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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN
ジュエリー及びアクセサリーを中心に取り扱うアッシュ・ペー・フランス ビジュー 丸の内店は、東京駅向かいにある丸ビルの1Fに店舗を構えている。
国内外の金融系企業をはじめとするビジネスパーソンを中心に、学生や家族連れなどの買い物客など、さまざまな人が終日忙しく行き交う師走。期せずして出会ったピンク色のロウソクで出来た幻想的なクリスマスツリーに、人々は目を引かれていた。
「2020年は色々な事がありましたから、"YES 2021希望を持って来年を迎えましょう"というのが大きなメッセージなんです」と、アッシュペー フランス広報部長の江間亮子さん。
通常、約1ヶ月半ごとに国内外のクリエイターによるインスタレーションでビジュアルが入れ替わる、ギャラリー的スペースとして活用されているというショーウインドー。
クリスマスシーズンは、例年ジュエリーのクリエイターなどに依頼をしていたが「海外とのやり取りが難しいタイミングもありまして、イレギュラーですが、今シーズンは原点回帰の思いも込めて弊社のクリエイターチームが担当しました」という。
コンセプトは「森の中で偶然幻想的なクリスマスツリーと出会う」。
「この社会状況の中で"ロウソクの光のゆらぎが一番温かく心に届くのでは?"というところから、キラキラしたツリーではなく、ゆらぎを感じる灯火で表現しています」。
また、普段はギャラリー機能と店舗機能を分けているのだが「今回はあえて店内のVMDコンセプトである"森"と連動させたテーマにしました」という事で、ショーウインドーから店舗内部まで一貫し幻想的な森の雰囲気が溢れる表現となった。
「一般的にVMDと言われるカテゴリーの枠を超えて、弊社ではひとつの表現と捉えてやっています。それをアッシュペーフランス制作室責任者の井上知佐子を中心とする社内クリエーター集団が、店舗やポップアップイベントなどコンセプトに合わせてデザインから施工、すべてこの制作室で進行しているんです」と、VMDの方針について話す。
「什器も含めて基本的にオリジナルで作っていて、デザインの頭脳の部分をそのチームが担ってます。そういった意味では、VMDチームの立ち位置が他社さんとは違うかもしれません」。ちなみに、音楽的な部分においてチームは特に関わっておらず、店舗に任されている状況だという。
「弊社の社風といいますか、視覚的なところに重きを置いている事もあると思います。感覚的には右脳の集団なのかもしれませんね(笑)」。
2021年春夏の方向性について聞くと「この店舗のウインドーはギャラリー的なスペースですので、"春夏シーズンだから"という販促には寄らず、様々なアーティスト・クリエーターたちの表現する世界を、日常的な感覚でお楽しみ頂きたいです。また、一般的なVMDの領域を超えたところでクリエイティブチームと連携することで"自分たちも作る、そして発信する"という部分を会社の強みとして、さらに活かしていきたいですね」と江間さん。
「ただ"人がどう生きるか?"という、ライフスタイル全体を感じられる方向性では考えています。また、来年度に向けてアッシュ・ペー・フランス ビジュー事業部では"YES 2021"というメッセージを掲げています。現状を肯定するという意味なのですが、音楽もファッションも関わる私たちにとってはなくてはならないものですし、"ファッションがもたらす喜びをどう発信するか?"という部分を、VMDのチームだけではなく、会社をあげて表現していきたいですね」と続けた。
2021年は、ビジュアル的にも、会社的にもポジティブな動きを見せてくれそうなアッシュ・ペー・フランスである。
ロウソクの光のようなゆらぎから何かを感じるのか、本取材中も通りがかりの多くの人がこのツリーを写真に収めている姿を目にした。
表現から伝わるワクワク感やドキドキ感。
不安な状況なだけに楽しさや幸せを感じる表現が必要になってくる。今後をポジティブに過ごすためのひとつのファクターになるのかもしれない。
住所:東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング1F
03-3240-5791
営業時間:11:00~21:00(月~土曜日)
11:00~20:00(日・祝日)
不定休(年末年始)
(おわり)
写真/遠藤純
取材/久保雅裕
取材・文/カネコヒデシ