阪を経て東京に戻ってきました〜! なんと言ってもツアーファイナルですよ! 楽しみにしてましたか? 今日はいっぱい声出せますか!?」と投げかける。観客からの元気な声に嬉しそうな笑顔を見せ「コロナ禍で声出しなしのライブが多かったんです。今回はみんなの声をたくさん聴いて帰れたらなと思っています」と瞳を輝かせた。
「せっかくなので……」と、フロアの右、左と仕切って「こっちのみんな元気!?」とコミュニケーションを楽しむ一幕も。「ちなみに、今日が私のライブ初めてって人は……?」と投げかけると客席からたくさんの手が上がり「いっぱいいる! 嬉しい!」と歓喜の声を上げた。「これは私がいつもお伝えしていることなのですが、この曲はペンライトでこの色を振らなければ、ここは決まったコールが、といった決まり事はないので」と、自由に楽しんで欲しいことを語り「初めての方も楽しんでいただけるように頑張りたいと思います」と決意を伝えた。
ドラマティックに立ち上がった序盤を終えて「名古屋、大阪を経て東京に戻ってきました〜! なんと言ってもツアーファイナルですよ! 楽しみにしてましたか? 今日はいっぱい声出せますか!?」と投げかける。観客からの元気な声に嬉しそうな笑顔を見せ「コロナ禍で声出しなしのライブが多かったんです。今回はみんなの声をたくさん聴いて帰れたらなと思っています」と瞳を輝かせた。
「せっかくなので……」と、フロアの右、左と仕切って「こっちのみんな元気!?」とコミュニケーションを楽しむ一幕も。「ちなみに、今日が私のライブ初めてって人は……?」と投げかけると客席からたくさんの手が上がり「いっぱいいる! 嬉しい!」と歓喜の声を上げた。「これは私がいつもお伝えしていることなのですが、この曲はペンライトでこの色を振らなければ、ここは決まったコールが、といった決まり事はないので」と、自由に楽しんで欲しいことを語り「初めての方も楽しんでいただけるように頑張りたいと思います」と決意を伝えた。
また、名古屋・大阪のライブでは本編中に衣装のことを話しそびれていたと逢田。「今日は衣装について話させて下さい!」と、くるっと一周し「すごくない!? かわいくない!?」と白を貴重としたアシンメトリーの衣装と、シルバーのベールに合わせた靴やヘアメイクをアピールすると「かわいい〜!」という声が響いた。
リラックスした雰囲気の中、「良ければクラップしてください!」とTVアニメ『スキップとローファー』EDテーマ「ハナウタとまわり道」へ。軽快にステージを歩いたり、<駐車場の地域猫>で猫のポーズをしたりと、歌詞に合わせて表情をくるくると変えていく。一方、「天使の記憶」では、<“大好き”をありがとう この思いはずっと宝物>と優しい表情を見せた。ハートウォーミングなミディアムナンバーを続けて披露したあとは、アコースティックパートへ。
アコースティックパートが設けられていることは、本ツアーの特色のひとつである。ミニアルバムの中に『Act 2』の中にリアレンジした「ブルーアワー(another blue ver.)」が収録されていることについて触れ「その楽曲も今日できたらと思っています」と、名古屋・大阪公演に引き続きギターの高慶"CO-K"卓史、東京公演のみ、キーボーディストの西村 奈央が登壇した。
「奈央さんは『幻日のヨハネ SUNSHINE in the MIRROR』も作曲もされていて、しかも私が歌っている挿入歌も……」と、リコ役として出演している『幻日のヨハネ SUNSHINE in the MIRROR』の第6話挿入歌「Hey, dear my friends」の作曲を担っていることを明かす。また、「名古屋・大阪で気づいたんですけど、(客席の)前のほうにいる方って、後ろの方々が見えづらくなってしまうから手を低めに上げてません? 皆さんの優しさを感じてほっこりしていました。そういう心遣いがありがたいです。ありがとう」と伝えた。
