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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN



[section heading="ゲストスピーカー"]

花井悠希(はない ゆき)
バイオリニスト。ファッションデザイナー。3歳からバイオリンを始める。2010年4月、王子ホール東京でデビューリサイタルを行い、同月、日本コロムビアよりCDリリースでデビュー。1966カルテットのメンバーとして2010年から活動中。2018年パノルモを立ち上げる。

[section heading="モデレーター"]

林ゆり(Y’s company)



[section heading="物語と同じように音楽とファッションのつながりを感じる"]

――バイオリニストとしてご活躍中に、なぜブランドを立ち上げたのかと聞かれることが多いと思いますが。

「必ず聞かれます(笑)。でも、演奏することとファッションって関連があると思うんです。クラシック音楽の世界では、演奏する時にAラインのお姫様っぽいシルエットのドレスを着ることが多いのですが、それはオーケストラをバックに大きなステージでの演奏ではとても映えますが、サロンや小さなホールなどもっとパーソナルな場所の場合、合わないなと思うことがありました。私と同じようにそこに疑問を抱いている演奏家も、少し増えてきているようにも感じます。だからといって、演奏者が普段着のような恰好では、これも期待外れな気がして。そこで、舞台映えして、セットアップならフォーマルに、単品ならカジュアルダウンもできるものを作ろうと考えました」

――確かにクラシックには、お姫様ドレスも似合いそうですが、花井さんは、クラシックだけでなくポップスなども演奏されるので、特にそのような機会は多そうですね。

「そうなんです。デビューもクラシックとさだまさしさんの情感のある曲とのCD同時デビューでしたし、2010年に結成した1966カルテットでは、ビートルズなどの洋楽のカバーをしているので、もっとカジュアルだったり、カッコいいスタイルだったりに、エレガントが香るものでもいいのではと思っています」

――だからといって、いきなりブランドをスタートするというのはハードルが高いように感じますが、もともと何かファッションとの接点があったのでしょうか。

「"ジュンオカモト(JUN OKAMOTO)"さんのお洋服が好きで、衣装としてお借りすることもあったのですが、そのコレクションには毎回、物語があるんです。物語とファッションというのが、音楽とファッションに似ていると感じたことや、実は、2010年に東京コレクションで"ファーファー(FURFUR)"の衣装を着て演奏したことがあります。ファッションとの最初の接点は、そこかもしれません」



[section heading="飾りが右側にあるアシンメトリーなデザイン"]

――演奏者だけに向けられたブランドではありませんが、デザインするときに気をつけていることはありますか。

「演奏する人に向けてとなると限定されるなと思ったので、演奏を聴きに来てくれる人など、ちょっとおしゃれして出かけたい日に選んでもらえるような物作りをしています。20年春夏のテーマが、"カデンツァ"なんですが、これはほかの楽器の演奏がなく一人で演奏するソロパートのことなのです。そこはとても自由でありながら、演奏者が一人なだけに、強くもいなければいけません。そんな凛とした女性をイメージしています。音楽は、音なので実態がありませんが、作るものを可視化するということが、洋服のデザインでは必要なので新鮮な感覚でした。デザインすることで、ステージでの見せ方も以前より意識するようになりました。パンツスタイルも多いのですが、スカートをはいたときの足癖など、視覚として意識するようになりました。着ている洋服によって感情が変わるので、衣装ってやはり大切ですよね。あとは、アシンメトリーなものを好む人が多いということも先日、伊勢丹のポップアップで店頭に実際に立ってお客様の声から知ることができました。ただ、世の中のアシンメトリーって、基本的に左側に装飾がついているんですよね。バイオリンは左肩に楽器をのせるので、左に何かデザイン性の高いものがあると着られません。そこで、パノルモのアシンメトリーなデザインはすべて右側に装飾をつけました。演奏しているときに見られるのも右側からですし、これはバイオリンのf字孔から音が出るという性質からも、その向きで演奏することになります。今シーズンは、オリジナルプリントにも力を入れていて、私が今日着ているワンピースには、五線譜が躍っているように描かれています。この五線譜に私が実際に演奏出来る音符を書き込んで、楽譜柄にしました。ちなみに、シベリウスのバイオリンコンチェルトから音を引用しています」

――わかる人が見ると、「おおっ」と思う訳ですね。前シーズンまでと、全体的に印象が変わったように感じますが、何か変化はありましたか。

「前シーズンまでは、"もっとリアルクローズを"とデザインしていたのですが、なぜ、私がやっているかということがいまいち伝えきれていない気がして。"バイオリニストがデザインするお洋服"とイメージしてくださるものに"もっと近づいて、もっと自分らしさを出していいんだ"って気づいたんです。デザインについては、自分自身が普段演奏しながら考えたり掘り下げたりしながら、レース使いやドレッシーをベースに、甘くないドレスアップスタイルをデザインしました」

[section heading="それぞれのオンステージで着てもらいたい"]

――どのように着てもらいたいと考えていますか。

「音楽とファッションがつながっているブランドなので、コンサートに出かける時にぜひ着てもらいたいです。そして、演奏者や聴いて下さる方はもちろん、一人一人それぞれの生活の中で訪れるオンステージで着てもらえるブランドだと嬉しいです」



花井さん自身がステージで「心地よく演奏できるように」との想いでデザインされるパノルモは、ハレの日のドレスとしてオケージョン需要に応えてくれる。パノルモというブランド名は、花井さんの愛器の制作者の名前に由来する。花井さんがメンバーとして活動中の1966カルテットが10周年を迎える2020年。パノルモのドレスは、ステージだけでなく、観客席も華やかに彩ってくれそうだ。

(おわり)

取材・文/林 ゆり





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