──5月に開催された初のソロライブ『RIKUのMUSIC TIMES vol.1』では、とても楽しそうに歌っている姿が印象的でした。振り返ってみていかがでしたか?

「最高に楽しかったです。このイベントはファンクラブ限定で開催させていただいたので、LDH所属アーティストの皆さんの楽曲だけに限定して、僕の歴史も感じてもらえるようなセットリストを組んで歌わせてもらいました。今までにない特別な空間で、すごく楽しかったです」

──EXPG STUDIOの生徒さんも参加されていましたね。

「はい。僕もEXPG STUDIO出身だからこそ、EXILEさんのサポートダンサーや、GENERATIONSさんのイベントの前座など、たくさんの貴重なイベントに参加させてもらっていました。でもボーカルコースとなると、あまり出番が多くはないので、コーラスとして人前に出て歌う経験ができる機会を作れたらと思い、参加し てもらいました。参加してくれたみんなが本当にいきいきした表情をしてくれていて、すごく嬉しかったです。僕自身も本当にいい経験になりました」

──ライブ中には“夢が叶った”という発言もされていましたね。

「僕がEXPG生だった頃に、KAZUKIDOBERMAN INFINITY)くんと全国のイベントに出演させてもらって、プチ武者修行のようなことをしていたんです。そこで、“次にデビューするのは絶対に俺たちだ!”と励まし合っていました。今は違うグループでそれぞれ活動することになりましたが、その当時から、1人でちゃんと歌を歌える、ライブを成立させてこそ一人前だと思っていて…それが僕達の美学でした。それから14年越しで夢が叶った日が、『RIKUMUSIC TIMES vol.1』だったので、胸が熱くなりました」

──さらに、次のソロライブがBillboard Liveという由緒ある場所での『RIKUのMUSIC TIMES Billboard Live Tour』です。すごく素敵ですね。

「本当に嬉しいです。ミュージカルや舞台もそうですが、スタートから毎回座長や主演などをやらせていただいて、今回もBillboard Liveというこの上ない音楽の聖地のひとつと言われる場所でやらせていただけるのは、本当にありがたいです。頂いた期待に応えられるように、いまは絶賛練習中です。きっと、当日はいい緊張感を持ちながら、でも楽しみながら、全力を出せばいいライブになるはずなので頑張ります」

──ライブに向けて、大事な1曲となるのが「This is me~約束の詩~」ですね。どんなメッセージを込めたのでしょうか。

「実は、『Billboard Live Tour』が決まった当初は新曲を作る予定はなかったんです。でも、オリジナル曲が少ないので、カバーもしないと…と思い、どんな曲を歌いたいかを考えたんです。そこで選んでいった曲の内容がどれも似ていることに気づいて、“僕はこういう曲を歌いたいんだ”と気づきました。それならオリジナル楽曲で、自分の言葉で伝えたいと思って、曲を作ることに決めました。それと同時に、“タイトルは「This is me」だ”と決めていました」

──タイトル先行だったんですね。

「はい。僕は普段、自分が伝えたいことをスマホにメモしていて。それらの言葉を、作詞家さんに手紙のように書いて渡し、歌詞にしてもらいました。そうすることで、自分の気持ちをただぶつけるだけではなく、第三者目線を交えることで、いい歌詞になるはずだと考えていました」

──そのバランスはすごく大事ですよね。

「そう思います。主観的になりすぎない方が、聴き方が多角的になって、人によって聴こえ方が変わると思って。なによりも最初に聴き手に寄り添う曲にしたいと思っていたので、それが叶った曲になったと思います」

──作詞家さんには、どのようなメッセージを伝えたのでしょうか?

