──昨年10月2日に33rd single「告白心拍数」をリリースし、同月12~14日には3日間にわたって『SKE48 16th Anniversary Festival 2024』が、愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホールで開催されました。結成16年の軌跡を振り返りつつ、今を祝福するムードがいっぱいでしたが、今年1月1日には新チーム体制への移行を発表。着実に新時代への歩みを進めています。
熊崎晴香「昨年結成16周年を迎えることが出来て、ファンのみなさんにお祝いをしていただき、感謝と喜びの気持ちで2025年を迎えられました。そして、2025年1発目の34th single「Tick tack zack」は12人というこれまでの選抜人数に比べると少ないメンバーでの表題曲。人数が少ない分、より1人ひとりがアピールをしていかないと!」
──熊崎さんは2作連続センターということで、「告白心拍数」とも異なるいろいろな想いがあると思います。
熊崎「2作連続でセンターに立てたことは、素直に嬉しいです! 「告白心拍数」で初めてセンターに立てた時ももちろん楽しむ気持ちがあったんですけど、楽しむ気持ちだけじゃいられない場所だと再確認しました。その中で“自分なりの良さを出しながら、センターという場所でどう輝けるか?”という気持ちで活動している姿を見ていただいて、それを認めていただいて、またこうやってセンターに立たせていただけたと思います。2作連続でのセンターはやっぱり自信につながりますし、今回は「告白心拍数」以上に堂々と“私がセンターだ!”という自信を持って立てるように、そして、みんなを引っ張っていけるように、さらに頑張っていきたいです!」
──熊崎さんが2作連続センターに立ったのに対し、12期研究生の河村さんは記念すべき初選抜。率直な心境を教えてください。
河村優愛「まさか初選抜に、しかも研究生という立場で選んでいただけるとは思っていなかったです。だから、発表された時は信じられなくて。でも、たくさんのファンの方から“選抜メンバーに入ると思っていたよ!”って声をいただき嬉しかったです。今はすごく自信に満ち溢れているので、“頑張ろう!”って強い気持ちを持っています!」
──浅井さんは、2019年7月リリースの「FRUSTRATION」で初選抜。当時の自分の時のことを思い出したりもしましたか?
浅井裕華「そうですね。私が初選抜の時は、思い切った“抜擢”って形だった気がします。でも、今回初選抜の4人はすごくしっかりしていて、普段からしっかりと準備して頑張ってきたことが実を結んでの初選抜という印象が強いです。私が選抜メンバーに選ばれた時って、なんかふわふわした感情だったんですよ。だけど、今回の4人は先輩の私も学ぶことが多いですし、みんなと一緒に頑張っていきたいと思っています」
──表題曲の「Tick tack zack」は、最初に聴いた時、実際に歌ってみた時、初めてパフォーマンスした時など、いろんなタイミングで様々なことを感じたと思います。どんな角度からでも構わないので、皆さんが感じた「Tick tack zack」の印象を教えてもらってもいいでしょうか?
熊崎「Tick tack zack」は、恋の駆け引きがテーマの楽曲で、タイトルは時計の針の音で恋のドキドキやハラハラを表現している感じです。タイトルの<Tick tack zack>というフレーズがサビにたくさん出てくるんですけど、これが1度聴くとクセになって、本当に頭から離れません(笑)。それくらい中毒性のあるフレーズになっていると思いますし、今の時代に合っている曲になっているからこそ、たくさんの方に愛してもらいたいです。にしても、<Tick tack zack>ってフレーズが歌いづらかったです(笑)!」
浅井「そうだよね、特にくまさん(熊崎)は滑舌が…いや、お互いに滑舌があまり良くないから(笑)、レコーディングの時は苦労した部分もありました。前作の「告白心拍数」もそうなんですけど、今回もかっこいい曲で強い女性を表現しているイメージが強いです。私は、もともとかっこいい系の楽曲で表現するのは苦手だと思っていたんです。でも、「告白心拍数」と「Tick tack zack」で、“自分じゃない自分を出せるのがこの2曲のいいところだな”と思いました。そういうところをファンの方にも見せていきたいですし、初めて聴く方にも感じ取ってもらえたらいいなって思います!」
──初選抜の河村さんにとっては、初めて表題曲の歌唱が収録されたCDにもなります。
