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――7月21日発売の「みどりのケセラセラ」は、今年に入って2枚目のシングルですね。前作から4ヶ月という短い期間でのリリースですが、どんな曲なのでしょうか?
「"底抜けに明るい曲"です(笑)。前作の「明日へのメロディ」が、わりとメッセージ性の強い歌だったので、今度は歌うほうも聴いてくださるほうも、みんな笑顔になれるような曲があってもいいのかなと思いました。新曲を出すことが決まったときに、"最初から最後まで、底抜けに明るい曲を作ってください"と私がお願いして、こういう曲を作っていただいたんですよ」
――MVもとっても楽しそうですね。レコーディングでも楽しく歌えましたか?
「MVは、新横浜のラーメン博物館で撮りました。館内の昭和の町並みに合わせて、ダンサーさん達も当時のファッションで、すごくかわいいなと思いました。営業が終わってからだったので、深夜から早朝にかけての撮影でしたね。レコーディングも楽しかったです。岡千秋先生からは"力を入れて、"よし歌うぞ"っていうかんじよりは、隣にいる誰かに語りかけるような感じでね。<そやね そやな>とか、肩の力を抜いて、自分自身も楽しんで歌ってね"って言われました。」
――"ケセラセラ"は、"なるようになる"という意味ですね。みどりさんご自身もこの歌のように、どんなときでも"なるようになる"と思えるタイプなのでしょうか。歌詞の中で、共感する部分はありましたか?
「はい、あまり深くは悩んだりしないタイプかもしれないです(笑)。歌詞の<くよくよしたってしゃあないね>とか、すごく共感しますね。終わってしまったことを反省するのは、もちろん大切なんですけど、"無駄に悩む必要はないなあ"って、常に思っているんです。でも過ぎてしまえばそう思えることも、辛い思いをしている最中は、なかなかそうも思えないんですけどね。だから私は仕事とかで大変なことや嫌なことがあったら、"このことはきっと、あとから笑い話になるはずだよね"って思うようにしています」
――<丸い心も 拗ねれば四角>と歌詞にあるように、嫌なことがあってもいじけたり拗ねたりせず、乗り越えて行けたらいいですね。悲しいことがあった時などは、どう乗り越えていますか?
「そうですね。前向きに...常に前向きであることを大事にしていますね。私が楽しんでいる姿を見ていただいて、元気を受け取っていただけたら...。それがファンのみなさんに対して、一番思っていることなんです。どうせ泣くんだったら、嬉し涙を流したい。だから悲しいときは、思いっきり"悲しい"って言いますね。溜め込まない性格なので、一人でずっと悩むよりは、こんなことがあって辛かったっていうようなことを、スタッフとか友達に聞いてもらう。その瞬間はわっと泣いて、もう次は切り替えます。そのほうが後に引きずらないので、そうやって言える環境を作ってもらえてるっていうのは、ありがたいことだなと思っています」
――どんなときでも、周りのみなさんがしっかりと受け止めてくれるのですね。YouTubeの「全力チャレンジ企画」を見ても、スタッフのみなさんとの良いチームワークが感じられました。ところでその「全力チャレンジ企画」のネタですが、ドミノ、巨大迷路、登山、ハンドベル、蕎麦打ち...次は何をやろうというのは、誰が考えているんですか?
「私が全部考えています。山を登ろうとか、迷路やろうとか。自分で考えて、嫌がるスタッフを無理やり誘ってやっています。演歌歌手だから、歌をうたって配信するんだろうなっていう期待を裏切って、全然関係ないことをやってみたいなと思って。それと普段からスタッフ達とすごく仲が良いので、その感じが画面から伝わったらいいなというのもありました。あとは出来るだけ、過酷なことをやろうって(笑)。いま考えているのは、船釣り。魚の種類を決めて、"それが釣れるまでは帰れません"という企画、もちろんノンフィクションなのでヤラセは一切ナシです。でも私、めちゃくちゃ船酔いするんですよね。自分で自分の首を絞めちゃってるかもしれませんね(笑)」
――チャレンジ大好きで、ネタには困らないかんじですね。この企画だけは失敗だったなとか、やめておけば良かったなと思ったことはないですか?
