本展は、世界が大きく変容したパンデミック下のデジタルシーズンからコロナ後にダイナミックにパリコレクションへと原点回帰を飾った最新コレクションまで、日常と非日常を地続きにさせる対極的な思考をギャラリー空間に展開する。

世界の人々が非日常的な生活を経験していた2020年から2023年の間に発表したコレクションで構成されている。
パリコレクション全体がデジタルショーのみの開催となった4シーズン 「HOME」「GROUND」「DIMENSION」「PLANET」、それらを経てようやく訪れたリアルなパリコレクション復帰の場で身体を取り戻すかのようにパッチワークを彩った「A & Z」、フォトクロミック技術を活用した大胆な色相変化で表層の奥を露わにする「= (イコール)」 など、奇しくも世界中が非日常から日常という現実を取り戻していく過程で作られた洋服を、一挙にギャラリー空間に集めた。

■展示内容

HOME(21年春夏)
衣と住の境界を越えるデジタルショー。「家のような服。服のような家」がテーマ。2mのソーシャルディスタンスを確保し、体全体を守る家は、骨格部分を外し、紐を引っ張ると、家から服に変化する。

GROUND(21-22年秋冬)
天と地が逆転した世界を示すデジタルショー。コロナ禍がもたらしたデジタルの活用は、軽々と世界の距離を縮める一方で、すべてをフラットにした。天地を逆転させることで、重力と質量を取り戻すことを目指したコレクション。

DIMENSION(22年春夏)
二次元と三次元の空間を越境するデジタルショー。細田守監督「竜とそばかすの姫」の劇中に存在する仮想空間「U」でコレクションが幕を開ける。全てが三角形のポリゴンパーツで作られている洋服は、画面の外だけでなく、画面の中でも纏うことができる。

PLANET(22-23年秋冬)
月面着陸の一歩から始まるデジタルショー。宇宙服のように膨らんだフォルムの真っ白な洋服に身を包んだモデルたちは、地球の6分の1の重力で浮遊しながら、ムーンウォークでランウェイを歩く演出がなされた。

A&Z(23年春夏)
パッチワークへの原点回帰コレクション。無数の継ぎ目が露出された裏返しのルックは、ハンドクラフトに紡がれた時間をも可視化している。アンリアレイジのDNAの基盤となっているのは、対極の世界を探求することで、離れた二つの世界をつなぐことが意識された。

=(23-24年秋冬)
「環世界」の概念を起点としたコレクションでテーマはイコール。可視光線で世界を見る人間に対し、人間の眼が捉えられない紫外線で世界をみている生物もいる。一見同じにみえる真っ白な洋服は、紫外線を浴びることで、カラフルな洋服に変身するギミックが加えられている。

アンリアレイジ20周年記念展覧会
ANREALAGE 20TH EXHIBITION “A=Z”

会場:  スパイラルガーデン
     東京都港区南青山5-6-23スパイラル1F

期間:  2023年6月16日(金)~7月2日(日) 11:00~20:00
入場:  無料
主催:  株式会社アンリアレイジ
企画制作:株式会社金子繁孝事務所
     カナカワニシアートオフィス合同会社
展示協力:ライゾマティクス
会場協力:株式会社ワコールアートセンター
協賛:  日本電信電話株式会社
     シキボウ株式会社
     バリュエンスホールディングス株式会社
     株式会社グランマーブル
     ヒビノ株式会社

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