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──通算7枚目のアルバム『thanks to』が、アナログ盤とデジタル配信という形でリリースされました。新曲5曲に加え、セルフカバー曲も収録されていますが、アルバムの幕を開けるのは、売野雅勇さんが作詞を手がけた「崇高な果実」です。

「売野さんとは2作前からごいっしょしているんですけど、とっても共鳴するんですよね、自分の音楽と売野さんの言葉が。いろんなことを話していても、売野さんは僕と近いことを感じているから、言葉を託せるんです。例えば、今の時期ならコロナ禍について思うことを話していても、奇しくも同じ気持ちでした。その中で、売野さんが今思うことを書いて欲しいとお願いしました。売野さんが書いた歌詞なら、ラブソングでもメッセージソングでも、僕は何でも歌いますからって。そしたら、書いてきてくれたのが渾身の戦争歌(笑)。でも、この歌詞は僕だったら書けない。ただ、売野さんも僕と話さなかったら書いていないはずで。レコーディングでは、頭のチャクラを全部開いて、興奮しながら歌いましたけどね。意味がしっかりある歌詞なので、逆に意味をあんまり考えず、無心で歌ったところもあります。結果的に、自分にとってもすごく響く歌になったと思います」

──5曲の新曲に関しては、どのタイミングで生まれていったんでしょうか?

「最初に降りてきたのは、アナログ盤だとB面の1曲目になる「BACKSTAY」です。2020年の7月ですね。そこから、ほかの新曲たちが続けて生まれてきました。「BACKSTAY」という言葉自体は、4月ぐらいから気になっていたんですけど」

──気になり始めたきっかけは?

「街でその単語を見かけて、どういう意味だろうと思って調べたら"背もたれ"という意味でした。その意味を知って、いい言葉だなって思ったんです。それから、BACKSTAYという言葉が自分の中にずっとあって、7月に曲が生まれました。コロナ禍の中で、人と人との背もたれ合い、肩よせ合いに飢えてきて、だったらそれを音楽の中だけでも実現させたいなと思って作った曲ですね。コロナ禍になって、初めて僕の中から出てきた言葉とメロディーです。人と人との背もたれ合いを表現するなら、2人で録ろうかなと思って、僕とドラマーの2人だけでレコーディングしました。今回のアルバムのリード曲は「崇高な果実」ですけど、コンセプトの真ん中にあるものを表すのは、曲順的にもちょうど真ん中にある「BACKSTAY」ですね。僕は、がんばろうっていうメッセージはあんまり歌わないんですけど、今頑張らないでいつ頑張るんだっていう思いもあるし、みなさんも頑張ったり踏ん張ったりされる中で、この曲を始めとする今回のアルバムが、癒しや救いになればなと思っています。自分の音楽が、みなさんの"背もたれ"になれたら、僕は本当にありがたいので」

──コロナ禍がなかったら、生まれなかった曲でもある?

「そうですね。密になれない。肩を寄せ合えない。背中をもたれ合うこともできない。でも、音楽の中だけでもって。だから、「BACKSTAY」はこのアルバムの核になっている曲です」

──『thanks to』には既発曲の新録バージョンやライブバージョンも収録されていますが、このアイデアはどういう流れで生まれてきたんでしょう?

「当初は、ミニアルバム的な作品になるだろうなと思っていたんですけど、制作途中でアナログレコードで聴きたい曲、アレンジ、音という基準で、過去の曲をチョイスしていきました。きっかけは、「Magic Waltz」のアカペラバージョンを録音したことですね。最初は、ラジオ番組でオンエアするために簡易的なマイクで「Magic Waltz」のセルフカバーをし始めたんですけど、やっぱり誰かに届ける歌って気合いが入っちゃうから、最終的には3日間もスタジオに入って、すごく丁寧に録音したんです。そしたら、山下達郎さんの『ON THE STREET CORNER』のさかいゆう版みたいになって(笑)。でも、ラジオで1回か2回しか流してないから、世の中の人はほとんど知らなくて、それは曲がかわいそうだなと思ったんですよ。実際、僕ももっと聴きたかったし、しかもアナログレコードで聴きたかったので、じゃあ今回の作品に入れようって」

──そこから、ほかの既発曲の新録やライブバージョンの収録も決まっていったんですね。

「冬だし、冬を歌った「井の頭公園」もいいかなとか、そんな感じですね」

──『thanks to』というアルバムタイトルには、どんな思いをこめたんでしょうか?

「そのまま、"おかげさまで"っていう意味で、こんな状況の中でも音楽ができているのは、あなたのおかげですっていう。もう1つは、ちょっと皮肉なんですけど、コロナ禍のおかげという意味でもあります。今回のアルバムは、コロナ禍がなければ生まれない作品でしたから。寝る前、無音だと寂しいなっていうときとかに、小さな音で流して欲しいなって思います」

──レコードプレイヤーを持っていないリスナーが、今回のリリースをきっかけにプレイヤーを購入したらうれしいですね。

「そうなったら、最高ですね。アナログの音とデジタルって、生の野菜と野菜ジュースぐらい違いますから。別に、野菜で例えなくてもいいんだけど(笑)」

──今回のアルバムがまた、転機になりそうな気もします。

「なるのかもしれないですね。本当に大事なことってなんだろうって考えた1年でしたし、いろんなことに気づいて、今は自分が味わいたい全部を味わって、大事に生きようって思っていますね。いろいろ言いたいこともありますけど、今は支え合って、助け合わないと」

──アルバムのリリース直後には、ライブも開催されます。

「できる限りの対策をして、やれることは全部やっているので、こういった状況ではありますけど、"やっぱりライブが見たい!"という方はぜひ。同じ空間にいっしょにいないと本当の意味での共鳴はできないし、それはライブでしかできないことなので、来ていただいた方にはその共鳴を体感してもらいたい。僕も、自分のすべてを出して、共鳴したいですね。今回のライブが、これからに向けた最初の一歩、何かの道筋になればと思っています」

(おわり)

取材・文/大久保和則





■2021年1月11日(月)~1月17日(日)の『C-43 MUSIC&TALK WAGON ~音バナ~「Music ⇔ Culture」』は、さかいゆう!(music.usen.com)



■さかいゆう Public Hall Solo Concert 2021 "thanks to"
2021年1月9日(土)大阪市中央公会堂 大集会室
2021年1月17日(日)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

さかいゆう

※ライブ、イベントの内容は開催当日までに変更される場合があります。必ずアーティスト、レーベル、主催者、会場等のウェブサイトで最新情報をご確認ください





さかいゆう
さかいゆう『thanks to』
2021年1月6日(水)発売
アナログ/POJD-23001/3,960円(税込)
newborder recordings/Office Augusta Co.,LTD/Caroline International
さかいゆう
さかいゆう「崇高な果実」
2020年12月23日(水)配信
newborder recordings/Office Augusta Co.,LTD/Caroline International




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