――≠ME 全国ツアー2024「やっと、同じクラス」を終えた感想から聞かせてください。

蟹沢 萌子「今回はメンバーの地元を巡らせていただく凱旋ツアーでもあったので、初めての場所にもみんなで行けたことが嬉しかったです。あと、タイトル通りに、メンバーとファンの皆さん、スタッフさんとも“やっと、同じクラス”という気持ちでツアーに臨んだからこそ、1会場1会場ごとに絆も深まっていきました。語り尽くせないほどの思い出が生まれたツアーになって、感謝の気持ちでいっぱいです」

冨田 菜々風「本当にすごく温かい空間ばかりでした。メンバーそれぞれの出身地でソロを披露するパートがあったのですが、会場ごとにそのメンバーのペンライトカラーに変えてくださった景色も忘れられないですし、ツアーファイナル公演では「「君と僕の歌」」のときに、会場一面がエメラルドグリーンのペンライトで染まったことが印象的でした。皆さんに出会えたことも、皆でここまで駆け抜けてこられたこともすごく幸せだなって感じられた瞬間でした」

本田 珠由記「メンバーのペンライトカラーの制服衣装や、「Overture」では直前の映像から演出が繋がって私達が登場するなど、≠ME初の試みが演出の中でもたくさんありました。「デートの後、22時」の曲では、ご当地の美味しい食べ物やお土産、ぬいぐるみなどをみんなで持って…その公演でしかできない演出がたくさんあり、横浜アリーナの公演ではアリーナ席の外周を回って、ファンの皆さんの近くに行けました。コンサートを通して皆さんとの距離が近づけたし、さらに絆が深まったツアーだったと思います」

――蟹沢さんから“語り尽くせないほどの思い出が生まれた”とありましたけど、皆さんが個人的に一番印象に残っている思い出をあげてもらってもいいですか?

蟹沢「自分にとっての凱旋公演がやっぱり思い入れが深いです。私は神奈川県出身なので、横浜アリーナに≠MEが立つということ自体、冷静になると“本当に!?”と驚くこともあって。アリーナ席の外周には皆さんの近くに行ける通路もあったので、私達もステージから出て、ファンの方の客席近くに行くことができて、トロッコでスタンド席の近くにも行けました。“大きい会場でもファンの皆さん11人に同じ温度で感じていただきたい”という思いもあったので、特に横浜アリーナの公演では来てくださった皆さんが、今私が感じている熱と愛を同じだけ受け取って、送り合えたらいいなという思いで挑んでいました。すごく気合が入っていたことを覚えています」

――熱と愛は送り合えましたか?

蟹沢「“こんなに客席が見えるんだ!?”とびっくりしました」

冨田「そうだよね!」

蟹沢「うん。もっと遠くに感じてしまうのかな?ということや“出来るだけ遠く感じさせたくないな”とも思っていたのですが、実際にステージに立ってみたら、メンバーからは皆さんのことがすごくよく見えました。もし、会場の大きさによって、ファンの皆さんが私達のことを少し遠いなと感じてしまっているとしたら、“私達からはどんなときだって、11人がばっちり見えているんだよ!”ということを心に留めていてくれたらいいなと思います」

――冨田さんは「天使は何処へ」でフライングにも挑戦しましたね。

冨田「はい。人生で初めてステージ上を飛ぶという貴重な体験をさせていただきました。上から見る景色もまた普段のステージ上とは少し違っていて。ファンの皆さんはもちろん、メンバーも見えますし、飛んでいるときは夢見心地な感じでもありました。でも、「天使は何処へ」はかっこいい楽曲なので、楽曲にちゃんと合う表現をしたいと思っていて。リハーサルでも入念に準備をしたので、すごく安心した気持ちで披露できて、自分が思い描いていたような表現はできたと思います。皆さんにたくさん驚いていただけたら嬉しいなと思って飛びました!」

――地元の鹿児島公演はどうでしたか?

冨田「東京からは距離が離れていて、なかなか行けない場所なので、≠MEのみんなと鹿児島県に行けたのが、すごく嬉しかったです。それに、グループに加入したときに“鹿児島県でいつかライブがしたいです!”と言っていたので、その夢が叶ったことがすごく嬉しかったです。夢が叶うときはその全てに夢中でとにかく“成功させたい”という気持ちが強かったので、公演が終わって1列になっておじきをして終わったときに自然と涙が溢れてしまいました。私に限らず、みんなもそれぞれの凱旋公演には熱い思いをたくさん込めていたと思うのですが、私は鹿児島公演の会場での景色と気持ちがこれからもずっと鮮明に残っていると思います」

本田「私ときらりん(落合希来里)は栃木県出身なのですが、≠MEに加入して、“栃木県出身だね”とお互いが分かった瞬間から、“絶対に栃木県でライブをしよう!”とずっと話していたんです。やっぱり私達の夢が叶うということに、わくわくでいっぱいでした」

――凱旋公演でのソロ曲のコーナーはどうでしたか?

