芸人として数々の受賞歴を誇る傍ら、アーティストとしての活躍の場を広げている粗品が、全国ツアー「粗品 全国五大都市ツアー 『くるみ割り人形』」の大阪公演を、2月4日(火)にZepp Osaka Baysideで開催した。
もともとは昨年10月に予定されていたが、粗品の体調不良により延期となっていた本公演。対バンの清竜人のパフォーマンスのあと、転換をはさんで、クラシックの名曲をバックにメンバーが順番にステージに登場。最後に粗品が姿を現すと場内を埋め尽くした観客から大きな拍手が起こった。粗品は、これまでのパンクロック・スタイルから一変し、パジャマ姿と寝起きのようなボサボサの髪型という意外なルックスなのが印象的だった。

今回もスリーピースのバンド形態で、粗品はヴォーカルとギターを担当。ベースの藤本ひかり、ドラムの岸波藍とともに、「ビームが撃てたらいいのに」を皮切りに演奏がスタートした。その後も前半は「ぷっすんきゅう」、「最高に頭が悪い曲」と、かつてボカロPとして初音ミクをフィーチャーし発表した楽曲のセルフカヴァーを続けて披露した。粗削りで骨太なロックに生まれ変わったサウンドに、会場のボルテージは一気に上昇した。

ステージの中盤で演奏した「サルバドルサーガ」は、「生きていることが素晴らしい」というストレートなメッセージが力強く放たれるナンバー。今日のステージでは、ラストのタイトルコールが「弱くてもいいよ」という歌詞に変えて歌われた。また、17歳のときに亡くなった父親に捧げた「はるばらぱれ」では、想いあふれる渾身のヴォーカルに場内が感動的なムードに包まれた。ファースト・アルバム『星彩と大義のアリア』で中核を成していた2曲だが、ライヴでは生々しくダイレクトにオーディエンスに届けられた。
本編ラストは、「この曲をやるために、今日ここに来ました」というMCの後に披露された「希う」。冒頭のソウルフルなアカペラ・パートでは、場内は息を呑んだかのように静まり返り聴き入っていた。その後、ラウドなロックへとなだれ込み、粗品の激しいシャウトで駆け抜けるように締めくくられた。

この日ステージ初披露となった「希う」や「最高に頭が悪い曲」を含め、今年に入り、ボカロ曲のセルフカヴァーやボカロPとしての新曲を立て続けに配信リリースし、ロケットスタートを展開中の粗品。5日(水)にはボカロPの新曲「スキャットロック」が配信された。
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