「あれもやりたい、これもやりたい...もう、いっぱいあり過ぎますね。あとは大変なことを乗り越えることによって、見てくれている人に何かを感じてもらえるんじゃないかと思って、そこをテーマにやっています。私は山登りなんて、いままで全然したことがなかったんですよ。あえて大変なことをやってみる。やめておけば良かったと思った企画は、ほとんど全部です(笑)。蕎麦打ち以外はぜんぶ大変でしたね。あと、ハンドベル。ハンドベルって、自分だけが出来てもチームで出来ないと完成しないので、ステージで一人で歌うことに慣れてる私にとっては、すごく良い修行になりました。人が出来なくても、イライラしたり怒ったりしちゃいけないんだなっていう(笑)。そういう心の修行でしたね」
――カップリングの「楡」はどんな曲ですか?
「これは、東京のある喫茶店で、実際に起こった出来事。実話を元に書かれた作品なんですよ。ほろ苦いコーヒーのように、味わい深い一曲だなって思うし、心にグッと来るので私は大好きです。作詞の久保田洋司先生が喫茶店に入ったら、実際に"楡"というコーヒーがメニューにあって、隣の席の人達が"あの人とは、もう会えなくなったね"とか、過去を振り返りながらいろいろな話をしているのが耳に入ってきたそうです。そこからストーリーを思い描いて書かれた作品なんですよ」
――「みどりのケセラセラ」とは全然曲調が違うんですけど、こちらはどんなかんじのレコーディングだったでしょうか?
「これまで私は、自分の曲はどんな高い音でも地声で歌うということにこだわってきました。でも今回は、切なさやはかなさを出すために、ファルセットを使って欲しいと言われたんです。なので、あえてキーを一つ上げて、ファルセットにチャレンジして歌いました。こんなふうに歌うと、こんなふうに聴こえるんだなとか、切なさやはかなさの表現にはこんな方法があるんだなって、いろいろ勉強になりました」
――これから歌でチャレンジしてみたいことは、他にもありますか?
「先日放送された「千鳥の鬼レンチャン」っていう番組で、ポップスを歌わせていただきました。あの番組は、本当にたくさん練習しましたし、緊張感が普段の10倍くらいあって。3回目のチャレンジで、100万円を獲得したらファンのみなさんと一緒にお祝いでパーっと使いますって言っていたので、ファンのみなさんの期待もかかっていて、さらに緊張しました。でも番組を見た中学生や高校生からTwetterなどで、"ポップスをもっと歌ってください"とか"こんな曲も歌ってください"っていうリクエストをいっぱいいただいたんです。普段、演歌を聴かない方々にも丘みどりの歌を聴いてもらう方法としては、流行り歌をうたったりするのも大事だなと思いましたね。」
――「千鳥の鬼レンチャン」は、ものすごいガッツでしたね。メンタルは、わりと体育会系なのでしょうか。コロナ禍による自粛が長引いて、今後どうなっちゃうんだろうと心配になったりしたときに、元気になる秘訣があれば教えてください。
「メンタルは体育会系ですね、そうだと思います。もちろん色んなことを考えて、もうステージに立つことはできないんじゃないかと、すごく不安になったこともありますよ。でも基本的に動くことが好きなので、ずっと動いています。それとストレスを溜めないことが一番大切かなと思うので、嫌なことがあったり納得いかないことがあったら、"その日のうちに全部言おう"って、いまのチームで決めているんです」
――それは大事なことですね。不満って、溜めるとどんどん大きくなっていくものです。周りの人達の理解と協力を得られることは良いことですね。
「そうなんですよ。私は何かあっても忘れてしまいがちなんですけど、マネージャーさんはわりと細かいほうなんです。あとになって"あのとき、ああ言ってた"みたいな話をされても、正直憶えていないこともある。そうならないように"その日のうちに言ってね"っていうのが始まったんです。メイクさんにも、"不満に思ってることとかあったら、その日のうちに言ってね"って。仕事が終わってから、みんなでご飯を食べながら...ケンカになることもあるんですけど、言いたいことは言い合っています。寝るときには"今日も楽しかったね"って、心置きなく寝られるようにしようって、みんなで決めているんです」
――これから、どんな歌手になっていきたいと思っていますか?
