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約20年前、スケートボードやインラインスケートのビデオを見ていると流れてくる音楽はHIP HOPやスラッシュメタル、ハードコアが主流でした。あるインラインスケートのビデオを見ている時、エンディングにイギリスのロックバンド、ザ・ヴァーヴの「ビター・スウィート・シンフォニー」が流れてきました。メロウな曲調に合わせ、PVさながらボーカルのリチャード・アシュクロフトのように脱力したスケーターが、キレキレにメイクするビジュアルが斬新でカッコいいと思いました。

ファッションにおいても、音楽による作品=商品のイメージを拡張させ、見る側の心に訴えかける表現手法は効果絶大です。

2018年2月、セリーヌのアーティスティック・ディレクターに就任したエディ・スリマンは、ロック音楽との強い結び付けをしてきました。デザイナー時代から積み重ねてロック=エディ・スリマンのイメージ付けをし、熱狂的なファンを獲得しています。

また2019年4月、映画『マックイーン:モードの反逆児』が公開されましたが、アレキサンダー・マックイーンは、ランウェイショーにおいて、ショー用の音楽はもちろん、会場選定など全ての演出に長けていて、立体的に服を欲しいと思わせる仕掛けが沢山ありました。内側からどろっと流れ出てくる暴力性やおどろおどろしさと美しい洋服や端正なモデルたちとの対比が音楽と相まって毎回ドキドキさせられる演出で魅了されました。

デザイナーやアーティスト、アクティブスポーツのアスリートなど表現者にとって音楽は自身の思いややりたいことを膨らませ、見る側に伝えていくための大切な表現手法です。

私は現在42歳ですが、今後さらに歳を重ねていっても表現者の考え方や哲学、作品=作品や表現手法に興味を持ち、自身も感じとることのできる感性を育んでいきたいです。

(おわり)

文/中箸充男(バーニーズ ジャパン)



スザンナ・フランケル『ヴィジョナリーズ ファッション・デザイナーたちの哲学』
スペースシャワーネットワーク刊

アレキサンダー・マックイーンのインビテーション。中箸氏の私物

中箸充男(なかはし みつお)
バーニーズ ニューヨーク メンズファッションディレクター。イリノイ大学留学中、シカゴでバーニーズ ニューヨークを知る。帰国後、バーニーズ ジャパンに入社。スーツフロア、ファニシングフロア、デザイナーズフロアのスタッフを経てバイヤーに。2017年から現職。



ザ・ヴァーヴ『アーバン・ヒムス』
2017年9月1日発売
2SHM-CD/UICY-15605/61560/3,600円(税別)
ユニバーサル ミュージック




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