──メジャーデビューおめでとうございます!

全員「ありがとうございます!」

──メジャーデビュー曲「まにまに」ついて伺う前に、まずはこれまでのことを振り返っていただきたいと思います。2021年結成、2022年8月「チグハグ」でデビューと同時に一気に人気を博し、2025年夏にメジャーデビューと、側から見るとすごく順風満帆な道のりを歩んできたTHE SUPER FRUITですが、これまでの4年弱で、ご自身のターニングポイントになったなと思う場面を教えてください。

小田惟真「僕は2023年の冬がターニングポイントでした。デビュー曲「チグハグ」を2022年の夏に、その次に“裏デビューシングル”「馬鹿ばっか」を12月にリリースして、翌年2月には2ndシングル「サクラフレフレ」。2023年の夏に3rdシングル「サマー☆★げっちゅー」をリリースしました。そこまではちょっと…「チグハグ」ですごく勢いはついたんですけど、試練も多かったですし、気持ちが切り替えられずにいました。そんな中で2023年冬に1stアルバム『青い果実』をリリースしたんですが、このアルバムの表題曲が、少し大人っぽい曲で。この曲をリリースしたときに初めて吹っ切れた感じがしました。僕たちはデビューから“かわいい!”と言われることが多かったんですけど、COOLな楽曲にも挑戦してみたかったので。だから「青い果実」で、“THE SUPER FRUITでこういう曲をやってもいいんだ”と思えて。そしたら、“かわいい”を背負いすぎなくていいんだとわかって楽になりました。そのときのことは今でも忘れられないです」

鈴木志音「僕は去年の11月にTOKYO DOME CITY HALL(現:Kanadevia Hall)でやったライブ『THE SUPER FRUIT WORLD 2024 in TOKYO DOME CITY HALL』です。終盤に「SUPAFURU WORLD」をパフォーマンスしたんですが、そのときにフルファミ(THE SUPER FRUITファンネーム)にスマホのライトで照らしてもらって。自分がライブを見に行って客席からスマホで照らしたことはあったので、“それをステージで見るのってどんな気持ちになるんだろう?”って思っていたのですが、実際にフルファミにやってもらったら、真っ白ですごく綺麗でした。それを見て改めて“この7人で、アリーナ公演という目標を絶対に達成したい!”と思いました」

阿部隼大「僕は2022年夏の、初めてのつば男フェス(『つば男SUMMER FES 2022』)です。そこでCUBERSの春斗さんとシャッフルユニット(アロマポワーズ:CUBERS/春斗、THE SUPER FRUIT/松本勇輝・阿部隼大、世が世なら!!!/笠松正斗)を組んでパフォーマンスしました。一緒に歌わせていただいて“本当に歌がうまいってこの人のことなんだ”って思うくらい感動して…そこで一気にモチベーションが上がりました。その後、2024年にCUBERSさんは解散されて、つば男フェスはスパフルと世が世なら!!!が引っ張っていく形になって。最初はCUBERSさんのように引っ張っていけるのかが不安だったんですが、いざやってみると、無理に背負おうとしすぎなくても、歌っていたら楽しかったですし、歌うだけでエンジンがかかって。そんな姿を後輩に見せられるようになったこともうれしかったです」

堀内結流「僕は去年の夏に行った47都道府県フリーライブがターニングポイントになりました。初めての47都道府県ツアーはすごく大変でしたたけど、“全国いろいろなところに自分たちのファンがいるんだ”ということを実感できましたし、もっともっとファンを増やしたいという気持ちにもなれました」

──ちなみに、“もう1回47都道府県ツアーやるよ“と言われたらどうしますか?

堀内「えっと…1回深呼吸してから“頑張ろう!”って言えるかな(笑)」

小田「1年かけて回るとかだったらいいよね?」

堀内「うん。去年は1日で2県回ることもあったから、1日1公演…いや、2日に1公演だったら視野に入れます(笑)でもあの47ツアーは最高の思い出だったのでまたいつかやりたいですね」

松本勇輝「デビュー曲 「チグハグ」でたくさんの方に知っていただいたことはすごくありがたくて、うれしかったんですけど、時間が経ってから冷静になってみると、当時はレールの上を歩いているだけで自分自身のことを見れていなかったな…ということに気付きました。そこから俯瞰して自分のことを見られるようになりました。それまではアイドルの方のパフォーマンスをあまり見たことがなかったんですが、見せ方などにも興味が湧いていろいろな方と自分を比べて学んで、取り入れて…とやるようになりました。今はシングルをリリースするたびに楽しいです。そう思えるのは「チグハグ」でたくさんの方に知っていただけたおかげだと思うので、僕にとってはやはり「チグハグ」でのデビューがターニングポイントです」

