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──現代音楽とポップスを融合させた音楽性が高い評価を受けていますが、シーンを見渡しても、Maison book girlのような世界観を持っているガールズグループは非常に珍しい印象がありますし、当初は戸惑いもあったかと思うんですが、実際にはどうでしたか?

井上 唯「それが、そんなに戸惑いはなくて。私はもともと音楽にはくわしくなかったんですけど、そんな私でも好きだなって思う曲だったし、音楽を知らないからか、入りにくい音楽性だという感覚もなかったです」

矢川 葵「私も音楽にくわしくないので、変わった音楽だとは、そこまで思いませんでした。でも、まわりの人たちに“変拍子が……”って指摘されることで、“あー!そうなんだな”って思ったというか」

和田 輪「私もすぐに受け入れられました。いろんな要素が入ってはいるけど、ポップスとしての体を成していたので、そこまで違和感は感じなかったですね。むしろ曲として面白いとか、変拍子だっていうことは自分たちの強みだなって、最初から認識していました」

コショージメグミ「私は、プロデューサーのサクライケンタさんの音楽を以前から知っていたので、特に不思議な音楽だという意識は全然なかったです」

──みなさん、自然にMaison book girlの世界に入っていけたんですね。

井上「そうですね。音楽にくわしくないメンバーが多いので、どんな曲に対してもニュートラルに向き合えたというか」

矢川「最初は何もわからないままやっていく中で、変拍子にも慣れてきたし、ここの切り替わりがかっこいいんだとか、だからダンスではこういうステップを踏んでもいいんだとか、どんどん楽しくなっていきました。私たちにできることが増えると、サクライさんがまたむずかしい楽曲を用意してくれるんですけど、そうやって切磋琢磨しながら成長できている感覚があります」



ブクガ

矢川 葵

ブクガ

井上 唯



──あらためて結成から現在までを振り返ってみて、どんな変化があったと感じていますか?

和田「初期は、曲の世界観に馴染むように、寄り添うように歌っていたんですけど、今はそれぞれができることも増えて、最近は曲の中で個人個人の表現というか、その人ならではの表現がライブパフォーマンスも含めてできるようになってきていると思います」

コショージ「ベストアルバムの曲順は時系列になっているんですけど、あらためて聴いてみると、2018年リリースの『yume』というアルバムあたりから変化があったかな……それまでより人間性が見えるというか、私たちの個性が少しずつ出始めてきたなって思います」

矢川「初期は、全員で歌うパートがあると、みんなで同じような歌い方をして、きれいにまとまっていた感じがあります。でも今は、例えばベストアルバムに収録された新曲の「Fiction」のサビを全員で歌っているんですけど、全員の声の違いが聴こえて、それでもまとまりがあるんです。そこは、変化したころだと思います。一人ひとりの感情の違いを、歌に出しても成立するグループになれたというか」

和田「私は、「レインコートと首の無い鳥」あたりから変化があったなって、時系列順に曲が収録されたベストアルバムを聴いて気づきました。「レインコート~」の前までは、無機質だとか人形みたいって言われることが多かったんですけど、「レインコート~」以降は、歌い方も、パフォーマンスでも、今までにない情熱的な感じだったり、自分たちが表現できる幅や選択肢が広がったと思います」

井上「最初に「bath room」を歌っていた頃は、「悲しみの子供たち」や「Fiction」のような曲を歌えるとは思っていませんでした。当時は、右も左もわからない中で、とにかく与えられた曲を精一杯やるしかなかったし、そこから先が想像できないというか、これからどういう方向で進んでいくのかも見えなかったので。でも、そこからたくさんの曲が生まれて、今年1月のLINE CUBE SHIBUYAような大きな会場でのワンマン(「Solitude HOTEL∞F」)で自信もついて、こんなにたくさんのいろんなタイプのかっこいい曲を聴かせられるようになって。そこが一番変わったところだと思うし、その変化が詰まっているのが今回のベストアルバムだと思います」



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和田 輪

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コショージメグミ



──ベストアルバムには、新曲として「Fiction」とコショージさんが作詞したポエトリーリーディング曲「Non-Fiction」が収録されています。

コショージ「原点に戻ったというか、あまり余計なことを考えずに、自然に自分の中から出てくる言葉で書いた感じです。私にとっては、「Fiction」と対になっているような曲かなって思っているんですけど」

──もう一方の新曲「Fiction」は、非常に普遍的というか、Maison book girlらしさを決して失わず、世代や時代を超えて響く楽曲になっていると感じました。到達点であり、新たなスタート地点にもなる素晴らしいポップソングだと思います。

コショージ「ありがとうございます。前回のアルバム『海と宇宙の子供たち』が、割とそういうコンセプトというか、より幅広い層に向けて聴いてほしいというテーマがあったので、『Fiction』はその続きのような感覚ですね」

矢川「この曲で急にそうなったわけじゃないですけど、個人個人の歌の表現の仕方によって、今まで以上に印象が変わる楽曲だなって、私は思っています」





──活動開始から約5年半が経ちましたが、4人の関係性に変化は?

