──8月28日にアルバム『ADVANTAGE』がリリースされました。今年は7曲入りのEP『BIBLE』もリリースされているので、かなりハイペースですね。
Masaya「それには理由があって…AGEは5人で活動していたんですけど、昨年11月に2人が脱退して、この3人で再スタートを切りました。そこから3人の曲を増やしていくために、5週連続でリリースした楽曲をまとめたのがEP『BIBLE』でした。でも、それだけだとライブで足りないというか、もっと3人の曲が欲しくて、録り溜めてきた曲を今回、アルバム『ADVANTAGE』としてリリースさせていただきました」
──率直に、自分たちにとって、どのようなアルバムになったと思いますか?
Jun「過去一で気に入っています。メンバー同士で楽曲の方向性をいろいろ話し合いましたし、特に「花道」は僕とYutaがラップパートを書いていたり、それぞれの曲に思い入れが強くて…。本当、タイトルの通り、僕たちの“強み”になるようなアルバムになったと思っています」
Yuta「まさに“ザ・AGE”だよね。“これ、聴いたらAGEやなぁ”みたいな」
Masaya「と言いますと?(笑)」
Jun「その心は?(笑)」
Yuta「えっ!?(笑) いや、なんか、僕たちってアゲアゲなチューンがあったり、ヒップホップ調の曲があったり、Masayaくんのボーカルが立つバラードやミドルチューンがあったりして、そこがAGEの強みだって思うんですよね。このアルバムにもそういう楽曲が揃っているので、やっぱり“ザ・AGE”と言える作品やなって思います」
──『ADVANTAGE』というタイトルに込めた想いも、そこにあるのでしょうか?
Masaya「そうですね。僕たちって、各々好きな音楽のジャンルが違っていて。なので、それを合わせながら…でも誰かに寄りすぎず、3人の間のバランスを取りながら作っていった曲たちばかりです。その結果、3人の感性とかマインドとかが集まって、AGEの強みを表現したアルバムにできたので、このタイトルになりました」
Jun「あと、誰もが気付いていると思うんですけど、“AGE”という文字が入っているので。というか、“AGE”を入れようと考えて、他にもたくさんタイトルの候補があったんですけど、その中で“強み”とか“利点”を意味する『ADVANTAGE』が一番合っていると思って、全員一致で選びました」

──自分たちの強みを表現できたアルバムの中でも、特に自分たちらしさが詰まっていると感じる1曲を挙げるとしたらどの曲になりますか?
Masaya「それで言うと、AGEというグループのキャッチコピーが“ダンスも魅せるヒップホップグループ”なので、ダンスパートがあるアルバム唯一の楽曲でもある「BARE BARE」が、自分たちのコンセプトを忠実にできている楽曲だと思います」
──「BARE BARE」は、男子!って感じの世界観ですね。
Jun「オブラートに包んでいただいてありがとうございます(笑)」
Yuta「結構えげつないことも書いてありますからね(笑)」
──そういうことも言えてしまうのが音楽の良さというか…。
Jun「それがヒップホップだと思っているので、胸を張ってラップします!(笑)」
──こういった攻めた歌詞にしたいというのは作家さんにも伝えていたんですか?
Jun「そうですね。世界観とかも伝えているので、すごくいい感じに作ってもらえました」
Masaya「いつも作ってくださる方なので、僕らのことも理解してくれた上での楽曲になりました。AGEのパブリックイメージも、「BARE BARE」みたいな、“なんだかチャラチャラしてそう“っていうのが多いはずなんですよ(笑)。だから、僕たちもそこに対してアプローチしていくというか…。もちろん歳を重ねるにつれて大人になってはいきたいですけど、自分たちに求められてることってパーティー系の曲や、ヤンチャな感じもあると思うので、「BARE BARE」は一番AGEらしいかな?って思います」
Jun「なので、1曲目に持ってきました」
──ダンスはどんなものになっているんですか?
Jun「僕が作ったんですけど…面白いよね?」
Masaya・Yuta「面白い、面白い」
Jun「面白いけど、カッコいい。キャッチー…でもないのかな。でも、ずっとカッコつけてるわけでもない振り付けなので、観ていて面白いはずです。口角が上がります」
──ついニヤニヤしちゃう感じ…?
Masaya「“ニヤニヤしてるのバレてっぞ!“って感じです(笑)」
──(笑)。