星野晴海「ハルのターニングポイントは今年の1月に初めてパーマをかけたことです。「チグハグ」で注目していただいたときに、中性的な魅力に注目されたんですが、それって自分にはない感覚でした。これが普通だと思って生きてきていたから…。そこからは、自分からそこに寄せにいっていたところが実はありました。女の子のアイドルがやるような前髪ぱっつんの前髪で、髪も伸ばして、みたいな。だけど、そういう属性に自分から寄せに行っていることに違和感を感じ始めて。自分が表現したいのは、“かわいい”でも“カッコいい”でもない、ジャンルのないものような気がしたので。だからアンニュイ感の出るパーマをかけてみました。そしたらパーマをかけたあとのライブで、チーフマネージャーさんから“なんか吹っ切れたね。パフォーマンスが変わった”と言っていただけて。もちろん周りからジャンル分けされることはありますし、それが嫌なわけじゃないですけど、“それに自分から寄せに行く必要はないんだな”、“自分がなりたい自分を自由に表現していいいんだな”って、自分の中で切り替えができたポイントだったのはパーマをかけたことだったと思います」

田倉暉久「僕は去年の春の初の5大都市ツアー『THE SUPER FRUIT 2nd ONEMAN TOUR – Blue Fruits Tour2024 -』です。「青い果実」までのTHE SUPER FRUITはポップな曲が多くて、“かわいいグループだよね”って言われることが多かったですし、実際にそういう姿を求められていました。だけど僕はどうしてもそうなれなくて、やっても違和感が出てしまってずっと悩んでいました。そしたら『Blue Fruits Tour 2024』の前に限界が来ちゃって…。“何か変えなきゃダメだ”と思って、チーフマネージャーさんに相談して金髪にしました。で、金髪でステージに立つと、いろんな方からとても良い反応をいただけて。そのときに“自分ってちゃんと見てもらえているんだ”と初めて気付きました。それまでは“仕事だからちゃんとしなきゃ”って気持ちでやっていたところが大きかったんですけど、前よりもさらにちゃんと“好きになってもらうためにはどうしたらいいのか?”、“ファンを増やすためにはどうするべきか”を改めて強く考えるようになりました。そうやってどんどん自分に自信を持てるようになったのは『Blue Fruits Tour 2024』だったと思います」

──ありがとうございます。そして「まにまに」でメジャーデビューを果たしました。現在の心境を教えてください。

田倉「メジャーデビューはほんとうにありがたいですし、それに見合うアーティストにならなきゃっていう気持ちもあります。でも、今は11月に控えている『THE SUPER FRUIT WORLD 2025 in 幕張メッセ』がすぐ来ちゃうんじゃないかっていう不安がいっぱいで…。メジャーデビューはうれしいですけど、今は正直焦りが強いです」

──幕張メッセ公演を終えたときに、実感が湧いたり、いろんなものを感じたりするかもしれないですね。

田倉「はい」

──そんなメジャーデビューを飾るシングルは「まにまに」。初めてこの曲を聴いたときの印象を教えてください。

堀内「インパクトがすごかったです。あとは謎の中毒性があるなって。聴き終わったあと、何かしらの単語が頭に残っていると思うんです。<まにまに>でも<アメリカザリガニ>でも(笑)。なんだかそういう不思議な力がある曲だと思いました」

松本「一度聴いただけでサビを覚えちゃうくらいキャッチーなので、みなさんもすぐに覚えて歌ってくれるだろうなというのもありつつ、歌詞も良くって! 初めて聴いたときは“テンションが高くて、自己肯定感爆上げの曲だ!”って感じました。だけど歌詞を深く読み解いてみると、それだけじゃないんです。“自分の心のままに、自分を解放して前に進めば答えが見つかる”というメッセージが込められていうことに気付いて。(突然、大声で)ててててて♪って感じの音色からは考えられないようなメッセージに感動しちゃいます」

──衣装もかわいいですが、衣装のこだわりについても教えてください。

堀内(突然立ち上がり)「任せてください! 「チグハグ」を彷彿とさせるようなセーラー服ですが、そこに今までのスパフルの衣装も詰め込んでいるように僕は感じています。例えば…“チェックシャツは「サマー☆★げっちゅー」のときのアイスクリーム屋さんかな〜”、“チェックのパンツは、『Blue Fruits Tour2024』のときの綺麗めな衣装っぽいな”とか」

