──ClariS第3章として新たなステージに進み始めてから1年半が経ちました。現在の心境から聞かせてください。
クララ「2010年から続いているClariSの歴史の中で、1年半は短いスパンに思えるかもしれませんが、既にもっと長い時間を2人と一緒に過ごしているような絆を感じています。歌っている時もお互いを感じ取れるようになるところまでなれていますし、今はもう“ClariSの新メンバーです”と2人を紹介をすることもないです。“この3人でClariS です”と自然に言えていることが嬉しいですし、素敵な活動をさせていただけていることがすごく嬉しいです」
──クララさんは今年の4月の行われた新体制では初のワンマンライブ『ClariS -03- 1st TOUR 2026 ~Trigger Anthem~』のMCで“どこか同じものを持っていると思った”とおっしゃっていました。
クララ「そうですね。2人に出会った頃から、音楽に向き合う姿勢に同じテンションを感じていて、“同じ熱量でこれから先に進める”と思いました。でも、性格はそれぞれが全然違っていて…違う性格の3人それぞれが感じ取ったものを歌を通してアウトプットして、すり合わせています。自分にない視点を持っている2人の意見を聞くことで“素敵だな”と気付かされるところもあります。いい意味で遠慮がなく、お互いにちゃんと意見を言える関係性でもあるので、今、同じ空気を感じられています」

──エリーさんとアンナさんにとってはどんな1年半でしたか?
エリー「何もわからない、何も見えないところから一つずつ積み重ねていって、“3人としての ClariS”を作ってきた1年半でした。4月のツアーでようやくファンの皆さんと直接お会いして、初のワンマンライブという場で“ClariS第3章の音楽はこれです!”というものをぶつけさせていただきました。皆さんも温かく受け取って楽しんでくださったので、そこで、“この3人の第3章の ClariSが受け入れてもらえたんだ”と安心することもできて、胸を張って“ClariS のエリーです”と言えるようになった1年半でした」
アンナ「たくさんのステージや海外でのフェスにも参加させていただいた1年半だったので、自分の人生で起こるなんて想像もしていなかった経験が本当に多くて。今まで感じたことがないくらい濃い1年半でした。あっという間ではあったんですけど、思い返してみると本当にいろんな思い出や出来事、新しい経験が詰まっていて。その中で、“ClariSのアンナ”としての居場所だったり、自分の魅力について研究した毎日でしたし、この1年半の成果をまた次のライブで発揮できるように頑張りたいと思っています」
──ClariSでの居場所は見つかりましたか?
アンナ「最初は“ClariSのアンナです”と名乗ることに、自分の中でも違和感がありました。それは、別にマイナスなものではなくて、違和感というか…自分が“ClariS のアンナです”と言うことで、“あ、私はClariSのアンナなんだ”と思っていた自分がいました。そんなところから始まって、まず、クララちゃんが中心となって、私たちは3人をチームとして成立させてくれて。そして、ファンの皆さんが温かい言葉をたくさんくださったことがとても大きかったです。皆さんが待っていてくれている場所を作ってくれたからこそ、私たちも“ClariSです!”と自分たちのことを名乗れるようになりました。ワンマンライブはもう、私にとっては“早く帰りたい場所”にもなっていて…ClariSを支えてくださっている皆さん、応援し続けてくれているみなさんに居場所をいただいたんだと感じています」
エリー「ファンの皆さんが私たち新メンバーに“ClariSになってくれてありがとう!”と言ってくださるんです。直接、言っていただく機会もあったので、その言葉が積み重なって、どんどん自分の居場所になっているんだと実感するようになりました」
──ClariS第3章の未来は見えてきましたか?
