ロック/エレクトロシーンに絶大な影響を与えてきたバンド「New Order(ニューオーダー)」の前身となるポストパンクを代表するバンド「Joy Division(ジョイ・ディヴィジョン)」。
1979年マンチェスターの伝説的レーベル、ファクトリー・レコードからリリースされたファーストアルバム「Unknown Pleasures」はサウンド・エフェクトとレコーディング・テクニックの革新的な使用で新境地を開いた。この象徴的なジャケットは、ファクトリー・レコードの共同設立者でありクリエイティブ・ディレクターのピーター・サヴィルによって制作され、色を反転させることでデザインを適応させ、音楽史上最も認知度の高いアルバム・ジャケットのひとつを生み出した。このアルバムリリース45周年を記念し、ロックンロールの反抗的な姿勢とオートクチュールの洗練さを融合させたハイエンドブランドとして知られるビショップ・アンド・ビショップが限定コレクション「Bishop & Bishop / Joy Division Collaboration 2024」を発表し、2024年12月13〜15日の3日間、東京・渋谷のレイヤードミヤシタパークでポップアップストアを開催する。

ビショップ・アンド・ビショップのエリック・ビショップ代表

ビショップ・アンド・ビショップの代表を務めるエリック・ビショップは、ドラマーとしてバンドをやっていた経験から、音楽とファッション、アートを結びつけながら、日本でツアーを行う海外ミュージシャンたちのコンサートグッズを制作してきた。一方で、コンサートグッズの質には疑問を持っていた。ファッションが好きだっただけに「もっと上質で納得のいくコンサートグッズのウェアを作りたい」と考えるようになった。ビショップ・アンド・ビショップのECサイトは、そんな発想から生まれた。
今回のコラボレーションでは、上質なレザージャケットやライダース、デニムジャケット、インターシャニット、シューズなど13型を展開する。エリックは「音楽でもアートでもペイン、苦しみを抱いているからこそ、素晴らしい作品が生まれます。今回のコラボでは、ジョイ・ディヴィジョンの絶頂期、表向きは完璧に見えていても、内には苦しみや悲しみを抱え、それを発散させ、ありのままを表現したのだと思います。その完璧さとカオス(混沌)の二面性を表現しました。例えばクオリティーの高いレザージャケットでありながら、裾や襟がボロボロに破れているなど」とコラボ制作の方向性を語った。さらに「これから毎年、様々なアーティストとのコラボ商品発売を予定している」という。

■Bishop & Bishop Joy Division Collaboration 2024
開催日時: 12月13〜15日 11:00〜21:00 ※最終日:19:00
会場: THE [ ] STORE MIYASHITA PARK North 2F
東京都渋谷区神宮前6丁目20−10
TEL: 03-6427-5300

■Bishop & Bishop
エリック・ビショップによって2017年に設立されたBishop & Bishopは、日本公演を開催する洋楽アーティストの音楽マーチャンダイズ会社として、2018年の Taylor Swift(テイラー・スウィフト)の日本ツアーを筆頭に、Slipknot(スリップノット)、Avril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン)、AC/DC、Kiss、Beastie Boys(ビースティー・ボーイズ)、Bob Dylan(ボブ・ディラン)、Def Leppard(デフ・レパード)、Duran Duran(デュラン・デュラン)、Morrissey(モリッシー)、Rancid(ランシド)、The Chainsmokers(ザ・チェインスモーカーズ)、U2、Aerosmith(エアロスミス)、ZZ Top(ジージー・トップ)といったアーティストが、Bishop & Bishop より グッズを販売してきた。
2018年からは、ロックテイストのデザインで知られるハイファッションレーベルへと進化し、以後反抗的なロックの美学とクチュールのエレガンスを融合させ、高品質なアイテムを生産している。さらに利益の10%を慈善活動に寄付するなど、単なるファッション・レーベルではなく、社会へ還元することにも力を注いでいる。

取材・文/久保雅裕
写真/エリック・ビショップ(久保雅裕)、ビショップ・アンド・ビショップ提供

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久保雅裕(くぼ まさひろ)encoremodeコントリビューティングエディター。ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。元杉野服飾大学特任教授。東京ファッションデザイナー協議会 代表理事・議長。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。

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