――いわむらさんが新しい団長、ちばさんとしものあやめさんが副団長に就任して半年が経ちましたね。

いわむらゆきね「最初は団長として、“どういう団長になっていけばいいんだろう?”、“どうやってグループを引っ張っていけばいいんだろう?”という迷いがあったんです。今までも副団長をやらしてもらっていましたけど、団長となるとまた違うなっていうふうに感じていて。今でもまだちょっと迷走中ではあるんですけど(笑)、何とかグループのパフォーマンスを上げていけるように、そして、ミモザーヌの知名度も上げていけるようにSNSでの発信も頑張っているところです。新体制になって、これまでにライブが2回あったんですけど、みんなが舞台に立って、お客さんと触れるという経験ができたので、現在は冬公演のときよりもさらにレベルアップできているんじゃないかなって思っています」

ちばひなの「私は1期生の中だと年下のメンバーになるので、今までは年上のメンバーに頼っている部分があったんです。でも、今は5期生まで入ってきて、後輩も増えたので、“もう引っ張っていく立場になったんだな”っていうのを理解して、みんなのお手本になれるように頑張っていこうっていう意識でいます。私も“副団長としてできることって何だろう?“っていうのをずっと考えながらやっていて。正直、まだ答えは出ていないんですけど、副団長という立場だからこそ、団長のサポートもしつつ、メンバー11人の意見も取り入れながら作っていく立場になれたらなっていうふうに考えています」

――3期生のさかもとさんは新しい団長と副団長はどう見えていますか?

さかもとりるは「今回の団長、副団長は面白くって。何が面白いかっていうと、やっぱり団長がちょっとおっちょこちょいなところがあるんですよ」

いわむら「あはははは。バレてる!」

さかもと「もちろんしっかりしているんですけど、親近感があるから相談しやすいし、任せっきりじゃなくて、“私たちも頑張ろう!”と思わせてくれるところもあります。逆に、副団長がめちゃめちゃしっかりしていて、“団長を支えています”っていうバランスになっているのが本当に面白いし、今のミモザーヌに合ってるんじゃないかな?っていうふうに思っていて。もう1人の副団長のあやめちゃんもおっちょこちょいで、破天荒なので、また新しい何かが出来上がるんじゃないかなって思っています」

――5期生のみつふじさんは去年の春に入団して1年が経ったところですね。

みつふじまりん「すごく早かったです。基礎を固めていって、舞台にも立たせていただいて。レッスンでやったことを舞台で出すのは本当に難しいなって思ったんですけど、絆も感じられて、今はすごく楽しいです」

――さかもとさんの方を見ながら話していますが、絆を感じた瞬間があったんですか?

さかもと「なんか、私たちって似てるんですよ。よくメンバーに言われるんですけど、多分、姉妹だと思うんです」

ちば「似てるよね。ふわふわしてる感じとか。まとっている雰囲気みたいなのが、似てる!」

――グループ全体の雰囲気も変わったんですね。

いわむら「そうですね。りるはが言ってくれたように、私がちょっと抜けてる部分が多くて…私自身、“これでいいのかな?”って思うところもありつつ、その分、ひなのがめちゃめちゃしっかりまとめてくれていて」

――今、まりんさんが激しく頷いてます。

いわむら「(まりんさんを見ながら)あっ?」

ちば「団長、こわっ!!」

いわむら「あははは。今までの団長の形とは違うのかな?って思ってるんですけど、これまで以上に1期生から5期生までの距離感が、いい意味であんまりなくて。みんながいやすい雰囲気になれたらいいなと思っています」

ちば「今までは去年、卒団したまなかの存在が大きかったんです。まなかが率先して、いろいろと行動を起こしてくれた分、まなかが卒団したから、メンバーそれぞれが、次は自分たちで動かないといけないって思うようになっていて。だから、新体制になってからは、一人一人が自分の意見を持つようになっているし、いい意味で、個々の軸が強くなったと思います」

――そして、夏公演が発表されましたが、今回はどんな公演になりそうですか?

