──FLOWの皆さんは、25年もの間、最前線で活躍をされています。どんなことを大事に続けてきたのでしょうか?

TAKE(Gt)「僕たち自身、バンドが20年以上も続くとは思ってもいなかったです。FLOWは今年結成26周年を迎えて…“26”はダジャレで読み方を変えると“フロウ”になるんですよ。なので、これまでずっと背番号に26を差し込んだりしていました。それもあって、26年目のこの1年は“FLOW YEAR”として、過去にやったことがないことに挑戦し続けていました。1週間前も、中南米でのライブから帰ってきましたし、常に臆することなく前に進み続けてきた意思が積み重なって、今に至っていると思っています」

──中南米は地球の裏側ですが、ライブはいかがでしたか?

KEIGO(Vo)「僕たちは五大陸すべてにライブで行ったことがあるんですが、どこに行っても日本のアニメカルチャーを愛してくれる人がたくさんいました。そのアニメを入り口に、日本の音楽を掘ってくれていたり、僕たちの音楽を聴いて、”ライブをしてくれないか?”と声をかけてくれる人もいるので、すごく幸せを感じています」

──年齢を重ねるほどに刺激も少なくなりがちですが、そんなことはなさそうですね!

KEIGO「だって、26年目にアフリカでライブをするとは思っていなかったですから!(笑)」

TAKE「刺激しかない!(笑)」

──となると、今後も刺激に溢れていそうですね。KOHSHIさんはいかがでしたか?

KOHSHI(Vo)「皆さんの話を聞いたり、コメントを見ると、国は違えどほぼ時差はなく、小さな頃からFLOWの音楽を聴いてくれているのが伝わってきて…だからこそ、現場に行くと、みんなの記憶の中にFLOWの曲があることを感じます。離れていても、同じ景色、同じアニメを見ていたという答え合わせが出来て、すごく嬉しかったです」

TAKE(Gt)
KEIGO(Vo)
KOHSHI(Vo)

──新曲「+ENCOUNT」も、多くの人にとって大切な曲になりそうですね。この曲はTVアニメ『落第賢者の学院無双~二度目の転生、Sランクチート魔術師冒険録~』オープニングテーマとしての書き下ろし楽曲です。どのように制作していきましたか?

TAKE「ありがたいことに今回もご指名を頂いて、書き下ろさせていただきました。これまでのタイアップ曲と同じように制作側のみなさんと打ち合わせをさせていただいて、作品の世界観を吸い上げて、曲を作っていきました」

──どんなことを大切に作っていきましたか?

TAKE「主人公のエフタルは、努力と執念で、魔導の頂きに辿り着きたいという強い想いを持ち、前世に大賢者までのし上がった人物で…その突き進む力強さを表現していきました」

──ワクワクするサウンドが魅力的でした!

TAKE「オープニングテーマは得意なので(笑)。常に疾走感と開幕感を意識しながら作っています。エフタルは2度目の転生ですが、今回のお話が魔法だけではなく、剣術と合わせて、独自の技も磨いていく物語になっているので、ラップとメロディやツインボーカルのように違うものの掛け合わせをすることで、作品の世界観を一緒に共有することができるように、作っていきました」

──歌詞はKOHSHIさんが手掛けていますが、込めたかった想いを教えて下さい。

KOHSHI「まずは、主人公の生き様である、転生してもさらに高みを目指し、周りに何を言われても気にせずに突き進む強さを歌詞で表現したいと思いながら書き始めました。そこで全てがプラスなわけではないけれど、どんなことがあってもプラスにしようというその気持ちが、ポジティブな出会いを引き寄せると思うようになっていって。それは自分たちがバンドをしていてもそうですし、腐らずに続けることがすごく大事だと感じたことを、このタイトルにも込めていきました」

──お二人は歌詞に対してはどんなことを思いましたか?

KEIGO「実はこの曲、ワールドツアー中に初めて海外でレコーディングをしたんです。歌詞に<人生1回きり>とあって、“まさにこのことだよな”って刺さりまくってしまって!(笑) ライブを何本もやってからのレコーディングだったので、体調的にはきつかったですし、精神的にも張り詰めた中で歌いました。でも、この経験ができたことで今後にも活きると思うので、すごくいい人生だと思っていました」

KOHSHI「そうなるように意図して歌詞を書いたわけではないですが、そう思ってもらえるのであれば、リスナーの人たち、ファンの人たちもそうやってフィットしてくれると嬉しいです」

TAKE「基本的に何かを始める時って、才能があるからとか、適性があるからやってみるということよりも、“やりたい”とか“好きだ”とか、そういった初期衝動が最初になりますよね。そこから努力が始まって、やっと形になると思っています。それは僕たちも音楽と出会い、バンドを始めたことと同じですし、エフタルが魔導の頂を目指すということとリンクすると思いました」

KEIGO「「+ENCOUNT」は掛け合いの多い楽曲で、ラップもメロディもある中でツインボーカルの旨味がより発揮できている曲になっています。実際にこの中南米ツアーで「+ENCOUNT」を披露してみたら、かなりライブ映えする曲だと感じたのでこれからが楽しみです」

TAKE「去年くらいから、90年代、Y2Kのような流行りを経て、2000年代のラップメタルミクスチャーロックのような音楽がリバイバルで盛り上がっているのを感じていたので、改めてこの曲で形に出来たと思っています。ただ、2000年代初頭でアニメソングにラップを入れていたらものすごく叩かれたけど!(笑)」