──では、AGEらしさが出せた楽曲に対して、これまでにない新しい一面が出せたと思う楽曲でいうと、どの曲になりますか?
Masaya「「Lost In Your World」かな? 歌ってるっていう意味では」
Yuta「「PAIN」も割と歌っているよね」
Jun「俺は逆に「花道」だと思っているので、ここは3人バラバラかもしれないです」
Yuta「いや、僕も「Lost In Your World」で(笑)」
──了解です(笑)。では、そう思う理由をお伺いできればと思います。まずは「Lost In Your World」についてお願いします。
Masaya「理由はシンプルで、いつもはラップしているJunとYutaがメロを歌っているからです。ファンの人たちも聴きたかったというか…聴けるとは思っていなかったんじゃないかな? もちろんラップで言葉が刺さることもたくさんあると思うんですけど、「Lost In Your World」はバラードなので。2人の優しい歌声が刺さると思います」
──歌うことになったお二人の心境はどういうものだったんですか?
Jun「いや、むしろ“歌いたい!”ってくらいでした(笑)。実はオーディションのようなこともやって…」
Masaya「そうそう(笑)。パートは振り分けられているけど、実際にレコーディングの段階で歌ってみると“違うかった”ってるのを避けたかったので、念のためにオーディションをしました。もしそこで2人が勝ち取ってなかったら…」
Yuta「Masayaのソロ曲になってました(笑)」
──歌うときの心境もラップをするときとは異なるものですか?
Yuta「「Lost In Your World」に関しては、僕が歌うパートのキーがすごく低いんですよ。支えないといけない歌なので、Masayaくんにもご指導いただきながら練習して歌いましたけど…普段やってるラップよりも緊張しました」
Jun「やっぱりラップとは全然違いますね。歌いながら気を付けることが、1から100まで違うレベルなので。ラップの場合、自分をさらけ出すものですけど、“歌う”となると自分を出してばかりでもダメなので、そこが難しかったです。改めて、“僕、今まで寄り添ったことなかったんだな”って気付かされました(笑)」
──そんなJunさんが挙げたのが「花道」です。この曲はJunさんとYutaさんが作詞で参加されていますね。
Jun「はい。この曲は曲調からして新しいというか…“アニソンのような曲”ってリクエストをして作ってもらったんです。楽しくもなって、かっこいいですし、イメージ通りだなって。歌詞を書くときも、僕とYutaの間では“上に上がっていこうぜ”っていう志くらいしか合わせていなくて、(上がってきた歌詞には)お互いのテイストとかも出ていると思います。曲調と歌詞の世界観、どちらも新しいなって。あと、これまでのAGEの楽曲はだいたいが英語のタイトルなんですけど、この曲は「花道」って漢字二文字。そこも新鮮に映ると思います」
──Yutaさんは歌詞を書いてみていかがでしたか?
Yuta「“自分たちで歌詞を書いてみたい“っていう気持ちはずっとあって。なので、とても楽しく書けました」
──ライブ映えするというか、フロアの盛り上がりが目に浮かぶ楽曲だと感じたのですが、歌詞を書くときもライブをイメージしましたか?
Jun「イメージした?」
Yuta「…してなかった(笑)」
──あ、そうだったんですね(笑)。
Jun「僕はしました。キャッチーな言葉を入れようとか」
Yuta「Junのラップって遊び心が多いんですよ。僕、硬派なので(笑)」
──そこの緩急のバランスというのも魅力ですよね。そんなJunさんとYutaさんが書いた歌詞をMasayaさんはどう感じましたか?
Masaya「こういう仕事をしていると、自分の世界観や、周りからどう見られるか?っていうプロデュース力が大事だと思うんですけど、しっかり中二病だなって思いました(笑)」
Jun・Yuta「(何か言いたげにMasayaの顔を見る)」
Masaya「いや、いい意味で!(笑) しっかり中二病で、だからこそクスッと笑えるというか。僕たち、日頃から中二病なので(笑)、それが前面に出ているって思いました。その出し方がJunとYutaとで違うっていうのも、個人的にクスッとしたポイントです」
──日頃から中二病というお話がありましたが、普段3人でいるときの雰囲気ってどんな感じなんですか? それぞれの役割とかあったりしますか?
Masaya「対バンとかで他のアーティストさんがいるときとかは、基本、Yutaがフランクに行くので、そこで繋がりができたりします。Junがよく言うんですけど、Yutaはクッションというか、緩衝材なんです。僕たち3人、僕とJunの間でもそうですし、AGEと他のアーティストさんの間にも入って繋いでくれる存在です」
──3人の中でもコミュニケーション能力が高いというか?
Yuta「コミュニケーション能力はちょっと低いんですけど(笑)」
Jun「コミュニケーション能力で言ったらMasayaなんですよ。場を必ず明るくしてくれるので」
Masaya「だから、僕とYutaがセットで行ったら最強です」
──では、Junさんの役割は?
Jun「2人の一歩後ろで口角だけ上げています(笑)」
Masaya「ニヤリとな(笑)」

