“超絶ガナリヴォイス”を持つ謎の歌い手・超学生がメジャーデビュー1周年を迎えた2023年10月28日に、大盛況で終えた、10月22日パシフィコ横浜国立大ホールでの2ndワンマンライブ『入学式』のオフィシャルライブレポートをお届けする。

2023年3月に日本青年館ホールで超学生自身初めての単独公演である1stワンマンライブ『入学説明会』を終え迎えた 2ndワンマンライブ『入学式』は、大阪・横浜の2都市での開催となった。初ライブから約半年後、3回目の単独公演となったパシフィコ横浜国立大ホールを観客が約4倍の規模となったにも関わらずソールドアウトさせるという、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの超学生。

会場内に入るとステージ中央にあるモニターには『入学式』のロゴが映り、クラシック音楽が流れている。超学生のグッズを身につけ、オレンジに光らせたペンライトを持った”保護者”(超学生のファンネーム)がライブの始まりを今か今かと心待ちにしていた。

学校を彷彿とさせる映像に合わせてオルガンの音が会場内に響きわたると、会場に拍手が沸き起こる。アナウンスで「保護者の皆様、そして人類の皆様、ごきげんよう。入学説明会を経て保護者の皆様にはずっと見守ってくださった超学生の成長を、この入学式を通じて大いに感じていただければ幸いです。それこそが超学生が願うことだから。」 と”祝辞”が読み上げられると、超学生がステージに登場。会場は悲鳴のような歓声に包まれた。オリジナル楽曲の「ヒト」からライブが始まり、開口一番「横浜〜!!」と超学生が叫んだ後「バットオンリーユー」で会場を一気に温めていく。「みんなの声、聞かせてください」と呼びかけ、ボカロP・DECO*27作詞作曲「ゾンビ(Giga Waha Remix)」のカバーへ。ライブ前に超学生Official X(旧Twitter)で声出しレクチャー動画を投稿していたこともあり、客席からは「We are ゾンビ、ゾンビ」と超学生の呼びかけに答える”保護者”たちの掛け声が響き渡った。

楽曲の合間に突如、オフショット映像がスクリーンに映し出される。ライブ制作スタッフと打ち合わせをしているような映像内で、どんな『入学式』にしたいのかとスタッフから問いかけられ「みんなの心を完全に奪えるような、みんなが超学生のことを好きになってもらえるような式にしたい」と超学生が答えると、客席からは「もう奪われてるよ〜!」「好きだよ〜!」と叫ぶ声も。
続いてアナウンスが入った後、会場内に手拍子が響き渡る中「Shadow Shadow」へ。時折、飛び跳ねたり、ステージを左右に移動するなど、難易度の高い曲を歌いこなしながらも客席を盛り上げ動き回る超学生。「キュートなカノジョ」「シャンティ」とカバー曲を3曲続けて披露していったこのパートでは、曲の個性に合わせ多彩な歌声を使い分ける超学生の、変幻自在な歌声を存分に味わえた。

一転、照明の演出と映像によって赤く染まるステージに、スモークが足元へ広がっていく。少し不気味な空気感が漂う中、「愛して愛して愛して」「ド屑」「きゅうくらりん」と歌い上げていく。続く「バグ」では超学生特有のガナリヴォイスも炸裂し、SNSにあがっていた掛け声動画からしっかりと予習してきた”保護者”と超学生による完璧な盛り上がりをみせるなど、会場との一体感も最高潮に。

ここで「ありがとう」と一言告げ超学生は一時ステージを去り、今回のライブを支えたバンドメンバーによるインスト楽曲とメンバー紹介へ。2公演を一緒に作り上げたバンドメンバーの上杉悟(Gt)、堀越一希(Dr)、森谷優里(Key)、Igo(B)、清水”カルロス”宥人(Gt)の巧みな演奏が、オリジナル曲はもちろん”歌ってみた”で投稿をしているカバーなど多彩な楽曲のセットリストを支えていく。

バンドメンバー紹介が終わったあと、再び流れ始めたオフショット映像の中では「哲学的ゾンビ」(個々の内面的な意識、人格や心を持たない人間)という言葉の説明がされはじめた。実は今回のライブでは、入場の際に一人一人、手に「超」と書かれたスタンプが押されていたのだが、このスタンプについては映像内で話されている内容とリンクしており、”保護者”として超学生の『入学式』に参列していたはずが、実は観客である自分たちが入学し、その証としてスタンプを押され「哲学的ゾンビ」と化しているのだという。超学生の仕掛けた奇妙な世界への誘いに、会場内が段々とざわつき始める。

オフショット映像が終わると、本編が再開。サビの”無理ゲー”連呼も中毒になる「Untouchable」や「Innocent Tyrat」などオリジナル曲を2曲続けて披露し、ライブも終盤に突入。照明が白く輝き会場を明るく照らすと、超学生YouTube Channelでも1000万回再生を超える人気動画の楽曲「ボッカデラベリタ」へ。続く「人生リセットボタン」のイントロが流れるとひときわ大きな歓声が上がる。「人生リセットボタン」の原曲は11年前に投稿された楽曲だが、超学生と同世代で共に”歌ってみた”の楽曲を聴きながら時を共に過ごしてきたファンも多いのだろう。年齢22歳にして10年以上のキャリアとなる超学生とファンが一緒に成長してきたことがこういった場面からも伺える。そして、オリジナル楽曲の中でも特に人気の「ルームNo.4」のイントロが流れると、待ってましたとばかり、割れんばかりの歓声が起こる。途中途中で、観客にマイクを向け、”保護者”と一緒に歌うなど会場はラストに向けて更に熱くなっていく。「うみなおし」で力強い美声を震わせ、『入学式』本編は締めくくられた。

本編が終わると、超学生を待ち侘びる歓声と拍手が鳴り止まないなか、”追試”と称したアンコールへ突入。最新曲「ファントム」を披露すると、歌と一緒に振りを踊りながら楽しむ”保護者”の姿も見え、それに応えるように超学生もマイクスタンドの前でダンスを繰り広げた。最後に「もう一曲歌います」と告げ、メジャーデビュー曲で『仮面ライダーBLACK SUN』主題歌である「Did you see the sunrise?」を熱唱。公演ラストを飾るのにふさわしい、オレンジ色の銀テープが客席に飛び、会場全員の心を奪った超学生のライブ『入学式』は幕を閉じた。

<超学生 入学式 セットリスト>
01. ヒト
02. バットオンリーユー
03. ゾンビ(Giga Waha Remix) 原曲:DECO*27
04. Shadow Shadow 原曲:Azari
05. キュートなカノジョ 原曲:syudou
06. シャンティ 原曲:wotaku
07. 愛して愛して愛して 原曲:Kikuo
08. ド屑 原曲:なきそ
09. きゅうくらりん 原曲:いよわ
10. バグ 原曲:かいりきベア
11. BAND inst
12. Untouchable
13. Innocent Tyrat
14. ボッカデラベリタ 原曲:柊キライ
15. 人生リセットボタン 原曲:kemu
16. ルームNo.4
17. うみなおし 原曲:MARETU
EN1. ファントム
EN2. Did you see the sunrise?


超学生 公式ホームページ

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