1月10日(土)、パスピエが主催する対バンライブ『パスピエpresents「印象I」』が東京・SHIBUYA CLUB QUATTROにて行われた。
過去にも錚々たるゲストアーティストを招き、シリーズ化してきた対バンライブが約2年ぶりに開催。今回2公演で企画された「印象I」では、昨年11月に七尾旅人を招いて行われたリキッドルーム公演に続き、日食なつこを迎えた本公演は、超満員のオーディエンスとともに、熱気に満ちたスペシャルなライブが繰り広げられた。パスピエと日食なつこにとって初共演となったステージは、互いのリスペクトと世界観が幾重にも交差し、会場は大きな感動に包まれた。
パスピエは2月にニューアルバムの発売を控え、同作を携えて臨む全国ツアーも決定している。
精力的な活動を予定していることから、今後の快進撃に期待が高まるばかりだ。
本公演のライブレポートをお届けする。
SHIBUYA CLUB QUATTRO公演は、日食なつこのステージから始まった。
komaki(Dr)とともに登場した日食は、日本語、英語、中国語で新年の挨拶をした後、中華風のイントロから始まる「LAO」を披露。続けて「2026年1月10日、渋谷CLUB QUATTRO。今日、この場所に許された自由を致死量までお届けします」という言葉から「致死量の自由」を放った。
さらに最新アルバム「銀化」から「風、花、ノイズ、街」julep-ment flight」を演奏。ピアノとドラムによる研ぎ澄まされたサウンド、衝動と普遍性を内包した歌によってフロアを埋めた観客を惹きつけていく。
ここで2013年に行われた「印象A」の大阪公演に出演したというkomakiが、当時グッズとして販売されたTシャツを持ち出し、オーディエンスに見せる。日食は「私はその頃、歯ぎしりしながらこんな曲を書いていました」と「エピゴウネ」を披露。〈情熱だけで生き残れたら/どいつもこいつもヒーローだよ〉という歌詞を響かせた。
最後は代表曲「水流のロック」「ログマロープ」。「今日、いちばん強い印象を残すのはあなたであってほしい!」という言葉とともに強烈な一体感を生み出した。
続いてはパスピエ。
「日食さんがステージを温めてくださって。ホカホカの雰囲気のなかでやらせていただきます」(大胡田なつき)という挨拶から始まったのは、昨年9月に配信された「しあわせの気配」。壮大さ、美しさ、エモさが一つになった楽曲が広がり、早くも豊かな感動に結び付く。さらに観客の手拍子が鳴り響いた「やまない声」、きらびやかで切ないポップチューン「贅沢ないいわけ」によって、オーディションのテンションをしっかりと引き上げた。
「日食さん、カッコ良すぎるよね」(成田ハネダ/Key)
「本当にそう。ドラムと二人っていうのもシビれる。日食さん、そして皆さんとお会いできてうれしいです!」(大胡田)
というトークの後は、パスピエが持つ多彩な音楽性を体感できるシークエンスへ。
透き通った疾走感に貫かれたサウンドと〈スーパーカーに乗ってどこまで行けるのかな〉というフレーズが共鳴する「スーパーカー」、緻密なアレンジとエキゾチックな音像が交差する「sui-sou」、和のテイストを押し出したダンスチューン「マタタビステップ」。高度なアンサンブルと独創的なポップネスを軸にした、このバンドのオリジナリティを改めて実感することができた。
下北沢のライブハウスで出会った同世代の仲間、憧れていた先輩バンド、“初めまして”のアーティストまで、幅広いゲストを迎えて開催されてきた〈印象〉シリーズ。
「これからもいろんな形で〈印象〉シリーズを続けていきたいと思います。ぜひまたお会いしましょう」(成田)という言葉に開場から大きな拍手が送られた。
成田、三澤勝洸(Gt)、露崎義邦(Ba)、サポートドラム・佐藤謙介のソロ演奏を交えた「バジリコ」の後は、昨年リリースした新曲を次々と披露。オリエンタルな音像と歌詞が魅力的な「煩悩ゴーウェスト」、瑞々しい躍動に溢れたサウンドのなかで、生命そのものと向き合って紡がれた歌が伝わる「青々」。この2曲からはパスピエの最新モードが真っ直ぐに伝わってきた。
本編の最後は「陰と陽で言えば、“陽”にアレンジしました」(大故田)という「ONE」。
原曲よりも光度を上げ、温かみのある波動で会場を包み込んだ。
アンコールでは日食なつこの「致死量の自由」をカバー。パスピエならではのアレンジにより、バンド編成で奏でたパフォーマンスは、原曲へのリスペクトに満ち溢れていた。ラストは「始まりはいつも」を放ち、大きな喝采とともに〈印象I〉はエンディングを迎えた。
文:森朋之
写真・佐藤広理
パスピエ プロフィール
Vocal:大胡田なつき / Keyboard:成田ハネダ / Guitar:三澤勝洸 / Bass:露崎義邦
2009 年に成田ハネダ(key)を中心に結成。バンド名はフランスの音楽家ドビュッシーの楽曲が由来。
卓越した音楽理論とテクニック、70s~00s まであらゆる時代の音楽を同時に咀嚼するポップセンス、ボーカルの大胡田なつきによるMusic Video やアートワークが話題に。11 年に1st ミニアルバム「わたし開花したわ」でデビュー。
その後、数々の大型ロックフェスにも出演、対バン形式の自主イベント“印象”シリーズや全国でワンマンツアーを行い、好評を博す。
2016 年には単独で日本武道館公演を行い、成功を収める。
2024 年にはバンド結成15 周年を迎え、2024 年8 月28 日には、ニューアルバム「あちゃらか」をリリース。
New Album を引っ提げたワンマンツアー “パスピエ 2024 TOUR「あちゃらかカリギュラ」”を東名阪 3 箇所で行う。
2025 年4 月13 日(日)に、15 周年集大成ライブ『結成十五周年特別記念公演“十五年艦”』をBunkamura オーチャードホールにて開催し、ソールドアウト。9月には上海・北京での公演を成功させ、秋冬には自主企画の対バンライブ開催を予定。さらに来年2月には待望のニューアルバム「IMI」のリリースを控え、同作を携えて臨む全国ツアー「PSPE 2026 TOUR 意味新」の開催も決定している。
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