──では、それぞれの“ADVANTAGE”ポイントを挙げるとしたら、どんなところですか? まずはJunさんから。
Jun「ありすぎて困るんちゃう?(笑)」
Masaya「そういうところ(笑)」
Yuta「確かに。あと、イケメン」
Jun「そんなことないです」
Yuta「いや、でもやっぱり、フリーライブとかいろんな方がいる会場だと、背も高いし、顔が小さくて、“かっこいい!”って言われることも多いです。第一印象でイケメンって思われるのって、かなり強みですよね。あと、パフォーマンスも一番だと思います」
Jun「ありがとう。うれしいです」

──では、Yutaさんの“ADVANTAGE”ポイントは?
Masaya「…ない?」
Yuta「おいっ!(笑) て、まぁそれもオモロいけど(笑)」
Jun「Yutaだけノーアドバンテージ(笑)」
Masaya「そう書いてる記事、見たいけど(笑)」
Yuta「そうしましょうか?(笑)」
Jun「いやいやいや(笑)。Yutaのアドバンテージは、言葉で言い表しにくいんですよね。Yutaがいるだけでその場の空間が楽しくなるというか…。だから、ライブに来てみないとわからないと思います。ライブにはYutaの魅力がいっぱい詰まっているので」
Masaya「ある意味、特殊能力の持ち主です。ライブのMCでも、何かポンって投げるとバン!って跳ねるというか。それを僕たちは理解しているので、それを発揮させてあげようって思っている部分はあります」
──ハプニングにも強かったりするんですか?
Masaya「そうですね。まあ、たまに外すこともありますけど(笑)」
Yuta「普通に外す(笑)」
Jun「それはそれでオモロい(笑)」
Masaya「たぶん、本人はその特殊能力の使い方をまだわかっていないと思うんです。でも、AGEにとってその能力はかなり大きいと思います」
Jun「AGEのマスコットキャラですね」

──では、Masayaさんの“ADVANTAGE”ポイントは?
Yuta「それはもう、歌声です」
Jun「歌声以外ないんじゃないですかね(笑)」
Masaya「おいっ!(笑)」
Jun「ほんとうに、歌声以外はヘンな人なので。多分、僕たちのライブをよく観てくれている人だったら、“Masayaがヘン”っていうのは感じていると思います(笑)。なので、ファンの方で“Masayaって…”と思っている人がいたら、“そのモヤモヤは正解だよ”って言いたいです(笑)」
Masaya「これ、なんの話してるの?(笑)」
Jun「強みの話だけど、歌声と歌唱力しかないからこれ以上話が膨らまない(笑)」
Yuta「でも、MasayaくんがいなかったらAGEって成り立たないって思う瞬間はたくさんあります。一番しっかりしているので。AGEのママみたい」
Jun「島育ちやし」
Masaya「関係ないねん、それは」
──(笑)。

