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──『Unseen World』の制作はいつ頃からスタートされていたんですか?
小鳩ミク「2020年の2月からでしたっぽね。そこからコロナ禍にずっと制作していた感じでしたっぽ」
──いつもの制作と違うところはありました?
小鳩ミク「大まかな流れは何も変わりなかったんですけどっぽ、いつもだと、たとえばツアーを廻りながら制作をすることが多かったんですっぽね。今回も何かをやりながらではあったんですけど、時間を持って一曲一曲に取り組めましたし、デモの段階から細かいところまで詰められたっていうのは、いつもと違うところかもしれませんっぽ」
KANAMI「コロナのこともあって、自分の思考がネガティブになることも結構多かったんですけど、そのネガティブさを作品として残せたらいいなとか、みんなが元気になるような曲にできたらいいなとか、そういうのも考えつつできたので、感情的なものをぶつけることができたと思います。あと、今回は時間もあったので、各メンバーと“どういう曲がほしい?”とか、“こういう感じはどう?”みたいな、ちょっとしたやり取りもできたんですよ。だから、メンバーの好きなものをより入れられたらなというのもありました」
──やり取りの中でどんな話が出てきました?
KANAMI「たとえば、前にAKANEが“転調の曲がほしい”って言ってたんですよ。だから、サプライズ的な感じで作って、ドヤ!ってやったんですけど、自分が言ってたのをすっかり忘れてたみたいで(笑)」
AKANE「ははははは。私、アニメが好きで、アニソンを聴いてテンションを上げたりするんですけど、それもあって転調とか展開の多い曲が好きなんですよ。だから、“どういう曲がほしい?”とか、“どういう曲が好き?”って言われると、転調する曲って言いがちです(笑)」
KANAMI「あとは、小鳩のソロ曲の「サヨナキドリ」は、こういう曲がいいっていう話を聞いて」
小鳩ミク「こういう雰囲気がいいっていう参考曲みたいなものを何曲か送ったりしたっぽ」
SAIKI「“サビはじまりがいい”とかも言ってたよね?」
小鳩ミク「言ったっぽね。そういったものをうまい具合に混ぜて作ってくれたっぽ」
KANAMI「SAIKIからは“ギャップが感じられる曲”とか“カオスな曲”とか、あとは「ALONE」や「Choose me」みたいな、自分達の定番曲なものもほしいっていう話があって、それを作ってみたりとか。あと、MISAは最近打ち込みを頑張ってくれていて、レコーディング環境も整えてくれていたから、お互いにリフをいっぱい出し合って、それをアレンジしたり、MISAにこれ進めてみてくれる?ってお願いしたりとか。だから、単純に楽しかったですね(笑)。みんなといろんなやり取りができたので」
──SAIKIさんもいろいろとオーダーされていたそうですけど。
SAIKI「“カオスな曲”っていうのが「BLACK HOLE」ですね。あと、BAND-MAIDには世界征服という目標があったり、メイド服とかっこいい曲のギャップをテーマにしていたりするので、それが1曲でわかるものがほしいなと思ってお願いしたのが「Warning!」です」
──「Warning!」は、今抱えているモヤモヤを全部吐き出してしまえ!という力強さがありますね。
小鳩ミク「この曲は勢いとか疾走感を大事にしてるなと思ったので、歌詞も勢いのつく感じにしたいなと思って書いたっぽ」
──出だしの<緊急事態>というワードを聞くと、どうしても今の世の中と結びつけてしまうところもあるんですが。
小鳩ミク「そこはあまり意識してなかったですっぽね。元々BAND-MAIDは危機を打開していくイメージで歌詞を書くことが多かったし、歌詞を書く際には何か特定できるものにするのではなく、聴いた人がそれぞれの状況に置き換えて感じてもらえたらいいなと思っていて。なので、最近の世の中にちょっと寄り添う感じで聴いていただけたら、それはそれでいいなと思いますっぽ」
──作曲に関するやり取りの中で、MISAさんは打ち込みについてのお話がありましたけど。
MISA「「CHEMICAL REACTION」はドラムを打ち込んで、ベースを入れて、こういうのどう?みたいな感じでKANAMIに投げたりしてました。あと、「I still seek revenge.」は、みんなでコーラスをどうするか話し合って決めたりもしましたね」
KANAMI「私がコーラスまで手が回らないときがあって(笑)。メンバーによろしく!って投げて、MISAとSAIKIと小鳩でコーラスを考えてもらって」
小鳩ミク「そこまでやったのは初めてだったっぽね」
KANAMI「そういう新しい試みもしてますね。あと「NO GOD」はギターソロもMISAが考えてくれたんですよ。MISAが打ち込んでくれた構成をそのまま使いつつ、ちょっとだけアレンジさせてもらったりとか」
MISA「そういうところからさらに幅広さが出た感じはありますね」
──幅も広がりつつ、いつも以上にバンドが一体になって作れたところもあったと。
SAIKI「みんなでイチから話して形にできたのは大きかったですね。そのぶん、カロリー高めになっちゃったなって思うんですけど(笑)」
小鳩ミク「詰め込みが多かったっぽね(笑)」
──今作は全3タイプで発売されますが、完全生産限定盤は「原点回帰盤」と「現点進化盤」の2枚組に分けられています。これはどういう経緯で?
