──1stシングル「アヴァンチュール中目黒」でメジャーデビューしてから約9か月が経ちましたが、その間に“デビューしたんだな”と実感した出来事を教えてもらえますか?

松岡 卓弥「やっぱり、初めての全国ツアー(『MATSURI 1st コンサートツアー 〜祭〜』)を開催できたっていうのは、実感がありました。“僕たちもちゃんとデビューして、走り出したんだ“って思いました」

渡辺 真「あと、カラオケに行ったときに自分たちの曲が流れるのもうれしかったです!」

松岡「確かに! MVが流れるから、わかりやすくてうれしいよね」

──「アガベの花」は、MATSURI待望の2ndシングルです。タイトル曲はグループサウンズを彷彿とさせる昭和歌謡テイストのラブソングですが、この曲を聴いたときの印象は?

柳田 優樹「“王道のグループサウンズ“というイメージで作っていただいた楽曲なんですけど、とても情熱的だと思いました。ここまで情熱的に愛を歌う曲って、今、なかなかないと思うんです。なので、そういう意味では逆に新しいなと感じました」

──鈴木さんは「アガベの花」をどう聴きましたか?

鈴木 渉「僕は、まず“アガベって何?”というところから始まって(笑)。アガベの花を調べてから歌詞全体を把握しようとしたんですけど…失敗したと思いました(苦笑)」

──アガベの花は数十年に一度咲く貴重なものですが、先に調べたことをなぜ失敗だと思ったんですか?

鈴木「まず先に歌詞を見て、“アガベの花って何だろう?”と思って、調べた上でもう一度歌詞を理解するっていう、このワンクッションがあるとよかったなって(笑)。でも、改めて歌詞を見たとき、“植物と人間の生き方というものをここまでリンクさせることができるんだ“と、すごく感銘を受けました。一生に一度だけ咲く花だからこそ、歌うときもこの曲にすべてをかけるというか…”この瞬間にすべてをのせて届ける“っていうことを意識させてくれる曲だと思います」

──「アガベの花」はすでにイベントでも披露されていますよね。ファンの方の反応はいかがですか?

小野寺 翼「グループサウンズを彷彿とさせる楽曲なので、やっぱり歌謡曲を聴いていらした、僕たちを応援してくださるファンのみなさまに“すごく懐かしい”って言っていただけます。その言葉は、昭和歌謡を令和の時代にリバイバルさせて、日本を元気にさせるべく活動している僕たちだからこそいただける言葉だと思うので、僕たちにとっては最高の感想だと思います」

──橋爪さんは「アガベの花」を聴いた印象、またはファンの方の反応で印象に残っていることはありますか?

橋爪 健二「曲をいただいたとき、“すごく新鮮だな”と思いました。ただ、「アヴァンチュール中目黒」の流れを汲んでいる楽曲なので、翼も言ったように懐かしく感じる人も多いのかな?って思っていたら、僕のお母さん…老人ホームで働いているんですけど、『ぽかぽか』で「アガベの花」を歌ったのを見た施設の利用者さんたちが“すごく懐かしい”とか“いい曲だね”と言ってくれてたって教えてくれました。それを聞いて、僕たちからすると新しいものでも、そんなふうに懐かしがってくださったり、一瞬でキャッチできる何かがあったりする曲なんだって実感しました」

──レコーディングはいかがでしたか? これまでと違う挑戦をしたところや、“この歌い方に注目してほしい!”といったことがありましたらぜひ教えてください。

渡辺「僕はMATSURIに入ってから、昭和歌謡のいろんな歌い方を勉強させてもらっているんですけど、その中でも今回はまた新しい一面を出した歌い方ができたと思います。例えば、「アガベの花」ではサビのパートを歌っているんですけど、そこでただストレートに歌うのではなくて、少し息を多めに入れて感情を表現したり…。それによって愛を表現させてもらっているので、僕の息遣いに注目して聴いていただけたらうれしいです」

鈴木「自分が歌っているパートじゃなくてもいいですか?」

──もちろんです!

鈴木「1番のAメロに<背の高いあの植物>ってフレーズがあって。“アガベの花”と直接的には言わないので、この歌詞が気になっていたんです。そしたら、そのパートを担当する翼がすごく大らかな声で歌ってくれて。そこが耳に残って印象的でした」

──小野寺さんはどのようなイメージで歌ったんですか?