河村「“人生で初めて表題曲を歌った私の声が乗る!“って実感したときに、”私、有名人じゃん!“って思ったんですよ(笑)。そんな経験がないから、本当に嬉しくて! しかもこんなにかっこいい曲で、私が歌わせていただいたパートが<一秒過ぎる度どちらが優位か変わってしまう>という、最高のフレーズで! そのフレーズの意味を自分の中ですごく考えて想像することで、レコーディングでも気持ちが入った歌が歌えたと思います!」
熊崎「あと、初めて全員で歌うパートがないシングル表題曲なんです。今まではサビまでのフレーズを一人ずつ歌い継いでサビで合唱したり、どこかしらにあった全員のパートが今回はないので、ファンの方はより一層新鮮に楽しんでいただけると思います」
──作詞は、グループのプロデュースも手がける秋元康さんが今回も手がけています。
熊崎「駆け引きの中で時間が進んでいる感じ、ちょっと焦りとかが現れているのがリアルだなと思いますし、それこそ一秒ごとに変わってしまう優位って! でも、コロコロ変わる恋愛のリアルさが描かれているからこそ、私は好きです」
浅井「私はラスサビ前の<回ろうか?Tick tack zack>というフレーズを聴いた時、“<回ろうか?>ってなんだ? この駆け引きをしている恋愛の曲で<回ろうか?>って、どういう意味なんだろう?”って考えたんです。その結果、“たぶんこの曲の主人公は主人公でもう楽しんでいるんだろうな”っていう自分なりの解釈にたどりつきました。“この回っている時間、相手との恋の駆け引きも楽しんで回っちゃってるんだろうな“みたいな(笑)。正直、駆け引きをしながら時間が回っていることを楽しんでいるのはすごすぎるというか…。でも、こういう世界もあるんだということを歌う立場としてしっかり理解しようと思って、最近は駆け引きがテーマの恋愛ドラマやマンガを見て、”あー、こういうところに「Tick tack zack」の世界があるんだー“って思っています」
熊崎「そっちの世界ではよくね! 言いますからね!」
浅井「“どっちなの?”って、あまりよろしくないですけど(笑)」
熊崎「熊崎は少女マンガが大好きなので、そこから知識を入れて恋愛ソングに活かすことがあります。でも、「Tick tack zack」は、駆け引きがテーマという意味では、実際にファンの方との間で起こる駆け引きを個人的な題材にしているところがあります。握手会で、“今度、あの子のレーンに並ぶよ”って私に言って、止めてほしいのか、いいよって認めてほしいのか…。それとも“いいよ”って言った上で、ちょっと悲しい弱めな女の子を出したほうがいいのか…。そういうちょっとした駆け引きを、私はファンの方としているので(笑)。自分で考えて言葉を返して、その反応を見て“今の反応、違ったな…”って思うこともあります。それこそ“「Tick tack zack」の歌詞とリンクしてる!”って思います」
──ファンの方は、どっちが好きなんですかね?
熊崎「そこはもう、それぞれだと思うんです。とてもアイドルが好きな人は転がされたいな、ちょっと釣ってほしいんだろうなって思うんですけど、ずっと前から私のファンでいていくれる人たちは、私がそういうの下手だって知っているから、“ずっと下手だな”って言ってるのが好きなんだなって(笑)。だけど、ちょっとよくわかんないです…新規の方もいますから!」
浅井「でも、見ていてわかります。くまさんのファンの方からは、ちょっと不器用なくまさんが好きな感じが伝わってきますし、私もそっちのくまさんが好きです♡」
河村「「Tick tack zack」は恋愛ソングでためらうような気持ちもありつつ、すごくまっすぐで前向きな気持ちになれるところもありますよね。だから歌う時も力強い気持ちで歌えたり、背中を強く押されているような感覚になれたり。この想いがたくさんの誰かに伝わって、共感してくれる方がたくさん増えたらいいなって思いながら歌いました。自分も勇気をもらいながら歌えました」
浅井「秋元先生の歌詞、やっぱりすごいよね。恋愛ドラマのシーンでのちょっと痒い部分を、言葉にする天才! 結ばれていく歌詞が好きですけど、ハッピーエンドで終わらないパターンもあったり、結末が描かれない恋愛の途中を歌った歌詞があったり、私は秋元先生の歌詞を通していろんな恋の形を学んでいます」
河村「本当にずっと聴いていられますよね」
浅井「うん。もともとはONE OK ROCKさんやSHISHAMOさん、サカナクションさんとかが好きなんですけど、最近はもっぱらSKE48。中でも恋愛ソングとして最高なのが、「好きになっちゃった」! 学生が相手に一目惚れして好きになっちゃった気持ちがストーリーで、聴き終わったあとに1本の映画を見終わった気分になるんです。そこも秋元先生が書く歌詞のすごいところだと思います!」
──「Tick tack zack」のMVは、12人一人ひとりがバラエティに富んだ、それぞれが違うアプローチの見せ方でフォーカスされているシーンが印象的でした。
