1985
石野陽子(現・いしのようこ) 「テディボーイ・ブルース」「雨のチャペル通り」
姉が石野真子、妹が宝乃純(石野敦子)という芸能姉妹。アイドル歌手としてのデビューではあるが、コント・バラエティ番組「志村けんのだいじょうぶだぁ」での、志村けんとのコントで人気を博す。現在は、TVドラマなどで活躍中。
井森美幸 「瞳の誓い」
第9回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得。同じくアイドル歌手出身の山瀬まみ、森口博子、松本明子らとともに、司会者とのアドリブでのやりとりやコメントの面白さが受けてバラエティ番組で活躍。バラドル(バラエティ・アイドル)の元祖と呼ばれる。
うしろゆびさされ組 「うしろゆびさされ組」「かしこ」
「おニャン子クラブ」に所属していた、会員番号16番の高井麻巳子と会員番号19番の岩井由紀子(ゆうゆ)によるユニット。ユニット名と同じ名称でデビュー曲となる「うしろゆびさされ組」は、アニメ『ハイスクール!奇面組』のオープニングテーマ。おニャン子クラブ解散後、高井は88年にプロデューサー・秋元康と結婚、岩井はしばらく芸能活動を行なっていたが97年に青年実業家と結婚した。
おニャン子クラブ 「セーラー服を脱がさないで」「およしになってねTEACHER」「じゃあね」「ショーミキゲン」
85年4月から放送が開始されたフジテレビのバラエティ番組『夕やけニャンニャン』から生まれたアイドルグループ。メンバー一人一人には会員番号があり、他局・他番組であっても会員番号から自己紹介を行った。視聴者には素人っぽさが新鮮に映り、ファンクラブである「こニャン子クラブ」も発足時から数十万単位の会員数を誇ったそう。メンバーのソロ活動やメンバー同士のユニットなども活発で、ヒットを連発。80年代中盤のアイドルシーンを牽引した。90年代後半に登場するハロープロジェクトや、05年から活動を開始した48グループの原型がここにできあがった。
河合その子 「涙の茉莉花LOVE」「青いスタスィオン」「哀愁のカルナバル」
おニャン子クラブ、会員番号12番。CBSソニー主催の「ティーンズ・ポップ・コンテスト」で準優勝し芸能界入りのきっかけをつかむ。おニャン子のメンバーとして初めてソロでドラマに出演(「スケバン刑事」)。また、ソロデビューも河合が最初だった(デビューシングル「涙の茉莉花LOVE」)。シンガー・ソングライター志向が強かったと言われ、おニャン子クラブ解散記念アルバム『Circle』には自信が作曲した「プリズム」が収録されているほか、歌手活動をはじめてからは、自身のアルバムに自作曲が収録されている。現在はミュージシャン、作曲家、プロデューサーの後藤次利の妻。
斉藤由貴 「卒業」「悲しみよこんにちは」「土曜日のタマネギ」「夢の中へ」
84年、少年マガジンが主催する第3回ミスマガジンでグランプリを獲得し芸能界入り。同年に明星食品の「青春という名のラーメン・胸騒ぎチャーシュー」でCMデビュー。ドラマ『スケバン刑事』で主演、初代麻宮サキを演じ人気の不動のものとする。80年代は歌手としての活躍も見られたが、90年代に入るとドラマや舞台が中心となり、女優としての活動がメインとなっていった。また、作詞家としての一面も持つ。
佐野量子 「ファースト・レター」「雨のカテドラル」
ドラマ「気分は名探偵」でデビュー。女優としてのデビューであったが、歌手としてもコンスタントに活動した。いじめを題材にした映画『ブラックボード』に出演し、授業中に失禁するシーンや茶巾縛りのシーンなどを体当たりで演じた。夫は競馬騎手の武豊。
セブンティーンクラブ 「ス・キ・ふたりとも!」
1984年にミス・セブンティーンコンテストで特別賞を受賞した、柴田くに子、木村亜希、工藤静香による3人組み女性アイドルグループ。スナック菓子「鈴木くん」「佐藤くん」のCMソング「ス・キ・ふたりとも!」でデビューするも1年足らずで解散。後に柴田は森丘祥子として歌手デビュー、木村はプロ野球選手の清原和博と結婚(2014年に離婚)、工藤はおニャン子クラブのメンバーやソロ歌手として活躍するなど、活動中より解散してからのほうが話題になった。
中山美穂 「BE-BOP-HIGHSCHOOL」「色・ホワイトブレンド」「CATCH ME」「世界中の誰よりきっと」「ただ泣きたくなるの」
