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ビクターロック祭り~2018~特集は3月30日まで! by SMART USEN

[section heading="KICK THE CAN CREW/BARK STAGE"]

昨年8月、14年ぶりに復活。アルバム『KICK!』をSPEEDSTAR RECORDSからリリースしたKICK THE CAN CREWがついにビクターロック祭りに登場だ。昨年はKREVAが単独で出演していたが、3人揃うのは今回が初めてである。

KICKの文字が点灯し、春らしくパープルの衣装で合わせたKREVA、LITTLE、MCUがオンステージ。オーディエンスの興奮が静まるのを待つことなく、「千%」をスタートさせた。“経て からの ここ、2018!ビクターロック祭り!”と替えたラストフレーズで歓声を巻き起こしたあとは、あの三三七拍子から「地球ブルース~337~」へ。センターに立つメンバーがメインになるシーンでは三者三様の美学を見て取ることができるし、フレーズの受け渡しや3人がユニゾンになるシーンでは一糸乱れぬ連携プレイを目撃することができる。そうして黄金のトライアングルを生で体感できるのももちろんライブの醍醐味だが、「TORIIIIIICO!」でのソロプレイが最高にクールだったDJや、テンションが上がり積極的に声を上げるオーディエンスをも巻き込みながら、グルーヴがむくむく拡大していく感じも堪らない。

そしてこのあと間髪入れず「マルシェ」が始まるのだから、そりゃあ上がるに決まっているでしょう。この日のセットリストはベストヒット・オブ・KICK THE CAN CREW的な内容。KREVAは「まだ(SPEEDSTAR RECORDSからは)アルバム1枚しか出してなくていろいろ言いたいことはあるんですけど、喋るよりも曲聴いてもらいたいなと思ってるので、曲を詰め込んでます。時間が余ったらレキシに譲ってもらって(笑)……」と話していた。

ということで、MCらしいMCはその1回のみ。ラストの「アンバランス」まで、全7曲、怒涛に次ぐ怒涛。ぐうの音も出ないようなステージは、さながら春の嵐だった。

Text by蜂須賀ちなみ/Photo by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

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KICK THE CAN CREW

[section heading="四星球/ROAR STAGE"]

ROAR STAGEも佳境を迎えた時間帯。この日一番の笑い――と小道具の数――で観客を魅了したのは四星球。大いに笑った。でも今日の彼らのステージは、それ以上にグッとくる場面が多かったのだ。謎のアナウンスが、今年のビクターロック祭りの裏テーマは「四星球売れに売れました祭り」であることを告げると、ハッピ姿の人々――実はビクターの社員――を引き連れ、金色のハッピを纏ったメンバーが登場。ドラムのモリスはテングになったとのことで、長鼻&全身赤タイツ仕様である。そして四星球が売れに売れたことを称える表彰状が、Getting Better Recordsレーベルヘッドの岩渕氏からまさやん(Gt.)へと授与されたところで、ようやく1曲目の、宇宙に詳しいと言い張るおっさんの歌「Mr. Cosmo」へ。「今年35歳!同級生はファミリーコンピューターと東京ディズニーランド。同期に負けないように四星球頑張ります!」と北島康雄(シンガー)。後方の物販ブース近くまで達した観客たちが、一斉に手を振り始める。そして「本当はニッパーを動かしたかったんだけどそれがムリとのことで」と、舞台ソデから持ち出したのは段ボールで出来た工具のニッパー。ステージを降りた北島の後を観客たちが、ニッパー(工具)を掲げて追いかけるという摩訶不思議な時間が発生する事態に。当初のUFOを呼ぶ云々という設定はもはや跡形もない。そしていよいよ、この男の出番である。全ての段ボール小道具を手掛ける、まさやんを歌にした「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」。不覚にもこの曲でグッとくるスイッチを入れられた。“M.A.S.A.Y.U.K.I”、“竹田!”とメンバー、観客で熱烈にコール、こんな形のメンバー愛、最高じゃないか。そしてそこからラストまでの流れがもうズルい。自分たちのファンになってくれたビクターへの感謝と20周年ではBARK STAGEのトリを取ることを誓った「クラーク博士と僕」。「歌で何かを叶えたのは初めて」と番組出演の夢が叶ったことを告げて始めた「HEY!HEY!HEY!に出たかった」。これには観客たちも皆、胸にくるものがあったはずだ。「最後みんなでジャンプして終わろうか!」と北島は、観客たちを座らせた。そしてそのまま「この続きは来年あちらのステージでお願いします!」とステージを去っていったのだ。そんな肩透かしも、彼ららしい。愛と涙の段ボール劇場をありがとう、四星球。BARK STAGEのトリを特大の段ボールセットが飾る日を、楽しみに待つ。