小鳩ミク「初期の頃って、作家さんに書いていただいた曲もあったので、今の自分達がその頃の自分達を感じられるものを作ってみたらどうなるっぽね?って話していて。それと同時に、最近のBAND-MAIDというか、展開が多くて転調するような曲を作っていたら幅が広がりすぎてしまって、1枚にまとめるのがちょっと大変っぽねということになって。それなら、初期の頃を感じられるものと、今とこれからのBAND-MAIDを分けて、2枚にしたら収まりがいいんじゃないかっていう話になって、途中からその方式でアルバムを作ろうっていうことになりましたっぽ」
──テーマ先行ではなく、あくまでも自分達が欲しいと思う曲を作っていく中で、後から見せ方を考えたと?
小鳩ミク「そうですっぽ。このテーマでやるのであれば、こういう雰囲気の曲も欲しいねって、後から足したものもありましたっぽね」
──聴いていておもしろかったのが、「原点回帰盤」と「現点進化盤」をそれぞれ聴くと、各盤で何を提示したいのかがはっきりわかるんですよ。その後に、初回生産限定盤や通常盤のような「原点回帰盤」と「現点進化盤」の収録曲が混ざっている曲順で聴くと、これってどっちの盤に入ってたんだったっけ?って。
小鳩ミク「ちょっとわからなくなりますっぽね(笑)」
──そうなんです。でも、これって、原点回帰と言っても、ただ過去の焼き増しをしているわけでもなく、現点進化と言っても、過去と軸が変わっているわけじゃないことの証明でもあるなって。それを分かりやすく伝えているこの見せ方ってめちゃくちゃおもしろいし、コンセプトとして素晴らしいなと思いました。
SAIKI「言っても“進化した私達がやっている”というのが基軸にあるので、原点回帰といっても、その頃より進化はしているし、勝手に進化しちゃうというか(笑)。前作の『CONQUEROR』もそうでしたけど、私達としては、あくまでもお給仕をしていく中で、こういう曲がほしいという話をして制作に取り組んでいるだけなので、“ご主人様お嬢様がこう思ってくれたら嬉しい”みたいな感じではあるんですよ。原点回帰盤の曲は、その当時から好きな方が改めてもう一度好きになってもらえるかなっていうのと、最近好きになってくれた方は、私達にはこういう面もあるけど、それだけじゃないからこれからを見てて!みたいな。みんなを“まだ見ぬ世界に”に連れていきたいから、この全部が私達だし、私達はこの全部をやりたいの!っていう(笑)」
小鳩ミク「どうしてもね、『CONQUEROR』を出したときに、ちょっと勢いが減ったんじゃないか?という話もあって(笑)」
SAIKI「方向性を変えたんじゃないかとか(笑)」
小鳩ミク「いやいやいや、違うっぽ!前のも今のも全部欲張っていきたいんだっぽ!っていうのを伝えたいのもあって、こういう形にしたら、自分たちの意思表示にもなるんじゃないかと思っての2枚組ですっぽ」
──そのメッセージがバシバシ伝わってくる作品ですが、「原点回帰盤」と「現点進化盤」には、「Manners」という曲が共通して収録されています。
小鳩ミク「この曲を最後に作ったんですけどっぽ、2枚に分けたときに、それぞれの架け橋になる曲を作ったらまとまるっぽねというところからできた曲ですっぽ」
KANAMI「オケに関しては原点回帰のイメージで、サウンドも重たくてローが多めなんだけど、上に乗っているシンセとかサンプリングや、ボーカルのメロディとかは現点進化で、新しいBAND-MAIDが見えるものにしていこうと思ってましたね」
──MISAさんは「Manners」に対してどう取り組まれました?