「いまは一曲の歌を、主人公を演じながら一生懸命に歌うことを心を込めてやっています。これからも歌いながら演じることを極めていきたいのと、あまり演歌を聴かない方や日本語がわからない世界中の方にも、"日本の演歌って、こんなにカッコいいんだよ"って魅せるステージが出来るようになりたいです。踊りの花柳糸之先生が、"ここの歌詞は、こういう気持ちを歌っているんだよ"とか、いつもわかりやすく教えてくださるので、先生の教えは100%受け入れています。あとは普段からめちゃくちゃドラマを見るのが大好きなので、ドラマで見た女の情念とかを思い出しながら、自分の中でストーリーを組み立てて歌っていますね」
――まだお若いし、いろいろな人生を全部体験できるわけじゃないですからね。ドラマを見たら感情移入しちゃうタイプですか?
「はい。入っちゃうタイプです。見たあとは、"あのドラマを見たでしょ"っていうのが、スタッフにはわかるみたいです。口調がそうなってるって(笑)。『大奥』のシリーズは、ほぼほぼ見ましたね。女の戦いのどろどろしたかんじがすごく怖かったけど、着物の所作も学べるし、時代背景なども含めて自分ではなかなか経験できない世界ですから。演歌は特に、"あなたが死んだら私も死にます"みたいな情念がすごくて、実生活では出来るだけ経験したくないですからね。良くある不倫のどろどろしたドラマを勉強のためにあえて見て、感情移入しすぎて落ち込んだりもします。自分には何も悩みがないのに、そのドラマのせいで一日中ずっと沈みがちだったり(笑)」
――まだまだコロナ禍による自粛期間が続きそうで、新曲をファンのみなさんの前で歌う機会がなかなかなさそうですね。今年の後半は、どんなふうに活動を展開していきたいですか?
「そうですね。いまはSNSがあるので、SNSを通して一生懸命宣伝していくしかないかなと思います。今年は12月13日にデビュー15周年記念リサイタルを開催するので、いまはそれに向けて準備してるかんじですね。リサイタルは毎回毎回チャレンジだらけで、新しいことを必ずやっています。歌いながら演じる世界をもっともっと深めて、来ていただいたみなさんに"うわぁ、感動した!"って言っていただけるステージを作ろうと、いまちょうど考えている最中です」
――最後に「みどりのケセラセラ」の聴きどころと、ファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
「聴きどころは、関西弁が入っているところですね。ここはすごくこだわって、一ヶ所でいいから関西弁をとお願いして入れてもらいました。カラオケで歌うコツも"そやね そやな"と、歌うというよりは語りかけるようなかんじで歌うのがポイントかな。この曲をステージで歌って、みなさんと盛り上がれる日を楽しみにしています。コンサートを再開できたとしても、まだまだ声援はいただけない状況は続くと思うので、今回は振り付けの動画をCDに付けました。みなさん、振り付けを覚えてくださいね。椅子に座ったままで出来るようになっているので、みなさんで踊ってもらいたいな。みんなで、笑顔で盛り上がれたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします」
(おわり)
取材・文/夏見幸恵
■丘みどりリサイタル 15周年+1 (サブタイトル未定)
12月13日(月)新宿区立新宿文化センター
- 丘みどり「みどりのケセラセラ」
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2021年7月21日(水)発売
プレミアム盤(CD+DVD)/KIZM-687~8/1,700円(税込)
KING RECORDS
- 丘みどり「みどりのケセラセラ」
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2021年7月21日(水)発売
通常盤(CD)/KICM-31032/1,400円(税込)
KING RECORDS