KREVA主催の音楽の祭り908 FESTIVAL 2023』が914日に日本武道館で開催された。

2012年にスタートした908 FESはコロナ禍の影響を受け、2020年は無観客のなかオンラインで。2011年は爆発的な感染拡大で開催を延期し、20222月に『908 FESTIVAL 2021+1』を、さらに同年9月に『908 FESTIVAL 2022』をそれぞれ有観客無歓声で開催した。通算12回目となる今回は、4年ぶりに有観客有歓声の完全体での908 FESが戻ってくるということで、KREVA以外の出演アーティストも三浦大知、石川さゆり、KICK THE CAN CREWAKLOと、あえて908 FESに出演経験がある気心知れたメンバーを招聘。

この日、FES全編の演奏を担うKREBand(白根佳尚/Dr、柿崎洋一郎/key、近藤潔人/Gt、大神田智彦/Ba、熊井吾郎/MPCDJSONOMI/Cho&Key)がサウンドを奏でると、大歓声に迎えられてKREVAが登場。武道館を歌い込んだ「クラフト」でライブをスタートさせると、「ど頭から紹介していいですか?」と盟友・三浦大知を呼び込み、コロナ禍から新しいフェーズに突入したことを告げるように2人は華麗なパスワークで「Fall in Love Again feat.三浦大知」を歌い上げ、観客のシンガロングとともに908FESの幕開けを鮮やかに飾ってみせた。

そのパスを繋ぐように、続いて908FES常連だったAKLOが久々に登壇。緊張感あふれるなか、この瞬間まで磨き上げてきたラップをかまし、「Catch Me If You Can」ではKREVAと向かい合い、ガチでハードコアなラップバトルを展開。そのままステージに残ったKREVAが「くればいいのに」を歌い出すと、「今年からはみんなが歌ってもいいから」といって、1サビは観客の歌声と、2サビは晴れやかな着物姿で石川さゆりが姿を現わし、こぶしをきかせた歌声と共演。石川の登場に沸き立つ場内に、続けて今度はKREVAが参加した「愛されるために君は生まれた」、さらには自身の大ヒット曲「天城越え」を演歌界きっての抜群の歌唱力と美しいパフォーマンスで披露し、武道館を圧倒してみせた。

石川の次にマイクを託されたのは、見た目も特徴も三者三様、キャラ立ち3本マイクでおなじみのKICK THE CAN CREW。躍動感たっぷりに軽妙なマイクリレーを繰り広げていくと、観客のテンションは瞬く間に急上昇。この日はまさかのあの新曲「カメとピューマとフラミンゴ」の初アクトまで飛び出し、908FESならではのサプライズに場内は歓喜。

このあと、突然授業開始のチャイムが武道館に鳴り響くと、ステージは教室に早変わり。ここからは、KREVAが先生となって韻の踏み方を教える「ライミング予備校」のコーナーが2018年以来大復活。三浦大知、AKLOに加え、今回は新入生の石川さゆりが登場。まさかの「津軽海峡冬景色」を1コーラス熱唱したあとは、同じ青森つながりで、この日はKREVAが「ねぶた祭り」を題材として制作し、青森市オリジナルダンスのオフィシャルソングとして認められた「ラッセーラ」を教材としてピックアップ。自身が今年参加したねぶた祭りの映像も交えながら、韻踏みをレクチャー。そのあと、LITTLE,MCU,AKLO,KREVAの4人のラッパーがフリースタイルでラップをしていくサイファーで、その成果を競い合った。

続いて、授業では恒例の瓶底メガネと学ラン姿キャラで客席を大いに笑わせた三浦大知がステージへ。ダンサーを従え、大胆なテンポチェンジを流麗に聴かせながらしなやかに踊る「Backwards」が始まると、場内の空気がいっきに変わる。新曲「能動」など歌もダンスも卓越した圧巻のアクトでオーディエンスを魅了したあとは、とろけるような歌声を聴かせるメロウな優しいバラード「Your Love feat.KREVA」でKREVAと共演。「いつしか」で

三浦にしかできない芸術を見ているかのようなステージングで、武道館が感動に包まれる中、オーラスのKREVAへとバトンをつないだ。

「神の領域」の一撃で圧倒的なオーラ、言葉、存在感を見せつけたKREVAは、その後ソウルフルな歌声のSONOMIを指さしながら「ってfeat.SONOMI」、MCULITTLEとは自身の曲「眺め」を、さらにAKLOとは「想い出の向こう側 feat.AKLO」、「やっときました。歌える人、どんどん歌って」といって石川さゆりとは「火事と喧嘩は江戸の華」、三浦大知とは「 全速力feat.三浦大知 」を次々とパフォーマンス。出演者たちとの豪華絢爛のコラボステージでオーディエンスの歌声を何度も巻き起こし、FESを華やかに盛り上げていき、本編のクライマックスには「クレバの日」にリリースしたばかりのとっておきの新曲「Expert」を初パフォーマンス。場内を素晴らしい音色に浸らせてながらら、メッセージを観客に刻み込んで本編を締めくくった。「時間がないからこのままアンコール行かせて頂きます」といってKREVAはバンドメンバーを紹介したあと、会場に集まったオーディエンスに「こういう状況が続きますように」という言葉を添えて「All Right」を届けて908FESのフィナーレを飾った。最後は、あらためて出演者全員が一同に揃って挨拶。有観客有歓声の素晴らしさを改めて出演者と来場者全員で噛みしめ、多幸感に包まれるなか、908FESは完全体で大復活を果たして閉幕。翌日となる915日、同場所で開催する『KREVA CONCERT TOUR 2023 NO REASON』にその熱をつないでみせた。

15日の武道館ワンマン公演について、KREVA908FESとは異なるセットリストを準備していること、さらにKing & Princeに楽曲提供した「ichiban」のセルフカヴァーをステージで初披露することも予告している。気になる人はぜひ足を運んでもらいたい。

TEXT:東條祥恵
PHOTO:西槇太一

一覧へ戻る