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──ニューシングル「はしりがき」が、『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』の主題歌に起用されました。これまで、テレビ版も含めて「クレヨンしんちゃん」の主題歌は様々なジャンルの錚々たるアーティストが手がけています。

田辺由明「僕は昔から「クレヨンしんちゃん」のファンで、昔からテレビ版も映画も見ていました。そんな作品に自分が関わるなんて思っていなかったから、本当にうれしかったです。僕らは、結成当初から全年齢対象ロックポップバンドを目指しています。そんな僕らが、どの世代が見ても感動する「クレヨンしんちゃん」の映画に携われるということで、大きな喜びがありますね」

はっとり「今まで見た中で一番好きなしんちゃんの映画は、やっぱり『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』なんですよね。あれは衝撃でした。公開当時は小学生ですけど、小学生の僕でもただならぬ感動がありましたから。おかんと見に行って、テレビ版のしんちゃんを釘付けになって見ていたのは。俺と4つ上の姉ちゃんだったんですけど、一緒に見に行ったおかんの方が感動しちゃって、違う映画館で計3回見ました。子ども心にも感動でしたね。特にひろしの回想シーンが。あそこだけ切り取って見ても、何度でも泣けますね。あと、小林幸子さんの“お母さん、お弁当ありがとう”って歌。あれが響く年齢になってからまた見て、“あーでも、成人しても面と向かってありがとうって言えねーな”と思いながら、でもお母ちゃんに会いたいなとか、お父ちゃんに会いたいなとか思ったり。「クレヨンしんちゃん」は、いつ見ても違う感動ですよね。でも、根っこは一緒なんですよ。“やさしさ”っていう。何かを守りたい、そのために走るっていう。完璧な映画ですよ。最高ですよね」

──小学生時代も複数回観つつ、大人になってからも見ているんですね。

はっとり「見たくなりますね。特に、ちょっと心が荒んだ時に、いかんいかんと思って見たりします(笑)。やさしさを思い出したいときというか。今回の映画もそうですけど、どの映画でもしんちゃんは常に走ってますよね、何かに取り憑かれたように。でも、自分のためには走ってないんですよ。そこがいいなーって。そのぐらい好きだからこそ、主題歌に決まったときは本気でうれしかった。それと、姉貴がすごく喜びましたね。大きなフェスに出ても、すごいねとか言ってくるたちじゃないんですけど、今回は食い気味で喜んでました(笑)。昔は、隣の部屋でギターを弾いてたら“うるせーからボリューム下げろ”って言ってた姉貴なのに。それもうれしかったですね」

長谷川大喜「僕も好きなアニメの1つで、物心ついた頃だから、3歳ぐらいかな。まだ言葉とかも知らないし、全然内容はわかってなかったけど、なんか笑えちゃうし、虜になっちゃうんですよね。映画は、5歳のときに連れてってもらいました。しんちゃんは、しんちゃんって、ピンチになるとお尻で走るんですよね。当時は、それに憧れて練習したんですよ(笑)。練習しても全然進めねーなって思ってたんですけど」

はっとり「そりゃそうだよ(笑)」

長谷川「お尻を出すことにも憧れてて、ファッションセンターしまむらで出してました(笑)。今回、映画の主題歌に決まった時に、そのことを母親からも言われましたね(笑)」

はっとり「いや、でも、お尻が報われるよ(笑)」

長谷川「お尻で必死に走ってるのが、かっこいいんだよね」

高野賢也「僕はみんなより魅力を知ったのが遅かったんですけど、中学生時代に友だちと映画館に見に行ったときにハマったんですよね。そこから見始めて、温かい家庭が映し出されてていいな、ひろしみたいなお父さんはかっこいいなって気持ちがずっとありました。なので、新作映画に主題歌で関わって、子どもたちにも、これから親になる僕らの同世代にもメッセージを伝えられる機会ができて、本当にうれしいです」

はしりがき

「はしりがき」MVより


──映画の主題歌ということで、通常の曲作りとは異なるアプローチをした部分もあるかと思うんですけど、「はしりがき」はどのように生まれていったんでしょうか?