「僕はこの曲で、“生きる”ということと、“僕はこういう人間です”ということを伝えることで“あなたはあなたでいい”ということを言いたかったんです。たとえ、世界の美男美女TOP10に選ばれる人でも、絶対にコンプレックスはあると思っていて。僕も、ライブとミュージカルなどを掛け持ちしていてバタバタしていて本当に大変だと思っていた時期もありましたが、その姿を見て、“すごく充実しているな”って思う人もいます。だからこそ、自分にとって辛いとか、マイナスに思えることも、受け止め方を変えて、それすらも愛することが出来たら、もっと自分にも他人にも優しくなれるんじゃないか? 自分を大事にできるんじゃないか? そして、肯定出来るんじゃないか? と思いました」

──自己肯定感を高めてくれる曲になりましたね。

「そうなってくれたら嬉しいです。それに僕自身の背中も押したかったんです。自分に自信が欲しくて…。以前、江原啓之さんにお会いした瞬間に、“RIKUくんはもっと自信を持ちなさい”と言われました。完全に見透かされているなと感じましたね。それに、僕自身、音楽に救われながら育ってきた人間なので、歌うことで自分の背中を押したいですし、聴いている人の背中も押したいと思ったんです」

──普通に考えれば、RIKUさんはドームに立った経験もあるアーティストだからこそ、多くの人から羨ましいと思われる存在ですよね?

「いや…どんな環境になったとしても、この性格はなかなか変わらないです。今でも僕が誰かを羨むことはよくありますし、メンバーにさえ、そういった想いを抱くことも多いです。でも、どう頑張ってもその人にはなれないですし、なる必要もなくて。だからこそ、“自分だからできること“を探すようになりました。”ここは劣っているかもしれないけど、これならできる“…”凸凹でいい“と思うようにしています」

──まさにその言葉たちがぎゅっと濃縮されたのがこの曲になんですね。

「はい。僕の大事な決意表明をあらわした楽曲になりました」

──そんな「This is me 〜約束の詩〜」を歌い上げてみて、いかがでしたか?

「この曲は小細工なく、パッションで歌い切りました。結果として、すごく人間臭い曲になりましたが、それも“いいな”と思っていて。だからこそ、レコーディングもすごくスムーズに進みました」

──よりエモーショナルな曲になりましたね。

「はい。僕が歌手をやっていて感じてきたこと、思ったことは、THE RAMPAGEとして活動していなければ感じることはなかったと思います。それは逆もしかりで。これまでものすごく悔しい事、悲しいこともたくさんありましたが、この歌が出来るための出来事だったとしたら、“その経験もしていてよかったのかな“と思えました」

──RIKUさんの性格だからこそ生まれた曲でもありますしね。

「僕は劣等感の塊なので、それを変えたくて、筋トレや格闘技を始めたんです。今となっては、筋肉をデカくしてしまったのでサボれなくなってしまいましたけど(笑)」

──筋トレをしてから、どう変化がありましたか?

「しんどくなってきたときこそ、“根性!”って思うようになりました(笑)。根性論ですけど、“限界を超えてから結果が出る“という気持ちが強くなったように思います」

──そう考えると、RIKUさんが2024年に書かれた著書本『RIKU365』と、ものすごくリンクした曲にもなっていますね。

「確かに。『RIKU365』を要約した曲かもしれないです。この曲を聴いてから、『RIKU365』を読み返すとまた捉え方が変わるかもしれないですし、その逆もあると思うので、一緒に楽しんでもらえたらより僕のことが分かると思います。僕、諦めが悪いんです。自信はないんですが、“とにかくできるまでやってやる“という気持ちだけは強くて…結果に繋がるまでやり続けてしまうんです」

──それって、“諦めなければ叶う”と同意語ですよね?

