SNSで使用されているメンバーを表現した絵文字が隠された、ハイセンスなメンバー紹介のVCRが流れると、赤い幕が下り、本編がスタート。大平祥生が「This is JO1!」と叫び、河野純喜の「♪Move The Soul~!」という声から圧倒的なパフォーマンスが始まる。より臨場感と迫力を感じるのは、今回のライブでの曲をすべて生バンドで演奏しているからこそ。彼らパフォーマンスのすぐ後ろで力強く支える生バンドの音色は、より会場を熱くする。そのまま曲の切れ目を作らず『Born To Be Wild』、『Algorithm』と繋がり、広い会場を掌握するかのように、彼らの目線、指先ひとつまで魂が宿り、鬼気迫るパフォーマンスで魅せていく。その姿に、全員の気合いが伝わってくる。

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赤いライトに照らされ、センターステージへ。それまでの緊張感とはまた違う空気を放ち、メンバーが会場のJAMを見て嬉しそうに柔らかく笑う姿も。サイレンがけたたましく鳴り響くなか、『Walk It Like Talk It』では彼らの息の合った群舞を魅せたあと、MCへ。

自己紹介をする中、鶴房が「♪は・か・た・の・汐恩!」と“CMソングをもじったボケ”を飛ばして会場が爆笑する中、木全は生声で「福岡~! 後ろまで聞こえますか~!」と生声で叫ぶ。彼らはこれまでのライブでもそうだったが、広い会場であればあるほど、後ろや真上、奥にいるJAMに向けてのメッセージを飛ばしていく。河野が自己紹介で必ずと言っていいほど最初に「JAM~!」と叫ぶように、コロナ禍でデビューした彼らだからこそ、こうやってリアルに会えることを奇跡のように大事にし、気持ちを届けてくれるのだろう。そして出身地である福岡に来た川尻は「福岡、ただいま~!」と満面の笑みであいさつし、「最高のライブにしたいと思います!」と意思表明。割れんばかりの温かい拍手に包まれていた。

バンドサウンドでよりドラマティックになった『Shine A Light』が始まり、『MONSTER』では妖艶なパフォーマンスで魅了。これまでとは違う視線と雰囲気を漂わす最年少、豆原の成長をより感じる一幕だった。

ユニットでは川西、河野、豆原が美しいハーモニーを聴かせる『Dreamer』で空気を変える。JO1は結成当初、ダンスが得意なメンバーと、歌が得意なメンバーで分かれていたが、結成して3年経った今、誰もがリードボーカルを取れるほどの歌唱力を持つほどに成長した。その歌声はそれぞれが個性的だからこそ、今後も大きな強みとなるだろう。続く川尻、金城、佐藤、白岩による『ICARUS』では、落ち着いたアレンジで生まれ変わり、それぞれがマイクスタンドを前にロックサウンドを歌い上げる。まるで光の海の中にいるような演出はとてもエモーショナルだ。一転、大平、木全、鶴房、與那城による『So What』では木全の這うような野太い“So What?”というひと声からスタートし、ダンサーを控え圧巻のパフォーマンスを魅せた。原曲とは異なるアレンジ、パートで魅せていくユニットでの一幕は、彼らのさらなる可能性を感じることができる仕上がりとなっていた。

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全員が揃い、バラード『君のまま』で歌声を聴かせ、回転するセンターステージから、それぞれがJAMの表情をじっくりと見ながら、語り掛けるように歌う『ZERO』、雪が降るビジョンをバックに、一足早く冬の訪れを感じさせるロマンティックな『僕らの季節』では、與那城の肩に大平が頭を寄せる姿も。仲のよさがにじみ出るメンバー同士のじゃれ合いが多々挟まれるのも、彼らのライブの特徴だ。

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その後サプライズとして、新衣装となり、この日初めて新曲『SuperCali』を披露。全員が上手く重なり合い、その中央から川尻が出現し、見る人すべてを操るようなパフォーマンスと、鶴房、大平、木全、白岩と続く、妖艶で力強いラップリレーは大迫力。さらにメロディラインの部分もどこかミステリアス。それぞれが魅せる場所を持ちながらも、サビでは驚くほど揃ったダンスを見せるのは彼らの練習の賜物だろう。オリエンタルなサウンドとロックが融合し、何曲も重なったような展開の読めない楽曲にも関わらず、統一感を感じるのは、そのパフォーマンスにメリハリがあるからこそ。この日公開されたパフォーマンスビデオが圧倒的な速さで再生回数が増えているのも、納得ができる。

