――2023年12月7日リリースの1stデジタルシングル「眼差しSniper」でデビューしてから、1周年を迎える心境から聞かせてください。
CHOCO「これまでにデジタルシングル5枚とミニアルバム1枚を出させていただきました。1周年の時点で、こんなにたくさんの曲をリリースさせていただいているのは本当に貴重なことで、あまり他にはないことだと思うので、今の環境にすごく感謝しています。今までいろいろな経験をさせていただいたからこそ、WHITE SCORPIONはこの1年でかなり成長したなと実感もしています。デビュー1周年の記念日に開催させていただく『1st Anniversary LIVE~追撃。~』は初ワンマンライブ『WHITE SCORPION 1st ONEMAN LIVE 〜初撃。〜』からキャパも2倍以上になっているので、私達の1年の集大成として、そこで今までの活動の結果をちゃんと示していきたいです」
HANNA「この1年はあっという間だったんですけど、思い返してみると、すごく濃い1年でした。1年前はアイドルになったばかりで、わくわくドキドキしながらも、同じくらい不安な部分があった状態でした。メンバーに頼ってばかりで、自分の意見も言えずに、周りが言ってくれたことを自分もやっているっていうことが多かったんです。でも、1年経って、例えばダンスレッスンの時に“もうちょっとこうした方がいいんじゃない?”って自分の意思も言えるようになってきました。自分でも成長を感じられる部分だと思いますし、2回目のワンマンライブ『追撃。』をソールドアウトさせて、2年目も気持ちよくスタートできるように頑張りたいです」
――身長も1年で伸びましたよね?
HANNNA「よく言われます!」
CHOCO「絶対に伸びたと思います」
AOI「大きくなったよね」
HANNNA「測ってはいないので、わからないですけど、1センチくらいは伸びてたらいいな。たぶん、168センチくらいになっているかな?」
――AOIさんはどうですか?
AOI「私は、デビューから1年経つという実感が全然湧いてなくて…。気づいたらもうデビュー1周年が目前になっていました。それくらい毎日が充実していたと思うんですけど、活動をしていく中で、“全てのことがうまくいくわけでもないな“っていうのを、この1年ですごく感じています。今は素敵なアイドルグループさんがたくさんいる時代じゃないですか? その中で、”WHITE SCORPIONをもっとたくさんの人に知ってもらうためにはどうすればいいんだろう?“っていうことをたくさん考えた1年でした。これから2年目に入っていくんですけど、今よりももっと世の中の人たちに知っていただくためにはどうしたらいいのか…。パフォーマンスはもちろんですけど、私たちは『IDOL3.0 PROJECT』オーディション出身で、Web3(ウエブスリー)にも関わっているグループなので、SNSもうまく活用して、インターネットも駆使しながら、もっと勢いをつけて頑張っていきたいです」
――CHOCOさんから“いろんな経験をさせてもらった”とありましたが、特に印象に残っているのはどんな出来事ですか?
HANNA「今、ぱっと思い浮かんだのは、1年前のサンシャイン噴水広場で応援してくださるファンの方に向けて初めてパフォーマンスをした日です。そのときは、すごくドキドキしましたし、緊張もあったんですけど、メンバーみんなの“絶対にやってやるぞ!”っていう気持ちがすごく強かったんです。目の前にいるお客さん、1人でもファンになってもらいたい! ってことを考えていた日でした。その日のことを1年経った今でもたまに思い返しますし、その気持ちを忘れないことは大切だなと思って。これからもあの日の想いを忘れずに頑張っていきたいです」
AOI「私はやっぱりワンマンライブ『初撃。』が一番印象に残っています。デビューしてから、いろんなイベントやたくさんのアイドルフェスにも出演させていただいて。リリースイベントも何度もやっていく中で、ちゃんと一つの作品としてパフォーマンスしたのが、9月の『初撃。』のワンマンライブだったんですけど…」
CHOCO「9月? もうそんなに前なんだね!」
AOI「うん。そこで、今の自分たちの精一杯のパフォーマンスを披露しました。そこが一つのターニングポイントになったんじゃないかな?と思っています。だからこそ、12月の『追撃。』は『初撃。』をさらに上回るライブにしたいと思っています」
CHOCO「私も一番思い入れがあるのはやっぱり『初撃。』です。初めて知ることばかりだったんです。例えば、“ライブの裏側でスタッフさん達はどういうふうに動いてるんだろう?”とか、“考えてくださった演出にどんな理由があるのか?”とか。今まで何気なく見ていたライブが、実はこんなに意味があって、こんなに細かいところまでいろいろと考えられて作られたものだったんだなって知ることができました。あと、ファンの方がサプライズを用意してくださったんです。大きな横断幕を作ってくださったり、旗を出してくださったりして。私達も“ファンの方にどうすれば楽しんでいただけるんだろう?“ってすごく考えていましたけど、”ファンの方もそれと同じぐらいホワスピのことを考えてその日を迎えてくれてたんだな“って思いました。ファンとの関係値がさらに深まった1日でした」
――AOIさんは“今は素敵なアイドルグループさんがたくさんいる”とおっしゃっていましたが、いろいろなアイドルフェスに出たことで、自分たちのグループの強みは見えましたか?