一同「あははは!」

TAKE「今では当たり前のようにラップが入っていますが、当時は辛辣な書き込みがかなりあって…」

KEIGO「“この曲、フル尺だとラップが入っています。気を付けて下さい”ってコメントは笑ったよ! ラップのなにが危険なんだよ!?って(笑)」

TAKE「カラオケでは歌えないから…(笑)。でも、昨年、アニメ賞『クランチロール・アニメアワード2025』で最優秀アニソン賞を受賞したのがCreepy Nutsの「オトノケ」ですよ!」

KOHSHI「時代が変わったよね」

TAKE「本当に! でも、アニメの数だけ作風、世界観があるからこそ、それに合う音楽も多様化していて。それが作品と音楽とのリンクを高めて、今に至る気がするよね」

──「+ENCOUNT」のMVもバンド感あふれる素敵なMVに仕上がっていますね。

TAKE「実はMVの監督が学生時代、FLOWの曲をバンドでコピーしていたみたいで…その方が映像監督となり、僕たちと迎合するという偶然に驚きました」

KEIGO「現地で、若い監督だなって思って話していたら、その話を聞いたんだよね」

TAKE「しかも、監督がボーカルで、制作に入ってくれている方が同じバンドでギターをしていたみたいで。そこもまた素敵ですよね」

──そんな思い入れの強いスタッフさんがいる中で、どんなMVを作ろうと考えていたのでしょうか?

TAKE「今回はロックバンドの無骨さ、男くささを演奏シーンで撮影したいという提案がありました。ワンシチュエーションで、とにかくカッコいい映像を撮ることが今回のコンセプトです。撮影も監督がカメラを持ってとにかく動きながら撮影をするんです。自分の頭のなかにあるイメージを、カメラのファインダー越しに記録しているのは本当にすごく素敵なんですが、とにかく汗だくで!(笑)」

KEIGO「一回ドカーンってこけていたよね(笑)」

KOHSHI「誰よりも躍動感が出ていた(笑)」

TAKE「監督も、努力と執念の人で、すごくいいMVになったと思います」

KEIGO「撮影時のテンポもすごく良くて、ワンシチュエーションだからこそ集中できましたし、明確な指示もくれるので、撮影していてもすごく気持ちが良かったです」

──お話を聞いていると、本当に楽しそうにバンドを続けている様子が伝わってきますが、皆さんにとってバンドは生活の中でどんな存在になっていますか?

TAKE「僕たちは結成26年なので、メンバーとは親よりも、家族よりも一緒にいるんですよ。年数で言えば、人生の半分以上をFLOWに捧げていて…でも、決して思いつめる訳でもなく、フラットに向き合っているからこそ、いい距離感が保てている気がします」

KEIGO「僕もそう思います。よく長く続ける秘訣を聞かれるんですが、それが分かっていたらどのバンドも解散なんてしないと思うんです。でもFLOWで思うのは、僕が持っていないものを他の4人が持っているからこそ、自然にリスペクトが生まれて…それがお互いにいい距離感を生んでいますし、新鮮なことを純粋に楽しめているから、毎日を刺激的に過ごせている気がしています」

TAKE「よく、他のバンドに“FLOWは腹筋が強いよね”って言われるよね」

──腹筋ですか?

TAKE「倒れそうになるけど、起きてくるって(笑)」

一同「あはは!」

TAKE「特に6年前に、コロナ禍でライブハウスが危機になった時、バンドを諦めてしまった人がたくさんいました。でも、僕たちは配信でライブを届けていれば活動を止めずに続けられるのでは?と考え、毎月ライブを配信し始めました。それまでに11枚のアルバムをリリースしていたので、それを毎月、アルバム毎にコンセプトを変えたライブをして配信をすると、飽きることもないと考えて、実現していているうちに、リアルな会場でのライブも出来るようになって、今に至ります」

──ピンチに強い!

KEIGO「強いかもしれないです(笑)。海外のライブでは、楽器がないとか普通にありますから。何事も、イライラしても状況は変わらないので!」

KOHSHI「この考え方は海外公演で培われました。“リハが出来なくても、本番は出来る”という自信もつきました(笑)」

──FLOWはまだ行っていない大陸は…?

TAKE「南極?」

KOHSHI「ペンギンたちを集めるしかなくない!?(笑)」

一同「あはは!」

──そんな皆さんが年末に向けて楽しみにしていることを教えて下さい。

KEIGO「いまはワールドツアー『FLOW WORLD TOUR 2026 “NARUTO THE ROCK”』の真っ最中で、この前はヨーロッパや南米に行かせてもらいました。あとはアジアとオーストラリアが残っているので、きっちり完走したいです」

──本当に世界中ですね!

KEIGO「そうですね。でも、ライブをするということに関して言うと日本と変わらないので、とにかく僕たちの音楽を聴いてくれる人たちがいる、いろんなところに行くことが大事だと思っています。音楽は、世界中どこにいても聴けますが、生のライブは限られてしまいますから。だからこそ、世界中のいろんな人たちに、生の熱量を届けていきたいですね」

(おわり)

取材・文/吉田可奈
写真/野﨑慧嗣

RELEASE INFORMATION

FLOW「+ENCOUNT」

2026年0826日(水)発売
期間生産限定盤(CD Blu-ray)/VVCL-295342,200円(税込)

配信リンク >>>
購入リンク >>>

FLOW「+ENCOUNT」

LIVE INFORMATION

FLOW THE FESTIVAL 2027

2027年619日(土)、20日(日) 神奈川県 ぴあアリーナMM

FLOW THE FESTIVAL 2027

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