「しんちゃんって、映画の世界もそうですし、テレビアニメもそうですけど、大人対子どもみたいな構図が常にあるんですよね。で、“これって間違いじゃないの”って、子どものほうが指摘している場面が多いんですよ。だからこそ、大人の共感を呼ぶことも多いというか、しんちゃんに気づかされる。“そういえばそうだった。前は知ってたのにな”って。いつからか切り捨てたあれこれがあるけど、大人になったらなくなっちゃうものが増えるのは悲しいじゃんっていうメッセージが、なーんかどの映画にもある気がして。そんなふうに感じていた部分がありつつ、僕自身がこの主題歌を書く以前から、大人になってなくしてしまった気持ちとか、大人になれない、はたまたなりたい、あるいは自分が大人になることへの怖さであったり、子どもで居続けたいっていう気持ち、忘れたくないものが多い気持ちをよく歌にはしてきているんで、「はしりがき」はすっと書けた気がします。青春って、大人になっても子どものままでも持ち続けられるものだと思うんですけど、今回は僕から見た青春をしんちゃんと一緒に伝えられるなと思ったので。いろんな時期にいろんな青春があって全部が大事だよね、変わっていくことも悪いことじゃないよねって、今回の映画が自分の青春観を肯定してくれる内容だったので、この映画と一緒に並んで走れた気がしています。だから、歌詞も作ったっていうよりも、本当に走り書きじゃないですけど、書きなぐった感じはありますね」

──じゃあ、タイトルは割とすぐに決まった?

はっとり「早かったですね。いつもはタイトルを決めるのが遅くて、周りに“アイデアください!”って言っているタイプなんですけど。目的なく書くことってすごく素敵なことだと思うし、僕らはずっとそれをしているなって思います。設計図も展望もなく、“今”を書いてきた。実は、結成当時に“はしりがき”というツアータイトルでライブをしているんですよね。だから、変わってないな根本はっていうか、舞い戻ってきたなっていうか」

──ここまで話を聞いていて、「クレヨンしんちゃん」という作品の本質とマカロニえんぴつというバンドの本質は、すごく重なる部分はあるのかなと感じました。

はっとり「しんちゃんって、まっすぐですよね。僕はものを見るときに斜めから見ちゃうけど、まっすぐな気持ちがまかり通らないのはくやしいと思う。それは、“しんちゃんイズム”なのかなと思います。正直者はバカをみるって言うけど、バカなやつだけなんですよ、正直なのは。そのスタンスは、しんちゃんから見習いたいかな。僕はバカなアレンジをどの曲でもしなきゃ気が済まないんですけど、それは正直なメッセージがあるからこそ、バカなアレンジをしなきゃ気が済まないっていう」

──なるほど。

はっとり「昔の僕は、演じてバカをやってた。まっすぐにバカができる友だちがうらやましくて、だからしんちゃんが憧れだったし。だから、バンドをやって、今まっすぐにバカができること、夢中にバカができることがうれしいですね」

──みなさんはいかがですか?クレしんとマカえんの類似性っていうか……

田辺「それこそ映画だけでも、「クレヨンしんちゃん」は何作品も作っているわけじゃないですか。でも、毎回違う面白さや感動がある。僕らが音楽を通して、曲を作ろうとしている時にしようとしているのはそういうことなのかなって思います。こないだやったこととは違うこと、今回はこういう切り口でこういう角度の曲っていうのは毎回違うんで、そういうところは近しいところがあるのかなと、今ふと思いました」

長谷川「僕は、このバンドをやってることがもう、しんちゃんとリンクするっていうか。このバンドが、かすかべ防衛隊みたいな感覚なんですよね。みんな整ってるパーツじゃないんだけど、いびつな形のネジが集まってるけど、なんかハマってる。それで成り立ってるグループがマカロニえんぴつなのかな、しんちゃんたちに、かすかべ防衛隊に似てるなって」

はっとり「その話でいうと、『オトナ帝国~』で幼稚園のバスを子どもたちがみんなで手分けして運転するシーンがあって、しんちゃんだけ何もしないんですけど(笑)、バンドってあれだなって。なんかから逃げてる。でも目的の場所はある。会いたい人もいる。だから、がむしゃらに走る。決して丁寧な運転ではないし、いろんなところにぶつかるけどっていう」

──高野さんは?

