聖飢魔Ⅱ 地球デビュー40周年記念期間限定再集結大黒ミサツアー「THE END OF SEASON ONE」FINALさいたまスーパーアリーナにて大団円。魔暦28(2026)年新たなる大黒ミサ開幕！

まず、この大黒ミサの詳細を時系列に記す前に、特筆すべき大ニュースを先に。聖飢魔Ⅱはこの日、活動の継続と来年も大黒ミサツアーを行うことを発表したのだ！この件についての詳細は、レポートの後半に触れることとする。
 
魔暦27年（2025年）4月12日（土）、東京ガーデンシアターにて「地球デビュー40周年記念 期間限定再集結大黒ミサツアー『THE END OF SEASON ONE』」が幕を開けた。全国18会場・19公演はすべてSOLD OUTを記録し、8月19日愛知県芸術劇場大ホールにて見事完遂。聖飢魔Ⅱの変わらぬ求心力と圧倒的な存在感を示す結果となった。続く全国大黒ミサツアーは“FINAL”として11月24日の大阪城ホール、そして11月30日のさいたまスーパーアリーナへと到達。約15,000人の信者が見守る中、地球デビュー40周年の記念すべき行寇は壮麗な終幕を迎えた。
 
FINAL大黒ミサは、「待ってました！」の定番曲「聖飢魔Ⅱミサ曲第一番 創世紀」で賑々しくスタート。デーモン閣下が棺から登場し、歌唱曲が勢いよく展開する。
大教典『BLOODIEST』（魔暦24＝2022年）より「LOVE LETTER FROM A DEAD END」からの人気曲「MASQUERADE」が荘厳にたたみかける。続く「アダムの林檎」では“伝統のイニシエイション”が執り行われ会場の熱気が一段と高まり、“デーモン閣下のこ気味良い説法”を挟んで披露された「STAINLESS NIGHT」から「満月の夜～真昼の月～空の雫～闘う日本人～世界一の口づけを」という、Final大黒ミサ用に用意された珠玉のメドレーは、本活動の後期のメッセージ色の強い楽曲を中心に構成され観客を一気に魅了した。
 
大黒ミサ中盤には構成員から信奉者へのメッセージが贈られ、その中で聖飢魔IIの歴史上初めてサポートギターとして大黒ミサに帯同したRENOファウストがルーク参謀から紹介されると、場内割れんばかりの歓声が送られた。RENOは聖飢魔II創始者であるダミアン浜田陛下に見出され、改藏人間となりヘヴィメタルバンド“Damian Hamada’s Creatures”のメンバーとなった。今回の聖飢魔IIの40周年ツアー前に発表された、ギターヒーローそして超絶テクニックを誇ってきたルーク篁参謀（G）の右手神経障害というコンディションの危機。同じさだめを背負う者として、ルーク参謀のギターパートを見事なテクニックで支え、立派にこの難局を共に乗り越えてくれたことに対し、構成員や信奉者からの熱い気持ちが会場中に伝わった瞬間である。大黒ミサ中後半は、35周年＋＋のツアーで初参加し、サポートピアノ＆キーボードとして今や信者の心をしっかり掴んでいるKAMISO RI SYUTOの幻想的な独創ピアノ曲から、魔暦27（2025）年7月2日に発布されたCD大教典を中軸に「Kiss U Dead Or Alive」「有害ロック」「老害ロック」を立て続けに披露。さらに「Next Is The Best!」へつなぎ、本編ラストとなる「FIRE AFTER FIRE」では壮観な火柱が立ち上り、大黒ミサは熱狂のまま本編が締めくくられた。
 