CHOCO「やっぱりパフォーマンス力は、“負けたくない”って思っています。ダンスもバキバキにやっているので、対バンイベントに出させていただくと、他のアイドルグループさんとはかなり系統が違ってすごく目立ちますし、“世界観も違うな”って思うので、そういう部分は大事にしていきたいです。だから、ホワスピだけの魅力や世界観がを世間の方にも知っていただければ、そういうのが好きだっていう方にも届くんじゃないかな?って思います。あと、秋元先生がプロデュースされるアイドルグループの中では人数が少ない方じゃないですか? 11人だからこそ、ダンスも細かいところまで合わせやすいですし、全員で意見を交わして、それを合わせた結果を出しやすい部分でもあるかな?と思います。そこもホワスピの強みです」
HANNA「私もパフォーマンスだと思うんですけど、最近になって、対バンイベントで私達のことを知らない方がいても、終盤になるにつれて、そのお客さんが立ってくれたり、ペンライトを振ってくれたりする光景を見ることが多くなりました。パフォーマンス後にSNSで“良かった!”とか、“かっこよかった!”って言ってくださることも増えてきて。それはやっぱり、この1年、みんなで頑張ってきたからこそなのかな?って思います。でも、“ここで浮かれていちゃいけない!“とも思っていて。この嬉しい気持ちを忘れずにもっともっと上を目指したいですし、お客さんともっと一体となって盛り上げられるパフォーマンスを頑張って作っていきたいです」
AOI「パフォーマンスはもちろんそうなんですけど、楽曲にもWHITE SCORPIONの世界観がすごく表れています。初めてWHITE SCORPIONの曲をフェスとかで聴いてくださった方々が、“曲が良かった”と言ってくださることが多いですし、曲をきっかけにWHITE SCORPIONを知ってくださる方もたくさんいるんです。今までにデジタルシングル5枚とミニアルバム1枚を出させていただいて、それぞれの曲でいろんなWHITE SCORPIONにしかない雰囲気が出ていますし、今回の新曲「I do love you!」も今までにはなかった楽曲になっているので、この曲をきっかけにまた新しく知ってくださる方が増えたらいいなって思っています」
――新曲の話に行く前に、皆さんが言ってる“WHITE SCORPIONならではの世界観”とはどんな世界観だと言えばいいですか?
AOI「WHITE SCORPIONはほとんどが恋愛のことを歌う曲なんです。でも、ほかのアイドルグループさんの恋愛曲といえば、爽やかだったり、初恋だったりするとことが多いんですけど、私たちはなかなか報われない恋愛をしていて…」
CHOCO「私たちがしているみたいな言い方になってるよ(笑)」
AOI「あはははは。報われない恋愛を歌っています。その中でも強さを感じる楽曲になっているので、そこは他のグループさんにはない、WHITE SCORPIONならではの雰囲気なのかな?って思います」
CHOCO「本当にその通りです。やっぱり恋の歌をアイドルが歌うってなると、明るくて実る系統の曲が多いと思うんですけど、私たち、今まで1回も実ったことがなくて…」
――(笑)1回もないんですか?
AOI「1回もないよね?」
CHOCO「うん。ずっと失恋か片思いなんです。だけど、本当に負けない、強い女性というか…。自分の意思がはっきりしていて、芯がある歌詞が多いです。そこはホワスピのメンバーとも共通していて。みんな割と芯がちゃんとある子たちで、自分の意思をはっきり言えるメンバーばかりなので。そういう面では強い歌詞とホワスピの性格はあっているし、すごく親和性が高いんじゃないかな?って思います。だからこそ表現できる雰囲気っていうのが、私たちの世界観に繋がってるんだと思います」
――デビュー1周年記念日にリリースされる6枚目のデジタルシングルの表題曲「I do love you!」もラブソングって言っていいですよね?