Text by イシハラマイ/Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

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四星球

[section heading="レキシ/BARK STAGE"]

ステージ上には幟(のぼり)が並び、観客がいるフロア内ではオリジナルグッズの稲穂が揺れるという……これから戦が始まるのか?それとも稲刈りが始まるのか?全くよくわからないムードに包まれてしまった会場内。フロアの後方までギッシリと人で埋まっていて、数々の音楽フェスへ爪跡を残してきたレキシへの期待の桁外れの高さが窺われた。

やがて、鳴り響いた勇ましい法螺貝の音。今日のステージを支える頼もしいメンバーたち。健介さん格さん(Gt/奥田健介 from NONA REEVES)、元気出せ!遣唐使(Piano&Cho/渡和久 from 風味堂)、御恩と奉公と正人(Ba/鈴木正人 from LITTLE CREATURES)、伊藤に行くならヒロブミ(Dr/伊藤大地)、TAKE島流し(Sax&Flute/武嶋 聡)、鉄剣通(Trumpet/川上鉄平)に続いて、池田貴史が十二単を身に纏って飛び込んできた。「紫式部に想いを馳せてけ!」といってスタートした1曲目は「SHIKIBU」。稲穂、掌、様々なアーティストの色とりどりのタオルなどを掲げて踊る観客の勢いが凄まじいオープニングであった。

会場はますます明るいパーティー会場と化し、2曲目「KATOKU」を経て迎えたインターバル。「どうもー!ケビン・コスナーです!レキシ、今年のフェスはじめです。ということは、稲穂はじめということです。今年でビクターロック祭りに出るのは4回目。じゃあ、稲穂はじめしようか!」と言ってから演奏へ突入した「狩りから稲作へ」は、観客が大切そうに握りしめている稲穂が大活躍。「稲穂の気持ちになって」と言われて、すっかり稲穂に成りきってユラユラさせている人々の無邪気な表情が実に楽しそう。池ちゃんによる今回のビクターロックフェスの出演者たちの歌のモノマネ、繰り広げたマニアックなコール&レスポンス、危険過ぎるパロディの数々も不敵に炸裂していた。

Text by 田中 大/Photo by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

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レキシ

[section heading="GRAPEVINE/ROAR STAGE"]

ここまで10組のアーティストが出演したROAR STAGEを締め括るのは、昨年9月にメジャーデビュー20周年を迎えたGRAPEVINEだ。定刻になると、SEなしで田中和将(Vo/Gt)、西川弘剛(Gt)、亀井亨(Dr)、高野勲(Key)、金戸覚(Ba)が入場。「はい、こんばんは」と田中が軽く挨拶したあと、華やかなブラスの響きと肉体性を剥き出しにしたバンドサウンドが絡む、「Arma」で瑞々しく幕を開けた。続く「スロウ」では照明のトーンも落ち、サウンドのキレは保ったまま、アンサンブルがさらに濃厚かつ豊潤になる。アウトロに達した頃には音の渦が凄まじいことになっていたが、それに埋もれることなく、平然と浮かび上がるボーカルはさらりと、しかし圧倒的な声量を誇る。

GRAPEVINEがSPEEDSTAR RECORDSに移籍したのは2014年のことだが、この「ビクターロック祭り」に出演するのは今回が初めて。そのことに関して、田中は「なぜならば、我々はつい最近ビクターに入ったばかりぺーぺーなもんですから。ひとつこれからも、ビクターロックとしてよろしくお願いします」とコメントしていた。

この日のハイライトは間違いなく、4曲目「CORE」であろう。少ない音数の中でよく映える、風のようにどこまでも行ってしまいそうな歌声。幻想的な響きの冒頭数フレーズを終えたあと、ドラムのビートが加わることによりまた違う趣が生まれて二度美味しい感じになるが、サビに入ると各楽器の演奏が一層白熱。これは三度美味しいぞと思う間もなくセッション的な展開が始まり、バンドサウンドがどんどんサイケ寄りになっていくのだ。曲の尺を大幅に伸ばしながら魅せる、狂おしくも美しい、アンサンブルの妙。音が鳴り止んだあと、この日一番の喝采が起きた。

直後、次が最後の曲である旨を田中が告げるとオーディエンスの残念がる声が聞こえたが、これはもう無理もないだろう。ラストに「光について」を演奏し、5人はステージを去ったのだった。