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大人数のダンサーを率いての『無限大』では、よりパワーアップ。木全が「いくぞー!」と叫び始まった『La Pa Pa Pam』で力強くパフォーマンスをするとMCコーナーでは佐藤が「『SuperCali』をお届けしました。どうでしたか~⁉」と反応を見た後、この曲の好きな振り付けの話になり、鶴房が川西に「ちょっとやってみて下さいよ」と振ると「これは11人そろってやるから好きなんです!」と熱弁するシーンも。(終始どんなシーンも、どこにいても白岩の髪の毛が爽やかな風に吹かれていたのもさすがだった)

センターステージで披露された『Speed of Light』では白い光に包まれて重厚感のあるステージを見せ、セクシーさを併せ持つ『ALL HOURS』、MVの再現のように、ダンサーと抗争をし始める構成がおもしろい『OH-EH-OH』と見せ、『GrandMaster』と繋がり、勢いよく駆け抜けた。

『REAL』では豆原と川西が衣装を直し合う姿からスタートし、大平と豆原が手を繋いだり、川西の頭を河野がわしゃわしゃといじったりと仲良く、楽しくパフォーマンスし、本編は終了。

アンコールではKIZUNA Barが登場。マスターの與那城の元に訪れるメンバーがそれぞれ絡み、ミニコントのように展開した後、このツアーのために作られたメドレーを披露し、幸せな空気に包まれる。大平が「僕が大好きな曲です」とスタートした『My Friends』では木全が「ズッ友だよー!」と叫び、ラストの『Run & Go』では白岩がロングトーンで聴かせ、JAMを驚かせた。

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エンディングトークではそれぞれが感想を話し、豆原は家族や友達が見えるところにいてちょっぴり恥ずかしくなったことを告白。金城は「この場に来ているみんなの顔を見た時、幸せそうな顔をしているなってすごく感動しました」、鶴房は「まだ行っていないアリーナも全部行って、ドームや世界にも全部行かせていただきます」と熱く宣言。

なかでもJO1になる前に、「一度夢を諦めそうになった」と言う白岩は、「以前(のグループで)福岡でライブをしたときに3人くらいしかお客さんがいなくて。でも今の景色は全然違います。僕を生き返らせてくれてありがとうございます。生まれ変わってもみんなのためにステージに立ちたいと思います」と話し、涙を誘った。

さらに川尻は「よく“辛い”という漢字に一本足すと“幸せ”って聞きますが、その一本ってどこから持ってくるのって思っていたんです。でも、JAMのみなさんは0を1にする力があります。僕たちが大変な時、みんなが僕たちを幸せにしてくれます」と感謝を述べた。

さらに川西は「明日も仕事や学校があると思いますが、嘘をついて休んだりしないようにしてください(笑)」と手厳しいコメントも(笑)。佐藤は「こうやってみんなと一緒に毎日いられること、ライブができること、日々の当たり前のことが『Go to The Top』なんじゃないかなって思いました」と話し、木全も「どんな出来事もJAMに会うための試練なんだって思って頑張っています」、與那城は「苦難困難があるから今のこの瞬間をありがたく感じられると思っています」と話し、河野は「JO1はケンカもします。ぶつかったり、なんやねんって思ったりもするんですが、この場に立つ瞬間は最高のチームなんすよ」と、あらためてメンバーに深く刻まれた絆を教えてくれた。

続いて金城は「夢は僕たちとJAMやったらなんでも叶えられると思うんです。だからどんどん口に出して言ってください」と話し、『With Us』へ。幸せに満ちた温かいこの曲で、幕を閉じた。最後にはメンバーが帰った後、與那城と川尻が深く深くJAMにむかってお辞儀をし、ふたりそろってじゃれ合う姿を見せ、全編が終了した。

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デビュー当時、1曲だけでも披露した後に息切れをしていた彼らが、休む暇もなく、何曲も激しいパフォーマンスを魅せ、笑顔で3時間も駆け抜けるライブを完走させた。この大きな成長に、彼らの“無限の可能性”をしっかりと感じられる、最高のライブだった。