本田「普段メンバー全員で立っているステージに1人で立ってみて…リハーサルのときは、少し怖いなと思うこともありました。不安になってしまったのですが、本番が始まる前にメンバーみんなが“絶対に大丈夫だよ!”と背中を押してくれたおかげで、ソロのステージを楽しむことができましたし、会場全体が自分のペンライトカラーになったことにすごく愛を感じました。同じ出身地のきらりんのソロを聴いて、私も涙が止まらなかったです。菜々風ちゃんも言っていましたが、2人の夢が叶う瞬間はこんなにも幸せなことなんだなと思いましたし、私達の幸せを自分の幸せのように感じてくださるファンの皆さんがいてくださることに、きらりんと一緒に感動しました」

――そして、ファイナル公演の横浜アリーナの会場では新曲「夏が来たから」も初披露しました。最初に楽曲は受け取ったときどう感じましたか。1stアルバム『Springtime In You』以来、5ヶ月ぶりのリリースです。

蟹沢「1stアルバムのリード曲「ラストチャンス、ラストダンス」はミュージックビデオでも桜が使われていて、春のときめき、ほろ苦さと切なさが混ざった楽曲だったので、次の新曲は、メンバー間でも“夏っぽい曲がいただけるんじゃないかな?”と予想していました。しかも、828日というみんながちょうど“夏が終わって欲しくないな…”と思うタイミングでの発売日で。タイトルや楽曲の疾走感も含めて、まさに、≠MEの夏にピタッとはまってくれるような楽曲をいただけたので、気持ちが高まりました」

冨田「本当にメロディも歌詞もとにかく夏だなという気持ちになりました。やっぱり夏って楽しいじゃないですか。そんなタイミングで、こんなにエモーショナルさと夏っぽさがあって、ミュージックビデオにもわくわくするようなシーンがたくさんあって。その全てがファンの皆さんも一緒に楽しんでいただける気持ちになったらいいなと思いましたし、まっすぐに夏が楽しみになるようなタイトルもすごくいいなと思っていました」

本田「私自身、夏曲がすごく大好きで、毎日夏曲のプレイリストを聴きながら生活しているのですが、それこそ私も“夏が来たから、何々をしたい”があって。例えば、夏が来たから、家事をしているときは毎日、波の音を流すなど…」

冨田「そうなの?(笑)」

本田「うん。“夏が来たらこれをしよう”という目標があるのですが、ファンの方にも“「夏が来たから」を聴いたから何かしたい”という風に、楽しい夏の思い出を過ごす行動の後押しになったらいいなと思っています。あと、パッションを感じる歌詞も大好きなんです。何度も同じ言葉が繰り返されていることや、<君が好きだ!><汗なんかどうだっていい>など、夏が来たから言えることなのかな?と感じています。皆さんの夏に寄り添える曲になれば嬉しいですし、この曲がこれから先もずっと皆さんの夏の思い出の1曲になって欲しいです」

――今、本田さんから“夏が来たから○○する”というお題をいただきましたので蟹沢さんと冨田さんにももらっていいですか?

本田「私はたくさんあるので、二人が考える時間を作るために話をつなぎます(笑)。たくさんルーティンがあるんです。波の音もそうですし、夏が来たら、家族で花火をしたり、かき氷屋さんを探したり、ひたすらSNSで海の画像を見たり、ネイルアートも海仕様にしたり…など」

冨田「本当にたくさんあるね。私は夏が来たら、毎年かき氷を作るのですが、2年前ぐらいに誕生日プレゼントで家族からかき氷器を貰って、一緒に巨大な練乳も貰ったのですが、当時は使い切れなかったんです。本当にすごく大きくて、通常サイズのマヨネーズが3倍になったくらいのサイズ感だったので、今年はそれを買って、全部使い切りたいです」

本田「やりたいね!」

蟹沢「私も食べたい!」

冨田「そうだね、みんなにも協力してもらいたいです。夏が来たから、しろくまの練乳かき氷をたくさん作って食べようと思います!」

蟹沢「私は夏が来ると毎年、スイカをどれだけ食べられるかチャレンジをしています。目標は一玉なのですが、なかなか一玉は難しくて…。昔から夏になるとスイカをご近所の方にいただいたりして、スイカを食べることが大好きで、朝昼晩、3食スイカでも大丈夫なくらい好きなんです。“今年はまだ食べていないな”と思っていたら、ツアーファイナルのケータリングでスイカを準備してくださったり、撮影でスイカをいただいたり、そういうタイミングでスイカと出会えているので、今年も夏の間にスイカチャレンジをしたいです」