クララ「私にはない歌声やキャラクターを持っている2人が入ってきてくれたことで、今までになく、挑戦できる楽曲も増えたと思います。特に前作「Revive」は…」
──ClariSがこんなに殴ったり蹴ったりするなんて思っていなかったです。MVとは言え…。
クララ「あははは。私も15年続けてきて、こんな日が来るとは思っていなかったです。でも、私もClariSの15年で、現状を維持し続けているだけではいけないですし、いい意味で、“2人に追い抜かされてしまうんじゃないか?”とも感じていて。それくらい、この1年半で2人が成長している姿を隣で見ていたので。だからこそ、今までのClariSではできなかったことに挑戦したり、殻を破ったり、2人の存在によって、新しい扉を開けている感覚です。すごく楽しく活動をさせていただいていますし、以前だったら、それを“楽しい”と感じられなかったと思うので、今は幸せを感じています」
──その前作「Revive」から3ヶ月という短いタームでニューシングル「ヒトコト」がリリースされます。TVアニメ『鬼の花嫁』のオープニングテーマを担当することが決まった時はどう感じましたか?
クララ「こうして素敵な作品のオープニングテーマを任せていただけたのが嬉しいですし、これまでタイアップさせていただいた作品にはなかったようなタイプの純愛で、和を感じるような楽曲になっていて。このお話をいただいた時から、“また違った3人の歌を届けられる”というワクワクを感じていました」
アンナ「このアニメの繊細な綺麗さや古き良き雰囲気というか…現代ともまた少し違うコンセプトも入っている、“妖の世界”をClariSの3人として楽曲で寄り添えることがすごく嬉しかったです。歌詞には現代の言葉も入っていますけど、丁寧な言葉や大和言葉も入っていたりしていて。楽曲の世界観から作品に導入できるようなオープニングテーマに仕上がっていると思って、すごくウキウキした気持ちでいます」
エリー「とても嬉しい気持ちでいっぱいでしたし、早くアニメの中でのオープニング映像を見たくなりました。アンナも言った通り、歌詞がとても繊細で綺麗で…こんなにも日本語にしか出せない鮮やかさや切ない表現があるんだって感じて。しかも、曲調がワルツなので、“和×ワルツ”という意外性が掛け合わさることでできる新たな世界観も魅力的ですごくマッチしていて楽しみでした」
──歌詞で好きなところや共感する部分はありましたか?
クララ「たくさんあります。まず、TVアニメ『鬼の花嫁』には柚子(ゆず)という人間の女の子と玲夜(れいや)という妖の頂点に立つ鬼のキャラクターが登場しますが、、 1番のAメロに<ゆずれない思い>と、<玲瓏(れいろう)な月の 照らす姿は/夜風に揺れ咲き>とあって。<ゆず>はそのまま“柚子”ですけど、<玲瓏>と<夜風>を縦に読むと<玲夜>になっているんです」
──本当だ! 気づきませんでした…。
クララ「直接的ではないですけど、このアニメのキャラクターを感じていただける歌詞になっているところがお気に入りで、さっきの<玲瓏な月の 照らす姿は/夜風に揺れ咲き 紅く燃ゆ花>という表現って普段は使わない言葉ですが、この楽曲やアニメを通して情景が浮かぶところが素敵だと思います」
エリー「私は後奏とサビの終わりについてくる<ひふみよ いつむなな やここのと こだまする>のところ、ワルツの3拍子に和のテイストの言葉がはまっていく心地よさがすごく好きです。」
アンナ「私は、最初の<アナタの言葉一粒 心臓の奥を揺らす>。<アナタの一言>ではなくて<一粒>なのが、<アナタの言葉一粒>がポチャンと心に波紋を広げるようなイメージがあって、好きです。<一粒>という言葉のチョイスがすごく素敵で、このアニメの世界観や楽曲の雰囲気、メロディの雰囲気からも伝わるような繊細さを表す一言だと思って、すごく素敵な歌詞で大好きです」
──では、これまでの人生を振り返って、心の波紋が広がった<言葉一粒>で印象的な言葉はありますか?
アンナ「あるかも…クララちゃんの言葉で」
クララ「え? 私だった! びっくりしちゃった」
アンナ「クララちゃんの“2人を絶対に幸せにする”です」
エリー「そうだった!」
アンナ「プロポーズをされたのか!?と思ったくらい心の波紋が広がりました。一粒どころではなく、100粒くらい一気に降ってきました」
クララ「(笑)」
──それはどんなシチュエーションで言われたんですか?