熊崎「いつもより選抜メンバーの数が少ないぶん、やっぱり一人ひとりが映る時間が長くて、そういう意味でも12人選抜だからこそできたMVだと思います。画面が12分割されて、選抜メンバー全員の顔がアップで映されているーンもあるんです。そこで名前を覚えて好きな子を見つけて新しくファンになってくれる方もいると思いますし、前から応援してくれている方は12人の個性が感じられてますます好きになってもらえると思いますし、それこそこれまでのSKE48以上に、今のSKE48は“全員が主役だな”って感じられる作品にもなっていると思います」
浅井「本当に12人が12色、みんな違うカラーで。“この子はこういう表情ができるんだな”とか、“こんな世界も似合うんだ”って、まだまだ見つかっていない魅力が、たくさんの方に見つかると嬉しいです!」
──衣装もセットもみんな違いますしね。
浅井「特別感があって、本当に嬉しかったです。内容もそうですけど、MVに出演はしていてもあまり映らなかったMVも今までにあったので…」
──選抜メンバー入りしてMVに出演もしているのに、なかなか映らないメンバーはいますからね…。
浅井「どうしても撮影する人数が多いので、結果的に一人の収録時間は短くなっちゃって。そういう悔しい想いがあったからこそ、今回はすごく“報われたな”って自分で思えました」
──今回の選抜メンバーに入っていないメンバーや未来のSKE48のメンバーが「Tick tack zack」のMVを見たら、きっと“自分もこんなMVに出たい!”と思いますよね。グループ楽曲のMVなのに、個人MVでもあるような撮影のアプローチもされているので。
熊崎「絶対にそう思いますよね。それこそ、出演した私たちもこんなにやっていただけたので、“やっぱりチャンスを掴んでいかないといけない“って気が引き締まったMVでもあるので!」
河村「実際、ずっと前から見ていて夢だったSKE48のMVに今回参加させていただくことができて! 私はセーラー服を着させていただいて、ずっとニコニコで“とても青春だなー”と思っていました。天真爛漫なところが自分のいいところだと私は思っているんですが、その天真爛漫さ全開で自転車にも乗っています!」
浅井「ゆあにゃん(河村)は普段からTeam E公演に出演してくれて、アンダーとしても研究生としても役目をいつも果たしてくれていて…実は、推しメンなんです(笑)。それに、さっきみたいに自分で天真爛漫って言っちゃえるところも好きなところです。可愛くて、なんだか愛くるしい感じです。基本、この子はそんなことないんですよ(笑)。でも、いい意味で遠慮せずガツガツ来てくれるところにSKE48らしさを感じるんですよね。だから、すごく好きです!」
熊崎「物怖じしない子だなって思います。もちろん緊張していると思うんですけど、本当に全力でやってくれるので。ライブのMCで大事なエピソードの時に話を振られてもなんとか乗り切れちゃう、何か起こしそうなリアクションをするんです。“すごいな”って思いながら、パワーを感じる子なんです」
──このシングルをきっかけに2025年のSKE48はどんな躍進を遂げていきたいか?をセンターの熊崎さんに聞きたいです。
熊崎「「Tick tack zack」をきっかけに、SKE48はどんどん変わっていくんだという意志を示せたと思います。その先では、ここで示した意志をしっかり形にして、ファンの方たちにもっともっと喜んでもらいたいです。ファンのみなさんは、“たくさんテレビに出てほしい”という言葉をよくかけてくださるんですけど…近い将来、しっかり全国放送のテレビの歌番組に出演できるように!」
(おわり)
取材・文/大久保和則
撮影/中村功

RELEASE INFORMATION

SKE48「Tick tack zack」【Type-A】初回盤(CD+DVD)
2025年3月12日(水)発売
AVCD-61506/B/1,900円(税込)

SKE48「Tick tack zack」【Type-A】通常盤(CD+DVD)
2025年3月12日(水)発売
AVCD-61506/B/1,900円(税込)

SKE48「Tick tack zack」【Type-B】初回盤(CD+DVD)
2025年3月12日(水)発売
AVCD-61507/B/1,900円(税込)

SKE48「Tick tack zack」【Type-B】通常盤(CD+DVD)
2025年3月12日(水)発売
AVCD-61510/B/1,900円(税込)

SKE48「Tick tack zack」【Type-C】初回盤(CD+DVD)
2025年3月12日(水)発売
AVCD-61508/B/1,900円(税込)

SKE48「Tick tack zack」【Type-C】通常盤(CD+DVD)
2025年3月12日(水)発売
AVCD-61511/B/1,900円(税込)