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2021.05.28

あいみょん「愛を知るまでは / 桜が降る夜は」インタビュー――11作目のシングルは”ラブソング”と”恋愛ソング”の両A面

あいみょんのニューシングル「愛を知るまでは / 桜が降る夜は」は、通算11作目にして初の両A面。日本テレビ系土曜ドラマ「コントが始まる」の主題歌「愛を知るまでは」と、ABEMA「恋とオオカミには騙されない」の主題歌「桜が降る夜は」は、どちらももともと2017年頃に書いた曲だが、”今、歌いたい”という思いでリリースするのだという。ジャニーズWESTへの提供曲「サムシング・ニュー」の話題も含め、あいみょんに話を聞いた。

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――ニューシングルの話の前に、楽曲提供をしたジャニーズWESTの「サムシング・ニュー」について聞かせてください。あいみょんさんは以前にもジャニーズWESTの「Time goes by」で作詞を担当しているので、ひさびさの提供は感慨深かったのではないかなと。

「ホンマに感慨深いですね。当時は悔しかったというか、19歳で初めて他のアーティストの作詞をしたので、難しさを感じました」

――「Time goes by」が収録されたシングル「ズンドコ パラダイス」のリリースは2015年2月で、あいみょんさんのインディーズでのデビューシングル「貴方解剖純愛歌~死ね~」よりも一か月早いリリースなんですよね。

「そうなんです。あの曲はコンペで選ばれたんですけど、一回ボツになっていて。それは私らしさが強すぎたからだと思うんですけど。私らしさと、そのアーティストらしさと、どっちも必要なんやなって勉強になりました」

――それから6年が経過して、今回もう一度、しかも今度は詞曲で提供するというのは、やはり感慨深いですよね。

「そうですね。楽曲提供した曲がシングルの表題曲になるのは今回の「サムシング・ニュー」が初めてなので、お話いただいた時はとても嬉しかったです」

――歌詞はバージンロードをモチーフにしつつ、その裏側には”人生の道”というテーマがあるそうですね。

「そうなんです。でも、ただ曲を渡すだけだと伝わりづらいかもと思ったので、結構しっかりした長文のメッセージを書いて、一緒にお送りしました。バージンロードをテーマにしながら 人生という道のり(ロード)を歩く最中、 次から次へと前方後方から襲いかかる闇や悪や涙に一緒に立ち向かってあげるよ。と言う歌詞になっています。バージンロードっていうモチーフはファンの子が喜んでくれるかなと思いつつ……」

――<僕らは最強なんだぜ さあ、進もうよ 姫>という歌い出しからして、ファンは絶対喜びますよね。

「でも、その裏には”人生”っていうテーマがあるのが大事かなって……まあ、自由に聴いてもらえたらいいんですけどね。でもやっぱり、他のアーティストに曲を書くのは楽しいなと思いました。ジャニーズWESTは同じ関西人なので、歌詞でも遊べますし」

愛を知るまでは

「愛を知るまでは / 桜が降る夜は」



――では、ニューシングルについて聞かせてください。2月にデジタルで先行配信されている「桜が降る夜は」は、もともと3~4年前に書かれた曲だそうですね。

「歌詞を見ると“女の子”って感じがして、今の自分には全く考えられないですけど、でもこういう想いが自分にあったのは事実ですし、歌ってて違和感がないのも事実なので……こういう恋愛したかったんちゃうかなって(笑)」

――あはは。

「作った当時から、スタッフさんからの評判もよかったんですけど、その頃は私の曲作りのペースがエグかったんで、”この曲いいね”って言ってる間に、”こっちはもっといいかも”って、段々埋まっていちゃって。でも、やっぱりいい曲だから、それがやっと出てきた感じです。”春”っていうタイミングもありましたし、こういう可愛い曲は今のうちに歌っておきたいじゃないですか? もちろん、いくつになってもいろんな人生の歌を歌っていきたいと思うんですけど、特にこの曲に関しては、20代の真ん中やからこそ歌いたくて。今の自分のメンタルと、歌いたい内容、歌いたい声のトーンとかが全部ハマる曲やなって」

――出会いと別れの季節である”春”を舞台に、<桜が降る夜は/貴方に会いたい、と思います>と、ストレートに恋愛について歌っていますね。

「これまで私がよく言われてたのは”男性目線”で、そうじゃなくても”女性目線”だったんですけど、今回は”女の子目線”で、そういう曲が表題になることはあんまりなかったなって。だから、みんな私のこういう曲に対する免疫がなさ過ぎて、ティザー映像も女の子っぽいビジュアルだから、”こんなあいみょん見たことない”って、結構びっくりされちゃいましたね(笑)」

――桜が”舞う”でもなく、”散る”でもなく、”降る”と表現されているのも印象的です。

「私の中で桜は”散る”じゃなくて”降る”なんですよね。井坂幸太郎さんの『重力ピエロ』に出てくる”春が2階から落ちて来た”に影響を受けてるのかも。私あんまり桜を見に行った思い出がなくて、桜の木を見上げて、そこでヒラヒラしてると”散る”だけど、下を向きながら歩いてると”降る”って感じがするんですよね。雨とか雪と同じで、落ちてくる場所のもとがわからないと”降ってくる”って感じがします」

