7月10日、ナオト・インティライミが、『ナオトの日 スペシャルLIVE 2024〜今年は渋谷で「アレ」やります!めざせ!世界のセンターGuy!!〜』をLINE CUBE SHIBUYAにて行なった。

 ナオト・インティライミが、毎年7月10日(=ナオトの日)に開催している“ナオトの日 スペシャルLIVE”。この公演は、バックバンドやダンサーと共にパフォーマンスする通常のライヴとは異なり、舞台に上がるのはナオトひとりのみ。しかも、事前にセットリストやMCを一切決めずにステージに立つという“ノープランライヴ”が恒例となっている。今年は、『ナオトの日 スペシャルLIVE 2024〜今年は渋谷で「アレ」やります!めざせ!世界のセンターGuy!!〜』と題して、LINE CUBE SHIBUYAにて開催。同公演はファンクラブ限定で生配信も実施された(7月13日(土)23:59までアーカイヴ配信中)。
 
 会場のLINE CUBE SHIBUYAは、10日前に春の全国ツアーを締め括ったばかりの会場であり、2012年7月10日にノープランライヴを初めて行なった場所でもある。オープニング映像ではそのことについて触れ、「今回のナオトの日は、自分の中にいるたくさんの、大勢のティライミに集まってきてもらってるんだよね」と語るナオト。すると、客席の至るところにナオトのお面をかぶったニセ・インティライミが出現。ステージにも大勢のニセ・インティライミが姿を現す中、本家ナオト・インティライミは、配信映像を撮影しているカメラマンのアシスタントとしてケーブルをさばいていて、その様子が場内のスクリーンに映し出されると大歓声が上がった。

 ニセ・インティライミに丁寧にツッコんだ後、持ち場についたナオトは、「本当に1曲目から決めてないから。みんなどういう感じなのかな……」と言いながら客席をじっくりと見渡すと、「はいはいはい……どバラードだね。どバラードで沈めたるわ、お前らの興奮を!」と、オーディエンスをさらに煽る。そして、ギターを手に取り、ファイリングされたスコアをめくり、この日の1曲目として彼が選んだのは、「Brand new day」だった。ギターをかき鳴らしながら「声出しからいこうか」というナオトの声に応え、オーディエンスが大合唱。落ちサビでは「このまま続けよう。みんなの声が尊い」と、嬉しそうに客席を眺め、「このまま終わるのもいいね」と、オーディエンスが主旋律を、ナオトがハモリパートを歌い、美しいハーモニーを響かせるという、1曲目から即興続出のノープランライヴらしい演奏となった。「次の曲が始まるまで叫んどいて!」と、オーディエンスが声を上げ続ける中、急いでファイルをめくってなだれ込んだのは「マワセ マワセ」。アウトロでは、ナオトが再び観客に「Brand new day」のコーラスを求めていたのだが、このマッシュアップもその場で思いついたそう。続く「Wonderful!」では、ギターを弾きながら歌い、ラップするだけでなく、口笛やボイスパーカッションも披露。「ひとりだと全部やらなきゃいけないから忙しい」と楽しそうに笑っていた。

 MCでは、配信を観ているユーザーからのコメントを拾いながら、「なんかストリートライヴみたいだね」と話すナオト。ギターを選び、次の曲に入ろうとしたのだが、客席とのやり取りで笑い声が上がると、「今のでもう選曲変わったよ(笑)」と、弾こうとしていたギターを別のものに持ち替える。それほどまでにノープランであり、ナオトはその瞬間の空気を掴まえ、即座に動いていく。

 セットリストは事前に決めないものの、「あの曲をやりたい!と思ったときにパッとテーブルの上から取れるようにはしている」と明かしていたナオト。ナオトは「常に“I'm ready”でいること」=いつどんな状況であっても、すぐ対応できるように準備しておくことが大切だと様々な場所で話しているが(この日のオープニング映像でもその発言をしていた)、そんな彼の真摯な一面がよく表れるエピソードでもあるだろう。また、演奏中に泣き出してしまったキッズに向けて、急遽「アンパンマンのマーチ」や「ププッとフムッとかいけつダンス」を演奏して和ませるという微笑ましい瞬間も。この日のMCで、「やる曲も決めていない。しゃべる内容も決めていない。素の、裸ん坊の、すっぽんぽんのナオトを感じていただければと思います」と話していたが、音楽はもちろん、そんな彼の人柄が存分に表れるのが、「ナオトの日」の醍醐味でもある。

