──『Deja-vu』はOffo tokyoにとって待望の1st デジタルアルバムです。これまでシングルをリリースしてきた皆さんは、“アルバム”とはどのようなものだと捉えて制作を始めたのでしょうか?
Shota Kaya「デジタルアルバムなのでいわゆる“アルバム”とは違うのですが…『Deja-vu』に関しては、インディーズ時代からの楽曲を全て収録しているので、“Offo tokyoってどんなバンドなのかな?”と思ったときにこのアルバムを聴けばわかるものになっていると思います」
──とはいえ、曲順はリリース順ではないですよね。その辺りにはどのようなこだわりがあるのでしょうか?
Shota「それこそデジタルの特徴を活かして、人気の曲をなるべくトラック順の最初の方にしています。その上で曲調を考慮しています」
──並びの考え方が面白いですね。確かにフィジカルのアルバムだったらやらないやり方かも…。
Shota「そうなんです」
──実際、”たくさん聴いてほしい”という気持ちの表れですよね。大切なことだと思います。
──では、まずそのリード曲「Deja-vu」について聞かせてください。
Shota「この曲はアルバムのリード曲として、新曲の中で最初に作った曲です。ただ“リード曲ってどんなものがいいんだろう?”とドツボにハマってしまって…」
──それって、今までずっとシングル=単曲をリリースしていたからですか?
Shota「はい。しかも、去年11月から5ヶ月連続配信リリースプロジェクト“イカサマ”をやっていて。そこで、いろんなジャンルに手をつけていたので、余計にわけがわからなくなっていました(笑)。いろいろ考えた結果、初心に帰って僕たちが素直に“カッコいい”と思う曲をやろうというコンセプトで作りました」
──それこそ“イカサマ”プロジェクトでさまざまな楽曲を次々とリリースした経験を経たことで、それまでにはないものが生まれたのではないでしょうか?
Shota「それはあるかもしれません。それでいうと、新しい風を吹かせたくて初めて外部のアレンジャーと曲を作りました。ご一緒したのは宮野弦⼠くんという方で、宮野くんともすごくハマりが良かった気がします。同い年で、音楽の好みも割と似通っていたこともあって、“こうしてほしい”、“ああしてほしい”というリクエストをすぐに汲んでくれて、すごくスムーズでした」
──Hiiraさん、Seiyaさんは「Deja-vu」を初めて聴いたとき、どのような印象を持ちましたか?
Seiya Ozaki「率直に“カッコいい曲だな”と思いました。エレピソロはこの曲の持つジャズ感を出すために、90年代、さらには80年代、70年代、60年代後半くらいまで遡ってジャズをいろいろと聴きました」
Hiira「“オイシイ曲がきたな”と思いました。歌い手としてこれを歌いこなせると気持ち良いだろうし、ステージでも映えるだろうしって。すでに「Deja-vu」はライブでもやっていますが、お客さんの反応もよくて、とってもオイシイです(笑)」
──歌詞もこれまでの楽曲とは違う雰囲気を持っていますが、歌詞にはどういったこだわりがあるのでしょうか?
Shota「“深そうなことを言ってそうで薄っぺらい”とか、“いいことを言ってそうだけど、よくわからない”みたいな歌詞にしたくて。重厚感のある曲だから、少し軽くして重心を上げたかったんです。気に入っているのは<魔性のファム・ファタール>…“頭痛が痛い”みたいな(笑)。“<淡島通り リフレクション>ってなんだよ、それ!?”とか、ツッコミながら聴いてほしいです」
──タイトルの「Deja-vu」はどのように出てきたものなのでしょうか?
Shota「歌詞を書くときって、メロディに合わせてデタラメ英語で歌ってみたりするんです。そしたらサビのあそこで”デジャブ”と口から出てきて、これにしよう、と。そこから、「Deja-vu」はフランス語だから、ほかにもフランス語を散りばめて、”なんか頭良さそうだけど、何言ってんだろ?”みたいな歌詞にしてみました。」
──アルバム『Deja-vu』にはさらに、Seiyaさんが作詞作曲を手がけた「Saturday Night」、Hiira さんが作詞作曲に参加した「Our Life (feat. Swagcky) 」、Shotaさんが手がけたインストゥルメンタル「Believe In Billy」と、メンバー全員が作詞作曲をした楽曲が新曲として収録されています。
Seiya「せっかくのアルバムなので、メンバーそれぞれが作る新曲を収録しようということになりました」
Hiira「言ってしまえばOffo tokyoにはShotaがいるので、我々が曲を作るなんてことは、しなくてもいいんです。だけど、そうやってこれまで進んできたから、そこにちょっとズレや幅を出そう、これまでやってこなかったことをやってみようという意味で、僕たちが曲を作ったので、その抜け感みたいなものも楽しんでもらいたいです」
Seiya Ozaki(Keys)──ではそのそれぞれの楽曲について聞かせてください。まずはSeiyaさんの「Saturday Night」。これはどういったところからできた楽曲なのでしょうか?