――ABEMA の人気番組「恋とオオカミには騙されない」の主題歌になっていて、”今必要な人に届いてもらえれば嬉しいです”ともコメントされていますね。

「昔は”目の前にいる人全員私のことを好きになれ”って思いながら、”こういう曲が好きなんじゃないか?”とか思いながら歌ってることもあったんですけど、最初からそう考えるんじゃなくて、まずは好きなように作って、その曲が必要な人にちゃんと届けばいいなと思うようになりました。今回に関しては、JKに届くといいですね。私はJKに育てられたので、JKに恩返しをしていかないとダメなんですよ(笑)。今回のタイアップが発表されたら、”オオカミの曲をやってくれて嬉しい!”っていうコメントをいっぱいもらえて、嬉しかったです。前から私のことを応援してくれてたJKは今めちゃめちゃ社会人だと思うから、令和のJKに恩返しすることになりますけど、まだまだ若い子には好かれたいので(笑)」

――もう一方の“愛を知るまでは”は、日本テレビ系土曜ドラマ「コントが始まる」の主題歌で、こちらも書き下ろしではなく、もともと2017年に書かれた曲だそうですね。

「同世代のすごい役者さんが勢揃いしているドラマの監督さんから声をかけていただいて、最初は1コーラスずつ、7曲くらい書き下ろしたんです。もちろん、その中にもいい曲はあったんですけど、「愛を知るまでは」のデモを聴き返したときに、”この曲かも!”みたいな気持ちになったんですよね。ドラマには「人生、こんなはずじゃなかった」みたいなテーマがあって、同世代の人たちがもがいていく物語なのであれば、ドラマに寄り添うというより、私も同じ20代後半の人間として、私の人生を歌う曲を渡した方がいい気がしたんです。歌詞を見るとだいぶもがいていて、あの頃にしか書けなかった音楽に対するもどかしい気持ちがすごく感じられたので、この曲なんじゃないかなって」



――2017年はあいみょんさんにとってメジャー1年目の年ですが、今振り返るとどんな時期だったと言えますか? “こんなはずじゃなかった”と思っていましたか?

「最近のアーティストの売れ方って、SNSとかで火が点いて、曲がバーンって一気に売れるけど、私がデビューした頃はまだTikTokもなかったし、曲単位で急に売れることってあんまりなかったと思うんです。当時はまだ地道にライブをやらなきゃいけなかったけど、私はそれまでそんなにライブをやってきてなかったから、ライブ経験は浅かったし、いっぱい荷物を運んだりとか、そういうのがしんどくて」

――なるほど。

「あと2017年に「君はロックを聴かない」を出して、あの曲は自分の中で超絶自信があったんですよ。でも自分が思い描いていた聴かれ方はしなかったというか、それがだいぶショックやったかもしれない。”マジかー”って(笑)。自信が大きかったからこそ、逆にやられちゃった感じがあって、メジャー1年目はめっちゃしんどかったです」

――それでもこの曲の中では<愛を知るまでは死ねない私なのだ! 導かれた運命辿って 今日も明日も生きて行こう>と、前向きに人生を歌い上げていますね。

「恋愛ソングとラブソングは別やと思ってて、「桜が降る夜は」は恋愛ソングやと思うんですけど、「愛を知るまでは」はラブソングやと思ってるんです。私にとってこの曲は”音楽からの愛が欲しかった”っていう曲なので、ラブソングっていう認識なんですよね。当時はしんどかったけど、今と同じように応援してくれる人がいたし、愛を知らなかったわけではなく、愛されてないとも思ってなかったんですよ。それなのに<愛を知るまでは死ねない私なのだ!>って書いてるのは、音楽というものから愛されてる自覚がなかったのかなって」

――恋愛ソングとラブソングは別、面白いですね。

「”愛”って言葉を使っちゃうと、どうしても恋愛の方を考えちゃうけど、でもそういう愛だけじゃないじゃないですか?「コントが始まる」の主人公たちはお笑いに対する愛を持ってるし、私は音楽に対する愛を持ってる。聴き方は自由やけど、その人が大切にしているものに置き換えて聴いてもらえたらなって」

――今のあいみょんさんはしんどかった時期を乗り越えて、ある意味”成功”を掴んだと言えると思うのですが、今この曲を歌うことの意味をどう感じていますか?

「私”成功”っていう感覚はあんまりないんですよね。自分が作る音楽は多くの人に聴いてもらえるはずだと信じていたので、”成功した”というよりは”こうなると信じてた”っていう感覚の方が強いんです」

――なるほど。

「「愛を知るまでは」では<交わることのない誰かと巡り合い 無限に広がる雲に乗って 見たことのない虹を見たい>とも歌ってますけど、今は昔だったら交わることのなかったたくさんの人と出会って、いろんな活動をさせてもらって、見たことのない景色も見れたから、ここで歌ったことも叶ってはいるんですよね。でも、人間はないものねだりを続けるもので、何かが叶ったら叶ったで、今度はまた別の葛藤が生まれて、それはずっと続くと思います。ストックしてある曲の中には、今の私が歌うと違和感を感じる曲もあるけど、「愛を知るまでは」は今歌っても違和感がなくて、むしろ”今、歌いたい”と思いました」

――当時のデモと今とでは、歌い方は変わってるんですか?