MISA「この曲のベースラインは、他の曲と比べるといちばんすっと出てきました。難しく作ったりせずに、本当に自分の好きな感じで作っていて。結果的に洋楽っぽい感じベースラインになったなと思ったんですけど、メロディも洋楽っぽいし、今回の中でいちばん洋楽っぽい曲かなと思います」
──確かに、海外の方が好きそうな曲だなと思いながら聴いてました。
SAIKI「好きだと思いますね。メロディとかはかなり意識してくれてたし」
KANAMI「うん。ちょっと狙っていたところもありますね」
AKANE「私はMISAと違って、この曲でいちばん苦戦しました(笑)。自分が得意なのは、どちらかというと速くて勢いがあるものなんですけど、バスドラのフレーズが意外と細かいので、跳ねやすいんですよ。でも、ズシっとしたこのノリを出すために研究しないと、自分の癖が出ちゃうなと思って、いちばん時間をかけた曲ですね」
──歌詞には<Unseen World>というアルバムタイトルも出てきますね。
小鳩ミク「歌詞のテーマは“BAND-MAID”で、私たちのことについて書いているので、大切な一曲にできたらいいなと思ってますっぽ」
SAIKI「海外のフェスでやりたいよね?」
小鳩ミク「やりたいっぽ!」
──完全に屋外のイメージですよね。ものすごく広くて天井がない場所でやっている絵が見えます。
小鳩ミク「そうですっぽね。空が見えてたいですっぽ(笑)」
──あと、2サビ終わりのSAIKIさんのシャウトがかっこいいなって。
SAIKI「あれは小鳩です(笑)」
──えっ!?
小鳩ミク「ははははは!シャウトとかそういう系のフェイクは私ですっぽ」
──失礼しました!
小鳩ミク「全然大丈夫ですっぽ(笑)。少し前からシャウトとかそういう系のコーラスがちょいちょい入ってきたので、ずっと練習してたんですっぽ。この曲以外でもやっているんですけど、でも、それはちょっと嬉しいですっぽね。小鳩らしさというよりは、SAIKIに近い感じ、かっこよさを出したいなと思ってやっていたので、SAIKIかな?って思ってもらえるぐらいかっこよくできたんだなって(笑)。嬉しい誤算ですっぽ」
──これまでの作品もそうですけど、BAND-MAIDの楽曲は全パートとにかく見せ場がすごく多いので、たとえば、お給仕のときに「私のここ見とけ!」的な部分をおひとりずつ教えていただきたいです。
AKANE「「NO GOD」ド頭ですね。お給仕でスポットライトを浴びている姿を想像しながらフレーズを考えていたところもあるので」
──まさに見せ場ですよね。どの曲もドラムが忙しいというか、特に「現点進化盤」のほうはひたすらしんどそうだなと思いました。
AKANE「「BLACK HOLE」とかはそうですねえ(笑)。でも、ご主人様お嬢様も期待してくれているんじゃないかなと思って頑張りました」
MISA「私もAKANEと同じく「NO GOD」のベースソロですね。あとは「本懐」のベースソロも」
──「NO GOD」は楽器隊大爆発っていう感じですからね。それぞれパターンの違うソロですけど、いつも考えるときはするっと出てきます?