Seiya「この曲のリファレンスは10曲目に収録されている「COCO TOKYO」です」
Shota「自分たちの曲をリファレンスにするな(笑)」
Seiya「「COCO TOKYO」ってメロディだけ聴くと実は日本っぽい。でも、ビートの疾走感やアレンジでそうは感じない。そういう曲をやってみたかったんです」
──Seiyaさんは曲を作ること自体は初めてではないと思いますが、Offo tokyoのアルバムに収録する曲として曲作りをしてみていかがでしたか?
Seiya「作曲やアレンジは割とスムーズに出来たんですが、もともと歌詞が書けなくて。だから本当はこの曲も歌詞はShotaかHiiraに書いてもらおうと思っていたんですけど、時間がなかったので自分で書くことにしました。アルバムの曲たちがあったからこそ、Offo tokyoの他の曲と同じようなタイプの主人公が登場するストーリーになったと思います」
──ご自身の内側から出てくるものというよりは“Offo tokyoの楽曲の主人公”をイメージしたのでしょうか?
Seiya「そうですね。自分のことを歌詞にする人はあまりいないと思います。小説やポエムを書くようなイメージで書きました」
──Hiiraさんはボーカリストとしてこの曲を受け取ったときはどう感じましたか?
Hiira「この曲も…オイシイです(笑)。SeiyaもShotaも、僕が気持ちよく歌えるキーをわかった上で曲を作ってきてくれるので、すごく気持ちよく歌わせてもらってます」
Hiira(Vocal)──Hiiraさんが作詞作曲に参加した「Our Life (feat. Swagcky)」についても教えてください。
Hiira「せっかくだから友だちと作りたいと思って、Swagckyという仲の良いミュージシャンに連絡しました」
──Swagckyさんとは何がきっかけで仲良くなったんですか?
Hiira「ソロで活動をやっていた頃、とあるオーディションに参加して知り合いました。そこからしばらく連絡をとっていなかったのですが、たまたま共通の友人のライブで再会して、彼のイベントにOffo tokyoとして誘ってもらったり。住んでいるところがとても近いことが判明して、そこからはプライベートでも仲良くなっていきました」
──今もよく遊んでいるのですか?
Hiira「週一で(笑)」
──大人で週一で会うってかなりの高頻度ですね。では一緒に曲が作れたのも嬉しかったのでは?
Hiira「はい。“いつかやろう”みたいなことはずっと言っていましたけど、形になって嬉しいです」
──制作はどのように進めていったのでしょうか? Hiiraさんの中にイメージがあって、それをSwagckyさんに伝えて形にしてもらったのか、2人で話して形にしていったのか。
Hiira「リファレンスのようなものは一応、自分の中にありましたけど、そういうものを抜きにして、彼の家で二人でギターをつま弾きながら、出てきたものを形にしていきました」
──Seiyaさんは「Saturday Night」でOffo tokyoの主人公をイメージしたような小説のようなものを書いたとおっしゃっていましたが、それに対して「Our Life」はHiiraさんの想いや、タイトルの通り、生活を描いた歌詞になっていますね。
Hiira「そうですね。それぞれの新曲については各々に任せるという話だったので、それならOffo tokyoでいつも羽織っているジャケットを取っ払って、”自然体でやってみようぜ”とSwagckyが言ってくれて。自分たちが今、リアルに思っていることを閉じ込めてみました」
Seiya「最初に聴いたとき、“HiiraとSwagckyって付き合ってるのかな?”と思いました(笑)。<そうやって僕らは⽣きてゆく>とか歌っているし。移動中に聴いたんですけど、第一声で“2人、付き合ってる?”と言いました(笑)。でもすごくHiiraっぽいと思いました。MCとかSNSで言っているようなことがそのまま曲になっていて」
Shota「僕が最初に聴いたときは、全編Swagckyが歌っていて…演奏もSwagckyのチームがしていたので、“これ、Swagckyのシングルじゃん”と思いました(笑)」
Hiira「だよね(笑)この曲を作っていた時期、コンディションがあまり良くなくて気持ちよく歌えなかったのを思い出した。花粉症だったり、副鼻腔炎だったりで、とにかく鼻声と声枯れが続いてて。だからSwagckyに仮歌を入れてもらったんだよね。”まぁ、そんな時もあるよ。”みたいな会話の延長線でこの曲「Our Life」ができました」
──そうだったんですね。歌えるようになって、ちゃんとお二人でレコーディングした曲が完成してよかったですね。
Hiira「 健康第一!」
Shota Kaya(Guitar, Sax)──そしてShotaさんは「Believe In Billy」。インストナンバーにしたのはどうしてだったのでしょうか?
