キース・ジャレット、パット・メセニー、:チック・コリアをはじめ、アルヴォ・ぺルト、アンドラーシュ・シフなどの名盤を生んできた名門レコード・レーベル、ECMレコードの日本初のエキシビション「Ambience of ECM」が本日よりkudan houseにて開催されている。

1969年にマンフレート・アイヒャーがドイツ・ミュンヘンで創設したヨーロッパを代表する音楽レーベル、ECM(「Edition of Contemporary Music」の略)。“The Most Beautiful Sound Next To Silence (沈黙の次に美しい音)”をコンセプトに掲げ、他のレーベルとは一線を画す、その透明感のあるサウンドと澄んだ音質、洗練された美しいジャケット・デザインなどが世界の多くのファンを魅了してきた。

今回期間限定開催の「Ambience of ECM」は、"静寂の次に美しい音"をコンセプトとするECMレーベルの音楽を、空間の響きとともに体験するサウンド・アートプロジェクト。
本日から21日まで、東京・千代田区の歴史的建造物「kudan house」にて開催され、キース・ジャレットから最新のNew Seriesまで、ECMの幅広い音楽世界を堪能できる。ECMレコードが保有する貴重なポスターアートをミュンヘンから輸入し特別展示。本邦初公開となる約40点のアートは、今回のための限定公開となり、kudan houseの特徴的な各部屋には、その空間に合わせて厳選されたオーディオシステムと、それぞれの視点でECMを深く愛する5組のセレクターが選曲したプレイリストが用意され、部屋ごとに異なるリスニング体験を提供するものだ。

注目のセレクターは、岡田拓郎、岸田繁、原雅明、三浦透子、SHeLTeR ECM FIELD (Yoshio + Keisei)というラインナップとなっている。
https://www.qobuz.com/jp-ja/magazine/story/2024/12/13/ecmambience-of-ecm/

「”ジャズ・レーベル”として語られることの多いECMだが、改めて長い歴史で積み上げられてきたレーベル・カタログを広げてみると、どうにも"ジャズ"と言う一言では言い表せない作品ばかりだと思う。様々な国籍、文化的背景、世代、思想の音楽家たちが、自身の持つ音楽世界を必要以上に譲歩する事もなく共生しながら縦横無尽に行き来するような場(レーベル)は、ECM以外に見当たらないように思う。そしてレーベル創設以来のどの時代の録音もこうして今プレイリスト的に並べ替えてみたとしても、そこにはある種の共通するムードや質感が常に保たれているのには驚きを隠せない。そして多くの場合、”ジャズ的”なインプロヴィゼーションの語法がそれらを繋ぎ止める共通言語になっているようにも感じると再確認させられる。今回プレイリストを作るにあたって、ジャズとそうでないもの、プリミティヴとテクノロジー、アコースティックとエレクトロニクス、コンポーズとインプロヴィゼーション、過去と未来、etc...一見すると相反するようにも思えるが、それらが極めて自然な形で同居しているように感じる"ECM"と言う視点でセレクトしてみました。御楽しみいただけると幸いです」

—岡田拓郎

「1976年生まれの私は、ピカピカのCDを宝物だと思って青春時代を過ごしてきました。
今ではリスニング手段も多様化し、配信コンテンツなどで世界中様々な音楽を聴くことが可能になりました。
世界中には多種多様な音楽が今日も新しく生まれています。そして、古来より受け継がれてきた音楽もまた、数百年の時を経て私たちの耳まで届いてきます。
音楽のありようは、表面的には時代によって変化しているように思います。
子守唄や、農作業で歌われるような歌、祭事やお祝い事で演奏されるようなものまであります。
世界が何かの分岐点に差し掛かったとき、例えば革命や戦争、宗教的なところにも、音楽は常に人々の側にありました。
録音芸術は、多くの人々の心に寄り添うために、様々な芸術家や技術者たちの手によって作り上げられてきました。
マンフレート・アイヒャーの掲げる「沈黙の次に美しい音」というコンセプトが持つメッセージは、音楽そのものに対しても、演奏者や聴き手に対しても、とても大きな関心を投げかけるものであり、有象無象の音楽文化にとって唯一無比の価値観を指し示す存在であると思っています。
古代ギリシャ時代には、天文学や医学と同列の「学問」であった音楽ですが、ECMの歴史に触れることは決して高尚なアカデミズムではありません。人間と音楽との柔らかくて美しい距離感を再定義するものであると私は思っています」。

—岸田 繁

「kudan houseの地下は石造りで反響が大きく、いくつかの仕切りで分かれている場所によっても、それぞれに鳴りが異なります。白い壁面の凛とした空間で響かせてみたい音を選びました。イメージするということが、こんなにも楽しかった選曲はありません」

—原 雅明

「九段ハウスの清閑の中、窓から感じる時間の進みや空の移ろいをイメージして選曲しました。私なりに、自分の感じたECM Recordsの魅力が伝わるようプレイリストを組んだつもりです。楽しんでいただけますように」。

—三浦透子

「SHeLTeRの音響システムで実際にレコードをかけながら、有機的なつながりをイメージして選曲しました。古今東西、世界を表現しているECMの世界観は、「ECM FIELD」のLive感も感じられる内容となっております。じっくりとお楽しみください」。

SHeLTeR ECM FIELD (Yoshio + Keisei)

これらのプレイリストはkudan houseに直接来られない方でも今年10月に日本でもローンチしたフランス発のハイレゾストリーミング&ダウンロードサービスQubozにて公開中だ。ぜひこの機会にECMのアンビエンス世界観を体感してみよう。

【エキシビション開催概要】

名称:Ambience of ECM
日程:2024年12月13日(金)~21日(土)
時間:10:00/14:00/18:00  (所要時間:1時間程度、事前予約制)
※12月21日(土)はレセプションのため招待者のみ

入場料:無料 (要予約)
予約はPeatix特設ページにて受付
https://ambienceofecm.peatix.com

会場:kudan house (東京都千代田区九段北1丁目15-9)
注意事項:館内では一部裸足となるプログラムがございます。靴下等脱ぎやすいお履物でお越しください。

主催:東邦レオ
企画:石井りか、原雅明、玉井裕規
選曲:岡田拓郎、岸田繁、原雅明、三浦透子、SHeLTeR ECM FIELD (Yoshio + Keisei)
協賛:ユニバーサルミュージック合同会社
協力:株式会社ジェネレックジャパン、ADAM Audio、Audio-Technica、Oshima Pros、Qobuz、WHITELIGHT
企画協力:dublab.jp / epigram inc.

■プレイリスト情報

selected by 岡田拓郎 - Ambience of ECM
https://play.qobuz.com/playlist/26755879

 selected by 岸田 繁 - Ambience of ECM
https://play.qobuz.com/playlist/26925651

 selected by 原 雅明 - Ambience of ECM
https://play.qobuz.com/playlist/26755947

 selected by SHeLTeR ECM FIELD (Yoshio + Keisei) - Ambience of ECM
https://play.qobuz.com/playlist/26715607

 selected by 三浦透子 - Ambience of ECM
https://play.qobuz.com/playlist/26925617

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