――ありがとうございます。

――歌詞は先ほど本田さんから“パッションを感じる”とおっしゃっていましたが、どことなくこれまでの曲とのリンクも感じています。

蟹沢「明確に“この楽曲とこの楽曲の物語が続いている”というのは、私達にも特に言われていないのですが、私達の楽曲は本当にいろいろな登場人物を描いた楽曲が多くて。夏への向き合い方も好きへの向き合い方も、それぞれ全部が違っているかなと思います。ですが、私達の≠MEの活動の中で、≠MEの楽曲と出会わせていただいているからこそ、ファンの皆様がいろいろな受け取り方や、いろいろな部分に共感していただけたらいいなと思いながら、制作させていただいています」

――「君はこの夏、恋をする」では<君と目が合う その瞬間 夏が始まる>と言っていたのが、今回の曲で<この夏で完結する片想い>になっていたり、<僕の秋を 彩ってよ>が<秋よ 歩み遅めて>になっていたりとか。他にも、「天使は何処へ」と<答えは何処に>、「想わせぶりっこ」と<追いかけっこ>とか…。

冨田「繋がりがあるかどうかは私たちもわからないのですが、「君はこの夏、恋をする」の歌詞では<ミルクティー>を飲んでいるのですが、今回は<汗かいたコーヒー>という歌詞があります。今まで活動してきた数年の中で少しずつ言葉が変化していることが見えたときに、私達も少し大人になったのかな?というエモーショナルさを感じます。指原さんも私たちが年齢や活動を重ねていることを考えて歌詞を書いてくださっているのかな?と思うと、嬉しいです」

蟹沢「そうだね。指原さんも“≠MEが歌う”ということを思い浮かべて、歌詞を書いてくださっているので、そういう歌詞でシンパシーを感じて、“重なるな”と私たち自身が感じるところは、指原さんが見てくださった私達の姿と繋がる部分があるからこそなのかなと嬉しくなります」

――<君が青春そのものだ>の“君”は≠MEですよね。

本田「そうですね。“≠MEは青春感がある”と言っていただけることや、私達自身も“青春を届けたい“と思っているのですが、「夏が来たから」はまた違う面の青春をお届けできている楽曲だと思っています。今までは甘酸っぱい恋の青春や、切ない青春だったのですが、この曲には明るくて、わくわく感を感じる夏の始まりがあります。まっすぐで素直な歌詞からも、”こういう青春もあるんだな“ということを感じましたし、これからもいろいろな青春を表現していきたいです」

――MV撮影はいかがでしたか?

本田「ダンスシーンの広い海と広い空をバックに撮影したところはミュージックビデオで見ても大絶景だと思うのですが、こんなに素敵な場所で踊らせていただいたのは初めてで、360度綺麗だったので、ダンスをするのも楽しかったよね」

冨田「楽しかった! 思い切りダンスできましたね」

――冨田さんは最初に“ワクワクするシーンがいっぱいある”とおっしゃっていました。

冨田「私は、メンバーと一緒にいるだけでもわくわくするのですが…」

――それこそ青春ですね。

冨田「そうなんです! このミュージックビデオでも、みんなで同じ方向を見ているシーンがあって。ミュージックビデオの中で私たちが見ている景色はあまり映っていないと思うのですが、撮影時に見た光景が自分の中ですごく記憶に残って、エモーショナルになっています。そういう瞬間に、≠MEの青春をすごく感じています。ライブのときもそうなのですが、みんなで一緒に見る景色が私はすごく大好きです」

蟹沢「今回、数人のグループになって撮影したシーンも多かったのですが、みんな自転車で走ってきて、集まって、海に思い切り走っていくんです。そのシーンでは“自由に!”とディレクションしていただきました。みんなで少し足元だけ海に入ったりしたのですが、菜々風が言っていたように、私達視点の青春も感じるタイミングが多かったんです。砂浜が熱くて、みんなで“熱い!”と言いながら海に入って、水が冷たくて気持ちよくて。みんなではしゃぎながら、水をかけ合って…気づいたら、波に引かれて、少し奥にいて、“戻ろう!”と言いながら走って。アイドルになって、≠MEとして海に行けるタイミングは今までにもあったのですが、こうやって、自由に海を楽しむことはなかなかできないことだなと思っていたので、そういう素の笑顔もミュージックビデオに詰まっています。逆に、1人ずつのシーンは、どこかはかなさや、それぞれの思いをまっすぐに感じられるような映像になっています。今回の楽曲でいうと、みんなでいるときの和気あいあいとした、“君”の素の感じと、“僕”の心情を表したような1人ずつのまっすぐな両方の感情が入っています。そのどちらも楽しめるミュージックビデオになっていると思います。切り替わっていくシーンを1つずつ止めて、全員分のいろいろな表情を見ていただけたらいいなと思います」

――この曲を含む9thシングル『夏が来たから』がリリースされましたが、どんな夏にしたいですか?