高野「しんちゃんの映画って、ラストで感動して涙するシーンが多いですよね。それまでの流れの中でお尻を出しているのに、最後は必ず感動する。よく考えたら、それってすごいなって。以前の自分は、個人的に音楽制作に対して変に真面目というか、かっこいいものはこれなんだって決めつけていた部分があったんですけど、少し力の抜けたギターアレンジとかキーボードアレンジとか、そういうのがあったほうが音楽として面白いし、飽きないし、何度でも頭から聴きたくなる。それがしんちゃんと少し似ているというか、そういう遊び心っていうものを一つの作品の中に入れていくっていうのは、しんちゃんから学んだっていうか、しんちゃんと近いのかなって思います」

はしりがき

「はしりがき」MVより


──表題曲の「はしりがき」を始め、今回のEPに収録された4月曲には、これまでよりも人間味が感じられる印象がありました。

はっとり「情けなさ、足りないことってことなんですかね、人間味っていうのは」

──ちょっと陰りというか、ブルージーで色っぽい印象もありました。それは、サウンドから感じる部分も大きかったと思いますけど。

はっとり「泥臭さはありますね。あと、暖かい音像にはしたかったんですけどね。歌詞については、僕らはいろんなやさしさをもらってきて今ここに立てているし、愛は何らかの形で渡していくものだと僕は思うので、愛を歌の中に精一杯閉じ込めて、愛を届けたいって思いが最近は強いですね、だから歌詞の中に“愛”っていうワードがたくさん入っちゃうんですけど、何かの番組の打ち合わせでスタッフさんに“愛にうるさいですよね”って言われて(笑)」

長谷川「愛の裁判官、みたいな(笑)」

はっとり「うるさかないんですよ(笑)。だって、愛は自由だって歌ってるんですから。だから、愛はあなたがジャッジメントをしてくださいっていう歌が多いかもしれないですね。自分が正しいって思ってることって、自分の立場から見たら正しいんですよね。自分と違うから他人の意見が間違いになるわけで、そういうすれ違いばっかりみたいな。そんなことを考えるようになったのは、コロナ禍が大きいのかもしれないですね。みんな真実をぶつけあってるんだけど、みんな不安で、本当の正義も正義感もフェイクニュースにくくられたり、やさしさがぶら下がってさまよっている感じが、今はするんですよね。だったら、自分の価値観を他人にぶつけたりするよりも、自分の大事なものは自分で守って、まずは自分が信じてあげればいいじゃんっていう考えになりました、この1年ぐらい。愛は愛でも押しつけの愛は良くないな、多様性ってことなのかもしれないけど、“まーまーみんな落ち着けよ”みたいな歌詞が多いですよ。みんなまずは自分を愛してやろうぜ。そっからじゃねーかっていう」

(おわり)

取材・文/大久保和則





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4月24日(土) 名古屋国際会議場センチュリーホール
4月25日(日) 本多の森ホール(石川)
4月29日(木) アクトシティ浜松 大ホール
5月2日(日) 広島上野学園ホール
5月3日(月) 福岡サンパレス ホテル&ホール
5月7日(金) 東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
5月10日(月)宮城・仙台サンプラザホール
5月9日(日) 岩手県民会館 大ホール
5月13日(木) オリックス劇場(大阪)
5月14日(金) オリックス劇場(大阪)
5月16日(日) 松山市民会館 大ホール
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