 その場で選曲していく際に、「前の曲からインスパイアを受ける」とMCで話していたナオトだったが、それもあって、選曲の繋がりが見えてくるところもおもしろい。ボイス・トランペットも飛び出した「How many times?!」の後、前述の“ストリートライヴ”というワードから閃いたのか、「世界28ヶ国をひとり旅している最中に、歌詞とメロディが一気に出てきて、慌てて書き留めた」という前置きから始まった「星の住人」から、異国の雄大な大地が目に浮かぶ「Amor y sol」へ。曲を終え、ピアノの前に移動したナオトは、「Amor y sol」にある〈夕闇が押し迫って〉という歌詞に合わせて「夕暮れノスタルジー」をしっとりと届けると、バラードナンバーの「キミライフ」に繋げていく。

 ここ数年、「ナオトの日」ではカバーを披露するのが恒例になっているが、ナオトが今年チョイスしたのは、かぐや姫の「22才の別れ」。ギターを始めるときに両親の影響で知ったフォークソングの名曲を弾き語ると、「ナオト・インティライミには、サンシャイン・ワッショイ・ミュージックもあれば、ファンキーな曲もあるんだけど、哀愁みたいなものもあって。それは歌謡曲とかフォークから来てるんだろうね」と話し、ピアノの弾き語りで「EQ(feat.Rin音)」を披露。原曲は80年代サウンドを感じさせるシンセウェーブなダンスナンバーなのだが、哀愁を際立たせたピアノアレンジに、メロウでしっとりとした空気が場内に立ち込めていく。そんななか、ナオトが「いいこと思いついた」と話し始めた。「今日ね、“ライヴ観に来る”ってLINEが来て。この会場のどこかにいるはずなんだけど……Rin音、いる?」と、同曲でフィーチャリングしているRin音にステージから呼びかけるナオト。すると、客席で観覧していたRin音が戸惑いながらも舞台に上がり、急遽曲に参加するというサプライズ展開に! Rin音は楽曲から溢れ出る哀愁をさらに膨らませていくようにラップすると、堂々としたパフォーマンスで無茶振りに応えた彼に、客席からは大きな拍手と歓声が送られていた。

 Rin音を見送ったナオトは再びピアノの前に座り、客席に話しかけながら「ひそかに絶好調」をアットホームに届けると、続く「同窓会」では、〈おいっ!〉という歌い出しから「これで分かる人いる?」と、ちょっとしたイントロクイズを出す場面も。ギターに切り替えて「ありったけのLove Song」を弾き語った後は、「次の曲はみんなの声で始めようか。勘で入ってきてみて? ヒントは、俺のアーティストネームをアルファベットで一個ずつ言えばいいんだよ」と、「Funky Music」へ。オーディエンスのコールに合わせて、軽快なカッティングギターとパワフルなスキャットで魅了すると、それまで座って聴いていたオーディエンスも、椅子から立ち上がって手拍子をしながら身体を揺らす。そんな客席を見ながら、「ついに立っちゃったのね。ここからはもうアガってくってことね?」と、「ナイテタッテ」「ジャイアントキリング」で大合唱を巻き起こし、本編が終了……したのだが、「今日は休ませないから!」と、アンコールの声にすぐさま応えてステージにカムバック。「最後にもう1曲やっちゃう!?」と、「おまかせピーターパン」を披露し、12回目の「ナオトの日」を賑やかに締め括った。

 この日のMCで、現在は新曲を制作していることを明かしていたナオトだったが、ライヴのエンディングで、9月17日に、大谷翔平が所属するロサンゼルス・ドジャース対マイアミ・マーリンズの試合で国歌斉唱をすることを発表。客席からは驚きと祝福の声が上がっていた。2025年はデビュー15周年を記念した全国ツアーを開催することを発表しており、そちらにも期待が高まるところだが、2024年下半期も賑やかに駆け抜けてくれそうだ。

ライター:山口哲生
photo by 森好弘

<セットリスト>

M1.Brand new day
M2.マワセ マワセ
M3.wonderful!
M4.How many times?!
M5.星の住人
M6.Amor y sol
M7.夕暮れノスタルジー<Piano>
M8.キミライフ<Piano>
M9.22才の別れ
M10.アンパンマンのマーチ<Piano>
M11.ププッとフムッとかいけつダンス<Piano>
M12.EQ(feat.Rin音)<Piano>
M13.ひそかに絶好調<Piano>
M14.同窓会<Piano>
M15.ありったけのLove Song
M16.Funky Music
M17.ナイテタッテ
M18.ジャイアントキリング
EC1.おまかせピーターパン

最新リリース作品
2024年4月10日(水)リリース
10th Album『ファンタジスタ』
https://naoto.lnk.to/fantasista

ナオト・インティライミ Official HP

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