いわむら「これまでの公演でもそうだったんですけど、2幕構成になっています。第1幕は“生きる”をテーマに、動物たちがたくさん出てくるお芝居に、歌も織り交ぜながら進んでいく舞台になります。そして、第2幕は昭和歌謡、ポップス、ジャズ、詩吟にも挑戦した、いろんなジャンルに富んだミュージックバラエティーショウなんです」

ちば「前回の冬公演で芝居に挑戦するメンバーが増えたんですけど、今回の1幕では各々の役柄もしっかりついています。しかも、ジャングルに動物たちがずっといるように、基本的にメンバーがずっと舞台上にいる構成に挑戦します。より一層、集中力も必要になってくるんですけど、また一歩みんなでレベルアップできたらなって思っています」

さかもと「私は“成長を見ていただける公演になる”って思っています。今、いるメンバーで地道に鍛錬してきた基礎レッスンを今、開放すべきとき! って思っていて。それをどれくらい舞台に乗せられるか、今まで見てきてくださったファンの方に見せられるか?っていうのがポイントかなって思っています」

みつふじ「今回、初めて動物に挑戦するので、歩き方や立ち方から動物にしていかないといけないのが難しそうだなって感じています。でも、それができたら、すごい圧を感じていただける舞台になるんじゃないかなって思っているので、本番に向けてすごく頑張ります!」

――それぞれの役柄を聞かせてください。まりんさんは何になるんですか?

みつふじ「うさぎです! でも、私、うさぎが食べる草のアレルギーなんです…以前、うさぎを飼っていたことがあったんですけど、うさぎが食べる草のアレルギーになって飼えなくなってしまって。泣く泣く引き取ってもらたんですけど、当時飼っていたうさぎの写真を見返して、うさぎの動きや表情がどうなっているのかを今、研究中です」

さかもと「私もうさぎです! 私が普段見てるうさぎは、みんなが飼っているような可愛いうさぎなので、ジャングルにいそうな凶暴なうさぎというか、野うさぎも見てみたいなと思って、YouTubeで検索したりしています」

ちば「私はフラミンゴをやらせていただくんですけど、フラミンゴは群れで行動する動物なので、そういう習性も調べつつ、今までもパフォーマンスさせていただいていた「情熱フラミンゴ」をさらにレベルアップさせた、自分らしいフラミンゴを見つけたいって思っています。うさぎとフラミンゴ以外にも、しまうまと黒豹、猿がいて…」

――いわむらさんはハンター役ですね。

いわむら「そうなんです。ジャングルで唯一の人間です。台詞の一つ一つにしっかり意識を向けて大切に話したいと思っています。ただ、私ってすごい運動音痴なんです。“ハンター、私で大丈夫?”ってぐらいかけ離れているんです。銃も持ったことないし…」

ちば「それはそうでしょ(笑)。“持ったことある”とか、逆にやめて欲しい!」

いわむら「いや、わかんないでしょ。射撃したことあるかもしれないし」

ちば「絶対ないやん!」

いわむら「ま、ないんですけど(笑)、そういう映像を見ながら研究して、しっかりとハンターになりきれるように頑張ります!」

――ジャングルを舞台にした動物たちの「生きる」をテーマにした舞台は、どんなお話なんですか?

ちば「“生きるって何だろう?”っていうテーマなので、人間の生きると、動物たちの生きるは同じものなのか?、はたまた全然違うものなのか?っていうのを考えさせられるような内容になっています。生きるって意味の素晴らしい部分もあり、残酷な部分もあり、切なさを感じられるような作品になっています。私達もまだまだ作り始めたばかりなので、これからどうなっていくのか、すごく楽しみです」

――その“生きるとは?”というテーマはどう思いましたか?

みつふじ「“難しいな”って思いました。ひなのちゃんが言っていたみたいに、素敵な部分と残酷な部分っていうのがやっぱりあって。生きるって深いな…って思いました」

さかもと「私はこういう題材をいただいてから、自分が食べているものとかを見て、“あ、今、命をいただいているんだな”っていうことを改めて感じています。今回、「Living」という題名でよかったなって思っています」

いわむら「“生きる“って1人じゃできないことですよね。それこそ、りるはが言ったように食べるって行為もそう。ミモザーヌだって、メンバーがいて、広井(王子/総合演出)さんやスタッフさんがいて、何より見にきてくださるお客さんがいて初めて成り立つことなので、“みんなで支え合って生きているんだよ”っていうことを、私はすごく感じました」