そうした温かなムードの中、逢田もハイチェアに腰を掛けてミニアルバム「Act 2」のため新たなアレンジでレコーディングした「ブルーアワー(another blue ver.)」を歌唱。ライトの光が星空を彷彿とさせ、日の出前に発生する空が濃い青色に染まることを指したブルーアワーへとつながる。<私を生きる>という結びの言葉が力強く響いた。
大きな拍手が降り注ぐと「名古屋・大阪でもキーボードの音と共にお届けしていたんですけど、こうして生で弾いていただく楽器たち、素敵ですね。染みます」と感慨深げな表情。3年前に歌詞を書いた時は「ひとりぼっちで外を見て、こういう気持ちでいる人は他にもいるんだろうなと思っていたんですけど、今、たくさんの方に見守られながら届けることができて、温かな気持ちになりました」と語りかけた。
曲によって景色を変えながら、これまでの歌に新たな息吹を吹き込んだアコースティックパートは、デビュー曲「ORDINARY LOVE」(TVアニメ『川柳少女』EDテーマ)、「Dearly」と、前に進んでいくことを歌った曲たちで締められた。「皆さん良かったらクラップしてください」とはじまった「Dearly」では、客席を見つめながら“ありがとう”の気持ちを乗せ、観客と心を通い合わせる。歌い終えると「みんなと距離が近づいて、思いがひとつになっている感じがした」と表情をほころばせた。
ここからは後半戦。真っ赤に照らし出すライトがガラリと雰囲気を変え、最新作からミディアムバラード「うまれる」、初めて歌詞を書いた「Lotus」と、市川淳と共に手掛けた楽曲を連続で披露。彼女の人生観を感じる2曲を聴き手の心に寄り添いながら、力強く、しなやかに歌ってみせる。そして「ラストスパート、まだまだ声出せますか?」というアジテートと共に繰り出したのは、ライブと共に成長している「FUTURE LINE」。さらに変則的なサウンドで展開するポップナンバー「Dream hopper」とポップに弾け「もっともっと!」と観客をリードしていった。
声色を少し変えて「最後の曲にいく前に、ミニアルバム『Act 2』を制作することになった経緯をお話したいんですけど……」と切り出した逢田。素直な心境、自身の葛藤を吐露していく。
「アーティスト活動をはじめて5年目になるんですが、最初のうちは自己嫌悪に陥ったり、自分の力不足でやりたいことができなかったり……悔しい思いや、もどかしい思いをすることが結構多くって。今回こうして新しい作品を皆さんに届けられるということで、“第二章/第二幕”というテーマでミニアルバムを作ることになりました。正直ね、そんなにすぐに変わったりとか、何かができるようになったりって難しいかなって思っていたんですけど……もがきたい、ちょっとでも違う姿を皆さんに届けたいという気持ちで、楽曲を制作しています。この1枚とライブツアーを通して、新しい自分にちょっとでも出会えたかなって。大きく変わったということはないかもしれませんが、名古屋、大阪をまわったという事実はたしかにあって。みんなと一緒に少しずつ前に進めたのかなって感じながら、今回ツアーをまわっていました」
改めてファンに感謝を伝え「みんなが私の言葉に元気をもらってます、と言ってくださるんですけど……私も人間なので、時には落ち込むこともあります。今回のミニアルバムの制作をしている時も、“もう頑張れないかも”と思うことも正直あって。自分と対話しながら、ギリギリのところを言ったり来たりすることもありました。そんな中で、次に歌う大塚 愛さんに提供していただいた曲に背中を押されて、まだもうちょっと頑張ってみようかなって。私が曲を通してそう感じたように、この楽曲を歌うことで、優しく皆さんの背中を支えられたら」と、曲に込めたメッセージについても言及した。
