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encoremode
2020.04.15

私の一枚 by 小村和久(5351POUR LES HOMMES)――メアリー・J.ブライジ『What’s the 411?』

encoremodeブレーンメンバーの音楽遍歴を辿るコラム「私の一枚」。第7回のセレクターは「5351プール・オム」ディレクター、小村和久さんです。

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1992年、19歳の夏。音楽好きだった父の影響もあり、時間があればレコードやCDを漁っていた頃に偶然出会った一枚が、メアリー・J.ブライジの『What’s the 411?』だった。大好きだったモノトーンデザインに惹かれ、偶然手に取ったアルバムでまさにジャケ買い。これまで聞き馴染んできたヒップホップやソウル、ブラコン(ブラックコンテンポラリー)、ニュージャックスイングといったブラックミュージックの全要素が混ざり合っているような、今まで聴いたことがない新しい感覚に引き込まれていく。その理由は分からないまま、とにかく毎日CDが傷だらけになるまで聞いた。当時はまだインターネットによる情報収集なんてことはできなかったから、多くの音楽雑誌からこのアルバムの奥深いルーツを学んだ。



90年代ブラックミュージック雑誌。当時は常に持ち歩いていた。


このアルバムのプロデューサーであるショーン・パフィ・コムズ(現ディディ)のヒップホップサウンドとメアリー・J.ブライジのソウルフルな力強いボーカルが融合して、これまでになかった「ヒップホップ・ソウル」が誕生。70年代のソウルメロディーと80年代のビートが重なる瞬間、これまでになかった数多くのアーティストのサンプリングやカバーを加えることでさらに完成度の高い楽曲へと仕上がった。新しい感覚に引き込まれていった理由、それはまさにMIXTURE(融合)にあった。これまで断片的に聴いてきた音が混ざり合い、ひとつのスタイルとして完成している。その衝撃は、当時の自分にはあまりにも大きかった。

マイケル・ジャクソンとマドンナが築き上げてくれたミュージックビデオによって音と服がより近いものになり、音はファッションにも影響を与えた。70年代の艶感と80年代のストリートが混ざり合い、90年代のモノトーンとして表現されたファッションは、まさに今の自分のスタイルを形成し、ルーツを学びながら相反する服をぶつけ、自分らしいスタイルに作り上げるアイデアは、この一枚のアルバムから学んだ。コンテンポラリーR&Bの登場こそ、私のファッションスタイルのルーツなのである。

サステイナブルが騒がれている中、四半世紀前の古着を今でも大切に着ることって単純だけどすごく大切なこと。四半世紀後でも大切に着てくれる服を今、デザインすることの重要さを感じる日々。どんな時代になっても、服はその時の自分らしさを表現するもの、個性の表れであって欲しい。2020-21年秋冬コレクションのテーマは、今を感じるモノトーンをデザインした「BLACK&WHITE」がテーマです!

(おわり)

文/小村和久(5351プール・オム ディレクター)



小村和久(こむら かずひさ)
1973年福岡県生まれ。大阪経済大学卒。1998年にアバハウスインターナショナル入社。5351事業部に配属となり、2000年以降はチーフデザイナーとして東京にてコレクション発表。2012年5351プール・オムのディレクターに就任。



メアリー・J.ブライジ『What’s the 411?』
2008年12月3日(水)
UICY-6060
ユニバーサルミュージック合同会社




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