MISA「結構考えますね。入りとかはすっと出てきたものから始めていくんですけど、あいだのところとか最後とか、ここで盛り上がりがほしいなっていうところは結構しっかり考えました。あとは忘れづらいフレーズ、聴いた人が覚えちゃうような歌いやすいフレーズはやっぱり意識してましたね」
──KANAMIさんの場合はいかがでしょう。ギターソロは見せ場のひとつですけど、特にチャレンジングなものというと。
KANAMI「「H-G-K」ですね。いつもデモを作るときはテンポを落として、そこから戻すんですけど、「H-G-K」は半分ぐらい落として弾いていたんです。それを戻したときに、かっこいいなと思ったんですけど、これは練習しないと難しいなと思って。まあでも、1ヶ月くらいあれば大丈夫だろうと思っていたら、弾けるようになるまで2~3ヶ月ぐらいかかりました(笑)」
──イントロから全力疾走みたいな感じで弾き倒してますし。
KANAMI「そうですね。速いしずっと弾いているし。今でも練習しないと弾けなくなっていっちゃうんですけど、最近弾いてないから練習しないとマズいなって、今話していて思い出しました(笑)」
──頑張ってください(笑)!ちなみに「H-G-K」ってどういう意味なんですか?
小鳩ミク「爆弾の名前なんですっぽ。あまり穏やかではないタイトルですっぽね(笑)」
──でも、歌詞に「生命が爆ぜる」とありますし。
小鳩ミク「そうですっぽ。曲に爆発させるとか、発散させるイメージがあったし、ちょっと印象的なタイトルにしたいなと思ったので。キャッチーだし、ぴったりだなと思ってつけましたっぽ」
──そんな小鳩さんにとって本作の見せ場というと?
小鳩ミク「やっぱり「サヨナキドリ」ですっぽね。これまでソロでやっていた曲の中でも桁違いに難しいですっぽ。特に最後にかけて転調していくところ。最初にKANAMIからもらったデモは、もっとシンプルに終わる感じだったんですっぽね。でも、もうちょっと盛り上げて終わりたいっていう話をして今の感じになったんですけど、この高さは出るか出ないかギリギリのところで、歌えはしないっぽ……みたいな感じだったんですっぽ。でも、レコーディングまでに練習して出るように頑張るっぽ!って、今回いちばん挑戦した曲ですっぽね」
──大ラスだからバシっと決めないといけないですし。
小鳩ミク「そうなんですっぽ。あと、シャウトとかも聴いてほしいですっぽね。たとえば「Why Why Why」の咳払いから入るところも、小鳩が録らせてもらたので……あそこはお給仕でもやるっぽね?」
SAIKI「あれはやるでしょ?」
小鳩ミク「なので、咳払いの練習からしようと思いますっぽ」
──確かにあそこは大事ですからね(笑)。SAIKIさんの見せ場や挑戦したポイントというと?
SAIKI「私は「Warning!」と「H-G-K」かな。メロディもすごく好きだし、歌いやすかったので、余裕だと思います」
AKANE「かっけー!」
小鳩ミク「その2曲はレコーディングもめちゃくちゃ速かったっぽね」
SAIKI「あとは「本懐」も早かったかな」
──総じてどの曲も歌うのがまた難しそうな……。
SAIKI「「原点回帰盤」のほうはわりかし速めでしたね。ただ、「NOGOD」が難しかった……私、跳ねるのが苦手なんですよ。AKANEと逆で、置く感じで歌うんで。だから、AKANEに“跳ねのリズムの取り方がわからないんですけど……”って聞いて、クリックを流しながら“ここ!ここ!ここ!”って教えてもらって」
AKANE「跳ねのリズムだと16分の裏とかが来るから難しいよね」
SAIKI「あと、“なぜドラムはこうなっているんですか?”とか“今、どのように叩かれました?”とか、いろいろ聞いて。リズムトレーニングはめっちゃお願いしてたね?」
AKANE「重要だからね」
──そして、2月11日に日本武道館での単独お給仕も決まっていますが、これが久々の有観客ですね。
小鳩ミク「そうですっぽね。1年振りになりますっぽ」
──ご主人様お嬢様と久々に対面する場所が日本武道館って、なんかもう喜びでテンションがおかしくなりそうな(笑)。
SAIKI「正常でいられるのかは謎です(笑)」
小鳩ミク「溜まりにたまったものが発散されるので、ペース配分を間違えないように気をつけないといけないっぽね」
SAIKI「あとはこっちからの一方通行にならないようにしないと」
