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2020.11.17

『edda 1st streaming live「kaleidoscope」』ライブレポート――見飽きた世界の小さな覗き穴から

11月14日、edda作品でおなじみの“森の家”らしき場所から配信された『edda 1st streaming live「kaleidoscope」』の模様をレポートする。

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思えば今年の2月、最新作『いつかの夢のゆくところ』をリリースし、リリースライブと作品展を開催したedda。それから幾ばくも無く世界中がコロナ禍に覆いつくされてしまったわけだが、ちょうど季節は巡り、冬を迎えようとしているいま、ふたたび彼女の歌声を耳にすることができた。

――窓の外、降りしきる雨を見上げながら沈んだ表情を浮かべているくまのタング。と、部屋の片隅に見つけたカレイドスコープを覗き込む。視界にはフラワーステップの少年をはじめとするedda作品の断片が……kaleidoscope=万華鏡というライブタイトルに違わぬ絵本のようなオープニング・アニメーションに胸が躍る。



書見台を前に歌うedda。この日のオープナーは「案内人」。木の梯子、雑然とした本棚、古びた絨毯とソファ。どこかで見た風景……たぶんここは“森の家”?少しアンバーがかった灯かりに、深いグリーンが波打つベロア地のワンピースを纏ったeddaがそんな風景に溶け込んでいた。

「こんばんはeddaです。久しぶり……ですね。キーボードはいつものように半田彬倫さんにお願いしまして、お送りしていきたいなと思います」というMCに続けて「時をかけ飽きた少女」から「ポルターガイスト」へ。この曲のMVでコラボした、ギブミ~!トモタカのイラストがさりげなくインサートされる。間奏でスタッカートするエレピが心地よい。

――「Alice in…」の力強い歌声が雨雲を呼んだのだろうか?雷に怯えてブランケットに包まるタング。なんとか雷をやり過ごし、ほっと息をつく。



「配信というかたちのライブは初になるんですけど、楽しんでいただけているでしょうか?アーカイブが1週間、何度も見れるので。あと、ededaは先月11日にデビュー3周年を迎えまして。迎えたから何だというわけでもないんですけど(笑)、せっかくなのでひさびさにデビュー曲を歌おうかなと思います」と告げ、はにかんだ笑顔を半田に向けてイントロを促す。

「チクタク」の特徴的な細かい譜割りは小気味よく、高音のロングトーンは伸びやかに。音源で聴くよりもさらにドラマチックに響く。1曲前の「宇宙ロケット」から、この「チクタク」、次の「フラワーステップ」へと続く『からくり時計とタングの街』の3曲が醸す高揚感と疾走感は、eddaに備わっているストーリーテラーとしてのセンスを感じさせられたし、「フラワーステップ」のことさら力強い身振り、そしてなぜだかちょっぴり怒りを滲ませるような表情が印象的だった。



「もうひとつお知らせっていうか、報告というか……いまEPを制作しておりまして、来年の2月にリリースしようとがんばっていますので、楽しみに待っていて欲しいなと。今日はそのEPのなかから1曲だけ歌いたいなと思います」と披露した新曲は、凛と澄み切った冬の空気のような悲哀に満ちていた。この曲がEPのなかでどんな立ち位置にあるのか楽しみだ。

――ベッドに寝そべったままで、皿いっぱいに盛られたクッキーをおいしそうに口に運ぶタング。咀嚼音、嚥下音がASMRよろしく耳をくすぐる。タングの足の裏に刻まれた“1545/2000”という数字はシリアルナンバーだろうか?



不協和音を奏でるイントロ。ソファに腰かけ、激情を抑え込もうとするように少し背を丸めて歌った「不老不死」、深い眠りのなかに沈み込んでゆくような、夢と知りながらずっと目覚めることを拒むような、そんな気配を漂わせる「バク」と続け、この日のライブはエンディングを迎えた。

――クッキーを手に、まだベッドのうえに寝転んで万華鏡を覗き込んでいるタング。ノックの音。どうやら誰か訪ねてきたみたいだ。ドアを開けるとワンピース姿のくまが微笑んでいる。タングのガールフレンドだろうか?そう、森の家の本棚に飾られていた写真のあの子だ。彼女の名前はエンドロールに記されているので見逃さないように……タングが見上げた空は、雲間から雨上がりの陽光が射していた。


edda

Live Director/三澤歩惟、Assistant Director/吉田 豊、Animation Director/田中涼子、Miniature Set&Sound Design/edda


この日のライブを見届けて思ったのは、eddaが描き出すストーリーと楽曲は、こうしたスタジオライブ的な設えとの親和性が高いということだ。もちろん有観客での臨場感も捨てがたいのだが、あの凝縮されたスケール感と距離感が醸す親密な雰囲気もまた彼女によく似合っているように思えた。

『edda 1st streaming live「kaleidoscope」』は、11月21日までアーカイブ視聴可能。チケットの購入も同日までとなっているので、ぜひeddaの紡ぎ出す世界を覗いてみて欲しい。

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)





■edda 1st streaming live「kaleidoscope」セットリスト
1.案内人(1st EP「ねごとの森のキマイラ」)
2.戯曲(2nd『いつかの夢のゆくところ』)
3.時をかけ飽きた少女(2nd AL『いつかの夢のゆくところ』)
4.ポルターガイスト(2nd『いつかの夢のゆくところ』)
5.Alice in…(2nd『いつかの夢のゆくところ』)
6.宇宙ロケット(1st『からくり時計とタングの街』)
7.チクタク(1st『からくり時計とタングの街』)
8.フラワーステップ(1st『からくり時計とタングの街』)
9.新曲
10.不老不死(1st Mini AL『さんかく扉のむこうがわ』)
11.バク(2nd『いつかの夢のゆくところ』)


■edda 1st streaming live「kaleidoscope」(イープラス)
イープラス

edda

※ライブ、イベントの内容は開催当日までに変更される場合があります。必ずアーティスト、レーベル、主催者、会場等のウェブサイトで最新情報をご確認ください。







edda
edda『いつかの夢のゆくところ』
2020年2月19日(水)発売
初回盤(DVD+CD)/VIZL-1709/3,600円(税別)
Colourful Records


edda
edda『いつかの夢のゆくところ』
2020年2月19日(水)発売
通常盤(CD)/VICL-65311/3,000円(税別)
Colourful Records




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