そして７ヶ月間に渡って行われてきた地球デビュー40周年の軌跡を振り返る映像がサービスモニターに映し出される、全国１９ヶ所でのホールツアーの様子、26年ぶりとなる全曲書き下ろしの大教典の発布、１０年越しとなったBABYMETALとのKアリーナ横浜での２日間に及ぶ決戦の模様、同じ40周年をデビュー迎えた同期バンドTUBEとのコラボレーションそして横浜スタジアムでのサプライズ共演！聖飢魔II創始者ダミアン浜田陛下率いるDamian Hamada’s Creaturesとの魔界史に残る長崎アリーナでの共演、氣志團万博での和気あいあいとした出演の模様などが映し出され、過去の期間限定最集結と比べても中身の濃い記念すべき地球デビュー40周年であったことが観衆の胸に熱く刻まれた。そんな静かに熱い空気の中、珠玉のバラード曲「BAD AGAIN」が激しいばかりではない耽美な聖飢魔Ⅱの魅惑でアリーナを包み込んだ。一転して今や伝統芸能とも評される前口上から“お前も蝋人形にしてやろうか！”の雄叫びと共に「蠟人形の館」で完全にギアチェンジ！「悪魔組曲作品666番・序曲」ではスーパーアリーナの大観衆が大合唱で一体となり、唯一無二の荘厳なる世界観が会場を揺さぶった。
そして名曲「EL DORADO」へと重厚な楽曲を連続して披露し、いよいよ地球デビュー40周年の運命のクライマックスに向けて会場の空気が緊張感を増してゆく、次にまたいつ聖飢魔IIが地球上に現れるのか？それともこれが最後となるのか・・・・？そこで閣下から思いもよらぬお言葉が！　地球征服を宣言した魔暦元年(1999)の本解散を経て、魔暦7（2005）地球デビュー20周年から期間限定で再集結の伝統を重ねてきた、魔暦12（2010）年、魔暦17（2015）年、魔暦22（2020）年と約５年おきに続けられ、そして地球デビュー40周年の大きな節目となるこの魔暦27（2025）年、20年もの間続いてきた期間限定再集結シリーズに一投石する、今回の大黒ミサツアータイトル“THE END Of SEASON　ONE”の意味が解き明かされたのだ、26年ぶりの全曲書き下ろしの大教典「Season II」のタイトルの謎解きとも言える発表がなされた！
「魔暦28（2026）年、新たなる大黒ミサツアー『SEASON II』敢行」の発表が行われたのだ、そしてラスト曲として高らかに「WINNER!」が演奏される。地球デビュー以来40年の今年、聖飢魔IIは1回の黒ミサでのバンド史上最高動員１.５万人をこの日、記録したという。
 
日本のヘヴィメタルバンドの歴史を数々塗り替えてきた異端の存在であり“無冠の帝王”とも呼ばれる聖飢魔IIが、またも信奉者やファンの想像を超えて行き、次なる章へ歩みを進めるらしい。
地球デビュー40周年を象徴する「WINNER!」で終演──と思われたその時、さらなるスペシャル演出が待ち受けていた。
来年から始まる聖飢魔IIの全国大黒ミサツアー“SEASON II“の発表を祝してなのか、聖飢魔IIが地球に初めて姿を現した早稲田大学、その後輩にあたる早稲田大学応援部のマーチングバンド30名の隊列が”Season IIのテーマ“を演奏しながら入場してきたではないか！後輩達が偉大なる先輩達の新たな挑戦に対して敬意をもって祝福に参上したのだと思われる。
実は26年ぶりの全曲新譜大教典の最後にこの”Season IIのテーマ“はインストゥルメンタルで収録されている、なぜ、ハードロック・ヘヴィメタルバンドの作品の最後に吹奏楽アレンジの曲が収録されているのだろう？とリリース以来筆者は不思議に思っていたのだ、実はこのステージ演出への大いなる前振りだったのか！？楽曲制作を考えれば３年以上前にこの結末が用意されていたのか！？いやそんな訳はないだろう？色々と考えさせられてしまう！本当に聖飢魔IIには驚かされる。
 
構成員たちが大観衆の声援を受け会場中央に突き出したセンターステージから長いストロークを歩き、霧に包まれたステージ奥へ去っていく“勝利者の行進”に早稲田大学のマーチングサウンドがその背中を押す。スーパーアリーナは聖飢魔IIの歩んだ異端の歴史と今なお突き進む姿に驚きと感動で包まれた。
 
聖飢魔IIは今年の最後12月31日にZepp Naｍba (大阪)にて、魔暦元年(1999)に「行われた聖飢魔II本解散の伝説の大黒ミサをヴィデオ黒ミサ（当時の音源をデジタル化し、パラデータとして当日PAエンジニアが本解散時の音響を再現するという、コロナ禍期に聖飢魔IIが開発した特殊なヴィデオ上映形態）形式で関西において初めて開催することを発表している、そしてその会場で来年のツアーの詳細が明らかになるという。
悪魔達の動向から、今後もしばらく目が離せない。

photo by 山田晋也

【セットリスト】
地球デビュー40周年記念期間限定再集結大黒ミサツアー
「THE END OF SEASON ONE」FINAL

M-0 SE
M-1 創世紀
M-2 LOVE LETTER FROM A DEAD END
M-3 MASQUERADE
M-4 アダムの林檎
M-5 STAINLESS NIGHT
M-6 Medley
満月の夜～真昼の月～
空の雫～闘う日本人～世界一の口づけを
M-7 SYUTOのピアノソロ～ Kiss U Dead Or Alive
M-8 有害ロック
M-9 老害ロック
M-10 Next Is The Best!
M-11 Brand New Song
M-12 FIRE AFTER FIRE
 
【ENCORE】(40周年振り返り映像)
M-13 BAD AGAIN
M-14  蝋人形の館
M-15 悪魔組曲・序曲
M-16 EL DORADO
M-17 WINNER!