マネスキンのギタリスト“トーマス・ラッジ”が、初のソロ・アルバム『マスカレード』のリリースを記念したプレミアムLIVEを、アメリカ・ロサンゼルスで12月3日(日本時間4日)に開催。トム・モレロらアルバムに参加した豪華アーティスト登場した興奮の一夜を、現地在住の音楽ライターの鈴木美穂氏によるLIVEレポートをお届けする。
【LIVEレポート】
ポスターの告知通り、二度と目撃できない「一夜限り」のかけがえの無いショウだった。ロサンゼルスの歴史的ライブハウスであるウイスキー・ア・ゴー・ゴーのステージに、黒いレザーシャツとパンツに身を包んだトーマス・ラッジとバンド(ギター、ベース、ドラム)と、特別ゲストのジェットのニック・セスターが登場すると、満杯のフロアから熱狂的な歓声が上がった。トーマスは深々とお辞儀をして投げキスをしてから、『マスカレード』のオープニング曲「ゲッチャ!」のイントロを鳴らし始めた。マネスキンの楽曲にも通じるキャッチーでグルーヴィーかつファンキーな曲で、中盤では鮮やかなギターソロが唸りを上げる。ゲストがトーマスと同世代のシンガーソングライター、アップサール(Upsahl)に入れ替わっての「キャット・ゴット・ユア・タング」もファンキーなヴォーカルの曲で、激しく熱いギターが曲を牽引した。「次の曲は僕達が一緒に描いたんだ」という紹介の後、よりヘヴィなサウンドの「ルーシー」に突入。印象的なリフのリフレインがメロディアスな歌声と美しく絡み合い、ギターソロも鮮やかに織り込まれ、興奮を大いに煽る。後半では長いジャムが始まり、熱狂が最高潮になった。
※ライヴ映像:Thomas Raggi - GETCHA! [Live @ Whisky a Go Go]
https://www.youtube.com/watch?v=x2OmCg4XVVc
※ライヴ映像:Thomas Raggi - LUCY [Live @ Whisky a Go Go]
https://www.youtube.com/watch?v=PuTNjWTm3xI
それから拍手と大歓声の中、トム・モレロと元ガンズ・アンド・ローゼズのマット・ソーラムが登場。トーマスがマイクを握る「キープ・ザ・パック」だ。マットの超強力なドラムに合わせ、トーマスはトムと並んでギターをかき鳴らしながら艶のある美声を響かせ、早くもハイライトとなる瞬間を作った。トムが去って、「フォー・ナッシング」へと続く。トーマスのエモーショナルで憂いのある歌声が存分に堪能できるスローな曲で、後半でのドラマチックなギターソロとマットの確かなドラムが絡み合う様子が素晴らしかった。
続いてザ・ストラッツのルーク・スピラーが颯爽と現れ、「両手を挙げろ! カモン!」と叫んで始まったデッド・オア・アライヴのヒット曲、「ユー・スピン・ミー・ラウンド」で再びパーティモードに。ハイパーなルークが煽りまくる中で大合唱になり、スピーディーなリフが鮮やかに踊って最高の盛り上がりに。だが、この曲以上に興奮させられたのが、アルバムには収録されていないレッド・ツェッペリンの「ホール・ロッタ・ラヴ」だ。再登場したニックとバンドが渾然一体となって素晴らしいグルーヴを生み出し、途中から即興のジャムが始まって流麗なギターソロが場内を貫く、圧巻のカバーだった。
アップサールが再登場したブロンディーの「コール・ミー」のカバーは、サビでの観客の合唱の合間にトーマスがダイナミックなソロを織り込み、アルバムではザ・プロディジーのマキシムがヴォーカルを担当した「フォール・アウェイ」もドライヴ感満載で、何度も大歓声が起こった。ルークとマットが戻っての「ザ・リッツ」は、彼らの高揚感のあるグルーヴがこの夜最高潮に。それからゲストがニックに入れ替わって再び「ゲッチャ!」が演奏され、1時間に及ぶ最高の夜が締めくくられたかと思いきや、最後に驚きのラストが用意されていた。
トムが再び現れ、「歴史を作った曲だよ」とトーマスが言って始まったのは、「キリング・イン・ザ・ネイム」。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの代表曲のカバーに、イントロから全観客が沸騰したように盛り上がった。ヴォーカルのいないバージョンだったが、トムが繰り返しトーマスにギターを任せて観客を煽って大声で歌わせ、コーラスでは爆音のツイン・ギターが炸裂して、またとない瞬間を創出した。最後に彼は、「応援してくれて、見にきてくれて本当にありがとう。このアルバムを世界の皆と共有するのが楽しみだよ。ありがとう、また会おう」と穏やかに言って、バンドメンバーにもお礼を言い、拍手喝采のなかステージを後にした。周囲のファンが、「最高だったな」、「いつも通り素晴らしかった」と口々に興奮を声にしているのが聞こえた。