小田「あの…この衣装が決まる前に、チーフマネージャーさんと面談した際に、そのときに“僕たち自身が「チグハグ」のときの気持ちを打ち負かしたいという気持ちがある。「チグハグ」は衣装でもかなり目を引いたので、大人になった僕たちをもう一度着て見てもらうのも良いと思うんです”という話をしたら、なぜか“閃いた!”という顔になって。そのあとにこのメジャーデビュー衣装のデザインが届いたのでもしかして…」

松本「あら!」

小田「僕がポロッと言ったことが響いてくれていたらうれしいです」

田倉「あの…僕も衣装について言っておきたいことがあるんですがいいですか? 晴海と僕は、シャツを入れ忘れているわけじゃないです!」

星野「そうそう、シンメで出しているんです!」

田倉「いろんなところで言っとかないと“入れ忘れてるよ”って言われちゃうので(笑)」

鈴木「あと、このジャケットの“S”は“志音”のSではなくて、THE SUPER FRUITの“S”です!(笑)」

小田「それはみんなわかるわ!(笑)」

──「まにまに」のボーカル、振り付け、MVで特に好きなパートや注目してほしいポイントを教えてください。

堀内「僕はMVで。<それはそう>のところで、僕とてる(田倉)と志音が鎖を解き放つんですが、実は僕だけ鎖が首に引っかかってしまっていて。撮影のときに“うわ、引っかかっちゃった。撮り直しかな?”と思っていたら“O.K.です!”となって、そのまま採用されちゃいました。MVでもしっかりと引っかかっているので(笑)、注目してもらえたらうれしいです」

小田「僕が見てほしいのも同じところです。MVではあまり写っていないんですけど、3人が歌っている後ろで、それ以外の4人は足を上げる振り付けをしているんです。それがかなりキツイんです…体幹が必要で。だけど“そこが揃っていると面白いよね”という話になって、4人で足の上げ方を揃えるようにしているので、ライブでは後ろの4人も見ていただきたいです」

阿部「僕も振り付けで。<僕らが作る 価値観の未来って 良さげじゃない?>のところで、周りのメンバーがバレエっぽく踊っているんです。実はこの「まにまに」の振り入れをする前に強化合宿をやって、そこでバレエやジャズダンスなど、いろんなダンスを習っていました。だからここでバレエの動きが入っていることもなんだか意味を感じます。ぜひ注目してもらいたいです」

田倉「そもそも「まにまに」のMV、照明が明るくてみんなのビジュアルがとても良いんです。ライトを替えたのかな? 儲かっているのかな?(笑)わからないですけど、僕のビジュもこれまでのMVの中で過去1良いので、みんな自分の推しだけじゃなくて、メンバーみんなの顔を見てくれたらうれしいです。全員、盛れてます!」

松本「僕が注目してもらいたいのは間奏です。<まにまに まにまに>、<「はぴはぴ はぴはぴ>、<がちがち がちがち>、<ちゃりちゃり ちゃりちゃり>を惟真、隼大、志音、結流が順番に言って、それに続いて全員が同じことを繰り返しているんですが、ライブでは100%全力でやっています。全力フィーバータイムでかましているので、見てほしいです。というかファンの子も100%で一緒にやってほしいです!」

鈴木「僕も同じところです。このコールアンドレスポンスは、ファンの子も一緒に盛り上がってほしいです。MVを見ながらスマホやテレビの前でも叫んでほしいですし、コーレスレクチャー動画も公開しているので、“「まにまに」は声を出せる曲だ!”と思って、ライブに来てくれたらうれしいです」

星野「ハルは歌詞が好きです。さっきターニングポイントの時に話をしたことと少し重なるんですが、THE SUPER FRUITというグループは、多様性を歌うグループとして注目をされてきました。でも、「まにまに」では多様性とかをすべて取っ払っています。<僕ら自由だーー!!>って叫んでいる通り、“誰でも自由に生きていいんだよ”っていうことを歌った曲で、お子さまからおじいちゃんおばあちゃんの世代まで、誰にでも当てはまる曲です。これからはそうやって、どこか一定の層に向けての曲ではなくて、みんなに向けてのメッセージを発信していくグループになりたいと思っているので、そういう意味でもこの曲の歌詞が好きですし、この曲を受け取った方が前向きに生きてくれたらいいなって思います」

──「まにまに」の<人生楽しんだもん勝ち>、<「ビビッと VIVID やけに明るいのさ>、<らっきーはっぴーらいふ!>といった歌詞にちなんで、最近明るい気持ちになった出来事やラッキーだなと感じた出来事を教えてください。