Text by 蜂須賀ちなみ/Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

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GRAPEVINE

[section heading="Dragon Ash/BARK STAGE"]

いよいよここBARK STAGEもフィナーレの時がやってきた。最後を飾るのは、所属アーティストで唯一ビクターロック祭り5年連続出演となるDragon Ash!いきなりバンドの原点でもあるミニアルバム『The Day dragged on』から叩きつけた「天使ノロック」のソリッドな激走感で、ホールの熱気をでっかくかき回し、「行け! 幕張メッセ!」のKj(Vo・G)のコールで観る者の魂を震わせていく。さらに、最新アルバム『MAJESTIC』から轟かせたのは「Mix It Up」!ツアーを経て格段にハイパー&ブルータルに生まれ変わったこの曲が、フロアを見渡す限りの狂騒空間へと塗り替えてみせる。

そのまま「For divers area」でBARK STAGEを灼熱の歓喜で包み込むと、「最後ですよみなさん!」と観客を煽るKenKen(B)をフィーチャーしてメッセ震撼級の「The Live」の痛快なカオスへと突入。ヘヴィにして清冽なアンセム「百合の咲く場所で」のイントロに湧き上がった大歓声は、Dragon Ashがロックシーンと、ビクターロック祭りと培ってきた信頼関係を何より明快に物語るものだった。

桜井 誠(Dr)&BOTS(DJ)のハイエナジーかつ鋭利なリズムワーク。ロックのダイナミズムの結晶のようなHIROKI(G)&KenKenの硬質なアンサンブル。燃え盛る衝動の化身の如きATSUSHI(Dance)&DRI-V(Dance)の華麗なる演舞。そして、観る者の情熱と真っ向から響き合うKjの絶唱……それらが渾然一体となって渦巻く「Fantasista」が、眩しいくらいの祝祭感とともに鳴り渡った。

「俺とサクがまだ16歳か17歳ぐらいの時に、原宿のルイードっていうライブハウスでライブをやってて。そのライブを観たビクターのディレクターが、“俺のとこでCD出してみないか”って言ってくれて、Dragon Ashはデビューできました。天国にいるから、拍手してあげてください」と呼びかけるKjの言葉に、一面の拍手が広がる。「ロックの上では、音楽の上ではみんな平等!すべてを曝け出してください!」のシャウトととに、「A Hundred Emotions」の痺れるような轟音が会場を包み込んでいった。

7人が一度舞台を去った後、「1曲だけやらせてください!」とこの日の最後に披露した楽曲は、初期の蒼きマスターピース「陽はまたのぼりくりかえす」(1998年)だった。Kjの歌が、胸震わすアンサンブルが、満場のクラップ&シンガロングと共鳴しながら、フェスの終幕を美しく彩っていった。

Text by 高橋智樹/Photo by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

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Dragon Ash

[section heading="DJダイノジ/ROAR STAGE"]

今年のビクターロック祭りの全体を締め括ったのは、ROAR STAGEの「DJダイノジ」。

大谷ノブ彦(DJ)と大地洋輔(エアギターとパフォーマンス)による「漫才師×DJのハイブリッドエンターテイメント集団」だ。「お手を拝借!」、今年のビクターロック祭りの成功を祝して行った大谷による一本締めがオープニングを華々しく飾り、最強のパーティータイムがスタートした。

ダンサーたちといっしょになって飛び跳ね、エアギター世界チャンピオンのプレイを炸裂させていた大地が初っ端からアクセル全開! あんな姿を見たら、ダンス衝動を抑えられる人類はこの世に存在し得ないだろう。朝からたくさんライブを観てきた観客たちのはずなのに、疲れなんて微塵も感じさせないまま踊り続けていた。そんな空間に放たれたのは、快感のツボを完璧に刺激するナンバー揃い――星野 源「ギャグ」で胸をキュンとさせてくれたり、KEYTALK「MONSTER DANCE」で爆発的踊らせてくれたり、サカナクション「新宝島」が爽やかな音像とビートで我々の身も心も包んでくれたり――マックス状態の興奮が、山あり谷なしの状態で会場いっぱいに広がり続けた。

ラストにプレイされたのはサザンオールスターズ「HOTEL PACIFIC」。大谷と大地が「ビクターロック祭り~」と叫び、観客が「最高!」と一斉に叫んだ直後に漂っていた完全燃焼の余韻は、今日1日を楽しんだ観客にとって素敵な思い出となったに違いない。

Text by 田中 大/Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

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DJダイノジ



  PART 1  |  PART 2  |  「ビクターロック祭り2018」ライブレポート PART 3  





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