「当時のデモの歌声は今と全然違って、もっと訴えかける感じの歌い方というか、がむしゃらな感じでした。でも、今は当時と同じ怒りや悔しさを背負ってるわけではないじゃないですか? 当時の心境を思い出すことはできるけど、思い出してもう一回がむしゃらに歌うんじゃなくて、この曲は出るべくしてこの時代に出るわけだから、今の歌い方をすればいいかなって」

――イントロとアウトロに印象的なピアノを配置しつつ、ギター主体でシンプルに仕上げたアレンジがより歌を引き立てているように思います。

「最初に田中ユウスケさんとアレンジについて話して、王道で行くか、ちょっと遊ぶか、すっごい悩んだんですよ。「桜が降る夜は」が王道だったから、”ちょっと変なことしてみようかな?”とも思ったけど、話し合った結果、”いや、やっぱりこの曲は王道で行った方が絶対いい”ってなって、それでアレンジを進めて行きました。今までもずっと歌詞を聴いてほしいと思ってたけど、今回は特に歌詞がメインなので、アレンジ的には引き算をしまくっていて、このシンプルな方向性でまとまったのは田中さん流石やなって」

――「桜が降る夜は」は”まずJKに届いてほしい”というお話でしたが、「愛を知るまでは」はやはり、まず同世代に届いてほしいですか?

「そういう気持ちもあります。ドラマを見てても思いますけど、やっぱり30歳に向かう時期は男女ともに大事な時期じゃないですか? “仕事このまま続けていいんかな?”とか”結婚どうする?”とか、人生の中での大きな選択肢を考えなあかんタイミングだと思うんです。しかも、今こういう時代っていうのもあって、そういうことを考えている人が多いと思うから、20代後半の人たちに刺さるものであってほしいとは思いますね。その上で、もちろんもっといろんな人にも聴いてもらえたら」

――3曲目に収録されている「ミニスカートとハイライト」は、初顔合わせとなる4人組バンド、ミツメの川辺 素さんがサウンドプロデュースを手掛けていて、アレンジと録音にはミツメのメンバーも参加しています。

「川辺さんはもともと誰かをプロデュースしてみたいと思ってたらしくて、たまたま近しい共通の知り合いもいたので、ディレクターから”川辺くん、どう?”って提案してもらって。初めてのプロデュースで、緊張されてましたけど、川辺さんは小学校か中学校の卒業文集に”プロデューサーになりたい”って書いてたらしくて、”夢を叶えてくれた人です”って言われました(笑)」

――小中学校の時点で”歌手”とか”プロのミュージシャン”じゃなくて”プロデューサーになりたい”と言ってる川辺さんもすごい(笑)。

「みんな意外な組み合わせやと思うと思うんですけど、面白い曲になりました。他の誰にもできない、ミツメ感のあるアレンジになったから、レコーディングでも”コーラスやってくれへんかな?”と思ったりしましたね(笑)」

――男性目線の歌詞はあいみょんさんらしいですが、一人称が”俺”なのが新鮮です。

「一人称が”俺”なのはインディーズ時代に出した「ほろ酔い」以来で、めっちゃひさしぶりです。この曲は去年短い曲をめちゃめちゃ作ったタームがあって、そのときに書いたんですけど、それはスピッツの影響なんですよ。マサムネさんと一緒にインタビューをさせてもらったときに、”長い曲を作るのが苦手で、短い曲を作る”って言ってて、確かにスピッツの曲は短くて、大サビがなかったり、何ならBメロもなかったりするんですよね。でも歌詞にはちゃんと濃さがあって、私もそういう曲が作ってみたいなって。表題の2曲が前に作った曲なので、”さぼってるって思われたらどうしよう?”って思うんですけど、「ミニスカートとハイライト」は去年の曲だし、いつでも曲は作ってます(笑)」

――5月からは初めての弾き語りツアー「AIMYON 弾き語り TOUR 2021“傷と悪魔と恋をした!”」がスタートします。最後に、ツアーに向けての意気込みを聞かせてください。

「弾き語りのツアーは初めてで、初めてのことはどんなときでもドキドキしますし、バンドメンバー任せにしていた自分の危うい部分が見えちゃう怖さもあるんですけど、とはいえ弾き語りは10代からやってきたことでもあるので、あんまり気張らずにやりたいなって。みんな無理に立ちあがらなくてもいいし、なんなら寝ちゃってもいいと思ってます(笑)。ずっと家にいてしんどいやろうから、ホンマそれくらいの気持ちで来て、ゆっくり聴いてもらえたらいいなって」

(おわり)

取材・文/金子厚武





愛を知るまでは/桜が降る夜は
あいみょん「愛を知るまでは/桜が降る夜は」
2021年5月26日(水)発売
WPCL-13292/1,320円(税込)
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