アルバム『マスカレード』にはこの夜の特別ゲストの他にも、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス、カサビアンのセルジオ・ピッツオーノ、OKAMOTO’Sのハマ・オカモト、フランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノス、ザ・プロディジーのマキシムなど、錚々たる面子が集結している。このアルバムが実現したのは、トーマスの抜きん出た才能だけでなく、ファンにもミュージシャン仲間にも好かれる彼の人柄のおかげでもあるのだろう。ロックスター達が曲を終えた後に笑顔で彼と抱擁する姿で、まだ20代のトーマスが本当に敬愛されているのが伝わってきた。
「俺にとっては、ロックンロールを擁護して、今もなお重要なものだということを見せつける新たなチャンス。このプロジェクトはその伝統を生かしておく一環だと考えている」と、『マスカレード』のプロデュースを手がけたトムは語っている。彼の願った通り、トーマスによるロックの歴史と伝統を継承しながらも新しく眩しいエネルギーに満ちたロックンロールを、骨の髄まで体感できる見事なショウだった。(鈴木美穂)
※セットリスト
1. GETCHA! with NIC CESTER
2. CAT GOT YOUR TONGUE with UPSAHL
3. LUCY with UPSAHL
4. KEEP THE PACK with MATT SORUM & TOM MORELLO
5. FOR NOTHING with MATT SORUM
6. YOU SPIN ME ROUND with MATT SORUM & LUKESPILLER
7. WHOLE LOTTA LOVE with MATT SORUM & NIC CESTER
8. CALL ME with UPSAHL
9. FALLAWAY with UPSAHL
10. THE RITZ with MATT SORUM & LUKE SPILLER
11. GETCHA! with NIC CESTER
12. KILLING IN THE NAME with TOM MORELLO
【トーマス・ラッジ最新アルバム『マスカレード』配信・購入サイトはこちら】
https://thomasraggi.lnk.to/Masquerade_japan

【商品情報】
トーマス・ラッジ『マスカレード』
2025年 12月5日リリース(配信・CD)
※日本盤CD概要
品番:SICP-6764 価格:\2,860(税込)
日本盤CDのみボーナス・トラック収録 解説・歌詞対訳付
収録曲
ゲッチャ!
with ニック・セスター & チャド・スミス & トム・モレロ
※楽曲制作にベック参加
キープ・ザ・パック
with マット・ソーラム & トム・モレロ
ルーシー
with アップサール & ハマ・オカモト & チャド・スミス
キャット・ガット・ユア・タング
with セルジオ・ピッツォーノ
フォー・ナッシング
with マット・ソーラム
ユー・スピン・ミー・ラウンド(ライク・ア・レコード)
with アレックス・カプラノス
ザ・リッツ
with ルーク・スピラー
フォーラウェイ
with マキシム
日本盤CDボーナス・トラック
フォー・ナッシング (オルタナティブ・ヴァージョン)
with マット・ソーラム
【関連サイト/SNSアカウント】
Instagram: https://www.instagram.com/thomasraggi__/
YouTube: https://www.youtube.com/@Thomas_Raggi_Official
X: https://x.com/ThommyRaggi
■マネスキン各サイト
Official HP: https://maneskin.com/
Official HP (Japan): https://www.sonymusic.co.jp/artist/maneskin/
X: https://x.com/thisismaneskin
Instagram: https://www.instagram.com/maneskinofficial/
Facebook: https://www.facebook.com/maneskinofficial/
TikTok: https://www.tiktok.com/@therealmaneskin?lang=ja-JP
YouTube: https://www.youtube.com/@ManeskinOfficial