Shota「インストを1曲くらい作りたいと思っていたというのが理由の1つです。それから、やはり“イカサマ”プロジェクトを一人で引きずっていたので(笑)、“次は何をやってやろうかな?”と考えたときにプログレっぽい曲を作ってみたいと思って。だから、評価されるとかされないとか、そういうことは一旦置いておいて、“こんなのもやってみましたよ”という感じです」
Seiya「この曲は8分の7拍子と変拍子なので、最初に聴かせてもらったとき、頭がおかしくなりそうでした(笑)」
Hiira「僕も“難しくてわかんねえな”と思いました(笑)。あと、多分、この曲を作っているときのShota、ちょっと調子悪そうだったんだよね。レギュラーラジオ番組で2人で喋ったら全然噛み合わなくて。聞いてみたら、“一人で曲ばっかり作っていて、しばらく人と話していない”って。この曲を聴いた時に、“そりゃそうなるよな”と思いました」
Shota「心の健康のためにも人と会うって大切ですね。喋り方って忘れるものなんですよ(笑)」
Hiira「さすがに、珍しく“飲みに行くか!”って誘いました(笑)」
──そんな新曲と、これまでの楽曲、24曲を並べてみていかがですか?
Seiya「ボリューミーですね」
Shota「曲数が多いのでお得用パックです。でも全部いい曲なので、全曲聴いてほしいです」
Nemo(DJ)──これまでリリースした20曲のなかで、ご自身にとってターニングポイントになった曲や印象的だった曲を挙げるとしたら、どの曲になりますか?
Seiya「「哀とアイスブルー」はちょっとウルっとします。この曲はトラックダウンというレコーディングの最終工程の日が、僕たちにとって初めてのツアーの前日だったんです。メジャーになって忙しくなってきたタイミングだったのもあり、“次のステップに進めたな”と感慨深くなったことを思い出します」
Hiira「僕も「哀とアイスブルー」ですかね。トラックダウンの帰り、Shotaと一緒だったんですが、Shotaが“やりたいことできたかも”と言ったんです。それもがすごく印象的でした」
Shota「それまでは邪念があったんですよ、“売れる曲って何だろう?”とか考えてみたりね。そんな中で「哀とアイスブルー」では色んな要素がうまく噛み合った気がして、納得いくものを作ることができたなという印象です」
──皆さんにとって、それまでとは違う達成感や手応えを感じた瞬間だったんでしょうね。
Shota「「Your Song」の次にリリースした曲で、2曲続けてタイアップだったから、それで少し気持ちよくなっていたというのもあるのかも」
Hiira「そうだね」
Shota「それで調子こいて「世界は今宵を待っている」という曲を作ったんですが、それがすごく大変で。ビッグバンドみたいな曲なので、パートが多くて、ホーン隊も生楽器で録ったんです。だから各楽器のアレンジを考えて譜面を書いてミュージシャンとスタジオに入って…。その割にあまり人気がないので、もうちょっと聴いてもらいたいです(笑)」
──そんなアルバムに『Deja-vu』というタイトルをつけた理由を教えてください。
Shota「リード曲がをアルバムタイトルにするのって洋楽っぽくてカッコいいと思って。あとは、今までリリースした曲を全部収録しているので、そういう意味でも『Deja-vu』というタイトルが当てはまると思ってこのタイトルにしました。汎用性が高い、いい言葉です(笑)」
──リリース後にはアルバムを携えたツアー『Offo tokyo One man Tour 2026 “Deja-vu”』が控えています。
Seiya「いいライブをするのは当たり前で、その上で強いて言うなら、氣がいいツアーにしたいです。Offo tokyoのステージがパワースポットのようになって、来てくれた人たちが浄化されて、次の日も幸せに生きていける。そんなステージにしたいと思っています」
Hiira「毎回行かせてもらっている街も、前回を超えたライブをしないと気持ちよくない。だから僕たちが最高を更新するところを目撃しに来てもらいたいです」
Shota「今回のツアーで初めて札幌に行きます。僕、札幌出身なんですが客席がスカスカだったら恥ずかしいので、みんな来てください(笑)」
(おわり)
取材・文/小林千絵
RELEASE INFROMATION
LIVE INFORMATION

Offo tokyo One man Tour 2026 “Deja-vu”
2026年6月20日(土) 名古屋ell. FITS ALL
2026年6月21日(日) 大阪Yogibo HOLY MOUNTAIN
2026年6月27日(土) 福岡Queblick
2026年7月5日(日) 札幌SOUND CRUE
2026年7月18日(土) 渋谷CLUB QUATTRO