原宿でスカウトされCMや雑誌のモデルをはじめる。85年に放映されたドラマ『毎度おさわがせします』の、のどか役でドラマデビューし注目を集める。同年シングル「C」で歌手 デビューし、その後はコンスタントにドラマや歌番組に出演し、80年代後半を代表するアイドルとして成長。92年には中山美穂&WANDS名義でリリースした「世界中の誰よりきっと」が180万枚を超えるヒットとなりアイドル歌手からアーティストへと脱皮する。95年には岩井俊二監督の映画『Love Letter』で主演を務め、数々の映画祭で受賞。女優としてもネクストステージへ。02年に作家、ミュージシャンである辻仁成と結婚しパリに移住するも、14年に離婚。歌手としてのレコード売り上げ枚数は1700万枚以上で女性ソロアーティストとしては10位。80年代デビュー組の中では松田聖子、中森明菜に次ぐ売上を誇る。
本田美奈子 「殺意のバカンス」「Temptation(誘惑)」「1986年のマリリン」「孤独なハリケーン」
第8回長崎歌謡祭に出場しグランプリを受賞しレコードデビューのきっかけをつかむ。デビュー時から歌唱力の高さに定評があり、本格的なシンガーとしての活動を希望していたようである。洋楽アーティストとの共演も多く、「the Cross -愛の十字架-」はゲイリー・ムーアが作曲、「CRAZY NIGHTS/GOLDEN DAYS」はクイーンのブライアン・メイがプロデュースしており英語版もヨーロッパで発売された。そのほかラトーヤ・ジャクソン、スライ&ロビーなどとも交流があった。88年には女性だけのロックバンドを結成するも、商業的には成功に至らなかった。90年代に入るとミュージカルの世界に活躍の場を移し、彼女の才能が開花。『ミス・サイゴン』『屋根の上のバイオリン弾き』『王様と私』『レ・ミゼラブル』などの成功でその地位を確立させた。2000年代に入るとクラシックやジャズにも興味を持ち、03年にはアルバム『AVE MARIA』をリリースしている。05年11月6日、急性骨髄性白血病のため38歳で死去。
松本典子 「春色のエアメール」「虹色スキャンダル」
第3回「ミス・セブンティーンコンテスト」で網浜直子とともにグランプリを獲得。歌手としては大きなヒットに恵まれなかったが、バラエティ番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』にレギュラー出演し人気を得る。92年にプロ野球選手の笘篠賢治と結婚。
南野陽子 「恥ずかしすぎて」「楽園のDoor」「はいからさんが通る」
歌手デビューは85年の「恥ずかしすぎて」だが、84年にドラマ『名門私立女子高校』に出演している。ドラマ『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』で主役を務めブレイク。その後はCM、ドラマ、歌でも活躍し、80年代後半を代表するトップアイドルとなる。運動が苦手なため、スケバン刑事でのアクションシーン撮影はかなり苦労したそう。11年に結婚するも、ドラマ、映画、バラエティ番組で現在も活躍中。
森口博子 「水の星へ愛をこめて」「サムライハート」「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」「星より先に見つけてあげる」
アニメ『機動戦士Ζガンダム』の後期オープニングテーマ「水の星へ愛をこめて」でデビュー。デビュー曲こそスマッシュヒットとなるが、それ以降ヒットに恵まれず、フィールドをバラエティ番組に移すと、彼女のトークの面白さやものまねがウケて、バラドルとしてブレイクする。現在はバラエティ、ドラマ、CMなどで活躍中。
吉沢秋絵 「なぜ?の嵐」「鏡の中の私」
バラエティ『夕焼けニャンニャン』の「アイドルを探せ スケバン刑事IIスペシャル」に合格し、会員番号25番でおニャン子クラブに加入。『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』の矢島雪乃役で女優デビューするとともに、主題歌「なぜ?の嵐」で歌手としてもデビューを果たすも、歌唱力はいまひとつだった。
芳本美代子 「白いバスケット・シューズ」「ヴァニティ・ナイト」
同時期に中山美穂、南野陽子、浅香唯、本田美奈子がデビュー、また、おニャン子クラブの台頭による視聴者の求めるアイドル像の変化など、厳しい環境下でのデビューとなった。90年にゴールデン・アロー賞・演劇新人賞を受賞し、これ以降はドラマや舞台を中心に活動。