──3人の仲の良さが伝わってきました。グループとして活動する一方、最近は個々での活動も充実していますよね。Junさんは音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』を舞台化した『ヒプノシスマイク -Divison Rap Battle-』Rule the Stage《Buster Bros!!! & Bad Ass Temple feat.糸の会 & WESTEND-MAFIA》に霧村徳磨役で出演。同作への出演は昨年10月の《Grateful Cypher》に続き2回目となりますが、舞台を経験してからのAGEの活動というのには何か影響がありましたか?
Jun「昨年の舞台で初めて演技というものをさせてもらったんですけど、スキル面でも、マインド面でも、学ぶことがたくさんありました。それをAGEに還元できているかはわからないですけど…僕個人としてはすごくありがたい経験をさせてもらえているって思いますね。AGEとの活動のバランスというのもいい意味で考えず、どちらも全力投球で。“俺ならできるぞ、やってやるぞ!”と思って取り組んでいます」
──Masayaさんは韓国の人気番組『現役歌王』の日本版『現役歌王JAPAN』に“関西の王”として出演したほか、歌唱力を武器に音楽バラエティへの出演が続いています。
Masaya「さっきJunが話した“グループ活動との両立”の話で言うと、僕も最初はどちらも100%でできる自信があったんです。でも、徐々に番組出演の比重のほうが大きくなってしまって、グループの時間が取れない時期もありました。でも、2人は“行け!”って言ってくれて。“このタイミングで頑張ってくれ!”と、背中を押してくれて、番組に集中することができたんです。そういうのもあって、出演後に韓国や日本のメディア、SNSのコメントでいただく評価を見ると、やっぱり自信にも繋がりますし、自分の中でも届けたいものが変わったというか…。今までは歌を上手に聴かせるのがボーカリストとして一番上位に持っていた感情だったんですけど、番組を通して、歌詞とかメッセージを伝えるってことを、僕は一番大事にしているんだっていうのに改めて気づいて。そこでの経験がきっかけで、歌に対する姿勢もすごく変わりました」
──YutaさんはライブでMCを担当するなどAGEを支える存在ですが、2人の活動から刺激を受ける部分もありますか?
Yuta「そうですね。今後もMsayaくんやJunくんがいない場面があるかな?って思っていて。これはもう少し先の話なんですけど、1人でもライブができるように、いろんなところに行って揉まれてこようと思っています。それでAGEに帰ってきたときに、ちょっと強くなった自分をAGEに還元できれば…と思っています」
──今後の予定としては、11月22日に東京、12月13日に大阪で6周年記念ライブを開催します。最後にリーダーのJunさんから、ライブに向けた意気込みを教えてください!
Jun「周年ライブとしては初めて2ヶ所での開催になります。まず、2ヶ所でできることがほんとうにありがたいです。意気込みとしては、周年ライブって…もしかすると“AGEの歴史を知ってから行くほうがいい“って思われるかもしれないですけど、そういうのは関係ないです。今、Masayaがいろんなメディアに出ていて、それをきっかけに“AGEのライブを観てみたい”と思ってくださる方もいらっしゃると思うんです。昔からAGEを知っている方も、最近知ったという方も、誰もが楽しめるライブを会場に来てくれたみんなと一緒に作りたいです。いい意味で、気軽に来てもらえたらうれしいです!」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

AGE LIVE TOUR 2025 「ADVENT AGE」
2025年8月31日(日) 東京 SHIBUYA DIVE
2025年9月6日(土) 大阪 OSAKA RUIDO
2025年9月27日(土) 福岡 福岡Pocket
2025年10月4日(土) 名古屋 X-HALL -ZEN-
AGE 6th Anniversary Live
2025年11月22日(土) 東京 赤羽ReNY
2025年12月13日(土) 大阪 Yogibo META VALLEY