この7月に75歳を迎えた上田正樹。ますます進化を続ける彼がサウス・トゥ・サウス時代からの盟友である有山じゅんじと共に、ベース樋沢達彦、キーボード羽仁知治、ドラムMarvin Lenoar、次代R&Bシーンを担うシンガーだ!と上田正樹が語るYoshie.Nをコーラスに従えてのR&B BANDで届けてくれた特別なステージ。何が特別かというと、あのウエスト・ロード・ブルース・バンドの永井“ホトケ”隆と山岸潤史がスペシャル・ゲストとして登場するからだ。
ステージはオリジナル曲の「Soul Power」から始まり「Soul man」「Hold on I’m coming」とサム&デイブのソウルの名曲で、私たちを一気に引き込み心と体にR&B魂の準備を施してくれる。そこに山岸潤史が加わってのBBキングとの共演でライブレコーディングされた「Feeling Fine」。「Brickyard blues」「Taxi」と続き、極めつけは永井“ホトケ”隆が加わり「Knock on wood」。なんともゴージャスでデラックスな光景とサウンドが展開された。
10月16日に発売されるという永井&山岸によるデュオ・アルバム『…still in love with the blues』から、永井と山岸で2曲ほど届けてくれた後に、永井が50年目にして初めて一緒にレコーディングができたという上田正樹参加曲「Baby what you want me to do」を上田を加えて、そしてYoshie.Nも加わり「Night time is the right time」を聞かせてくれた。「なんか放課後の部活みたいや!」と彼が思わず言葉にしていたように、4人で届けてくれた世界にはそんな空気が流れていた。
「地球があぶない」をはじめオリジナル曲を中心に届けられた後半では、サウス・トゥ・サウス時代の「あこがれの北新地」に続いて、やっと自分のR&Bスタイルで歌えているという「悲しい色やね〜Osaka bay blues〜」の有山じゅんじヴァージョンが届けられた時、R&Bを歌い探求し続けてきた上田正樹というシンガーの情熱と先人たちへの敬意を感じたと共に、半世紀にわたるブルースからソウルやロックへと変化していった音楽シーンとそれに伴う様々な演奏技術進化。それらを経験し消化しR&B BANDのメンバーたちの演奏にも目と耳を奪われた。
「生存確認だから」と笑って話していた上田正樹だが、こんなR&Bの生存確認だったら喜んでまた参加したいと思ってしまった2時間だった。
2025年5月17日(土)かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールでのライブ開催も決定しているとのこと。またまた素敵な生存確認の時間が待っていそうだ。
<上田正樹 R&B BAND 次回公演>
日時:2025年5月17日(土)
会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
チケットは2025年1月発売予定
詳細は後日発表
上田正樹オフィシャルサイト:http://www.masakiueda.com