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encoremode
2021.01.13

名店、VMDの極意――アッシュ・ペー・フランス ビジュー編

視覚表現を中心とした多様な演出で、消費者の購買を喚起するディスプレイによるマーケティング手法、それが「VMD(Visual Merchandising/ビジュアルマーチャンダイジング)(以下、VMD)」。 ハロウィンやクリスマスといったイベント事に合わせ、人の目を引く効果的な表現や演出をしているのも、このVMDである。ウインドーディスプレイやショーウインドーを使用した販促手段のひとつではあるが、VMDはその時代を反映、そして象徴したアートを表現する場としても人々の目を楽しませてきた。最新のデジタルを駆使したものや、立体モニュメントなどの現代アート、古典的なアートでVMDを行っている企業もあるなか、シーズンアイテムの展示など販促に徹する企業もあるなど、もちろん企業によってVMDの考え方はさまざまである。さらには視覚だけでなく、聴覚(BGM)や嗅覚(アロマディフューザー)も含めた総合的な演出をVMDの範疇(はんちゅう)としている企業もある。 『encoremode』では、今後VMDに力を入れているショップを随時紹介していく。第1回はH.P.FRANCE BIJOUX 丸の内店(アッシュ・ペー・フランス ビジュー)。クリスマスシーズンのVMDの極意について聞いた。

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ジュエリー及びアクセサリーを中心に取り扱うアッシュ・ペー・フランス ビジュー 丸の内店は、東京駅向かいにある丸ビルの1Fに店舗を構えている。

国内外の金融系企業をはじめとするビジネスパーソンを中心に、学生や家族連れなどの買い物客など、さまざまな人が終日忙しく行き交う師走。期せずして出会ったピンク色のロウソクで出来た幻想的なクリスマスツリーに、人々は目を引かれていた。

「2020年は色々な事がありましたから、”YES 2021希望を持って来年を迎えましょう”というのが大きなメッセージなんです」と、アッシュペー フランス広報部長の江間亮子さん。

通常、約1ヶ月半ごとに国内外のクリエイターによるインスタレーションでビジュアルが入れ替わる、ギャラリー的スペースとして活用されているというショーウインドー。

クリスマスシーズンは、例年ジュエリーのクリエイターなどに依頼をしていたが「海外とのやり取りが難しいタイミングもありまして、イレギュラーですが、今シーズンは原点回帰の思いも込めて弊社のクリエイターチームが担当しました」という。

コンセプトは「森の中で偶然幻想的なクリスマスツリーと出会う」。

「この社会状況の中で”ロウソクの光のゆらぎが一番温かく心に届くのでは?”というところから、キラキラしたツリーではなく、ゆらぎを感じる灯火で表現しています」。

また、普段はギャラリー機能と店舗機能を分けているのだが「今回はあえて店内のVMDコンセプトである”森”と連動させたテーマにしました」という事で、ショーウインドーから店舗内部まで一貫し幻想的な森の雰囲気が溢れる表現となった。

「一般的にVMDと言われるカテゴリーの枠を超えて、弊社ではひとつの表現と捉えてやっています。それをアッシュペーフランス制作室責任者の井上知佐子を中心とする社内クリエーター集団が、店舗やポップアップイベントなどコンセプトに合わせてデザインから施工、すべてこの制作室で進行しているんです」と、VMDの方針について話す。

「什器も含めて基本的にオリジナルで作っていて、デザインの頭脳の部分をそのチームが担ってます。そういった意味では、VMDチームの立ち位置が他社さんとは違うかもしれません」。ちなみに、音楽的な部分においてチームは特に関わっておらず、店舗に任されている状況だという。

「弊社の社風といいますか、視覚的なところに重きを置いている事もあると思います。感覚的には右脳の集団なのかもしれませんね(笑)」。

2021年春夏の方向性について聞くと「この店舗のウインドーはギャラリー的なスペースですので、”春夏シーズンだから”という販促には寄らず、様々なアーティスト・クリエーターたちの表現する世界を、日常的な感覚でお楽しみ頂きたいです。また、一般的なVMDの領域を超えたところでクリエイティブチームと連携することで”自分たちも作る、そして発信する”という部分を会社の強みとして、さらに活かしていきたいですね」と江間さん。

「ただ”人がどう生きるか?”という、ライフスタイル全体を感じられる方向性では考えています。また、来年度に向けてアッシュ・ペー・フランス ビジュー事業部では”YES 2021″というメッセージを掲げています。現状を肯定するという意味なのですが、音楽もファッションも関わる私たちにとってはなくてはならないものですし、”ファッションがもたらす喜びをどう発信するか?”という部分を、VMDのチームだけではなく、会社をあげて表現していきたいですね」と続けた。

2021年は、ビジュアル的にも、会社的にもポジティブな動きを見せてくれそうなアッシュ・ペー・フランスである。

ロウソクの光のようなゆらぎから何かを感じるのか、本取材中も通りがかりの多くの人がこのツリーを写真に収めている姿を目にした。

表現から伝わるワクワク感やドキドキ感。

不安な状況なだけに楽しさや幸せを感じる表現が必要になってくる。今後をポジティブに過ごすためのひとつのファクターになるのかもしれない。

アッシュ・ペー・フランス ビジュー 丸の内店

住所:東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング1F
03-3240-5791
営業時間:11:00~21:00(月~土曜日)
11:00~20:00(日・祝日)
不定休(年末年始)



幻想的なクリスマスツリーが人々の目を引いている店舗正面入り口。

幻想的な光の店内。

店内奥にも森の雰囲気の表現が施されている。

この溶けたようなロウソクの雰囲気もすべてクリエイターチームがオリジナルで作っているという。

定番のおすすめ商品。『LIA DI GREGORIO(リア・ディ・グレゴリオ)』

こちらもシーズン問わずおすすめのアイテムだそう。『CAROLINA BUCCI(キャロリーナ・ブッチ)』と『RED LINE(レッド・ライン)』

クリエイターにフォーカスしたディスプレイ。『SWEET PEA(スイート・ピー)』

アッシュペー フランス広報部プレスの江間亮子さん。音楽で踊るのが好きなラテン気質だそう。

(おわり)

写真/遠藤純
取材/久保雅裕
取材・文/カネコヒデシ



久保雅裕(くぼ まさひろ)
(encoremodeコントリビューティングエディター)

ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。

カネコヒデシ
メディアディレクター、エディター&ライター、ジャーナリスト、DJ。編集プロダクション「BonVoyage」主宰。WEBマガジン「TYO magazine」編集長&発行人。ニッポンのいい音楽を紹介するプロジェクト「Japanese Soul」主宰。そのほか、紙&ネットをふくめるさまざまな媒体での編集やライター、音楽を中心とするイベント企画、アパレルブランドのコンサルタント&アドバイザー、モノづくり、ラジオ番組製作&司会、イベントなどの司会、選曲、クラブやバー、カフェなどでのDJなどなど、活動は多岐にわたる。さまざまなメディアを使用した楽しいモノゴトを提案中。バーチャルとリアル、あらゆるメディアを縦横無尽に掛けめぐる仕掛人。





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