今年3月に結成された日韓混合バンド CROWN HEAD が、韓国最大級のロックフェスにて、日本人アーティストとして唯一の出演を果たした。
会場には約1万人の観客が詰めかけ、チケットは全席ソールドアウト。
心地よい風が吹き抜ける野外ステージに静かな期待が満ちる中、彼らのステージが幕を開けた瞬間、空気が一変した。

オープニングを飾ったのは、テレビアニメのオープニングテーマとして話題を呼んだ「鬼灯(ほおずき)」。重厚なギターリフと情熱的なボーカルが響き渡り、冒頭から会場の空気を掌握した。続く「Cheese」では一転、軽快なリズムと遊び心あふれるサウンドで観客を引き込み、メンバー同士が笑顔を交わすたびにステージがいっそう輝きを増していった。
中盤の新曲「鳴ル銅雷(なるどら)」では、鋭く切り込むギターと圧巻のドラムが重なり合い、まるで雷鳴のような衝撃が観客の胸を打った。息をもつかせぬ勢いのまま、会場の熱はさらに高まっていく。
ラストを飾ったのは、これからのCROWN HEADの歩みを象徴するバラードナンバー「Climbing」。穏やかなイントロから徐々に昂るメロディに乗せ、「これからも駆け上がっていく」という意志を込めた歌声が会場に響き渡った。
ステージを見つめる観客の表情には、感動と期待が入り混じった光が宿り、音楽が国境を越え、ひとつの情熱となって会場全体を包み込んだ。

4月にユニバーサルミュージックからメジャーデビューを果たしたCROWN HEADは、
1st Digital Single「Hidden」(テレビ朝日系ドラマ『天久鷹央の推理カルテ』)に続き、
2nd Digital Single「鬼灯」がアニメのオープニングテーマに抜擢されるなど、破竹の勢いを見せている。
韓国人メンバーを擁する彼らにとって、今回のフェス出演はまさに夢の舞台。
母国のファンの前で演奏するその姿には、覚悟と誇り、そして音楽への純粋な情熱が宿っていた。
国や言葉を超えて響き合うCROWN HEADのサウンド。
その力強いメッセージが、アジアのロックシーンに新たな風を吹き込む。

結成からわずか半年で国境を越え、韓国最大の舞台に立つという快挙。
それは、まさに新時代の息吹を象徴する瞬間だった。

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