ストリートアートのはじまりは、1960年代後半のニューヨークといわれており、貧困や治安の悪化など、社会不安のなかにあった若者たちが地下鉄車両や駅構内、ビルの壁などに書き込んだ、通称「タグ」と呼ばれる自身のサインを記したグラフィティ(落書き)アートから端を発している。
かつては違法ペイントとして、破壊行為とみなされていたストリートアートだが、現在では許可を得て制作される作品も増え、都市の景観創造にも貢献している。また、公共空間を舞台とするため誰でも観覧できるという特性から、アーティスト個人や地域・社会に関連するメッセージを広く世の中に発信できることで、文化にも大きな影響を与える存在へと成長した。
Banksy 《Flying Copper》 2004, Serigraph on paper, Private Collection
Banksy 《Choose your weapon》2010, Serigraph on paper, Private Collection
Banksy 《Thrower》2019, Serigraph on paper, Private Collection
Ozmo 《Medusa》2018, Acrylic on PVC
Nevercrew 《Still》2023, Acrylic on canvas
Truly Design 《Akira》 2023, Acrylic and spray on canvas
この展覧会は、ストリートアートシーンに革命を起こしたバンクシーを中心に、初期に活躍したアーティストから、コマーシャルギャラリーへ進出したキース・へリング、ジャン・ミシェル・バスキア、そしていま世界から注目されている日本人アーティストなど、国内最大規模の作品群とともにストリートアートの進化の軌跡を追ったものとなっている。また、「Stream of Banksy Effect」として、バンクシーが現代のアーティストに与えた影響に焦点を当てることで、ストリートアートの持つ可能性や意義を再発見するための試みでもある。
また本展の公式テーマソングには、シンガー・ソングライター、堂本剛のソロプロジェクト「.ENDRECHERI. (エンドリケリー)」の新曲「.ENDRECHERI. Brother」が使われている。本楽曲を採用した展覧会のTVCMは、フジテレビ、BSフジ、渋谷スクランブル交差点の大型スクリーン「Q’s EYE」などで順次放映される。
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会期中はイタリア出身のアーティスト、「RAUL(ラウル)」による会場屋外でのインスタレーション制作が予定されている。ストリートアートの聖地ともいわれる渋谷の街頭での制作が観られる貴重な機会となっている。詳細は、決定次第公式サイトで公開される。
なお本展は、2024年9月から11月に愛媛県美術館で開催された「BANKSY & STREET ART(R)EVOLUTION」展を基に作品を追加したもので、本展終了後はヨーロッパを巡回する予定だ。
Stream of Banksy Effectストリートアートの進化と革命展-Street Art (R) Evolution -
会期:2025年1月22日~3月23日10:00〜19:00(最終入場18:30)※会期中無休
開催場所:渋谷ストリームホール(東京都渋谷区渋谷3丁目21-3)
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)9:00〜20:00
当日券:一般2400円/大学・専門・高校生1800円/中・小学生800円
※未就学児無料
※障がい者手帳をご持参の方(付き添いの方1名を含む)は当日料金の半額。当日証明できるものをお持ちください
※学生は学生証または年齢のわかるものを提示することが条件