鈴木「小田惟真くんにらぶぶのキーホルダーをもらったことです。ずっと欲しかったので、とてもちゃうれしかったです!」

小田「あげたっていうか…箱買いの抽選に当たったので、一つ定価で譲っただけです(笑)」

鈴木「いや、でもめちゃくちゃうれしかったんです! 本当に感謝しています」

田倉「僕はさっきサッカーゲームをやっていたんですが、ガチャを阿部隼大に引いてもらったら神引きしてくれました。普段は絶対に外すのに、今日はちょっと神がかってました!」

阿部「僕はこの間、マクドナルドを宅配サービスしたんですが、期間限定でLよりも大きいG(グランド)というサイズを注文することができたんです。おいしかったですし、期間限定であるのも知らなかったのでラッキーでした」

小田「僕は好きなアーティストのサイン会に当たったことです! アルバムに入っているシリアルナンバーでサイン会に抽選で参加できるというもので…でも僕はサイン会には参加できなかったので、シリアルナンバーを友達に託しました。そしたら友達が当たって!」

一同「すごい!(拍手)」

小田「“サイン会に行ったら僕の話もしてきてね”と言っておきました」

堀内「僕には16歳年下の妹がいるんですが、天然パーマで髪の毛がくるっくるなんです。だけど、お母さんにストレートにしてもらったみたいで、この間レアなロングヘアの妹の姿を見れました。それがハッピーでした。すごくかわいかったです!」

松本「僕は最近、寝る前にスタジオジブリのオルゴールを聴いているんです。とは言いながら、『ゲド戦記』、『風の谷のナウシカ』、『もののけ姫』だけは見たことがなくて…。“これじゃジブリ好きとは言えない”と思っていたら、お兄ちゃんがこの3作のDVDをレンタルしてきてくれました。正直、“難しくて理解できないかもしれない…”と思っていたんですけど、そんな心配は全く必要なかったです。画面に張り付いて見て、無事号泣しました。王蟲(『風の谷のナウシカ』に登場する生物)が大好きになっちゃいました!」

星野「ハルは…この間とても久しぶりにパスタを食べました。今年からグルテンフリーを始めたんですけど、グルテンフリーのパスタがなかなか見つからなくて半年くらいパスタを食べていなかったんです。だけどようやくグルテンフリーのパスタをゲットして。半年ぶりに食べたパスタ、おいしすぎて震えました!」

──先ほどのお話にもありましたが、11月23日には幕張メッセでワンマンライブ『THE SUPER FRUIT WORLD 2025 in 幕張メッセ』が控えています。現時点での意気込みを聞かせてください。

阿部「幕張メッセに下見に行ったんですけど、奥に広くてすごく大きな会場でした。そんな会場をもちろん超満員にしたいですし、そのうえで、奥の奥の人まで、誰一人置いていかない『THE SUPER FRUIT WORLD』にしたいです。ライブって、来てくださって人の心にずっと残るものじゃないですか。自分自身もライブを糧に生活を頑張ることができたり、背中を押してもらえていますし。だから『THE SUPER FRUIT WORLD』もそういうライブにしたいです」

──では最後に。「まにまに」でメジャーデビューしたTHE SUPER FRUITですが、この先はどんなグループになっていきたいと思っているのか教えてください。

田倉「さっき晴海が言ってくれたように、THE SUPER FRUITはこれまでは多様性など“時代を歌う”ことが多かったです。でも「まにまに」は“時代を作る”曲だと思っていて。ニュースなどを見ていてもLGBTQ+の問題が取り上げられていることが多いですが、もうそんなことも気にせず自由に生きていくべきだと思います。そういう新しい時代をスパフルが作っていけたらいいなと思いますし、そういうグループでいたいです。そして、そういうグループのまま大きくなっていきたいと思っています」

(おわり)

取材・文/小林千絵
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

THE SUPER FRUIT「まにまに」初回限定盤(CD+ Blu-ray)

2025年92日(火)発売
UPCH-77555,980円(税込)

初回限定盤(CD+ Blu-ray)

THE SUPER FRUIT「まにまに」通常盤(CD only)

2025年92日(火)発売
UPCH-60431,300円(税込)

初回限定メンバーソロジャケット盤(CD only)/UPCH-775677621,300円(税込)

通常盤(CD only)

LIVE INFORMATION

THE SUPER FRUIT WORLD 2025 in 幕張メッセ

2025年1123日(日) 幕張メッセ(展示ホール8

THE SUPER FRUIT WORLD 2025 in 幕張メッセ

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