アンナ「私たちがClariSに加入することが決まって、お披露目のステージの準備期間かな?」
エリー「本当に最初の頃でした。覚えていない?」
クララ「言ったことは覚えてる。でも、いつだったかは…だって、第3章になる“2人を選びました”という時点で、もうずっとそれを心に感じながら活動していたから。でも、覚えていてくれて嬉しい!」
アンナ「言ってくれたよね。あれは最高の一粒でした」
エリ一「一粒つながりでいうと…」
クララ「一粒つながり?」
エリー「この間のワンマンライブ『ClariS -03- 1st TOUR 2026 ~Trigger Anthem~』の時に、MCで“今までは自分が引っ張っていかなきゃ”ってところから…」
クララ「え? また私なの?」
──2人の人生を変えていますから。
エリー「そうです! 変えていただいているので。“私が引っ張っていかなきゃ”っていうところから、私たちも成長したことで、“「3人で横並びで歩んでいけている”と言ってくれたのが一粒でした」
クララ「え…この流れはちょっと気まずい」
──(笑)。
──クララさんは何か心に残っている言葉はありますか?
クララ「ClariSを続けていく中で、ターニングポイントがいくつもあったと感じています。私は歌い続けたいですし、“歌が好き”という気持ちはずっと変わらずにあって。でも、好きだから続けられることと、“好き”という気持ちだけでは叶わない出来事も存在するじゃないですか。その中で悩んだり、迷ったり、葛藤した時に、そこから一歩進める力になってくれていたのは、やっぱりファンの皆さんの言葉なんです。“ClariSの歌で元気をもらっています”とか、“ClariSを続けてくれてありがとう”とか…そういう風に言ってくださる言葉があったから、今の私がいます。この関係性がなかったら、今、ClariSのクララでいるという選択肢はなかったと思っているので、一粒ではないですけど、皆さんの応援してくださる一言一言が私の力だと思っています」
──ありがとうございます。「ヒトコト」がアニメの絵についたのはご覧になりましたか?
クララ「はい。もう本当に…」
エリー「素晴らしかったです!」
アンナ「素敵でした!」
クララ「曲のイメージとアニメの世界観を素敵に掛け合わせていただいていて。“このアニメの世界に私たちの歌を入れていただけたんだ”というのがより深く伝わるような映像になっていましたし、MVとも、ね!」
アンナ「そうなんです。リンクしているんです!」
──ClariSのMVはどんな映像になっているんですか?
アンナ「赤ClariSです。着物を着ていて…シングルのジャケットのように赤と黒の印象を存分に味わえる世界観になっています。麗しいというか、艶やかなシーンもあって、神社の千本鳥居みたいなところで撮った個人ショットのリップシンクやイメージシーンが盛り込まれていいるのが個人的には印象的です。その千本鳥居のシーンがアニメのオープニング映像にもあって、“わ! 作品とリンクしている!”って驚きました」
──リンクしたのは偶然なんでしょうか?
アンナ「多分、そうだと思います」
エリー「本当にいろんな部分がリンクしています。柚子ちゃんが赤い着物を着ているところも、私が赤い振袖を着てずっと過ごしていたというか…」
エリー「こんなにもMusic Videoを作るにあたって、この『鬼の花嫁』という作品の解釈と、その作品側が伝えたいこと、表現したいことが見事にシンクロしているのが本当にすごかったです。伏線回収かのような気持ちになりましたし、MVの映像の迫力がすごくて! うん、すごかった。すごかったです」
アンナ「“すごかった”しか言ってない!」
クララ「今回、扇子を使ったダンスに初めて3人で挑戦しました。赤いお着物に金色の扇子で撮影をさせていただいたのも印象的で。皆さんに真似をしていただくのは難しいですけど、何度も見て楽しんでいただきたい映像になっていますし、3人の振袖も同じようで3人とも違う振袖なのもじっくりと見ていただきたいです」
エリー「真っ金金のお部屋で撮影もしたんです。“真っ金金のお部屋”が正しい表現かわからないですけど(笑)、金色の和室です。それが玲夜のお屋敷っぽかったりもして。しかも、鬼の絵とか描いてたよね?」
クララ「鬼の絵?」
アンナ「松の絵だったかな?」
クララ「鬼の絵は記憶にはないな〜」
エリー「松の絵か。じゃあ、これはいにしえの記憶でした(笑)」
アンナ「前世の記憶でした(笑)」
エリー「とにかくお屋敷感がある場所で、私たちが金色の扇子で踊っているのがすごいので。ぜひ見ていただきたいです!」
──アニメと主題歌を楽しみにしている人にはどう届いたらいいと思いますか?