本田「今年は素敵な夏曲をいただけたので、ファンの皆さんには≠MEと過ごす夏を存分に感じていただきたいです。今までの人生で一番楽しい夏にできるように、この曲を日常のBGMにして過ごしていただきたいですし、個人的には今までやってこなかった夏らしいことを密かにいろいろと考えていて。今年は、「夏が来たから」を聴きながら、自由研究と読書感想文をやりたいです」

――学生の夏休み!?

本田「初心に返って。大人になった自由研究と読書感想文は何か違うかな?と思ったので、この曲と一緒に、そんな楽しい夏を過ごしたいと本気で思っています」

――じゃあ、次のシングルのときのインタビューで発表していただきますね。

本田「どうしよう! でも、本はもう買っています」

蟹沢「何を読むんだろう?…こっそり教えてね」

本田「うん、わかった」

冨田「楽しみだね。この夏は、「夏が来たから」のサビの部分みたいに、<夏が夏が夏が>と進めば進むほど暑くなっていくような時間を皆さんと一緒に過ごしたいです。それに、その時に聴いていた曲は、そのときの記憶としてすごく残るものだと思うので、この夏は「夏が来たから」をたくさん聴いて、≠MEと一緒の時間も含めて、いろいろな思い出をたくさん残していただきたいです。またいつかこの楽曲を聴いたときに、今年の夏の記憶や思い出が溢れかえるような夏を皆さんと一緒に過ごせたらいいなと思います」

蟹沢「1stアルバム『Springtime In You』の次に、このシングルを発売させていただくにあたって、≠MEの青春らしさにまた新しい色が増えたのが「夏が来たから」かなと思っています。私達はあと半年で結成6年になるのですが、こんなにもたくさんの楽曲に出会わせていただいたからこそ、私達の届けたい気持ちも深まって、広がっているなということを実感します。「夏が来たから」を1回でも聴いてくださった全ての皆さんに、≠MEの思いや愛を隅々まで届けられるようなパワーのあるグループにこれからどんどん成長していきたいです。そして、今≠MEを好きでいてくださっている皆さんにも、夏だけではなく、秋も冬もその先の春も“≠MEは最高だよね!”と思っていただけることが一番なので、“どこまでも一緒に青春を駆け抜けていきたいな”と思っていただけるようなグループでい続けられるように、みんなで頑張ります!」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

≠ME『夏が来たから』Type A(CD+DVD)

2024年828日(水)発売
KIZM-803~41,800円(税込)
KING RECORDS

≠ME『夏が来たから』

≠ME『夏が来たから』Type B(CD+DVD)

2024年828日(水)発売
KIZM-80561,650円(税込)
KING RECORDS

≠ME『夏が来たから』

≠ME『夏が来たから』Type C(CD+DVD)

2024年828日(水)発売
KIZM-80781,800円(税込)
KING RECORDS

≠ME『夏が来たから』

≠ME『夏が来たから』ノイミー盤(WEB販売のみ)(CD only)

2024年828日(水)発売
NMAX-14311,100円(税込)
KING RECORDS

≠ME『夏が来たから』

LIVE INFORMATION

イコノイジョイ 2024
2024年9月28日(土) 富士急ハイランド コニファーフォレスト 
昼の部OPEN 11:00 / START 12:30
夜の部OPEN 16:00 / START 17:30

イコノイジョイ大感謝祭 2024
2024年10月22日(火) 東京都 TOKYO DOME CITY HALL
出演:≠ME
2024年10月23日(水) 東京都 TOKYO DOME CITY HALL
出演:=LOVE
2024年10月24日(木) 東京都 TOKYO DOME CITY HALL
出演:≒JOY

≠ME 全国ツアー追加公演2024「修学旅行、同じ班がいいな。」
2024年11月9日(土) 沖縄県 那覇文化芸術劇場なはーと大劇場
2024年11月23日(土・祝) 千葉県 幕張メッセ 国際展示場 展示ホール

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