「う~ん…“叶えた人間は諦めていない“という方が正しいかな? あと一歩のところまで来ているのに諦めて、“あと一回掘れば宝石が出て来たのに!”という人が多いように感じていて。だから、夢を叶えた人は少なくとも諦めていないですし、努力をし続けた人なんです。もちろん、“続ける”って辛い事ですけど、辛い道が近道だとも思います。どうしたって無理ができない年齢はいつかくるので、出来るうちは頑張りたいと思っています。そうすればおのずと自信もつくだろうし、積み重ねは山になると思うので、この感覚を忘れずにやり続けたいです」

──今回のアートワークは、いつもとは雰囲気がまったく違いますね。

「そうなんです。今回はあえて横向きで上を向くことで、“まだまだ上を目指しています”というメッセージを込めました。質感も、あまり色を使うことなく、メイクもほぼせずに、ナチュラルをテーマにしました。そうすることで、自然な僕が表現できたと思います」

──そして、2026年が明けるとすぐにTHE RAMPAGEのツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2026 “(R)MPG”』が始まります。

「ものすごいハードスケジュールです!(笑) ツアー中に新しいツアーを発表していますし、ソロ活動もある中で準備をしていかないといけないので、本当に大変で…! でも、ライブにおいては、THE RAMPAGEはありとあらゆる局面において革命を起こす異端児グループだと思っているので、“大丈夫だ”と信じてくれてこのスケジュールが組まれていると思うんです。さらに、2026年は、『LDH PERFECT YEAR 2026』でもあるので、昨日僕たちを知った人たちも置いていかないですし、昔から応援してくださっている方はしっかりと楽しめるライブをしたいと思っています。今は、“この曲をパフォーマンスすればファンの方は嬉しいかな?”とか、“この曲もやりたいよね”とか、少年たちが目を輝かせてセットリストの会議をしている最中です。ぜひ楽しみにしていて下さい!」

(おわり)

取材・文/吉田可奈
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

RIKU「This is me 〜約束の詩〜」

2025年1121日(水)配信
ミュージックカード:20251125日(火)発売

RIKU「This is me 〜約束の詩〜」

LIVE INFORMATION

RIKUのMUSIC TIMES Billboard Live Tour

2025年11月25日(火) 大阪 ビルボードライブ大阪
 1stステージ 開場16:30 / 開演17:30
 2ndステージ 開場19:30 / 開演20:30
2025年12月1日(月) 東京 ビルボードライブ東京
 1stステージ 開場16:30 / 開演17:30
 2ndステージ 開場19:30 / 開演20:30
2025年12月11日(木) 東京 ビルボードライブ東京 ★追加公演★
 1stステージ 開場16:30 / 開演17:30
 2ndステージ 開場19:30 / 開演20:30

RIKUのMUSIC TIMES Billboard Live Tour

THE RAMPAGE LIVE TOUR 2026 “(R)MPG”

2026年2月28日(土) 三重 三重県営サンアリーナ
2026年3月7日(土) 千葉 ららアリーナ 東京ベイ
2026年3月8日(日) 千葉 ららアリーナ 東京ベイ
2026年3月21日(土) 長野 長野ビッグハット
2026年3月22日(日) 長野 長野ビッグハット
2026年3月26日(木) 愛知 Aichi Sky Expo (愛知県国際展示場) ホールA
2026年3月27日(金) 愛知 Aichi Sky Expo (愛知県国際展示場) ホールA
2026年4月15日(水) 大阪 大阪城ホール
2026年4月16日(木) 大阪 大阪城ホール
2026年4月28日(火) 福岡 マリンメッセ福岡 A館
2026年4月29日(水・祝) 福岡 マリンメッセ福岡 A館
2026年5月13日(水) 大阪 大阪城ホール
2026年5月14日(木) 大阪 大阪城ホール
2026年5月19日(火) 神奈川 横浜アリーナ
2026年5月20日(水) 神奈川 横浜アリーナ
2026年6月20日(土) 福井 サンドーム福井
2026年6月21日(日) 福井 サンドーム福井
2026年7月1日(水) 静岡 エコパアリーナ
2026年7月2日(木) 静岡 エコパアリーナ
2026年7月11日(土) 宮城 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)
2026年7月12日(日) 宮城 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)
2026年7月25日(土) 広島 広島グリーンアリーナ
2026年7月26日(日) 広島 広島グリーンアリーナ

THE RAMPAGE LIVE TOUR 2026 “(R)MPG”

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