そのまっすぐな思いを本編最後の「プリズム」に乗せる。会場全体のライトが明るく彼女を照らし出す中、<優しさも悲しみも吸い込んで越えていけ>と、その思いを高らかに届けてみせたのだった。
熱烈な“りきゃこ”コールに応えて、ツアーTシャツとタータンチェックのロングスカートに着替え、再びステージに舞い戻るとバラード「I will」をスタンドマイクで熱唱。1st EP『Principal』に収録された初のバラードだが、イベント以外のライブで披露するのは初となる。「アーティスト活動をはじめて、歌うのは2回目なんです。この曲は大好きで、素敵な曲なんですけど、思うように歌えず、苦い思い出もたくさんありました。今回のツアーの中でお届けすることで、成長した姿を見せられたらなと思って」と、アンコール1曲目にセレクトした理由を明かした。
ライブを振り返って「改めて、本当に良い曲が多いなって自分自身で思って。素敵な皆様に携わっていただき、こうして素敵な曲を作ることができているんだなって。感謝の気持ちがこもったツアーになりました」と、何度も“ありがとう”を伝える。MCでは次の曲「ステラノヒカリ」の振り付けについても解説。ちなみに今回のツアーから、練習中の歌声はファンが担当。「名古屋公演は急に振ったのでぐちゃぐちゃって感じでしたけど(笑)、名古屋が40点だとしたら、大阪は70点!」とのこと(笑)。「東京公演は100点を目指していきたいと思います!」とはじまった振り付け練習では「上手〜!」と驚きの声を上げた。「名古屋、大阪、東京合わせて100点! ありがとうございます〜!」と、そのまま「ステラノヒカリ」へ。まるで宝石のような輝かしい眩しさを放ちながら、<星の明かりが消え去って空を見失っても君がくれた輝きで 私は光り続ける>と力強く歌い、ブライトな景色を描き出す。
その輝きが、さらにきらめく。「毎日頑張ってるみんなに!」とラストを飾ったのは、ミニアルバムのエンディングを彩ったポップナンバー「Brush Me Up!」。コール・アンド・レスポンスで湧き上がる中、自分らしさに溢れた歌詞にありったけの愛とエールを込め、とびっきりの笑顔を見せる。歌い終えると大歓声に包まれた。
高慶"CO-K"卓史と西村 奈央、そして3公演に帯同したマニュピレーターの柳 俊彰をステージに招きファンとの記念撮影を楽しんだあと、最後の挨拶。涙で言葉に詰まると、ファンから「がんばれ〜!」の声が。目を押さえながら「皆さんのおかげで本当に楽しかったです。またこうして皆さんとどこかで逢えるように、私も走っていきます。ぜひついてきてくれたらうれしいです。素敵な作品を届けられるように、ここから頑張っていきたいと思っています!」と宣言した。
名残惜しそうに最後の最後まで観客に手を振る逢田。ライブ中、“君”という言葉の時、彼女は必ずファンに視線を送りながら手を向ける。そしてその彼女のまっすぐな思いに応えるように、ファンも声を上げたり、ペンライトを振ったりする。その思いの交換に、何度もグッときた1日であった。また、シンプルなセットだったからこそ、表現者として強い意志を持って舞台に立つ姿が際立っていたことも印象的であった。
アーティスト活動5年目というひとつの節目を迎え、自分の殻を打ち破ること、“越えていく”ことを全身で表現しながら、“越えていけ”というファンへのエールを送った逢田梨香子。今回のツアーでより自由に羽を羽ばたかせたことが、次の旅につながっていくのだろう。
<SET LIST>
- My Trailer
- for...
- ハナウタとまわり道
- 天使の記憶
- ブルーアワー(another blue ver.)
- ORDINARY LOVE
- Dearly
- うまれる
- Lotus
- FUTURE LINE
- Dream hopper
- プリズム
Encore
- I will (※愛知公演 ME/大阪公演 Adolescence)
- ステラノヒカリ
- Brush Me Up!