9人組メインダンサー&バックボーカルグループの超特急が、9月24日に22枚目のシングル「NINE LIVES」をリリース。限定1000人のシークレットライブを、リリース日にTAKANAWA GATEWAY CITY Gateway Parkで開催した。会場には抽選で選ばれた1000人の8号車(超特急ファンの呼称)が集結。会場となったTAKANAWA GATEWAY CITYは、公開から2日足らずで35万回再生を突破した「NINE LIVES」のミュージックビデオ撮影地でもあることから、貴重な撮影秘話も公開しつつ、「NINE LIVES」の初披露を含む3曲をパフォーマンスして、8号車とスペシャルな時間を過ごした。

JR高輪ゲートウェイ駅の協力のもと、駅構内・駅周辺で新曲「NINE LIVES」のミュージックビデオ撮影を行った超特急。高輪ゲートウェイ駅ならびにTAKANAWA GATEWAY CITYでのミュージックビデオ撮影は、彼らが初だという。開演時刻の20時になると、発車ベルに続いてオーバーチュアが流れ、9人は駅前広場の特設ステージへ。普段のアリーナライブではあり得ないほどの至近距離でセクシーな「Steal a Kiss」を、続いてポップ&キュートな「My Buddy」を繰り出して、ファンである8号車を熱狂させる。前者では、曲中のキメ台詞をユーキが「好きだニャン」とアレンジして、客席から悲鳴が。もともと猫の動きがダンスに組み込まれている後者では、アロハが「NINE LIVES!」、タクヤが「ひっかいちゃうぞ!」とコールするなど、日本語で“猫に九⽣あり”と言われることわざをモチーフにした新曲のイベントらしく、随所に“猫”を感じさせる場面があったのも特筆すべき点だ。

自己紹介でも「楽しんでいくだニャン!」(カイ)、「タカシだにゃん!」(タカシ)と挨拶して8号車を沸かせ、リーダーのリョウガから、ここTAKANAWA GATEWAY CITYが「NINE LIVES」のミュージックビデオの撮影場所であることに言及。高輪ゲートウェイ駅構内2階の芝生のベンチで撮ったカイは「あの芝生のベンチ、フカフカで気持ちいいのよ! あのまま寝ちゃいそうなくらい!」と、顔より大きなおにぎりを食べたマサヒロは「あれ、ちゃんと具材がシャケとか昆布とか4つくらい入ってるんで! でも、撮影では具材まで達してない!」と秘話を明かした。ユーキは「僕は大階段で、飲み物を……たしなみました!」と言葉に迷って8号車を笑わせ、アロハはちょうど会場の広場が撮影場所だったということで「このへんで洗濯ばさみ売ってました!」と伝えれば、2階の南改札前で鍵を探すシーンを撮ったハルは「僕だけマジ猫っていうテイストでやらせていただきました」と“マジ猫”なるワードを発明する。

また、朝早くの撮影だったということで、タクヤは「景色良くて、陽射しがすごくまぶしかったですね」と、タカシは「花束を持って歩くシーンで、すごい優雅な朝やなぁと思いながら撮影してました。気持ちよかったですね」と笑顔を見せた。水槽を覗き込むシーンがあったシューヤは「金魚がすごい眠そうでしたね!」と話し、リョウガは駅のロータリーで一般の乗客がいるなか、走り出すシーンを撮ったため「“え、どうしたの?”みたいな反応をされた」とのこと。4、5本ほどダッシュしたとのことで、駅のホームでは9人でも撮影したという。さらに、ハルの撮影中にカイは、散歩をしていたご年配の方に「これは何か撮影してるんかね?」と聞かれて「なんかやってますね…」と通りがかりの振りでごまかしたというエピソードも。最後にリョウガは「ぜひとも聖地巡礼を、迷惑かからないように楽しんでいただけたら嬉しい」と8号車に伝えた。ちなみに、MVはリリースに先立ってTikTokで公開された9人それぞれが主演した9本のショートドラマ『Episode of NINE LIVES』ともリンクしているので、それぞれに考察を深めてもらうのも楽しいだろう。

さらに「8号車の皆さんに振りを覚えていただきたい」と、会場の8号車にユーキから「NINE LIVES」のダンスレクチャーも。“爪研ゲ爪研ゲ”という中毒性の高い冒頭部分での、手首を打ち付けて猫手の形でぐるりとめぐらす振りを指南して「いろんなアレンジしていただいていいんで。いっぱい踊ってTikTokにアップしてほしい!」と要望する。そして、今回の新曲が“Cat has NINE LIVES(=猫に九生あり)”という英語のことわざがテーマになっていること。それは「猫はしぶといとか、何度でも生き返るっていう生命力の強さみたいなものを表している」ことをカイが説明し、リョウガは「超特急も9人組ということで重ねて、しぶとく生き残っていきたい」と曲に込めた願いを語った。

ここからは動画撮影OKであることがサプライズで伝えられると、8号車から大歓声が。そしてアロハとハルが最上級に可愛い声で「撮影スタート!」の号令をかけ、新曲「NINE LIVES」をデンジャラスな空気感たっぷりに披露する。グルーヴィーなトラックに乗せ、指を丸めた猫の手やひっかくような振りに、セクシーなムーブも交えつつ、虎視眈々と獲物を狙う猫の強かな個性を、重心の低いダンスと緩急豊かなフォーメーションでスリリングに表現。ダンサーたちの間を行き交いながら歌い上げるタカシのパワフルなボーカルと、シューヤの超絶ハイトーンも素晴らしくエモーショナルで、猫が持つ可愛いだけではない、クールな手強さを堂々とアピールしていく。ちなみに8号車が撮影した動画は「#超特急_NINELIVES」や「#超特急に九生あり」のハッシュタグでSNS投稿が促されていたので、ぜひ検索してみてほしい。

パフォーマンスを終えた9人が「僕たちは、超特急でした!」といつもの挨拶をすると、突然ステージ上の風船がふくらみ始め、9人は「ちょっと待って!」と観覧スペースの間を「ありがとう!」と言いながら、あちらこちらへ逃走。最後に風船が割れるとステージに“ウチの超特急知りませんか? 2025年9月24日都内イベント会場から逃げ出しました”と書かれたポスターが現れて、一夜限りのシークレットライブは幕を閉じた。はたして超特急はどこへ消えたのか……? 全国47都道府県大捜索の詳細は後日発表されるという。

11月7日には今年6~8月に行われたツアー『EVE』に密着したライブ&ドキュメンタリー映画『超特急 The Movie RE:VE』の全国公開と、11月末からは全国6都市12公演にのぼるアリーナツアー『REAL?』の開催も決定している超特急。何ものにも捕らわれることのない、自由な世界へと逃げ出した猫たちの野望は、まだまだ果てることがない。

文:清水素子
カメラマンクレジット:米山三郎

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