26年春夏シーズンは台湾のテレビ業界最大のイベント「金鐘奨」授賞式と時期を合わせて開催。台湾ドラマを台湾ファッションと掛け合わせることで、ドラマの表現が人々の美意識やポップカルチャーに与える深い影響を体現した。デザイナーの視点でドラマを再解釈することで、「ファッション」が文化の媒体となり、台北ファッションウィークが文化コンテンツ産業とファッション産業をつなぐ架け橋となることを目指した。
テーマは「Fashion, Action!」。「服装が人生を定義し、人生が服装を変える」という考えのもと、ファッションウィーク全体を「動く撮影スタジオ」として構築し、観るだけではなく、撮影中のファッション映画の中に入り込むような没入体験へと観客を誘った。

オープニングショーは、6人のデザイナーが6つの人気台湾ドラマとタッグを組み、映像とファッションデザインを呼応させることで現代台湾のファッション風景を出現させた。
「DYCTEAM(ディワイシーチーム)」はドラマ《The Outlaw Doctor 化外之医(The Outlaw Doctor)》とコラボレーションし、「縫合(ほうごう)」をテーマに修復と人間の誠実さが持つ裂け目を表現した。
「WEAVISM(ウェアヴィズム)」は《人生清理員(The Cleaner)》を通して、ワークウェアの構造と再生素材を用い、生命の連なりを表現。
「Dleet(ディリート)」は《今夜一起為愛鼓掌(US WITHOUT SEX)》と組み、黒と白のミニマルなトーンで「情欲と自由」の関係を再構築し、女性の覚醒する力を描いた。
「NIKI YEH(ニキイェ)」は《死了一個娯楽女記者之後(Tabloid)》をテーマに、透明なレイヤーとメタリックな光沢素材で、女性が「暴くこと」と「隠すこと」のあいだに持つ力を表現。
「RAY CHU(レイ チュウ)」は《拜六禮拜(Holiday)》を題材に、軽やかなカッティングとジェンダーフルイドな美学で、日常と自由を表した。
「oqLiq(オクリク)」は《我們與悪的距離 II(悪との距離 II、The World Between Us II)》とのコラボで、機能性素材を使い、秩序と混沌が交錯する灰色の世界を再現し、人間の葛藤を探った 。

オープニングショーには台湾ドラマに出演する俳優陣が登場した。楊一展、鳳小岳、王可元、孫淑媚、連晨翔、柯淑勤、白潤音らが、ランウェイでファッションを用いて劇中キャラクターを再解釈し、役柄からインスピレーションを得て、ファッションを通じて無形の文化的影響力を発信した。

また微風信義(Breeze Xinyi)とのコラボによる「台北ファッションウィーク セレクトショップ」では、9月26日から2026年1月4日まで、台湾デザイナーブランドのアイテムを展示販売。創造性と商業性が融合する新たなファッションプラットフォームを展開している。

台北ファッションウィーク セレクトショップ
・日時:9月26日~2026年1月4日 平日11:00~21:30/休日11:00~22:00
・会場:微風信義3F(台北市信義区忠孝東路五段68号)

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