ちば「毎回、公演のたびにテーマについて考えさせられるんです。前回だったら、“愛”だったり、今まで考えたことがない部分をすごく考えるんですけど、今回は当たり前のように過ごしている日常とか、何気なく過ごしてる毎日の中で周りにはどんな人が支えてくれているのか。今まで見てこなかった、意識してこなかった部分も意識して生活するようになるので、“生きる”っていう大きなテーマの中にもいろんな発見や刺激があるなって思いました。これから舞台を作っていく中で、もっと、いろいろと発見していきたいです」

――では、2幕のミュージックバラエティーショウではそれぞれどんな演目をやるんですか?

ちば「今まで以上にいろんなジャンルをやるんですけど、私はフラメンコをやらせていただきます! 今まではお芝居の中でフラメンコをやらせていただくことが多かったんですけど、今回は2幕でガッツリ、フラメンコの曲でダンスをやらせていただくので、今からすごく楽しみにしているんです。今まではフラメンコの楽曲はまなかがメインで歌っていたんですけど、結構体力を使うので、そこも自分の鍛えるポイントの一つとして頑張っています」

みつふじ「私は初めてひなのちゃんと同じ楽曲をするっていうのがとっても楽しみなのと、りるはちゃんと姉妹でトークをすることです!」

さかもと「はい、姉妹でやらせてもらってます(笑)」

ちば「私とまりんが一緒にパフォーマンスする楽曲が、昭和歌謡の曲なんですけど、フリを“映像を見て覚えてきてね”って言われていて。それをまりんがしっかり覚えてきて、ノリノリで楽しそうに練習しているんです。“可愛いな”って思いながら、すごく似合う曲なんで頑張ってほしいなって思います。頑張ろうね!」

みつふじ「はい! 「サウスポー」をやらせていただきます」

いわむら「めっちゃ可愛いんですよ。2人が一緒に練習しているのを見たら、もう本当に微笑ましくて。りるはとまりんは姉妹って感じだけど、ひなのとまりんはもはや親子かな?みたいな」

ちば「親子? ま、2人だけじゃなく5人でやらせていただくんですけど、まりんは同期のめいとペアなので、5期生の絆やチームワークも見ていただけると思います」

――さかもとさんはトークがあるんですね。

さかもと「かなりのトークショーとなっていると思います。今回はとっても挑戦することが多い公演で、それこそフラメンコも挑戦させていただきます! ていうことで、個性爆発かな?って思っています。今までは型にはまっていたところもあったんですけど、今回は自由にりるはを解き放っていこうと思っています」

いわむら「私は個人的には、今回の夏公演で一期生のすずきゆいが卒団するので、一期生の思い入れがたくさんある楽曲「Welcome! Sing Sing Sing」を、今いる4人の一期生で披露します。私的には、練習しているだけで昔のこと思い出して、“エモ!”ってなっていて…」

ちば「練習中も昔の話をしながら盛り上がっちゃって!」

いわむら「もうほんとうに昔話に花が咲き始めると、練習止まっちゃうよね」

ちば「止まる(笑)。ライブでも歌ってはいたんですけど、ダンス込みでやるのは本当に初期の初期のお披露目公演以来なんです。5年前になるんでけど、ダンスはしっかりと体が覚えていて。当時、ひたすらその曲だけをやっていたので、それを思い出しながらレッスンも楽しくやっています」

いわむら「ダンスは染み付いてるんでそのままいけたりするんですけど、歌は悪い意味で染み付いちゃってて、子供っぽい歌い方が抜けてなくて…。4人とも歌い方も声もどんどん変わっているんですけど、「Welcome! Sing Sing Sing」はあの当時の声に戻っちゃうんです。でも、今回は以前よりもちょっと大人になった私達っていうテーマで見てもらいたいです!」

――お二人は、今年の5月で5周年を迎えましたね。

いわむら「普通は逆だと思うんですけど、早いようで長い、濃い5年間でした。コロナ禍でステージに立てない時期も長かった分、すごく大変だったなっていうのが一番最初に出てくるんですけど、この5年間がなかったら絶対に今の私はいなかったと思うんです。私の人間的な基礎を作ってくれた5年間だったと思います」