コショージ「まったく変わってなくない?」

矢川「出会って3回目ぐらいから、こんな感じだよね」

井上「距離が縮まることもなく、遠ざかることもなく」

和田「それだと仲が悪いみたいに聞こえちゃう(笑)」

コショージ「むしろ、普通よりはかなり仲いいほうなんじゃない?」

──“普通よりは”って(笑)。

井上「わかった!“出会った当初から、ずっといっしょにいたみたいだった”とか“最初から他人とは思えなかった”でどうでしょう(笑)」

矢川「いいと思います!」

井上「ただ、矢川さんと和田さんは、あつ森(あつまれどうぶつの森)をやっているんですけど、通信プレイはしないんですよ(笑)」

矢川「個人プレイ派だから(笑)」

和田「そうそう(笑)」





──ちなみに普段はどんな話をしているんですか?

コショージ「ミスドの話とかですね(笑)。“今、抹茶やってるから行きたいね”とかそんな話です」

──食べ放題をやってる店舗もあるみたいですね。

コショージ「いや、そんなに食べるほど元気じゃないんですよ(笑)。3つぐらいを、おいしく食べたいという……」

──ははは!えーと……少し音楽の趣味の話もしたいんですけど、Maison book girlの活動を始めてから、普段聴く音楽に変化はありましたか?

矢川「なんか、前よりもメジャーな音楽を聴くようになりました。最近だと、星野 源さんを聴いてますね。すっごい今さらなんですけど(笑)」

井上「以前の私は本当に音楽に興味がなかったんですけど、今はちゃんと音楽を聴くようになったなーって思います。今、アメリカのドラマ「ゴシップガール」をよく見ているので、とにかく英語の曲が聴きたいなっていう感じですね(笑)」

和田「私は、聴いていて単純に心地いいなっていう音楽のほかに、こういう声で歌いたいなっていう観点でも音楽を聴くようになりました。そういう意味では斉藤由貴さん。斉藤由貴さんの歌がいいなって思い始めたのは、ジャズとかをカバーしたデビュー30周年記念アルバムの『ETERNITY』がきっかけなんですけど、すごくいい声だなと思って、アイドル時代の楽曲も聴くようになりました」

──アイドル時代の斉藤由貴さんの楽曲で、いいなと思ったのは?

和田「そうだな……「AXIA ~かなしいことり~」とかですかね」

コショージ「私はもともと暗い曲が好きなんですけど、最近はK-POPとか、そうじゃない曲も聴くようになりました。K-POPって、ダンスも歌もずば抜けてうまくて、自分たちで作詞作曲して、振り付けもしている人たちもいて。本当にすごいし、アーティストだなって思います。私たちも作詞をしたり、ライブの構成を自分たちで考えたりはしているんですけど」





──今、アーティストというワードが出ましたが、自分たちではMaison book girlのことをどういう存在だと思っていますか?

和田「私は、アーティストだとかアイドルだとか、どちらかに分けようとするのが、もうナンセンスだと思っています。だから、そういうカテゴライズをする気も、される気もないというか……なんかむずかしいですね、生き方が(笑)」

──そもそも何をしてもいいし、何でもできるのがアイドルですよね。斉藤由貴さんだって、アイドルとしてデビューして、女優として活躍し、最新アルバムでは英語詞のスタンダードナンバーを歌ってと、多面的な表現者ですし。

コショージ「結局、単なる肩書きですからね。だったら私たちはMaison book girlというグループ名の前に“歌って踊ります!”って小さく書いとこうかな(笑)」

井上「それ、間違ってないからね(笑)」

──今回のベストアルバムを機に、初めてMaison book girlの世界に触れる人もいると思います。そんな人たちに向けてメッセージを送るとしたら?

コショージ「“ありきたりなものに飽きた人へ”、ですかね。そういう人たちには、ぜひ手に取ってみてほしいです。あと、もうそろそろ画面を見るの疲れてません?」

──スマホのYouTubeやら動画サービスとかってこと?

井上「あー……マジでもう疲れたし、飽きた!」

コショージ「という人にぜひ(笑)。“Maison book girlのベストアルバムを聴きながら、外に出てみようよ。あじさいが咲いてるよ!”って伝えたいですね。雨の季節に似合う曲がたくさんありますから。うん、雨の日に聴こう!」





──最後に、これから先の話を聞きたいんですが、何か具体的に目標は立てていたりしますか?

矢川「具体的には、んー……特にないかもしれないですね」

コショージ「みんな、あんまり目標を立てない派かなって思います」

井上「例えば、日本武道館でワンマンライブをしたいって目標を立てたとしても、じゃあそのあとはどうするのかなって思うし、目標が達成できたとしても燃え尽き症候群みたいになったら意味がないと思うし」

和田「ただ、今よりいいパフォーマンスがしたい。それだけかもしれないです」

コショージ「あ、メイクの勉強はしていきたいです!」

井上「確かに!そこは女の子として捨てるわけにはいかない(笑)」

(おわり)

取材・文/大久保和則
写真/柴田ひろあき



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