取材・文/吉田可奈
©LAPONE ENTERTAINMENT

『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』福岡公演セットリスト

1 Move The Soul ※2ND ALBUM「KIZUNA」収録
2 Born To Be Wild ※3RD SINGLE「CHALLENGER」収録
3 Algorithm ※2ND ALBUM「KIZUNA」収録
4 YOLO-konde ※配信リリース
5 Walk It Like I Talk It ※2ND ALBUM「KIZUNA」収録
6 Shine A Light ※1ST ALBUM「The STAR」収録
7 MONSTAR ※1ST ALBUM「The STAR」収録
8 Dreamer(川西/河野/豆原) ※2ND ALBUM「KIZUNA」収録
9 ICARUS(川尻/金城/佐藤/白岩) ※4TH SINGLE「STRANGER」収録
10 So What(大平/木全/鶴房/與那城) ※2ND SINGLE「STARGAZER」収録
11 君のまま ※3RD SINGLE「CHALLENGER」収録
12 ZERO ※2ND ALBUM「KIZUNA」収録
13 僕らの季節 ※5TH SINGLE「WANDERING」収録
14 SuperCali ※6TH SINGLE「MIDNIGHT SUN」収録
15 無限大 ※1ST SINGLE「PROTOSTAR」収録
16 La Pa Pa Pam ※1ST SINGLE「PROTOSTAR」収録
17 Speed of Light ※3RD SINGLE「CHALLENGER」収録
18 ALL HOURS ※配信リリース
19 OH-EH-OH ※2ND SINGLE「STARGAZER」収録
20 GrandMaster ※1ST ALBUM「The STAR」収録
21 REAL ※4TH SINGLE「STRANGER」収録

2022年10月12日にリリース。JO1 6 枚目となる SINGLE『MIDNIGHT SUN』。今作では、成長の過程で感じる “痛み” を、理想と現実の狭間、昼か夜かわからない奇異な世界での恐れや 胸の高鳴りになぞらえて表現。その中でこそ見つけることのできる、自分たち自身の新たな一面を追究した作品に仕上がっている。 中毒性の高いリード曲「SuperCali」をはじめとする新曲全 4 曲を形態別に収録。

『MIDNIGHT SUN』初回限定盤 A

CD
1. SuperCali
2. Phobia
3. 16(Sixteen)
4. SuperCali ~Instrumental~
DVD
Weird World ~おかしな家編~
<初回プレス限定封入特典>
① 応募抽選券 ( シリアルナンバー )1 枚
② トレーディングカード 1 枚(初回限定盤 Aver.11 種類の中から 1 枚をランダム封入 )
③ セルカトレーディングカード 1 枚(初回限定盤 Aver.11 種類の中から 1 枚をランダム封入 )
④ 4cut photo(初回限定盤 Aver.11 種類の中から 1 枚をランダム封入)
⑤ デジタルメッセージトレーディングカード (QR コード )1 枚

『MIDNIGHT SUN』初回限定盤 B

CD
1. SuperCali
2. Phobia
3. Rose
4. Phobia ~Instrumental~
DVD
Weird World ~おかしな呪文編~
<初回プレス限定封入特典>
① 応募抽選券 ( シリアルナンバー )1 枚
② トレーディングカード 1 枚(初回限定盤 Bver.11 種類の中から 1 枚をランダム封入 )
③ セルカトレーディングカード 1 枚(初回限定盤 Bver.11 種類の中から 1 枚をランダム封入 )
④ 4cut photo(初回限定盤 Bver.4 種類の中から 1 枚をランダム封入)
⑤ デジタルメッセージトレーディングカード (QR コード )1 枚

『MIDNIGHT SUN』通常盤

CD
1. SuperCali
2. Phobia
3. 16(Sixteen)
4. Rose
5. 16(Sixteen) ~Instrumental~
6. Rose ~Instrumental~
<初回プレス限定封入特典>
① 応募抽選券 ( シリアルナンバー )1 枚
② トレーディングカード 1 枚(通常盤 ver.11 種類の中から 1 枚をランダム封入 )
③ セルカトレーディングカード 1 枚(通常盤 ver.11 種類の中から 1 枚をランダム封入 )
④ デジタルメッセージトレーディングカード (QR コード )1 枚

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