小野寺「渉も言ってくれたんですけど、<あの植物>というフレーズが流れないように、ちょっと飲み込むような感じでニュアンスをつけるように意識していました。そこが見事に刺さってよかったです(笑)」

鈴木「でも本当に、奇跡の瞬間を目撃したときの印象というか…“こんな植物があったんだ”みたいな、発見したときの光景が見えたせいなのか、耳に残りました」

──松岡さんは気に入っているフレーズなどありますか?

松岡「2番のサビに<続きのない夢のようで潔いよね>というフレーズがあるんですけど、この表現って、僕、あまり聞いたことがなくて。“終わりのない夢”とかは聞きますけど、“続きのない”ってあまり言わないじゃないですか。そこは僕と健二が歌っているんですけど、歌うたびに不思議な気持ちになるというか…。でも、夢に続きがないくらい、それくらい儚い楽曲なんだと思って、このフレーズが印象に残っています」

柳田「あまり聞いたことがないという意味では<一生一度 本気になった>も、今はそんなストレートに言わないですよね。愛についてこんなに熱く歌っている人もあまりいないと思いますし…」

松岡「命をかけて恋をしている感じがしますよね」

柳田「<君に会って一生一度 本気になった>って、カッコいい! このフレーズ、好きです」

──情熱的な愛を歌った楽曲のMVも楽しみです。

橋爪「一生に一度の愛を熱く歌っているので、今回のMVの中では僕たち、一切笑顔を見せないまっすぐな男として撮影をしました」

柳田「確かに。「アヴァンチュール中目黒」のMVではやっぱり“アヴァンチュール”なので火遊び的な、ちょっとチャラっとした男たちの物語なんですけど、この「アガベの花」では一転しています」

小野寺「1stシングルの「アヴァンチュール中目黒」と2ndシングルの「アガベの花」は、どちらの曲も作詞が秋元康さん、作曲が白井(大輔)さんに作っていただいて、この2曲を通して男の成長のようなものが描かれているというか…そういう世界観の繋がりも楽しめると思います」

──「アヴァンチュール中目黒」で遊び人だった男が、「アガベの花」で本物の愛を見つけたっていう。

柳田「よかった、よかった」

鈴木「これで次また遊び人に戻っていたりして!」

全員「あははは!」

──(笑)。「アガベの花」には振り付けもあるんですか?

渡辺「はい。振り付けの中には70年代、80年代のステップが組み込まれていたりするので、当時の音楽を知っている方は“見たことある!”ってなる場面がたくさんあって楽しんでもらえると思います」

柳田「振付師の方は、“ディスコっぽいステップとか、ジャクソン5をイメージした振りを取り入れた”とおっしゃっていたので、楽曲もそうなんですけど、ダンスでも懐かしんでもらえると思います」

──続いてカップリング曲の「前を向いている」ですが、この楽曲はみなさんの等身大のメッセージとも言えるような曲になっていますね。

鈴木「1stシングルのカップリング曲「今さらカッコつけてられねえ」から少し時間が経って、まさに今の僕たちのこと…少しずつ夢は叶えているけど、一つ叶ったらまた次に抱いてしまう夢というか…“どんどんスケールアップしていく想い“が、この曲には書いてあると思っています。夢が叶うと、また次の夢に向けて頑張るんですけど、すべてがうまく行くわけでもないですし、結局、挫折の繰り返しでもあって。でも、それでも諦めない姿を見て、”応援したい“と思ってくださる人がいたり、魅力を感じてくださる人がいて。それを実感している僕たちだからこそ、僕たちがこの曲を歌うことによって、聴いてくださった人の背中を押してあげられる曲になるといいなと思います」

──橋爪さんは「前を向いている」をどのような想いで受け止め、ファンのみなさんに届けたいと思っていますか?