AOI「ラブソングなんですけど、さっきの話で言うと、初めて仮歌をメンバー揃って聴いたときに、みんなが“ん? あれ?”って驚いたんです。初めてのキラキラというか…」
HANNA「爽やかで…」
CHOCO「明るいよね!」
AOI「この曲をどう噛み砕いて表現していくのかはすごく悩ましかったです。でも、今までにはなかった、また新しいジャンルになっているので、“披露するのが楽しみだな!”って気持ちになりました」
HANNA「これまでの5作とは違って、かなりハッピー系の曲調なんです。しかも、<菜の花>っていう季節を感じる言葉とか、<スケートボード>とか現実的な言葉も多くて。だからこそ、これまでよりも分かりやすいというか、伝わりやすい曲なのかな?って思いますし、青春感もあるので、私の年代に合った曲だと思いました」
CHOCO「この曲も片思いの曲ではあるんですけど、今までの片思いは、大人の恋愛においての片思いっていう感じだったんです。だから、私たちでは最初は理解できないところもあったんですけど、今回はHANNAも言ってくれたみたいに、ピュアで純粋。本当に学生がしていそうな、まっすぐな恋なんです。だから、私たちの年代的にはすごく共感しやすい曲だと思います。あと、<君が大好きだ>とか、今まで遠まわしに伝えてた<好き>を初めてこんなにまっすぐ伝えているので、レコーディングのときも私のままで歌いました。今までは割とかっこよくとかしていたんですけど、本当にそのままの自分で歌えました」
――報われない大人の恋愛を歌ってきたホワスピが初めて歌う、まっすぐな青春ラブソングなんですね。
AOI「はい。だから、私もカッコつけることなく、今の等身大の自分で歌うことを心がけました。あと、声色ってわかりやすいじゃないですか? 曲自体が明るいので、私はこの曲をレコーディングするときは、ずっと笑顔で歌っていました」
HANNA「私もです。いつもは目線も鋭くして歌っているんですけど、今回は明るい曲なので、キャピキャピハッピー!みたいな感じでテンションも上げて歌いました。歌詞もすごくまっすぐなので。相手に気持ちをすっと届けられるようにまっすぐな感情で歌いました」
――今後はこういう青春ラブソングも増えてくんですしょうか?
AOI「どうなんでしょう?」
CHOCO「みなさんの反応次第だと思います。ホワスピのファンの方は、今までの楽曲が好きで入ってきてくださった方も多いと思うので、そういう方がどう受け取るのか?…でも、逆に今まであの系統だったから手を出しにくかった方とか、新しい層のファンの方が入ってくるきっかけにもなるかな?とも思います。私達も、リリースされた後の周りの方々の反応が楽しみです」
――もう1曲の「純愛トースター」はどう捉えましたか?
HANNA「トースターに焼かれたみたいに、何年か越しの恋愛がまたシュッてなるというか…。高校生のときに好きだった子と3年後に再会して、トースターがボンっていった感じですよね…なんていうんだろう? 弾けるじゃないですけど、なんかパーンってなって、シュッてなったというか…」
――翻訳してもらっていいですか?
CHOCO「忘れた思いがその人を見たことで蘇って…」
AOI「自分の気持ちが爆発しちゃうってことだよね!」
HANNA「そう! そういうことです! 私はこんな純愛をしたことがないので、「I do love you!」よりは大人っぽい雰囲気なんですけど、やっぱり私たちの世代にぴったりだと思います」
――(笑)ありがとうございます。CHOCOさんとAOIさんは?
CHOCO「この曲の主人公は、昔、恋してた高校生のときのまっすぐな気持ちを思い出したんです。トースターみたいな熱さがあるけど、高校生の頃みたいにまっすぐに連絡先を聞けなかったりして、結局は引き止められずに、その女の子の方が去って行くのを見送っちゃっています。大人になったからこそ、あの頃みたいにまっすぐにいけないっていう気持ちもこもっている曲なのかな?って思いました。まだ私はそういう気持ちを体験したことがないので、この考えがあっているのかわからないですけど、私はそうなのかな?と思って、ちょっと切ない気持ちで歌いました」
AOI「私は初めて聴いて、歌詞を見て、すごくもどかしい気持ちにはなりました。「I do love you!」とは対比のある曲だと思っていて。「I do love you!」は自分の思いをどんどんぶつけていくけど、「純愛トースター」は強い思いを持っているのに言えなかったっていう…。そういうもどかしさを感じながら歌いました。でも、今までにあまりなかったリズミカルな曲調になっているので、歌詞と曲調のギャップにもはまっていただけるんじゃないかな?って思っています」
――この2曲で2年目の幕が開きますが、最後に2025年の目標をお願いします。
CHOCO「この前、みんなで書いたよね?」
AOI「一緒だったんだっけ? 来年、何をしたいか」
HANNA「この3人は一緒だった!」
CHOCO「じゃあ、せーので言う? …せーの!」
3人 「(声を合わせて大声で)Zepp Tour!!!」
AOI「あははは。この前、みんなで会議をしたんです。“2年目はどこの会場でのワンマンライブができるようになりたいか?”って話をしたときに、“Zeppに立てるぐらいには大きくなりたいよね”っていう話になって。1周年記念のワンマンライブが700人規模なんです。“もうちょっと上に行きたかったな…”って思っているメンバーもいると思うんですけど、まず『追撃。』をソールドアウトして、満員にして、大成功で終わらせて。その勢いで2年目に入って、リリースイベントやフェスを地道に頑張っていって、着実に好きになってもらえる方々を増やしつつ、全国Zepp Tourを実現したいです。まだ道のりは遠いかもしれないですけど、夢は大きく頑張っていきたいです!」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/中村功