クララ「アニメのヒロイン、柚子ちゃんの想いをのせた楽曲ですけど、きっと、日々を過ごす中で誰かの一言で“救われたな”という経験がある方もたくさんいらっしゃると思うんです。ぜひ、そんな自分の姿も投影しながら聴いていただきたい楽曲です」

──そして、 リリースと前後して、7月からはメジャーデビュー15周年を記念した周年ツアー『ClariS 15th Thanks Tour ~一夏灯祭~』がスタートしました。
アンナ「“皆さんと一緒に熱い夏を過ごしましょう!”ということで、夏祭りですけど、こういうコンセプトがしっかりあるライブは、3人では初の試みなので、そういったところでも新鮮に見ていただけると思います。お祭りなので、フェスティバル感と言うか…わちゃわちゃするお祭り感もあって、少し涼しい気持ちになったりするセクションもあるので、夏の思い出を会場に来ていただけたら一緒に作れるライブになるので、ぜひ楽しみに待っててくださると嬉しいです」
エリー「7月から 9月までの長い期間に渡って開催されるので、“今年の夏、何もしないで終わっちゃったかも。もう少し夏を感じたいかも”という方はぜひ、この夏の締めに遊びにきていただきたいです。“今年の夏は私たちにください!”という気合いで頑張るので、一緒に楽しみましょう!」
──シングルのカップリング曲、「KOIYAGURA」と「夏の面影」もどちらも和を感じる楽曲なので、ライブで披露されるのを期待してしまいます。
アンナ「そうなんです! 和の夏を感じられるシングルになっています」
クララ「本当に、日本の夏の良さが伝わるようなシングルになっていますし、「KOIYAGURA」の振り付けの原案は3人で考えました。“こんな風にしたい”というのをお伝えして振り付けを作っていただいたので、ぜひライブでの披露を楽しみにして欲しいです。あと、今回、扇子はないですけど、夏祭りを感じていただきたいので、うちわやハッピなどのツアーグッズを用意しています。ぜひ私たちとお揃いでハッピを着て一緒に盛り上がっていただきたいです!」
──東京での追加公演も決定していますが、『結夜』までどんなツアーになりそうですか?
クララ「メジャーデビュー15周年を記念した周年ツアーでもあるので、個人的には 15年を一緒に過ごしてきた方はもちろん、第3章になってから出会った方も含めて、出会った皆さんに感謝の想いを届けられるようなツアーにしたいです。最近は、3人それぞれのキャラクターが皆さんに伝わり始めているのを感じることが多いので、よりそれぞれの良さが際立つようなセットリストや楽曲に挑戦しています。そんなところも楽しみに待っていていただけたら嬉しいです。皆さん、ぜひ、遊びにきてくださいね!」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/中田智章
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

ClariS15th Thanks Tour ~一夏灯祭~
2026年7月11日(土) 東京 Kanadevia Hall
2026年7月12日(日) 東京 Kanadevia Hall
2026年9月11日(金) 愛知 Zepp Nagoya
2026年9月13日(日) 大阪 オリックス劇場
ClariS15th Thanks Tour ~一夏灯祭~結夜(むすびよ)
2026年9月18日(金) 東京 SGCホール有明