橋爪「僕自身、MATSURIになる前は清掃作業員をしながら音楽活動をやっていました。それこそMATSURIになるまで134年かかりましたし、“夢を叶える大変さ“を感じ続けた日々だったんです。「今さらカッコつけてられねえ」を経ての「前を向いている」は、もう、前どころか上を向いているくらいなので(笑)、”本当に気持ちが入る楽曲だな”って、歌いながらすごく感じています」

小野寺「僕たち全員、夢が叶わず悔しい想いをしたり、どこか切ない想いを抱えながら夢を追っていたと思うんです。例えば、自分が叶えられなかったことを叶えている人たちを見て、“カッコいいな”と思う反面、“自分もそっち側に行きたかったな”と思ってしまう気持ちって、たぶん全員が経験していて。“諦めたほうがいい”と思っても、“もしかしたら明日、叶うかもしれない”とか思ってしまってずっと辞められない…。MATSURIは、そういう辞めたいけど辞めたくないってところまで行った人たちの集まりだと思うんですけど、この「前を向いている」は、こうなった僕たちが歌うからこそ成立する曲、輝く曲だと自信を持って言えます。僕、真さんのパートで<俺にはこれしかできないんだ>って歌っているところがあるんですけど、そこが最高に好きで、聴くと震えるんですよ。それに、この曲を聴くと“MATSURIになれてよかったな”ってほんとうに思うんです。まだステージで披露していないんですけど、6人が横並びで歌うとすごく感動すると思いますし、MATSURIのメンバーが歌う「前を向いている」からは大きな勇気がもらえると思います」

──さらにもう1曲、【CD+DVD】盤に収録されている「愛のその重さ」についても聞かせてください。こちらは松岡さんが単独で歌われている楽曲になりますね。

松岡「はい。この曲を秋元先生からいただいて初めて聴いたとき、僕、泣いてしまったんです。なんだか、自分自身の過去から現在までを遡ったような歌詞だったので…。“秋元先生は僕の人生を知っていたのかな?”って思うくらいでした(笑)。<君と出会って 愛のその重さ この腕にずしりと感じたんだ>とか、一見すると恋愛の曲ですけど、僕はMATSURIになって出会ったメンバーやファンのみなさんのことが浮かんできたんですよ。さっき翼が言っていましたけど、僕も諦めたくても諦められないところまで行って、でも10年くらい頑張ったときに、“自分の未来はこの世界ではないかも…“と思ってしまったんです。だから、”もう辞めなきゃ“、”普通に就職して働かなきゃ“ってなって、そこで心を一度空っぽにしました…”歌手になる夢を思い出さないように“って。そんなときにこのオーディションと出会ったんです。Aメロに<空になった鞄をずっと なぜか今まで 持ち続け来た>という歌詞があるんですけど、当時の僕、そのままなんですよ。心は空にしたけど、空っぽになった鞄は捨てられなくて。っていうのを、秋元先生はどうして知っていたんだろう!?と思って(笑)」

渡辺「もしかしたら秋元先生にもそういう経験があったのかもね?」

松岡「そうかもしれないよね。僕が勝手に当てはめているのかもしれないですけど、<今までにない 新しい未来>という歌詞も、MATSURIと出会ったから感じられるものだなって思いますし。本当に僕の等身大を描いてもらった楽曲だなって思います。ほんとうに、いまだに不思議なんです。だから、いつか秋元先生にどういう想いでこの歌詞を書かれたのか聞いてみたいです」

──「前を向いている」も「愛のその重さ」も、みなさんの等身大な想いがのった楽曲なので注目してもらいたいですね。「アガベの花」がリリースされる頃には、2025年も残すところ3か月となります。最後に、MATSURIとして年内に達成したいことを教えてください!

松岡「やっぱりあれじゃない!?」

柳田「そうだよね! 僕たちの結成以来の目標である、大晦日の『NHK紅白歌合戦』出場を目指して頑張りたいです。そんなに簡単なことではないと思うんですけど…いつの日か、あのステージに立ちたいです」

松岡「年末年始は休みいらないよね? 今年は12日がお休みだったんですけど、それも要りません!」

柳田「もし今年がダメでも来年は行くぞ!という気持ちで、頑張り続けます!」

(おわり)

取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

MATSURI 2nd Single 「アガベの花」CD+DVD

2025年10月8日(水)発売
AVCD-61596/B/2,200円(税込)

MATSURI 2nd Single 「アガベの花」

MATSURI 2nd Single 「アガベの花」CD only(通常盤)

2025年10月8日(水)発売
AVCD-61597/1,200円(税込)

MATSURI 2nd Single 「アガベの花」

MATSURI 2nd Single 「アガベの花」CD only(ゆめタウン盤)

2025年10月8日(水)発売
AVC1-61620/1,200円(税込)

MATSURI 2nd Single 「アガベの花」

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