──溜まっているのはご主人様お嬢様も同じですからね。
小鳩ミク「ただ、感染症対策でご主人様もお嬢様も声を出せなかったりするから、ちょっと不安もあるっぽね」
SAIKI「なんか、こっちばっかり声出してごめんな……って?」
小鳩ミク「今まで“声出せー!”って煽っていたりしてたけど、それができないので、そこの見せ方をどうするか話し合ってますっぽ。やっぱりご主人様お嬢様にも満足していただけるような、いい武道館にしたいので」
AKANE「あとは無事に開催できるようにね?」
SAIKI「そうだね。無事に開催して、何事もなく終えられるように。これまでとスタイルは変われど、楽しませてやるよ!っていう気持ちでいます」
(おわり)
取材・文/山口哲生
■BAND-MAID ONLINE OKYU-JI(Feb. 11, 2021)
2021年2月11日(木)@zaiko、Streaming+、LINE LIVE STREAMING
(BAND-MAIDオフィシャルサイト)
[section heading="EXTRA ISSUE――「BAND-MAID ONLINE OKYU-JI(Dec. 13, 2020)」オフィシャルライブレポート"]
12月13日、BAND-MAIDが初となるフルセットオンラインお給仕を行った。
2020年は予定されていたZEPPツアーや米国ツアーなどがコロナ禍により中止となり、2回のONLINE OKYU-JIを開催してきたBAND-MAID。過去2公演とも、全世界での視聴国数が50か国以上となり、全世界的に期待値の高まる中、満を持してのフル尺で開催された本公演は、たっぷり2時間のお給仕となった。
色とりどりの照明が交錯するなか、颯爽とステージに現れたBAND-MAID。KANAMI(Gt.)のギターから始まる「Dilemma」でこの日のライブは幕を開けた。「さあみんな、楽しんで行こうかー!画面の前で、声出せー!」というSAIKI(Vo.)の第一声のあとは、続けて「Don’t you tell ME」へ。怒涛のロックナンバーで、画面の前のオーディエンスを煽り続ける。
冒頭から攻め続けたセットリストの中、一変してステージは暗転。儚げなイントロが印象的な「start over」の演奏が始まると、曲に合わせて、ロマンティックな映像が背後に映し出される。BAND-MAIDからの少し早めのクリスマス・プレゼントだ。「Daydreaming」ではSAIKIが力強くしっとりと歌い始めると、小鳩ミク(Gt.&Vo.)の歌も優しく絡み、ツインボーカルで伸びやかに歌い上げる。SAIKIと小鳩ミクが互いの個性と歌声を引き立て合う、ボーカルの幅広さもBAND-MAIDの魅力のひとつだ。
続くインスト楽曲「Don’t be long」では、縦横無尽なMISA(Ba.)のベース、AKANE(Dr.)のタイトなドラムに、KANAMIのメロディアスなソロ・ギターで骨太な演奏を見せつける。圧巻の演奏後は、お給仕恒例、小鳩ミクによる“おまじないタイム”で画面の前のオーディエンスとコール&レスポンスを繰り広げたり、海外のオーディエンスへ向け英語で呼びかけたりと、ファンとの交流もかかさない。激しい演奏と親しみやすいキャラクターのギャップもまた、ファンの心を掴んで離さないのだろう。
本公演では12月2日に発売されたばかりのシングル「Different」を初披露することは事前に発表済みであったが、この日、2021年1月20日発売のニューアルバム『Unseen World』からも新曲「After Life」を急遽初披露。立て続けに繰り出される新曲と迫力の演奏に、生配信を観ているファンからのコメントも最高潮に。2020年はコロナ禍により思うように活動ができなかった鬱憤を晴らすかのような怒涛のライブで、世界中から愛されるBAND-MAIDの魅力がふんだんにつまった2時間だった。
(おわり)
- BAND-MAID『Unseen World』
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2021年1月20日(水)発売
完全生産限定盤(CD+Blu-ray)/PCCA-04991/7,700円(税込)
初回生産限定盤(CD+DVD)/PCCA-04992/4,400円(税込)
通常盤(CD)/PCCA-04993/3,300円(税込)
ポニーキャニオン