ちば「入団したての頃はコロナ禍とも重なっちゃって…あのときは本当にしんどかったです。“このまま続けて意味あるのかな?”とか、メンバーみんなの心がもう折れに折れて。“もうどうしよう?”ってなってしんどかったけど、それを乗り越えられたのもメンバーがいたからだし、ステージにに立って皆さんにお披露目できないっていう時期が長かったからこそ、今、皆さんの前に立って、皆さんの声や拍手、表情を見れることのありがたみっていうのもすごく感じるので、今となっては、“あのときがあって良かったのかな?”って思います。でも、ここまでの5年間、特に最初の3年間はやっぱりしんどかったなっていう印象が強いです」

いわむら「“もう1回やって!”って言われたら無理かも」

ちば「無理! 絶対に嫌(笑)。ほんとうに今となっては、メンバーがいたからっていうのもあるんですけど、どうやって乗り越えられたのかな?っていうのもちょっとわかんないところがあります。近い目標もないまま、本当にがむしゃらにやっていたので、そこを乗り越えられたハートは強かったなって思います」

――今回、夏公演のプレスリリース出たとき広井さんは“割と完成形に近くなってきた”というコメントを出していました。現メンバーとしてはどう感じていますか?

みつふじ「その言葉はすごく嬉しいです。私はまだ入って1年しか経っていないし、先輩たちがステージに立てなかった時期が私達にはなかったからこそ、これからもっともっと頑張っていきたいなって思っています」

さかもと「個人的にはまだまだなんですけど、今回のオープニングで日舞ができるのがちょっと強みかなって思っています。日舞は技術が必要だし、難しいものなので、日舞をオープニングで披露できるっていうことがちょっと成長した証なんじゃないかな?って感じています」

ちば「完成形といっても、これで終わりって意味じゃなくて、ある意味、次の章のスタートラインっていうふうに私は捉えています。今まで積み重ねてきたものがやっとステージで披露できるようになったからこそ、ここからその完成形をさらにレベルアップさせていくスタートラインなんだなっていうふうに思っていて。時間を無駄にしないように、11回のレッスンや本番を大切にしていきたいって思っています」

いわむら「初期の頃は広井さんに“君達、全然駄目だよ”とか、厳しい指導ばかり言われていたので、“完成形に近い”って言っていただけるのは素直に嬉しいです。それは、特に1期生2期生が自分の強みというか、自分が何に向いているのか、何を目指していきたいのか、をどんどん見つけてこれたからだと思うんです。自分がミモザーヌの中でどういう役割なのかをはっきりと理解し始めたから、そういう風に言っていただけるところまでこれたのかな?っていうふうに思っています」

――広井さんの言葉をお借りすると“仕上がりつつあるミモザーヌ”の夏公演が楽しみです。最後に、劇場に足を運ぶ皆さんにメッセージをお願いします。

みつふじ「初めて動物に挑戦するので不安なこともあるんですけど、やっぱり楽しみが勝つので、ぜひ圧を感じていただけたら嬉しいです!」

さかもと「毎回そうなんですけど、舞台から一瞬も目を離せないのがミモザーヌの強みだと思うので、今回も楽しんでいただけると思います!」

ちば「今回は特にエネルギッシュでパワフルで壮大なショーとなっています。驚く部分もたくさんあるので、そんな私達のショーを楽しんでいただきたいです」

いわむら「今年の夏もきっとすごく暑い夏だと思うんですけど、皆さんが元気になってもらえるよう、私達の若いパワーでそんな暑さを吹き飛ばしますので、ぜひ会場に来てください!」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
写真/中村功

EVENT INFORMATION

少女歌劇団ミモザーヌ 夏公演2024『ジャングル・レビュー〜Living〜』

2024年8月4日(日) 11:30開場/12:30開演 大阪 YES THEATER
2024年8月4日(日) 15:30開場/16:30開演 大阪 YES THEATER
2024年8月17日(土) 11:30開場/12:30開演 東京 ニッショーホール(旧ヤクルトホール)
2024年8月17日(土) 15:30開場/16:30開演 東京 ニッショーホール(旧ヤクルトホール)

少女歌劇団ミモザーヌ 夏公演2024『ジャングル・レビュー〜Living〜』

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